<運営支援ブログミニ67>船橋市の取り組みを報じるメディアの記事に注文があります。ちゃんと取材した?
放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブ(学童保育所)運営支援アドバイザーであり、放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。(ぜひグーグルのAIで「萩原和也 放課後児童クラブ」と検索してみてください!)
ミニブログです。千葉県船橋市が「全国初」の取り組みをするとして報道されました。その取り組みには一言だけ言わせていただきますが、今回のブログの内容はこの取り組みを報じているメディアに対して言いたいのです。「ちゃんとどういう事態なのか分かって記事化している?」と。
(※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)
New! ブログ後段に、【学童のすき間時間に使える、無料のクイズ・なぞなぞサイト】についてお知らせを掲載していますので、ぜひとも児童クラブのみなさま、ご覧ください!
<報道では>
ヤフーニュースに2026年10月16日金曜日14時42分に配信された、千葉テレビ放送(チバテレ)の記事を一部引用します。
「 千葉県船橋市は学童保育の待機児童を解消するため、2027年度から、午後5時からの2時間だけ受け入れる「ショート利用」を導入します。
学童保育の「ショート利用」は全国初となります。
これは船橋市が10月13日、発表したもので、学童保育は通常、放課後から午後7時までのおよそ4時間、児童の遊びや生活の場を提供しますが、船橋市が2027年度から導入する「ショート利用」は、午後5時からの2時間に限って受け入れます。
具体的には、午後5時までは各学校が無料で行う「船っ子教室」を利用してもらい、その後、職員が児童を学童保育の施設に引率します。」(引用ここまで)
運営支援が補足しますと、船橋市は放課後子供教室を「船っ子教室」として実施しています。学校課業日の平日は午後5時まで。それ以降、まだ留守家庭である世帯のこどもを、放課後児童クラブで受け入れる、ということです。つまり、放課後児童クラブは午後5時から午後7時までの2時間だけの利用、ということになります。「放課後子供教室→放課後児童クラブ」と、こどもが過ごす仕組みが変わることが全国初、だということがニュースとして報じられているのですね。
午後5時までは放課後子供教室、それ以降は放課後児童クラブにてこどもが過ごす、ということが全国初なのかどうか運営支援は分かりませんが、船橋市はそのようにメディアの取材に答えたのでしょう。なお、いわゆる放課後全児童対策事業では、実施場所は同一で時間帯によって利用区分を設けて、午後5時までの利用とそれ以降の利用では、利用要件や利用料を変えているのが一般的です。そしてそのような全児童対策を行っている自治体はごく普通にあります。午後5時までは放課後子供教室の性質で、それ以降は放課後児童健全育成事業で、ということですね。
船橋市の場合はどうやら、「実施場所」が異なるので午後5時になったらこどもを放課後児童健全育成事業の実施場所に移動させるようで、その移動させて行うことが「全国初」なのでしょうか。
さてわたくし萩原から一言。船橋市は放課後児童クラブの待機児童数が多い地域です。わたくしは、児童クラブの待機児童は「絶対悪、最悪の悪」と考えていますので、待機児童が無くなる、減らせるならどんな手段でも行っていただきたいと考えます。ですので、船橋市が待機児童数減少のために今回報道された施策が効果的であるとするならぜひとも実施していただきたい。
ですが、そもそも、放課後児童クラブの量的な整備が追い付いていないから、こうした苦肉の策を講じなければならなかった、ということをしっかり認識しておかねばなりません。
そして、短時間のこどもの受け入れは、放課後児童クラブ運営指針に記されている種々の育成支援を行うのは難度が高い、ということです。わたくしはたとえ超短期のこどもの受け入れでも育成支援は部分的にせよ必ずやできるはずだ、と考えていますが、継続性が肝心な育成支援の本質であることを鑑みると、やはり部分的な育成支援にとどまるのが短期間での受け入れです。船橋市の、1日2時間のこどもの受け入れで、さて児童クラブ職員がどれだけこどもと関わることができるのか、なかなか難しいでしょう。
つまりは、短時間の児童クラブでの受け入れはやはり「児童クラブは託児」であり「こどもを預かるのが児童クラブ」という行政の認識が根強いのかな、とわたくしは想像してしまいます。こどもの生活の場、育ちの場であるのが児童クラブだよ、ということが基本的な認識であるなら、こうした短時間の受け入れには躊躇するだろうに、と皮肉も言いたくなります。
とはいえ、まずは待機児童解消、こどもの安全安心な居場所を確保するのが行政の責務です。苦肉の策と割り切って、こどもの居場所を準備する船橋市の姿勢には賛成するとともに、本来なら児童クラブで過ごせることもの人数を、量的整備を進めていってほしいと強く願います。子育て世帯の増加が激しい地域はなかなか対策に苦慮しているのでしょうが、子育て支援は未来の安定した社会を実現するため必要なものであり、政治と行政の責任で進めていってもらいたいものです。
