こども家庭庁の令和9(2027)年度の予算概算要求が出ました。運営支援が気になる点はここです。

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブ(学童保育所)運営支援アドバイザーであり、放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。(ぜひグーグルのAIで「萩原和也 放課後児童クラブ」と検索してみてください!)
 こども家庭庁の令和9(2027)年度の予算概算要求について資料がこども家庭庁のHPで公表されています。運営支援が放課後児童クラブについて気になる点を書き出します。児童クラブ関係の予算は増えているように見えますが、児童クラブ「そのもの」への予算増=事業内容強化を目指しているのかどうか、実のところ全く分かりません。大丈夫なのでしょうか。

(※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)
(放課後児童クラブを舞台にした人間ドラマ小説「がくどう、 序」が、アマゾンで発売中です。(https://amzn.asia/d/3r2KIzc)「ただ、こどもが好き」だからと児童クラブに就職した新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描くハッピーサクセスストーリーです。お読みいただけたら、アマゾンの販売ページに星を付けていただけますでしょうか。そして感想をネットやSNSに投稿してください! 最終目標は映像化です。学童の世界をもっと世間に知らせたい、それだけが願いです。ぜひドラマ、映画、漫画にしてください!

<こども家庭庁なんか不要、というバカげたSNS投稿に騙されないで>
 まず最初に念を押したいのが、X(旧ツイッター)にしょっちゅう投稿される「こども家庭庁なんかムダ」「こども家庭庁の予算をなくして国民に配ればいい」という内容の投稿について、運営支援は断言します。「そういう投稿をするアカウントは無視しよう。反感をあおって自分の投稿のインプレッション数を増やして収益を出したいだけ。バカ野郎のカネ稼ぎを援助することはない」
 令和9年度概算要求の資料にも、こども家庭庁の予算案の内訳が円グラフで紹介されています。7.7兆円という予算案がどういう配分なのかを示すものです。多い順に書き出します。
「保育所や放課後児童クラブの運営費等 約2兆6,700億円」←これ不要でいいんですか? 保育所や学童の利用料が毎月十数万円になりますよ。
「児童手当 約2兆700億円」←これ不要でいいんですか? 児童手当を増やせという要望はいつもありますがね。こ家庁ごとこの予算をなくしたら児童手当、無くなりますよ。
「育児休業等給付 約1兆1,300億円」←これ不要でいいんですか? 無くしたら、こどもが0歳児のときから親は働かないと収入を手にできませんよ。でも保育所の運営費も無くせっていう人たちがいるんですよ。どうやって赤ちゃんがいる家庭は働くんですか?
「障害児の支援、虐待防止、ひとり親家庭の支援等 約1兆200億円」←これ不要でいいんですか? 過酷な状況にあるこどもたちを放置しろっていうことですか?
「大学の授業料減免等 約6,600億円」←これ不要でいいんですか? 家計が苦しい学生は大学に行けなくなりますよ。
「妊婦への10万円給付 約800億円」←これ不要でいいんですか? 10万円いらないんですか?

 こども家庭庁も、自身の存在を誤った根拠で否定する勢力に、強力な反撃をするべきですよ。お役所だから言われっぱなしでいいことは、ありません。バカにバカと言っていいんですよ。

 そもそも、こども家庭庁を無くしてそのカネを国民に配ればよい、という主張など、本当にそうすればより国民の子育て支援に役立つという合理的な論拠などゼロです。ゼロなのは合理的な理由がないから。ただ単に、多くの人の、普段から抱えているうっぷんをあおってはやしたて、自分の投稿が目立つようにして自分の収益を増やしたいがためだけの、悪質な投稿です。こども家庭庁は、広報担当に弁護士を起用して悪質なSNS投稿に1つ1つ合理的に反論していくべきです。残念ながら、どんなウソでも根拠のない誹謗中傷でも1万回、100万回と人々の目に触れ耳に入ってくるようになればそれが真実と化して信じられてしまうから。毅然とした態度を見せましょう。

<真水の予算はどれくらいを充てるの?>
 さて放課後児童クラブ関係の予算案です。これからは「令和9年度予算概算要求の概要(事業別の資料集)」を見ていきます。ページ数はこの資料のページです。

