こども性暴力防止法時代を前に、放課後児童クラブ(学童保育所)は「個人情報」の管理体制の厳格化を。

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブ(学童保育所)運営支援アドバイザーであり、放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。放課後児童クラブを舞台にした人間ドラマ小説「がくどう、 序」が、アマゾン(https://amzn.asia/d/3r2KIzc)で発売中です。「ただ、こどもが好き」だからと児童クラブに就職した新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描くハッピーサクセスストーリーです。お読みいただけたら、アマゾンの販売ページに星を付けていただけますでしょうか。そして感想をネットやSNSに投稿してください! 最終目標は映像化です。学童の世界をもっと世間に知らせたい、それだけが願いです。ぜひドラマ、映画、漫画にしてください!

 広島県福山市内の放課後児童クラブが、入所児童の個人情報が記載されている書類を紛失したとして市と運営事業者が保護者に謝罪した、との報道がありました。この事案、放課後児童クラブの世界は他山の石としなければなりません。こども性暴力防止法に対応しようとする児童クラブ運営事業者は徹底的な情報の管理が求められるからです。個人情報が流出する可能性がある状況を招くような児童クラブ運営事業者では、とてもこども性暴力防止法への対応などできないという認識が必要です。
(※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)

※わたくし萩原が寄稿した記事が「ウェッジオンライン」で2026年5月29日に公開されました。「“産業化”の大波に飲み込まれる学童保育…企業はどう収益を上げているのか?事業構造から見える放課後育成の実情」という記事です。ヤフーニュースにも配信されています。URLは以下の通りです。https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40665

<報道では>
 ヤフーニュースに2026年6月1日16時47分に配信された、中国放送の「「極めて重く受け止めている」放課後児童クラブの個人情報が所在不明 登録児童53人分 広島・福山市」の見出しの記事を一部引用します。
「広島県福山市にある放課後児童クラブで、登録児童98人のうち53人の個人情報が記された「緊急時対応調査票」が所在不明となっていることが分かりました。」
「調査票には、児童の名前や生年月日や血液型のほか、家族の携帯電話の番号、かかりつけの病院などが記入されていました。今のところ外部への持ち出しや第三者への情報漏えいは確認されておらず、警察への届け出はしていない、ということです。」(引用ここまで)

 同じくヤフーニュースに2026年6月1日22時2分に配信された、山陽新聞デジタルの「児童53人の個人情報書類紛失 広島県福山市の放課後クラブ」の見出しの記事からも一部引用します。
「書類は保護者が3月に提出する「緊急時対応調査票」。クラブの運営は本年度から民間のベルキッズ(広島市)に委託。同社が引き継ぎを受けた3月下旬には調査票を確認しており、紛失はそれ以降とみられる。 5月29日、クラブから連絡を受けた保護者が「緊急連絡先と異なる番号にかかってきた」と市などに指摘したことで判明。クラブは保護者への連絡時に市から提供された別の利用者リストを参照しており、紛失に気付くのが遅れたという。」(引用ここまで)

 わたくし萩原がポイントを整理します。
・紛失したと思われる書類は、緊急時の連絡先や対応手順を記したもの。児童クラブ内でしか使うことがない書類。児童クラブにとってはあまりに基本的な書類。
・書類紛失の発覚は保護者の指摘から。保護者が記入して提出した緊急時の連絡先と異なる連絡先に対して児童クラブが連絡してきたことで保護者が市などに指摘したことで発覚したとされる。つまりそれまで児童クラブ側は紛失に気が付かなった。そうすると、「児童クラブ側が最初に保護者に連絡した際の連絡先に関して、クラブ側はどうしてそこに連絡しようとしたのか?」という新たな疑問が浮かび上がる。
・児童クラブ運営事業者は2026年度から新たに民間事業者に替わった。それまでは公営だった模様。
・警察に届け出ていないのは事件の可能性が低いという市と事業者の判断か。盗難に遭ったのではない、つまり過失で見失ったとの判断に傾いていると想像できる。

