台風接近でも放課後児童クラブ(学童保育所)は開所するー運営事業者と行政に求めたいこと。

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブ(学童保育所)運営支援アドバイザーであり、放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。放課後児童クラブを舞台にした人間ドラマ小説「がくどう、 序」が、アマゾン(https://amzn.asia/d/3r2KIzc)で発売中です。「ただ、こどもが好き」だからと児童クラブに就職した新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描くハッピーサクセスストーリーです。お読みいただけたら、アマゾンの販売ページに星を付けていただけますでしょうか。そして感想をネットやSNSに投稿してください! 最終目標は映像化です。学童の世界をもっと世間に知らせたい、それだけが願いです。ぜひドラマ、映画、漫画にしてください!

 台風6号が接近し、東日本から西日本にかけて大雨による災害をもたらしています。台風そのものは勢力が強くなくとも、この時期の台風はとりわけ前線を伴って大雨をもたらしやすいのです。台風の雨に見舞われている地域のみなさまはくれぐれも警戒を怠らないでくださいね。さて放課後児童クラブでは台風が来ると「学校は臨時休校なのに学童は開けってさ。台風の中で出勤だよ」という職員の悲鳴と、「学校が臨時休校、学童も休み。でも仕事は休めない、どうしたらいいの!」という保護者の悲鳴が交錯します。台風が来るたびに繰り返されているのではないでしょうか。運営支援が台風に対して考えることは一貫しています。「どうしても仕事が休めない人のために最低限の開所体制を確保することは必要だが、職員の安全を確保する方策は徹底的に行うこと。職員の安全を確保した上で開所体制を整えること」です。改めて運営支援の考え方を提示するとともに、過去の台風関係のブログを再掲載します。
(※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)

※わたくし萩原が寄稿した記事が「ウェッジオンライン」で2026年5月29日に公開されました。「“産業化”の大波に飲み込まれる学童保育…企業はどう収益を上げているのか?事業構造から見える放課後育成の実情」という記事です。ヤフーニュースにも配信されています。URLは以下の通りです。https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40665

<台風について過去にたびたび取り上げてきました>
 2023年8月15日、同年9月7日、そして2024年8月16日にも取り上げています。今回は2024年8月16日掲載のブログを再録するとともに、改めて運営支援の考え方を提示します。

1 放課後児童クラブは保護者の社会経済活動を支えるという使命に鑑み、台風接近時でも業務継続が必要な業務に従事している子育て世帯の労働者を支えるために、地域において必要最低限の開所体制を確保する。
2 必要最低限の開所体制の確保にあたっては前提として児童クラブ職員の通勤および業務時間中の生命身体の安全が確保されることが必要である。職員の生命身体に危険が及びかねない状況においては児童クラブの開所は基本的に行わない。
3 台風接近時における児童クラブでの業務に従事する職員には通常の勤務時と比較して通勤時及び業務従事中における不測の事態に遭遇する可能性が高いことを踏まえ、使用者(雇用主)は通常の勤務時よりもその待遇を向上させること。
4 国と地方自治体は台風接近時における児童クラブの開所に関して主体的に判断すること。各地で適用できる判断基準を早急に制定して公表すること。