「放課後児童クラブ関係予算のポイント①」というページにあります。資料では255ページですかね。右上に「令和9年度概算要求額」として3,175億円の内数、と記されています。内数ですからどのくらいの額が児童クラブだけに投じられるのか今の段階では分からないということです。なお、運営費など重要な交付金を含む「子ども・子育て支援交付金」の令和9年度概算要求額は2,389億円の内数、となっています。内数ですが、概算要求の段階であって、おそらく事項要求もあるとすれば仕方ないので、年末に予算案が確定したら、児童クラブだけにいくら予算を割り当てたか、いわゆる真水分を明確にしてほしいです。もちろん予算が成立した後も。
 ちなみに過去はどうなっていたでしょう。こども家庭庁公表資料から抜粋します。
令和8年度概算要求
 令和8年度概算要求額 2,769億円の内数+事項要求(2,618億円の内数)
 <子ども・子育て支援交付金> 令和8年度概算要求額 2,061億円の内数+事項要求(2,013億円の内数
令和8年度予算案
 令和8年度予算案 2,755億円の内数(2,615億円の内数)
 <子ども・子育て支援交付金> 令和8年度予算案 2,163億円の内数(2,013億円の内数)

令和7年度概算要求
 令和7年度概算要求額 1,392億円+事項要求(1,398億円)
 <子ども・子育て支援交付金> 令和7年度概算要求額 1,209億円 (1,223億円)
令和7年度予算案
 令和7年度予算案 1,296億(1,398億円)
 <子ども・子育て支援交付金> 令和7年度予算案 1,174億円 (1,223億円)

 数字だけみると令和9年度概算要求は以前よりうんと増えていますが、実際にどうなったのか、予算案が決まってからこども家庭庁には分かりやすく明示していただきたいと希望します。

<相変わらずあるこの考え方は、もううんざり。やめてくれ>
 「放課後児童クラブ関係予算のポイント①」には令和9年度の概算要求にも相変わらず「運営費(基本分)の負担の考え方」の図が載っています。児童クラブの運営経費の負担の割合を示す考え方として、保護者が2分の1,国、都道府県、市町村がそれぞれ6分の1、というものです。これ、いい加減止めましょうよ。百害あって一利なしです。
「保護者負担増を懸念して全体の6分の1より多い額を負担している自治体があること。つまり子ども・子育て支援交付金による負担割合を超えて自治体の一般財源で児童クラブ運営に関する予算を拠出している自治体があること」
「上記とは逆に、この負担割合をなるべく守ろうとするがゆえに、児童クラブ運営主体が手にする予算が少なくなり、職員の確保に苦労したり、施設がぼろいままであったり、こどもの育成支援に十分満足な費用をつぎ込めないという、予算不足に苦しむ児童クラブ運営事業者があること」
「自治体が保護者に求める毎月の利用料、保護者負担金の増額改定において、そういう場面にだけこの国の考え方を自治体が持ち出してきて、『本来は保護者さんは半分を負担すると国は示しているのですがウチはそうしてきませんでした。今後は保護者にも応分の負担をお願いします』と単に利用料引き上げの根拠を示すときだけ都合よく利用されていること」

 児童クラブの充実が少子化対策、子育て支援に重要だと国と行政が考えるなら、この保護者負担の考え方は撤廃するべきです。子育てに関する経済的不安が若者の結婚を躊躇する理由となっていることからして、保護者の経済的負担軽減は必要です。
 それ以上に、多くの地方自治体の財政事情の厳しさがあります。国が補助金単価を引き上げても、補助金全体の3分の1を負担することになる市町村は、財政負担増に頭を抱えているのです。児童クラブそのものが増えない、児童クラブ運営主体に届くカネが少ないのも、足元の基礎自治体の財政難があるからです。
 本当に子育て支援として児童クラブを充実させたいと国が考えるなら、国の負担分を大幅に増やし、基礎自治体の負担を全体の6分の1(補助金全体の3分の1)から、全体の12分の1(補助金全体の6分の1)ぐらいまで引き下げるべきです。