<児童クラブに置いてある個人情報を記した書類>
 児童クラブはこどもそしてその世帯の個人情報を記した書面やデータを大量に抱えています。児童クラブを利用したことがない人に主な書類・データを説明しましょう。
「入所申請書」=入会申請書や登録申請書など呼び方は様々。児童クラブに入所を申し込む際に提出するものです。児童クラブを運営する事業者の運営本部や事務局にて保管することが多いようですが、入所するこどものことを知りたいクラブ側にデータを渡すことも。児童クラブは通常、単年度ごとの管理ですので児童クラブを長く利用する場合は毎年、申請書を提出することになります。
「就労証明書」=児童クラブの入所の要件には保護者の就労が示されていることがほとんどですが、その就労状況を証明する書類・データです。運営本部や事務局にて保管することになりますが勤め先を児童クラブの現場が把握するために就労証明書の内容は運営側と児童クラブの現場が共有することがあります。
「家庭調査票」=入所するこどもの家庭の状況を記したものです。兄弟姉妹がいるときにはその就学状況などを記載します。児童クラブでは保護者以外に兄姉が迎えに来ることを認めるクラブは結構多いですが、その兄姉について「迎えに来ることがある」と、家庭調査票に記されていることもあります。
「緊急時対応調査票」=呼び方は様々ですが、児童クラブではそれなりに使用頻度が高い情報が収められた書面やデータです。こどもがけがをしたり熱を出したりしたときは児童クラブから保護者に連絡を入れますが、その際の連絡先の優先順位が記入されていたり、あるいは病院に連れていくときの「かかりつけ医」が記入されたりしているものです。
「アレルギー調査票」=こどものアレルゲンを記入しているものです。
「児童票」=呼び方は様々ですが、入所しているこどもの成育状況を児童クラブ職員が記入するものです。こちらは上記3点の書類・データと異なり、児童クラブ側が作成するものです。

<わたくしの素朴な疑問>
 今回の事案では、こどもが体調を崩したときに児童クラブ側から保護者に連絡が入ったものの、その連絡先が、事前に保護者側から伝えていた緊急連絡先とは違う連絡先だったことで、疑問に感じた保護者側が行政や運営事業者に問い合わせたことが、発覚の端緒であったと報道されています。
 まず、この保護者さんの対応は素晴らしい。グッジョブです。ここで「あれ? クラブに知らせた緊急連絡先じゃないけれど、慌てていたのかな、まあいいか」としてしまっていたら、クラブ側が緊急時対応調査票の紛失に気が付くことがもっと遅れていたことでしょう。

「児童クラブを利用する保護者のみなさん、あれ? と思ったことは遠慮なく、まずクラブに問い合わせましょう。それで何ら対応がされない、あるいは対応が手ぬるいようでしたら満を持して行政に伝えましょう」と、わたくしは申し上げます。

 では最初に連絡したときの連絡先はどうしてそこに連絡しようと決めたのでしょう。わたくし萩原の単なる想像ですが、「入所申請書などに記載されていた保護者の連絡先を使用した」、あるいは「前年度から同じクラブで勤務している職員が何らかの方法で保護者の連絡先を記録していた」のでしょうか。

 児童クラブの運営責任者を務めていたことで不思議なのですが、この当該事案は5月の終わりごとに起きました。報道では98人の登録児童のうち53人の児童の緊急時連絡調査票が見当たらないとなっていました。そして前年度末の引継ぎ作業の時には書類の存在は確認できたいた、という報道がありますから、2026年度は2年生以上の、つまり2025年度に在籍していたこどもの緊急時連絡調査票を紛失した可能性があると、わたくしは想像します。新1年生は4月、5月と、体調を崩すとかけがをするとか、保護者に緊急に連絡を取ることが必要な事態は珍しくないので、新1年生の調査票は使っていた=よく手にするので紛失しなかった、ということも想像できます。