そして2時間ほどの短時間で過ごさなければならないこどもの気持ち、心の状況に、大人はしっかりと思いを巡らし、大人の都合でこどもの落ち着いた居場所が準備提供できなかったことを謝りつつ、できる限り、こどもにとって過ごしやすい時間と空間になるよう、船橋市は児童クラブ運営主体と連携を密にして取り組んでいただきたい。
<マスコミに言いたい>
メディア、マスコミは「初もの」に弱いですね。「日本で初めて」ということなら記事化したくなりますし、新聞でも「段が立つ」(=新聞記事は見出しの大きさが記事の重要性に比例します。テレビなら何番目に報じされるか、でその報道局の重要性の認識が分かります)ようになります。
船橋市の、午後5時まで放課後子供教室でそれ以降は場所を変えて放課後児童クラブで、というのは全国初ですよという説明を受けたメディアは、記事中に全国初の試みです、などと書き込みたくなるのですね。
「初もの」を扱えてラッキー、と記者やデスクが思っていたのだとしたら、わたくし萩原は「喝!」と言いいます。
そもそも「ショート利用」ということに対して、放課後児童クラブは放課後児童健全育成事業であって、放課後児童健全育成事業はこどもに適切な遊び及び生活の場を用意することでこどもの健やかな成長を支える仕組みだ、という最低限の知識があるならば、取材した記者は市の担当者に「なるほどショート利用の役割は分かりました。で、そのショート利用に関して、放課後児童健全育成事業の事業内容である育成支援について、メリットとデメリットはどのようにお考えですか?」と、必ずや質問することでしょう。
そして「ショート利用を導入するのはそもそも児童クラブでの量的整備、受け入れ数が現状に追いついていないからですが、第1期の子ども・子育て支援事業計画からの見通し、確保方策についての結果はどのように総括されていますか?」と必ずや質問することでしょう。もちろん、現時点で計画期間中の第3期子ども・子育て支援事業計画(こども計画)の中身を踏まえたうえで、このショート利用に関して取材していることでしょう。
まさか、市の広報資料(報道発表資料)だけを見て、それだけを見て担当者に2、3の質問をしただけで記事化しているなんてことは、ないでしょうね。
「連日2時間のこどもの受け入れか。その2時間、児童クラブがこどもにとって心理的に落ち着いた安全基地になるのかな」
「船っ子クラブのその場所で引き続きこどもが過ごせない法的な障害や物理的な障壁があるのだろうか。運営する組織団体の見解はどうなのだろうか?」
「午後5時ごろに児童クラブ側の職員が引き取りに行くというけれど、午後5時までその場で過ごしたこどもの状態を児童クラブ側に引き継げる体制は取れているのか? 情報の連携の仕組みは?」
こどもにとっての放課後児童クラブ、放課後児童健全育成事業とはどういう役割なのか、どのようにあるべきなのか、ということから取材をスタートさせてほしいと運営支援は期待します。単に「全国初めてですよ~」というチョウチンアンコウのアンコウに目をくらまされて記事化したのであれば、役所側から「しめしめ。うまくいった。これでやっている感をアピールできたわい」と思われるだけですよ。
視点をこどもにすること。「こどもにとって、これはどうかな?」「こどもを援助支援する職員にとって、どうかな」の視点を児童クラブ関係の取材の際には必ず、マストで入れましょう。そうするだけで児童クラブ関連の記事は一気に厚みが増しますよ。
(おわり)
New! 【学童のすき間時間に使える、無料のクイズ・なぞなぞサイト】
宿題が終わったあとや、おやつの前、雨で外に出られない日。放課後児童クラブ(学童保育所)では「ちょっとした時間に、みんなで楽しめる遊び」が欲しくなる場面がたくさんあります。そんなときに使える無料サイトを2つご紹介します。どちらも登録なしで、スマホやタブレットからすぐに使えます。
■クイズ図鑑(https://quiz-zukan.com/)
一般常識・雑学・ひっかけ・小学生向け・国旗・動物など21ジャンル、約5,500問のクイズを、答えと解説つきで集めたサイトです。テレビやプロジェクターに映して使える「クイズ大会ツール」には、チーム分け・早押しボタン・点数表がついていて、行事やお楽しみ会がすぐに開けます。問題用紙と答えの紙を印刷できる機能もあります。
■なぞなぞ図鑑(https://nazonazo-zukan.com/)
ダジャレやかくれことばなど、言葉遊びのなぞなぞ732問を集めたサイトです。幼児・1年生・低学年・高学年と、学年や年齢に合わせて選べます。どの問題にもヒントと答えの説明がついていて、読み上げボタンもあるので、まだ字を読むのが苦手な子とも一緒に遊べます。
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上の学年の子に問題を読んでもらうと、学年をこえた教え合いも生まれます。毎日の1問に、ぜひ使ってみてください。
(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