 「運営費(基本分)の負担の考え方」は、そうあるべき合理的な根拠を見いだせるかどうか、運営支援にははなはだ疑問です。国会で追及してください、議員さん。

<新規事業への期待と疑問・高学年の居場所>
 令和9年度の新規事業として「小学校高学年を対象にした放課後児童対策モデル事業」(259ページ)が掲載されています。どんな事業なのでしょう。まず、事業の趣旨と目的の説明をそのまま抜粋します。
「放課後児童クラブの待機児童は、高学年(4~6年生)児童が占める割合が高い(56.7%)。しかしながら、高学年児童の多くは、発達過程の中で、自分自身で放課後の過ごし方を選択できるようになることや、塾や習い事などの放課後児童クラブ以外の放課後の受け皿も一定あることから、低学年の待機児童とはニーズに違いがある。」
「また、現在の放課後児童クラブの登録児童が低学年に偏っていることから、高学年には居場所としての魅力が乏しいことも考えられる。これらのことを踏まえると、高学年児童であっても安全・安心で自由に利用できる居場所や、高学年児童が主体的に参加できる機会のある居場所を確保することは重要である。」
「そのため、高学年児童の居場所づくりを市町村域あるいは学校区単位で実践し、モデル化し、既存の放課後児童健全育成事業とは異なる居場所の多様化を進め、放課後児童クラブの待機児童解消につなげる。」

 事業の概要は以下の通りです。
「(1)放課後の居場所づくり(学校が行われている平日を想定)
・放課後児童クラブの待機児童を中心とした小学校高学年(4~6年生)を対象とし、学校施設(小学校や中学校)の利活用を念頭にいれ、地域の実情に応じて、既存施設を活用した放課後の居場所を実施する。
・安全確保スタッフ(2名以上)の配置を行うと同時に、こどもの所在がわかるよう利用時・帰宅時の管理ができるシステムの導入を推奨する。
(2)こどもが主体的に参加できる機会(プログラム等)の提供
地域の民間企業・民間団体、大学・高校等(教職員や学生)等の他、放課後子供教室や自治体独自の学習等を提供する事業と連携し、小学校高学年のこどもが主体的に参加できるプログラム(運動、表現、学習等)等を実施する。
(3)効果検証
市町村子ども・子育て会議や放課後児童対策に関する委員会等の関係者による既存の協議会(新規の設置も可能)を活用して、こどもや保護者の意見を聴取した上で、モデル事業の効果を検証し、報告書を取りまとめる。

 モデル事業ですからつまりお試しです。予算は「令和9年度概算要求額 2億円」です。実施主体は市町村。高学年の待機児童が20人以上生じる見込みの市町村を優先していて、1事業あたりの補助基準額案として3500万円、補助率は国と市町村で折半です。

 わたくし萩原の感想は次の通り。
「やってみてもいいとは思いますよ。高学年の居場所を選ぶ選択肢が、児童クラブ以外に増えることそのものは良いことです」
「ですがね、現在の放課後児童クラブの登録児童が低学年に偏っていることから、高学年には居場所としての魅力が乏しいことも考えられる、と書いていますが、それってつまり既存の児童クラブがどうして高学年にとって魅力のある場所になっていないのかその原因はどこにあるのかを考えるのがこども家庭庁の仕事ですから、まずはそこに取り組んだらどうですかね。原因はすぐ分かるはずですよ。ギュウギュウ詰めで高学年が過ごしやすい環境になっていないクラブが多すぎ。そもそも量的整備の遅れから低学年児童の入所を優先するほかなく高学年が追い出されるクラブも多すぎ。職員数不足の状態で職員は低学年や、突発行動をするこどもたちの対応から手が離せず、高学年が放置されて職員と関わりを持てないクラブでは、高学年にとって楽しいクラブにはなりませんよ。そういう原因など現場ヒアリングや当事者アンケートですぐわかるでしょうに。自分たちの不作を棚に上げて、児童クラブは高学年に魅力が無いから新しい居場所を用意するわ、というのは、ちょっと恥ずかしいんじゃないですかね」

 つまりわたくし萩原が言いたいことは、「居場所の選択肢が増えることは賛成。現実問題として高学年が追い出されたり、入所できてもつまらない児童クラブだったりするようなことが存在するので、その対応としての一時的な、緊急避難的な対応としても、新事業そのものを全否定はしません。ただしまずは王道の放課後児童健全育成事業のさらなる充実に、思い切って予算を投じることと並行していただきたい」。