<児童クラブと情報管理>
 児童クラブの情報管理体制は、わたくしのよく知る範囲の事業運営の仕組みである場合、きわめて貧弱であると言わざるを得ません。紙の書類にしても、データにしても、情報管理に厳格な手順を定めて運用している児童クラブ事業者が全国でいったいどれだけあるでしょうか。自信をもって想像しますが、「ほとんどない」と言えるのではないでしょうか。
 なぜ児童クラブの情報管理体制が弱いのか。わたくしなりの見方です。
「常にこどもと保護者の情報に接しており、かつその情報を使用しているので、こどもと保護者の情報を日常的に利用する、あって当たり前のものだという取り扱い方なので、厳重な管理秘匿が必要であるという意識が薄い。」
「職員間の情報共有は口頭での伝達で行われることが多い。その情報を必要としない職員やこどもの耳に入ることもある」
「児童クラブの書類の保管の物理的な環境の貧弱さ。鍵付きのキャビネットが無いか、あっても収蔵が必要な書類の量と、収蔵可能な書類の量に差があって、鍵付きのキャビネット内で保管しておくべき書類が無造作に事務室や児童クラブ室内に置かれていることも珍しくない」
「最近(この10年程度)になってようやく各クラブにパソコンが行きわたるようになったぐらいで、児童クラブに置ける情報の電子的管理の体制はまだまだ整っていない」
「パソコンやタブレットによる電子的な情報管理について、それらの機器の取り扱いに慣れない、つまりパソコンやタブレットが苦手な職員(とりわけ年配の者)も多いので、紙に印刷して持ち歩く、家に持ち帰るということが起こりえる」
「そもそも児童クラブ内の情報を外部に持ち出すことの危険性を児童クラブの運営役員および職員の理解の程度では認識できず、持ち帰り仕事のために情報をUSBなどに保管して家に持ち帰るということが多かった。今もまだ行われているかもしれない」

 要は、児童クラブの仕事場は、世間で良く想像される「職場=個人のパソコンが貸与されて個人でも組織でも情報や書類を補完するスペースが十分に用意されている」というものとは程遠いのです。仕事は口頭であれこれ伝えあって、パソコンはあるけれどパソコンを操作するとこどもと関われる時間が奪われるので、パソコンを使う仕事は後回し、つまりこどもの降所後か、こどもの登所前、または持ち帰り仕事。持ち帰り仕事の場合、情報を外部に持ち出すことになるが、こどもの情報はあまりにも普段から接している、児童クラブ職員にとって「ありふれた情報」ゆえに「その情報が実はとても高く売買されるほど、犯罪に関わる世界にとっては垂涎の価値がある」ことに思いが至らない。結果、情報をどう守るかという意識が醸成されず、情報管理に手ぬるさが生じがちなのです。

 児童クラブは、ヒトとカネが足りない典型的な労働集約型産業です。人が足りなければ、「ムリ・ムダ・ムラ」の、組織で徹底して退治したい「3M」がはびこり、職場環境はとっちらかった、雑然なものになります。
 そして児童クラブの職員に結構ありがちな「物をとっておきたい」という気持ち。関わってきた大事な大切なこどもたちのことですから、使った書類を捨てずに保管して残しておきたいという職員は結構います。その逆に、とにかくどんどん捨ててしまうという職員もたまにいます。どちらも困るのですが。書類をとにかく残しておきたい、しかし児童クラブは狭いので、結果的に児童クラブの事務スペースは常に「モノでいっぱい」、書類が紛れ込むなんて日常茶飯事といえます。
 その一方、法令で保管が必要とされる職員の労務関係の書類は数年で捨ててしまう、退職した者の書類は処分してしまうということもありがちなのが児童クラブの世界である、ともいえます。

 児童クラブで適切な情報の管理体制を実施するには次のことが必要です。
「こどもや保護者(そして職員自身)の情報は、今や高値で売買されることが起こりえるほど、その管理に厳重な体制が必要であるということを、まず運営側そして現場職員の双方がしっかりと認識すること」
「情報管理にかかるコストに惜しまず費用を投じること。書類なら鍵付きのキャビネットを備えること。データの面ではどうすればいいのかわたくしには具体的に思いつきませんのでそれはITに詳しい人に相談しましょう」
「児童クラブで使うパソコンや書類の取り扱いについて、厳格な規則規定類を用意して組織内で順守させること」
「職員私物の機器を使用しないこと。職員の個人スマートフォンやパソコンを、児童クラブの運営業務に使用しないこと。こどもやほかの職員のプライバシー権の侵害につながるおそれがあるほか、盗撮にも使用されるおそれがある」