 よほど危険な台風が接近しているような状況、例えば伊勢湾台風や令和元年東日本台風(2019年10月12日に伊豆半島に上陸した台風)のような恐ろしく強い台風の接近時は「臨時閉所一択」とすることは当然です。ただそうではない場合の台風では、交通機関は稼働しておりスーパーマーケットは開いており社会経済活動は若干、その程度は落としながらも機能していることがほとんどです。しかしこどもの安全を考えて小学校は臨時休校という判断を自治体は最近、積極的に行うような風潮が強まっています。それはそれでいいのですが、「社会経済活動は若干のレベルの低下はあれど機能している」「従事する者は出勤したり在宅勤務で仕事を続けたりしているその一方で小学校は臨時休校となる場合が増える」「仕事に従事する保護者がこどもの監護ができない」「児童クラブが必要となる」というこの連鎖がぎすぎすしてしまうと、その不満が時には児童クラブの現場に向かってしまう。それはなんとか避けたい。
 そして職員側の率直な本音も無視してはなりません。「小学校が臨時休校となるぐらい災害に備えているのにどうして児童クラブに出勤してしごとをしなきゃいけないのか。社会は児童クラブ職員の命の重さをどう考えているのか」という本音です。これには丁寧な対応が必要です。「こどもは災害が起こりやすい状況では最も守らねばならないから、早めの臨時休校がある」ということをまず児童クラブ職員側に理解してもらうこと。そのうえで、社会インフラとして児童クラブの必要性がとみに高まるのが台風接近時であること、その状況で機能を果たすことで児童クラブの社会的な評価がさらに向上することを、重要なこととして理解してもらうことも必要です。それが最終的に、児童クラブ職員への評価の向上と待遇の改善をもたらす土台となるからです。
 ただそれは業界全体への影響を期待するもので、もちろん、個々の児童クラブ事業者は法令にのっとって雇用する労働者の身の安全を確保する義務を負っています。職員の身の安全が確保できないのであれば業務に従事させてはなりません。そうならないように事前に種々の措置を講じておくことが児童クラブ事業者に求められます。台風接近時における業務遂行において、児童クラブ事業者はマニュアルを整備して職員にしっかり説明して実施できるようにしておきましょう。
「重大災害をもたらしかねない台風の接近で児童クラブの開所を見送る場合」
「災害をもたらす危険性はあるが社会経済活動を支えるために限定的に児童クラブ開所を行う場合」
「災害をもたらす危険性はあるものの通常レベルに近い社会経済活動が行われることが見込まれるため通常体制での児童クラブ開所を行う場合」
 上記のようにそれぞれの状況に応じた、台風接近時の判断基準および業務遂行に必要な判断についてしっかりとマニュアルを整備しておきましょう。

 冒頭に記したこと、「学校が臨時閉所しても学童は開けってさ」ということと「学校が臨時閉所して学童も閉所になった、でも仕事は休めない」という二極化した現象が起きるのは、台風接近時における児童クラブ開所閉所の判断がそれぞれの地域や事業者に任されているからです。そのこと自体は当然であって、それはあらゆる業態において営業時間や開所時間帯が異なることと差異はありません。ただ、社会インフラとして社会経済活動を支える役割を持っている児童クラブですから、同じ自然現象に対応して隣接している自治体で児童クラブ開所閉所の対応が異なってしまうと、保護者に混乱を招きます。従事する者にも不満が募ります。
 運営支援は、「国が台風接近時の児童クラブ開所に関する考え方」を示すことが必要と訴えます。それを踏まえて市区町村が児童クラブの開所閉所について明確に姿勢を示すことが必要と考えます。自治体が、指定管理者としている児童クラブ事業者や委託者として受託者である児童事業者には、「開所してください」「閉所してください」と示すことはできるでしょう。開所させる、閉所させる、いずれにしてもその理由を明確にするべきです。放課後児童健全育成事業の届出を受理している事業者に対しては、自治体は判断を示すべきでしょう。

 そして個々の事業者は、台風接近時に出勤して業務に従事させる職員について格別の対応を実施することが望ましいでしょう。通勤手段が徒歩や自転車しかない者を台風接近時に出勤させるのは災害に遭う危険性が高いので自動車で出勤できる者を出勤させる。管理職が現場に入って不測の事態に備えられるようにすることも必要です。台風接近時に出勤して業務を行った者への特別な手当も用意しましょう。最悪なのは、運営本部や事務局などの組織運営業務に従事する責任者が台風接近だからと休んでしまい、現場だけが動いているということです。現場は台風接近の中、リスクを感じながら仕事をしているのに「エラい人」は家でテレビを見ながら「大変な台風だ」などと言っているというのは、まったくもって人を雇う立場として不適格です。そういう人は、人を雇う立場にいてはなりません。当然に出勤して非常時に備える、現場を巡回して見回るということをして、現場と一緒にある、ということを身をもって示すことが必要です。口先ばかり偉そうに指示する役員は不要です。