 そしてこれは既存の児童クラブ運営主体は、重く受け止めねばなりません。確かに厳しい条件の中で苦労するのは分かります。高学年がどんどん辞めていくのはわたくし萩原にも経験あります。ありますが、一方でわたくしが非常勤理事をしている愛知県津島市の児童クラブ運営主体の運営クラブでは高学年の入所希望者が本当に多い。高学年の居場所となっている児童クラブには、それなりの理由があります。現場も運営も「こどものために、何ができるのか」を考えて動いていることです。いい加減な運営で高学年をほったからしにしていると、そのうち、「児童クラブは低学年だけの預かり場で良い」と国の姿勢が変わりかねませんよ。その危険性は頭に置いておきましょう。

<新規事業への期待と疑問・こども性暴力防止法事業者支援事業>
 「こども性暴力防止法事業者支援事業」は期待したい新事業です。56ページです。令和9年度概算要求額は、45億円の内数です。資料から抜粋します。
「こども性暴力防止法の対象事業者が、
①事業者内で児童対象性暴力等の疑いが生じた際の調査、従事者に対する配置転換等の雇用管理上の措置等を講じる際の弁護士への相談
②犯罪事実確認記録等の適切な情報管理を行う際の情報セキュリティの専門家への相談を行えるよう対象事業者を支援するとともに、こどもの状況を踏まえた適切な助言ができる弁護士の育成を行うことにより、専門家と連携した対応が迅速かつ適切に行われることを目指す。」
 つまり弁護士の相談にかかる費用を補助するというものです。「対象は顧問弁護士のいない中小規模事業者等に限定」なのも当然です。
 そして情報管理についても、「対象事業者が、犯罪事実確認記録等の適切な情報管理を行うに当たって、情報セキュリティの専門的な知見を有する情報処理安全確保支援士に相談できるよう支援する。あわせて、こどもへの性暴力に関する対応を行う弁護士を対象に、こどもの状況を踏まえた対応に必要な知識や、こども性暴力防止法をはじめとした関連法令について学ぶための研修会を実施する。」とありますので、有効に活用したい事業ですね。成立した暁には大々的に国はアピールしてください。ちょっと気になるのは「民間事業者等への委託により実施予定」とあること。実務上はそうなるんでしょうが、大手人材派遣会社や保育ビジネスに長けたNPO法人が抱き込んでそれを下請けに出す、というスキームにならないように願います。

<新規事業への期待と疑問・放課後児童クラブ等における性被害防止対策に係る設備等支援>
 これは大いに期待したい新事業です。「放課後児童クラブ等における性被害防止対策に係る設備等支援」は、「放課後児童クラブ等における性被害防止対策に係る設備等支援を行う」という内容です。令和9年度概算要求額が0.6億円とミニミニの新規事業ですが、実績を重ねていけば将来的に補正予算も含めて増額がありえますよ。資料の60ページです。抜粋します。
「【事業内容】
性被害防止対策を図るため、パーテーション、簡易扉、簡易更衣室及びカメラ、人感センサーライト等の設備の購入や更新を行う事業」
「【対象施設】
放課後児童健全育成事業所、利用者支援事業所、子育て短期支援事業所、地域子育て支援拠点事業所、子育て援助活動支援事業所(ファミリー・サポート・センター)、児童厚生施設、児童育成支援拠点事業所、親子関係形成支援事業所」
「【実施主体】都道府県、市町村
【補助率】国1/2、都道府県等1/4、事業者1/4
【補助基準額】1施設当たり100千円
※放課後児童健全育成事業所については、1支援の単位当たりとする。」
 支援の単位ごとですからね(それは当然ですが)、認定事業者を目指す、というか実質的に認定事業者にならざるをえない、放課後児童健全育成事業の受託事業者や指定管理者であることが欠かせない児童クラブ運営事業者には、必要な補助です。カメラや人感ライトを購入できるんですからね。あっという間に予算枠が足りない、となるぐらいに活用しましょう。