わたくし萩原が社会保険労務士となり、「あい和社会保険労務士事務所」を開業してから1年が過ぎました。ここまで続いてこれたのはひとえにみなさまのおかげです。どうもありがとうございました。「あい和社会保険労務士事務所」は、放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしてこども性暴力防止法(いわゆる日本版DBS制度を含む)に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
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こども性暴力防止法に関する諸課題を5人の弁護士が各々の専門分野に関して紹介、説明するYouTubeチャンネル「こどもを守る弁護士チャンネル」。
出生までの戸籍・識別符号収集の注意点と自治体に求める支援
こちらをぜひご覧ください。「こどもを守る弁護士チャンネル」の特別版「出生までの戸籍・識別符号収集の注意点と自治体に求める支援」の動画URLです。弁護士で、自ら放課後児童クラブの運営に関わってきた鈴木愛子弁護士による詳細な解説です。
「第6回子ども性暴力防止法緊急LIVE」は2026年8月12日21時半から、「災害時のこども支援とこども性暴力防止法」が登校されました。話し手は 鈴木愛子弁護士、聴き手は野田隼人弁護士です。
第5回は7月19日(日曜日)15時から、すでに施行されている「児童生徒性暴力防止法」における調査の解説です。話し手:飛田桂弁護士、聴き手:嶋崎量弁護士、鈴木愛子弁護士、野田隼人弁護士、三輪記子弁護士。
第4回が2026年6月30日に配信されました。放課後児童クラブの運営に関わってきた鈴木愛子弁護士が「こども性暴力防止法がもたらすこどもの被害申告に適切に対応できるか」をテーマに関して丁寧に説明しています。 まずは動画をぜひご覧ください。わたくしの著書「知られざる<学童保育>の世界」も紹介されています。
https://youtube.com/live/9q8xzkgs7wo?si=dr06eChxK1Jgov5T
第3回(2026年6月11日)は、鈴木愛子弁護士がメインスピーカーとして「こども性暴力防止法がもたらす「人手不足の加速」とその構造的リスク」とのタイトルで、人材確保に関する懸念を取り上げています。内容は放課後児童クラブ限定ではなくて法制度全般にわたるものですが、とりわけ放課後児童クラブで働く人、運営する人そして管理する行政パーソンには必見必聴の内容です。https://www.youtube.com/watch?v=ZVafKTKe204 を、ぜひクリックしましょう。
第2回(2026年5月30日)が、こども性暴力防止法の「Q&A」を読み解くとして、【弁護士が読む❗️こども性暴力防止法Q &A】のタイトルで配信されています。メインスピーカーは三輪記子弁護士、聞き手は嶋﨑量弁護士です。
https://www.youtube.com/watch?v=XtTCNTDBLLo
第1回(2026年5月16日)は「こども性暴力防止法を考える」です。
https://www.youtube.com/watch?v=uUlx8XaKMso&t=4324s
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わたくし萩原が寄稿した記事が「ウェッジオンライン」で2026年7月29日に公開されました。「子どもの「体験格差」が気になる夏休み…その“差”を埋めるのは難しいのか?子どもにとって貴重な体験に目を向けろ」という記事です。ヤフーニュースにも配信されています。URLは以下の通りです。(子どもの「体験格差」が気になる夏休み…その“差”を埋めるのは難しいのか?子どもにとって貴重な体験に目を向けろ Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン))
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こども性暴力防止法がもたらす、構造上の課題問題について、法律家がとても分かりやすく解説する記事が「アエラキッズプラス(AERAKidsPlus)に掲載されました! 解説はもちろん、鈴木愛子弁護士です。こどもを性暴力から守るための重要な法制度だからこそ、実は逆説的にこどもや運営事業者が追い込まれてしまう可能性を分かりやすく説明されています。ぜひぜひ、記事を読んでください! 実に分かりやすいですよ!
「本当に性犯罪を防げる?」学校や学童保育、放課後子供教室も対象になる「日本版DBS」に、現場から懸念の声…【弁護士が解説】 | AERA with Kids+
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「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、講演会、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。
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(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)
※ミニブログは、ページ全体の文字数が多くても7,000文字程度の投稿を指しています。また、文字数が多い場合でも「肩の力を入れずに気楽に読んでほしい」という内容の場合もあります。