 児童クラブで働くみなさんへ。腹立たしい気持ちになることがあるでしょう。「わたしたちの安全は大事じゃないの?」と思う人もいるでしょう。社会は児童クラブ職員の身の安全を軽視しているわけではない。ただ、「そこまで気が回っていない」だけのことです。ですからわたくしは声を上げています。児童クラブが軽視されているのではなくて「きっと安全な体制が確保されているからこそ児童クラブも開所できるのでしょう。病院やスーパーマーケット、コンビニが営業しているのと同じように」ということなのでしょう。児童クラブの世界はまだまだ労働者の待遇改善が不十分な事業者が多いことも意識されていません。よって、「理解しようとしていない」のではなくて「たぶん大丈夫なのでしょう」という誤解の上に、児童クラブが開所して当然という理解があると考えましょう。児童クラブがいつでも開いているという安心感は、なかなか仕事が休めない保護者にはありがたいものです。それが感謝、評価につながります。こどもと自分自身の身の安全を守りつつ、厳しい環境の中での業務にぜひ、頑張ってください。
 最後に保護者さんへ。本来は学校が休みになったら仕事を休みたい人も多いでしょう。また、雨が降ろうが槍が降ろうが自分自身が職場にいないと業務が進まない専門職、プロフェショナルな市ごとに従事している人もいるでしょう。仕事との向き合い方は人それぞれです。ただ、台風が接近しているときには仕事を休める選択が当たり前に行えるような社会環境を目指していきませんか。在宅勤務が可能な職種ならそれもよし。むろん、何があっても休めない業務に従事している人のおこさんは安全に託せられる児童クラブは絶対に必要なことはわたくし萩原は理解しています。警察消防自衛隊海上保安庁や政府自治体の公務に従事する人、医療教育福祉、流通、交通、日本経済を支える大企業など、そうやすやす休めない人も大勢います。その現状を踏まえつつ、「子育て中の保護者には一定の配慮が当たり前にできる社会」に変わっていくよう、ぜひ意識して勤め先に提案することを考えてみてくださいね。そして台風の中でもこどもを守っている児童クラブの職員に、「それがそちらの仕事だから」という気持ちをいったんは飲み込んで「お互い、台風の中で頑張ったよね!」と声をかけてください。保護者からのその言葉があれば児童クラブ職員も「うん、わたしたちって台風の中でも頑張って日本を支えているよね! わたしたちってすごいよね!」と元気に返事ができるのですから。

<以下は2024年8月16日のブログ再掲載です>
〇優先順位について
(1)最優先で判断するべきこと
子ども・職員の安全確保。遭難防止。
(2)次いで優先されるべきこと
社会インフラに従事する子育て世帯の就労の保障
(3)優先順位が相対的に低くなるもの
通常の子育て世帯の就労の保障

〇判断に際して留意するべきこと
(1)台風による影響の予想。予報されている風速、雨量の強さと継続時間、発生する時間帯
(2)国や自治体による警戒情報や避難指示などの身の安全を守るために欠かせない情報の発出状況
(3)交通機関の状況
(4)定期的に判断を再検討し現状に適切な対応を実施することに関する確認

〇事前に準備しておくことが必要なこと
(1)台風等の自然災害時の事業運営についての規定、マニュアルの整備
(2)市区町村との協定や取り決め。台風接近時に事業者が取りうるべき対策についての取り決め
(3)情報の速やかな伝達体制。事業者内部(職員相互)はもちろん、事業者と保護者との間の情報伝達体制の確立