<新規事業への期待と疑問・企業等の活力を活かした小学生の預かり機能構築モデル事業>
 254ページにあります。すでに令和8年度から始まっている事業ですが、新規となっているのはさらに本格化するということなのでしょうか。
 これも児童クラブだけでは待機児童数が減らないための苦肉の策です。ですが、こどもの居場所が増える、こどもの過ごす場の選択肢が増えるという点で運営支援は賛成です。もちろん、王道の児童クラブの量および質の抜本的な拡充と並行して実施していただきたい事業です。
 補助率が国の10分の10,つまり国が補助金を全額出す、ということです。モデル事業ですからね。
 「少子化等の影響による保育施設のスペースに余裕が出ていることや、専門的人材の確保の観点から、企業主導型保育施設、認可外保育施設、小規模保育施設等の余裕スペースを優先する。この他、令和8年度にモデル開発できなかった場所での実施も検討する。」とあります。定員割れが相次ぐといわれる企業型の小規模保育事業の資源の活用、ということなのでしょう。既存資源の活用は良いことです。この事業では「経営的に持続可能となるような方策を検討しつつ、放課後児童クラブ等の既存事業に移行することも視野にいれて、利用する小学生が安定的に放課後に過ごすことができる場の創設を目指す。」とあります。将来、児童クラブ事業を営みたい事業者にはうってつけの入門事業とも言えます。

<もっと活用したい巡回事業>
 166ページに「保育士や保育事業者等への巡回支援事業」があります。もう何年も前からずっと残っている事業です。抜粋すると「保育士の離職防止及び保育所等の勤務環境改善を進めるため、保育所等に勤務する保育士や、保育事業者及び放課後児童クラブを対象とした巡回相談、働き方改革や魅力ある職場づくり、保育の質の確保・向上のための支援を行うことにより、保育人材の確保等を図る。」というものです。ここに「③ 放課後児童クラブ巡回アドバイザーによる巡回支援
放課後児童クラブにおいて、子どもの安全の確保や、子どもの主体的な活動が尊重される質の高い支援に向けた助言・指導等を行うため、「放課後児童クラブ 巡回アドバイザー」による巡回支援を実施。」とあります。
 詳細は167ページにあります。「放課後児童クラブ巡回アドバイザーの配置」と題したページです。「放課後児童クラブにおいて、こどもの安全の確保を図り、また、こどもの主体的な活動を尊重し、こどもの自主性、社会性等のより一層の向上を図るため、放課後児童クラブを巡回するアドバイザーを市町村等に配置する。」というものです。
「放課後児童クラブにおける事故・けが防止や防犯・防災対策等こどもの安全管理体制等に関する職員への助言」
「利用児童の預かりだけではなく、地域との相互交流など地域に開かれた放課後児童クラブの運営を行うための助言・サポート」
 これなどはまさに運営支援にうってつけですよ。ぜひとも全国の自治体さんは、運営支援にご相談ご用命ください。児童クラブの運営改善に使命を燃やす、この運営支援、わたくし萩原のためにあるような事業ですよ。お気軽にご相談ください。

<もっと活用したい放課後児童クラブ待機児童対策支援実証等事業>
 258ページにあります。放課後児童クラブの待機児童が生じている自治体を対象に、「放課後児童クラブに勤務する職員を確保するための先駆的な取組や民間事業者による放課後児童健全育成事業への参入を促進する事業の実施等に係る経費を補助することにより、放課後児童クラブの量的拡充を図り、もって待機児童の解消を図る」という事業です。
 具体的な取組例として、資料は以下のことを例示しています。
「・都道府県内の大学や短大等の高等教育機関等と連携したインターンシップ派遣や放課後児童クラブの職場見学会の開催
・シルバー人材センター等と連携した新たな担い手確保のための研修の開催
・こどもの居場所を運営する団体や、スポーツクラブや塾等の民間企業等に対して、放課後児童クラブに参入することを促進する
広報や研修等の実施
・放課後児童クラブの職場の魅力発信を向上させる広報・周知活動」
 これなどもまさに運営支援にうってつけですね。実のところ、埼玉県が作成(弊会あい和学童クラブ運営法人が受託)した「放課後児童クラブ新規参入スタートブック」はこの事業そのものです。

