「打倒!小1の壁クエスト」第19話。ようやく?フィナーレ。学童保育の世界は、誰かが動けば必ず変わる。

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性、学童保育のあらゆる問題の解決を訴えています。

 「打倒!小1の壁」クエストです。主人公は、子どもが学童保育所に新入所して、勢いで保護者会の会長になった勇者夫婦。学童保育に関わって遭遇したいろいろな壁=困難に、ひとつひとつ向き合ってきて、まもなく1年になろうとしています。

 ~打倒!小1の壁クエスト~第19話:ようやく?フィナーレ。学童保育の世界は、誰かが動けば必ず変わる。

(前回までのあらすじ)入所した学童保育で、こんどは職員を当事者にしようと考えた勇者夫婦でしたが、まさかの退職の選択。運営本部からきた役員には、小1の壁の解消に前向きな言葉が出て、急展開に戸惑う勇者夫婦でした。

 3月の役員会は、年度の振り返りと、来月に新しい仲間を迎えて開く保護者会総会の準備です。勇者夫婦は、1年間の振り返りと来年度のクラブとしての目標を考えたいと、役員会にベテラン職員の出席をお願いしました。いつもなら難色を示されてOKをもらうには時間がかかる、と思いきや、役員会出席の打診をしたところ「1時間なら時間外が認められそうなので、1時間なら大丈夫です」との返事。やっぱり、何かが変わりつつある?

「総会では、保護者会の規約を変えますから、年度途中の退所者への保護者会費返金や、退所後の役員と係の解消も、正式に決まります。その点、みなさん、よろしいですね?」
 勇者ママの呼びかけに、役員会メンバーから異論はありませんでした。

「来年度ですが、子どもたちへの育成支援において、どのような目標を考えていますか?」と、勇者パパはベテラン職員に尋ねました。
「それについては、今度着任する、新しい職員も踏まえて考えたいので、総会まで時間をいただきたいのですが」と、返答がありました。
「そうですね、確かに。もう、次に誰が配属されるか、決まったのですか?」
勇者パパの問いかけに、ベテラン職員は「新卒の新人が来る予定になっています。まだ会ったことがないので、どんな人かは分かりませんが」と応じました。

 しかし驚いたのはその次です。「本部から、4月に入所する新1年生の人数の連絡がきました。15人です」とベテラン職員。
「ええ、ちょっとちょっと。多くないですかそれ?うちらのときは8人でしたよ。だから待機があったんだろうけど、15人ということは、希望者を全員入れたってことですか?」
勇者パパの疑問に、ベテラン職員は「何があったかは末端の私には分かりません。ただ、待機は出さないようですよ。本部の方針で。だから、ロッカーや下駄箱が足りなくなりそうで、困っているんですよね正直」と、表情を曇らせました。

「やっぱり、何か、変わってきてますね」と勇者ママ。
「それと、もうすぐ正式発表ですが、春休みは4月1日からですが、午前7時半から、子どもの臨時受け入れを行うことになります。8時までの30分は非常勤1人で子どもを受け入れるので正式な開所ではありませんが、7時半になったら、子どもは施設内に入れます」

 なってこった!待機も、朝の開所の問題も、なんだか急に好転しているとは。何があったのだろうと、勇者夫婦だけでなく役員会メンバーもびっくりです。

「一体、何があったんですか?」と勇者ママ。
「4月から運営のトップが変わるんです。だからじゃないですか。次のトップは萩野という人で、それまで非常勤で役員をしていた人です。正直、人柄はあまりよく分かりません」とベテラン職員。

 勇者夫婦だけが状況を理解しました。「なるほどね、上が変われば、下も変わるという典型例だ」

 そこで急に、勇者パパが役員会に提案しました。「来年度ですが、引き続き、うちら夫婦で会長、続けたいんですけど、どうですかね?」
 役員会メンバーにしても、来年度の新役員選び、それも面倒な会長選びをしないで済むなら渡りに船です。役員会では異論が出ず、会長は次年度も続投、ということになりました。

 何はともあれ、まさか急に、小1の壁や、朝の開所時刻の壁が、消え去りつつあるなんて、この1年やってきたことも、うちらのおかげじゃないけれど、ムダにならなかったな、と、帰宅して2人、話したのでした。そして会長を続けることにしたのも、「なんかこの先、さらにいろいろと変わっていきそうで、それを見届けたい」と、思ったからでした。

 正直、子育てをしながら、いくらSNSを活用してオンラインも活用しての役員活動は、大変です。夫婦2人で分担していたからできたとも言えます。しかしそれ以上に、「どうせやるなら、思い切って、やりたいことをやってしまおう」と思った、そのポジティブな気持ちが、勇者夫婦2人の原動力でした。

 来年度もまた、いろいろと何かがありそうです。そして、新たにやってくる新人職員も楽しみです。「今度は、初めから、保護者会と親しい関係を築ければいいな」と期待する勇者夫婦でした。

 「打倒!小1の壁」のクエスト、これでフィナーレ。結論は、ありきたりですが、「個人の力でぶち壊せるほど、小1の壁や数々の旧弊は、甘くない。でも、誰かが動けば、呼応して、何かが変わる。人が人とつながっている学童保育の世界だから、誰かが動けば、何かが変わるのです。それが吉と出るか、凶と出るかは、やってみてから。何はともあれ、動いてみればいいのさ」ということです。しかしこの先も、勇者夫婦のクラブには、何か一波乱も二波乱もありそうです。次回はエピローグをお届けしましょう。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育に関連する多くの問題、小1の壁の問題解決や、保護者の負担感といった学童保育に立ちはだかる多くの問題の解決について、学童保育の運営に関して具体的な実践と経験を積んだ代表が、具体的な解決策を提示することが可能です。

 学童保育の運営についても、育成支援の質の向上に直結する研修、教育の機会を提供するとともに、個々の学童保育所運営者様へ、安全安心な子どもの居場所づくりとその運営手法において、学童保育組織運営について豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に講演や具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。

 子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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