 <こども性暴力防止法時代では>
 放課後児童クラブが、認定事業者となってこども性暴力防止法に定められた種々の措置を行うためには、厳格な情報の管理体制が求められます。こども性暴力防止法施行ガイドランには「情報管理措置」として、実に多量の記述があり、とても難易度が高いものとなっています。さわりだけを引用します。長いですが、端的に、こども性暴力防止法時代の児童クラブの情報管理がいかに困難かを暗示しています。
「犯罪事実確認記録等(※)は、個人の特定性犯罪事実を含む情報であり、漏えい等が発生した場
合には、従事者個人の権利利益を著しく侵害し、その生活にも影響を与え得る過度な批判等が生
じる可能性がある。また、制度全体への信頼が揺らぎ、本制度を通じて児童等の安全を守ることに
支障が生じる可能性や、対象事業者等の信頼や事業継続性にかかわる問題となり、結果として、児
童等の教育、保育等に影響が出ることもあり得る。
※ 犯罪事実確認記録等とは、次に掲げるものをいう。
・ 犯罪事実確認書
・ 犯罪事実確認書に記載された情報に係る記録(以下「犯罪事実確認記録」という。)
(特定性犯罪事実の有無及びそれを直接的に示唆する内容(「黒」・「白」と表現するなど)は、
犯罪事実確認書の内容と同義であるため、該当する。)」
「このため、法においては、対象事業者等に対して、犯罪事実確認記録等の適正な管理を求めると
ともに、対象事業者等、その従事者等が、みだりに特定性犯罪事実等に関する情報を他人に知らせ
たとき等の様々な場合について、罰則を規定している。特に、対象事業者等の数が多く、その事業
内容もさまざまである中で、業務を通じて特定の従事者の特定性犯罪事実を知り得た者が、第三
者に不用意にその情報を漏らしてしまうなどのリスクには特に注意を払うべきであることから、
対象事業者等は、犯罪事実確認書を閲覧できる者を必要最小限に限定することや、犯罪事実確認
書の内容の記録・保存を極力避けること等の、必要な情報管理を徹底する必要がある。」

 個人の前科前歴まして性犯罪にかかる犯歴など、更生に励んでいる者にとっては絶対に第三者に知られたくない極めて高度なプライバシー情報ですが、それが世間に広まってしまう危険性を大いにはらむ法制度である、ということです。まして「口頭での情報のやり取り」が一般化している児童クラブです。「壁に耳あり障子に目あり」です。
(わたくしも数度、てひどい目にあいました。正規職員が会話していたこどもに関するプライバシー情報を非常勤職員が耳にしていて、それをファミリーレストランで会話の題材にしてしまったのです。なんとこどもの関係者が近くに座っていたようで、厳重な抗議が行政当局に寄せられたのです。抗議は当然です。組織のトップとしてどれだけ事態収拾に苦労したことか、です)
 こども性暴力防止法で取り扱う情報は、もしそれが故意であろうが過失であろうが外部に広まることとなったら、その情報対象の個人の平穏な生活や人生を容易に破壊してしまうほどの影響力を持ちます。法に定められた処分や罰則から、事業者の事業執行能力とその評価にも影響します。認定の取り消し等で、児童クラブ運営が不可能となる事態に追い込まれることもありえます。

 一方で、児童クラブの世界は「単なる個人情報」ですら、しっかりと管理できない実態が往々にしてあります。そのような現実の世界で、こども性暴力防止法が求める情報管理が徹底できるのだろうかといえば、わたくしは懐疑的です。というか「クラブを数十の支援の単位で運営していて、バックオフィスに予算を投じている事業者ならなんとか対応できようが、そうではない圧倒的多数存在する児童クラブの零細事業者にはとても対応できないだろう。よってそれら事業者は認定事業者になれないだろう」と考えます。仮に認定事業者になったとしたら、「おそらくは書面上、報告上、そういう体制を整えたということに過ぎないのだろう」とわたくしは想像します。

 情報管理規程を作れるか。あるいは外注で作成してもらったとして、意味のある運用ができるか。犯罪事実確認記録等の取扱いに関する責任者を設置し、事業者における情報管理を統括することを法は求めているが、そのような責任者を形式上だけではなく実際の責務として活動できる者として配置できるのか。犯罪事実確認記録等の管理に関する監査を行う者を設置とあるが、児童クラブ運営組織の監事はおよそベテランの運営経験保護者OBであるので法の趣旨を理解して監査を行う者を探せるのか、あるいは費用を投じて頼むことをするのか。法や情報管理規程に違反している事実又は兆候を把握した場合の責任者への報告連絡体制を整備するとあるが、それは可能なのか。
 「情報管理規程に基づく運用を確保するため、システムログその他の犯罪事実確認記録等の取扱
記録を作成し、適切かつ安全に管理されていることを責任者が定期的に確認するとともに、犯罪事
実確認記録等の取扱いの検証を可能とする」とあるが、サーバーすら無い事業者が多い中で、犯罪事実確認記録等の取り扱い記録を正しく把握できるのか。