 ただし、このような「放課後児童クラブはとても意義のある素晴らしい事業であり、仕事ですよ」といくらアピールしても、実際すでに営まれている児童クラブがひどいものだったら、まともな良心的な事業者は参入しません。サービス残業当たり前、年次有給休暇も思うように取得できない、組織統治が働かず現場のベテラン職員の身勝手な人治で現場が回っているような児童クラブがある限り、有能な人材は児童クラブで働こうとは思いません。働き出してもすぐに呆れて離職するでしょう。
 ですから、王道である児童クラブの運営そのものを強化できる運営費等、運営そのものに対しての補助金を拡充しつつ、利益計上に横流しされやすい構造にメスを入れることを並行して行わないと、この事業は意味がありません。
 運営支援は、比較的予算を掛けずに運営内容を向上させる施策として、「支援の単位ごとの予算と決算の開示の義務化」を推奨します。それもできる限り科目を細かく開示させることです。そうすれば、「あ、この事業者は予算のうち8割しか現場に使っていない。残りの2割は利益計上しているようだな」と納税者に一目瞭然となり、結果的に「ちゃんと現場にカネを使わない事業者を選ぶのは税金の無駄」という意識が広まるからです。もちろん、まっとうに事業をした結果の剰余金を利益計上することは当然に歓迎です。常勤と非常勤の職員数も併せて情報公開すれば、およそ職員への報酬が想像できますしね。カネをかけずに制度化するだけで良いのですから、国は自治体に対して条例の策定を促したり、契約書のひな形を提示したりしましょう。

<推移を注目したい「子ども・子育て支援施設整備交付金」>
 361ページにあります「子ども・子育て支援施設整備交付金」の説明では、「子ども・子育て支援法に基づき、市町区村が策定する「市町村子ども・子育て支援事業計画」に従い、放課後児童クラブ及び病児保育事業を実施するための施設の整備を促進することにより、放課後児童対策の推進を図るとともに病児保育事業の推進を図ることを目的とする。」とあります。
 この事業は令和9年度概算要求額として88億円(うち事業主拠出金充当分は67億円)とあります。事業主拠出金というのは社会保険適用事業所が支払っている税金が原資です。
 ここでは「【拡充・見直し】」として、「待機児童解消目的の補助率嵩上げ及び特に緊急性の高い自治体に対して行う嵩上げについては、現行の要件を見直した上で、実施する。」とあり、注釈には「嵩上げは財政力指数1未満の市区町村又は原則の補助率で算出した国庫補助額が1億円を超えない自治体が対象」とあります。つまり財政事情が厳しい自治体には、児童クラブの整備にもっと国がカネを出しますよ、ということです。かさ上げでは国は倍のカネを出すことになりますが、より緊急性の度合いが強い自治体については国が6分の5、都道府県と市町村は12分の1ずつの負担となります。
 これですよこれ。この考え方を「運営費」にも取り入れていただきたい。そうすれば、量の整備では、この子ども・子育て支援施設整備交付金の緊急性の高い自治体への措置で対処でき、質の向上は運営費の配分見直しで対処できます。量と質の双方で児童クラブを底上げするにはなんといっても国がカネを出すことです。
 児童クラブの待機児童数が多い自治体が選挙区の国会議員さんはぜひ国会でこども家庭庁を相手にこの点を議論してください。こども家庭庁だってきっと児童クラブ整備をしたいはず。こども家庭庁内部の権益確保競争の結果として保育所に予算を分捕られてしまうのでなかなか児童クラブに予算が回ってこないでしょうから、援護射撃として国会で取り上げてください。

 何度も言いますが結局、カネ次第です。やる気、やりがいだけで児童クラブは増えません。児童クラブの場所を増やす、児童クラブで働く上の待遇を向上できるだけのカネが運営主体に届くことが必要です。そしてもちろん、児童クラブの資格の専門性の強化にも予算を出してください。熱意ある有能な職員がさらに専門性を磨くことができ、育成支援という仕事が専門性の評価と得られる賃金において生涯続けるに値する職業となる。そのような仕組みこそ、ぜひ作ってください。


(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
 2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
New!☆
こども性暴力防止法に関する諸課題を5人の弁護士が各々の専門分野に関して紹介、説明するYouTubeチャンネル「こどもを守る弁護士チャンネル」。「第6回子ども性暴力防止法緊急LIVE」は2026年8月12日21時半から、「災害時のこども支援とこども性暴力防止法」です。話し手は 鈴木愛子弁護士、聴き手は野田隼人弁護士です。
 第4回が2026年6月30日に配信されました。放課後児童クラブの運営に関わってきた鈴木愛子弁護士が「こども性暴力防止法がもたらすこどもの被害申告に適切に対応できるか」をテーマに関して丁寧に説明しています。 まずは動画をぜひご覧ください。わたくしの著書「知られざる<学童保育>の世界」も紹介されています。
https://youtube.com/live/9q8xzkgs7wo?si=dr06eChxK1Jgov5T
 第5回は7月19日(日曜日)15時から、すでに施行されている「児童生徒性暴力防止法」における調査の解説です。話し手:飛田桂弁護士、聴き手:嶋崎量弁護士、鈴木愛子弁護士、野田隼人弁護士、三輪記子弁護士。
 第3回(2026年6月11日)は、鈴木愛子弁護士がメインスピーカーとして「こども性暴力防止法がもたらす「人手不足の加速」とその構造的リスク」とのタイトルで、人材確保に関する懸念を取り上げています。内容は放課後児童クラブ限定ではなくて法制度全般にわたるものですが、とりわけ放課後児童クラブで働く人、運営する人そして管理する行政パーソンには必見必聴の内容です。https://www.youtube.com/watch?v=ZVafKTKe204 を、ぜひクリックしましょう。
 第2回(2026年5月30日)が、こども性暴力防止法の「Q&A」を読み解くとして、【弁護士が読む❗️こども性暴力防止法Q &A】のタイトルで配信されています。メインスピーカーは三輪記子弁護士、聞き手は嶋﨑量弁護士です。
https://www.youtube.com/watch?v=XtTCNTDBLLo
 第1回(2026年5月16日)は「こども性暴力防止法を考える」です。
https://www.youtube.com/watch?v=uUlx8XaKMso&t=4324s
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※こども性暴力防止法がもたらす、構造上の課題問題について、法律家がとても分かりやすく解説する記事が「アエラキッズプラス(AERAKidsPlus)に掲載されました! 解説はもちろん、鈴木愛子弁護士です。こどもを性暴力から守るための重要な法制度だからこそ、実は逆説的にこどもや運営事業者が追い込まれてしまう可能性を分かりやすく説明されています。ぜひぜひ、記事を読んでください! 実に分かりやすいですよ!
 「本当に性犯罪を防げる?」学校や学童保育、放課後子供教室も対象になる「日本版DBS」に、現場から懸念の声…【弁護士が解説】 | AERA with Kids+
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放課後児童クラブ事業を考えている民間企業の方へ朗報! 児童クラブ参入の手引きとなる「埼玉県 放課後児童クラブ新規参入スタートブック」が公開されました。全40ページ。フルカラー。冊子は2部に分けて埼玉県福祉部こども支援課のページで公開されています。なお本スタートブックは弊会が作成受託しました。
(前編)
 https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook01.pdf
(後編)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook02.pdf
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 わたくし萩原が寄稿した記事が「ウェッジオンライン」で2026年7月29日に公開されました。「子どもの「体験格差」が気になる夏休み…その“差”を埋めるのは難しいのか?子どもにとって貴重な体験に目を向けろ」という記事です。ヤフーニュースにも配信されています。URLは以下の通りです。(子どもの「体験格差」が気になる夏休み…その“差”を埋めるのは難しいのか?子どもにとって貴重な体験に目を向けろ  Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン))
 2026年5月29日には「“産業化”の大波に飲み込まれる学童保育…企業はどう収益を上げているのか?事業構造から見える放課後育成の実情」という記事が公開配信中です。URLは以下の通りです。https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40665
 2026年4月13日、「「こどもが学童に入れたから仕事も安泰!」なのか?小1、行き渋り、夏休み…いくつも存在する“学童保育の壁”とその対処法」という記事も公開、配信されました。(https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40473)。こちらもぜひ読んでいただけるとうれしいです。
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 「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。
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(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)

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