 法が求める情報管理の種々の措置は、それなりに大きな規模の事業者であれば容易なことでしょう。そもそも機敏な情報を普段から多く管理しているので、その体制の上に「乗せる」だけで済むからです。大手の学習塾や私立学校です。ところが児童クラブの場合はまったく対照的です。全国で数百、1000に達する支援の単位を運営する広域展開事業者はありますが、それらは基本的に地域ごとに設置する地域事業本部等の分社体制で管理運営していることが多いのです。児童クラブの場合は、市区町村が多くのクラブの運営を任せるにあたって同じ地域または近隣に出張所や営業所を設けていることを公募に応募できる要件としていることが一般的ですが、それら出張所や営業所が、こども性暴力防止法が求める情報管理の措置に対応できるほどの体制および態勢が整っているかと言えば、わたくしは疑問に感じます。結局のところ、「組織運営の事業の面」では広域展開事業者も、地域に根差した小さな児童クラブ運営事業者の運営執行能力とあまり変わらない程度にあるとわたくしは理解しています。違うのは本社機能であって、広域展開事業者の本部や本社には法務や労務や総務、財務の担当別の責任者がいるでしょうが、児童クラブの多数を占める地域に根差した児童クラブ運営事業者にはそのような分野担当別の責任者など置くだけの余裕はありません。

 実務上からも能力上からも、こども性暴力防止法が求める情報管理の種々の措置は児童クラブにとって高すぎるハードルです。
 でも、なんとかしなければなりません。法の具体的な運用については実際の状況を踏まえた改正や変更を求めるとして、まずは児童クラブ側が認定事業者になることを目指すために、苦難の道を進まねばなりません。そうではないと「形だけでも認定事業者になれた」事業者に児童クラブ運営の機会を奪われてしまう可能性があるからです。そのためには児童クラブの事業者が大きくなること、合併や合体で事業規模を大きくして予算そして人的資源の余裕を生み出すことです。

 しかしその前に、児童クラブ側は、こどもや保護者そして職員の、つまり関わる人すべての個人情報を厳格に管理するのは当たり前だ、という認識をしっかり育てなければなりません。それすらできないで、こども性暴力防止法が求める情報管理の措置など実施できるはずがありません。

 今回の福山市の個人情報紛失の報道で、わたくしは改めてこども性暴力防止法時代における児童クラブの艱難を思い描きました。大変な時代になる。しかしこどもを守るという国、社会の希望に最初から背を向けることはできない。児童クラブの世界の方々よ、とてつもなく大変な時代を迎えるのだという覚悟を早く抱いていただきたい。それを強く思った、このたびの事案の報道でした。

(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
 2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 こども性暴力防止法に関する諸課題を5人の弁護士が各々の専門分野に関して紹介、説明するYouTubeチャンネルが開設されました。チャンネル名は「こどもを守る弁護士チャンネル」です。2026年5月30日に第2回の動画が公開、配信されました。こども性暴力防止法の「Q&A」を読み解くとして、【弁護士が読む❗️こども性暴力防止法Q &A】のタイトルです。メインスピーカーは三輪記子弁護士、聞き手は嶋﨑量弁護士です。
https://www.youtube.com/watch?v=XtTCNTDBLLo
 なお第1回(2026年5月16日)の「こども性暴力防止法を考える」が配信されています。
https://www.youtube.com/watch?v=uUlx8XaKMso&t=4324s

 放課後児童クラブ事業を考えている民間企業の方へ朗報! 児童クラブ参入の手引きとなる「埼玉県 放課後児童クラブ新規参入スタートブック」が公開されました。全40ページ。フルカラー。冊子は2部に分けて埼玉県福祉部こども支援課のページで公開されています。なお本スタートブックは弊会が作成受託しました。
(前編)
 https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook01.pdf

(後編)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook02.pdf

 「Wedge ONLINE(ウェッジオンライン)」にて2026年4月13日、「「こどもが学童に入れたから仕事も安泰!」なのか?小1、行き渋り、夏休み…いくつも存在する“学童保育の壁”とその対処法」という記事が公開、配信されました。(https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40473)。わたくし萩原が編集部の依頼に応じて寄稿しました。ぜひご高覧ください。
 なお、近く新記事掲載が予定されています。

 「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)

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萩原和也