〇台風の接近に対する対応で児童クラブ事業者が留意しておくべきこと
(1)子どもはもちろん、事業者は職員(従業員)の生命身体の安全を守ることが法令上義務づけられていること。台風接近で暴風となることが予報され被害がもたらされることが容易に予測できる状況において、事業者がその危険性を軽視し、職員に出勤を命じたために、出勤中の職員が暴風によって倒れた木の下敷きになって死亡した、というときは事業者に責任が及ぶことになる。
(2)社会インフラの一画を担う重責があることをふまえ、台風接近によっても社会機能を維持するためにどうしても仕事に就く必要がある子育て世帯の子どもの安全を確保することもまた児童クラブの社会的な責任であることをしっかりと受け止めること。
(3)個別具体的な状況に応じて判断すること。平坦な住宅地と、川沿いの場所で、被害に巻き込まれる危険性は異なる。一概に一律の判断で地域全体のクラブについて「閉所する」「開所する」という判断を下すのではなく、個々のクラブの立地条件を踏まえた災害防止マニュアルを策定し、その策定内容に従いつつ、常に最新の状況を踏まえて判断する。
(4)社会インフラ従事者(エッセンシャルワーカー)の就労保障として地域内に最低限度の個所数のクラブを開所できる体制を整えておくこと。開所するクラブは水害や山崩れといった災害の発生の可能性が最も低いクラブとすること。従事する者は、事前に、そのような状況でも勤務することを同意している職員や管理職に限定すること。当然、危険作業中に対する手当は保障すること。そのような体制について市区町村の事前の合意を得ていること。利用できる保護者は勤務先を確認することを踏まえて事前登録制にしておくこと。 
(5)台風接近によって事業者が最終的にクラブ閉所の判断をしたことに際し、保護者から苦情、クレームが来ることが予想されるが、その対応について事業者全体で統一した説明を準備しておくこと。また、クラブに入所する際の提出書類に事前同意書を加えておき、「台風等自然災害の恐れがある際の閉所の判断に際して事業者に異議を唱えないこと」という項目を入れて、合意しない限り入所を認めない、ということにしておく。その同意書をもって苦情やクレームを阻止できるものではないが、心理的な抑止力にはなる。

 事業者さんは立地条件や運営形態によっていろいろな対応が考えられるでしょう。災害のおそれがある場合に、どのような対応をとればいいのか、常に行政を交えて協議検討しておくことが必要です。そして保護者のみなさんには、自分個人の状況だけで物事を判断しないようにお願いしたいのです。児童クラブは大勢の人の状況を考えて開所したり閉所したりの判断をします。行政の意向も影響します。総合的な見地から開所、閉所の判断をしています。ですから、すべての個人の要望や期待に応じられないことも多々ありますが、それを持って苦情やクレームを、台風が接近していろいろな準備が必要な時に延々とぶつけられてしまっては、大事な準備対応に影響が出てしまいます。仕事は休めない、という事情があるかもしれませんが、「世の中、残念ながら、自分の希望どおりにならないことは、あるものだ」ということは理解していただきますようお願いします。

<2023年8月15日掲載「台風など自然災害発生の恐れがある場合の学童保育所はどうするべきか。開所又は閉所の基準を策定しておこう。」一部を再掲載>
 日本は台風や集中豪雨、豪雪、また地震と、気象災害や自然災害がとても多い国です。最近では、新型コロナウイルスによるパンデミックというようなケースもあります。そのような事態に直面したときの学童保育所はどうするべきか、様々な意見があります。
 働く側にとって、あるいは保護者の中にも「当然、台風などのときは閉所するべきだ。働く人の身の危険を守るために当然だ」という意見が多いのは当たり前でしょう。私もそう思います。しかし一方で、東日本大震災のような社会活動がストップしてしまうほどの大災害に発展してしまった場合はともかく、そうでない場合は、ライフライン関係に勤める人、医療や福祉の世界、公務に携わる家庭が出勤を免除されるケースは少なく、そのような世帯にいる子どもの安全を確保するための学童保育所が必要となる場合もまた、多いのです。

 自然災害発生時、あるいは自然災害の発生が想定される事態において、学童保育所の開所、閉所をどうするか。利用する側も、運営する側にも、悩ましい問題です。この問題を考えるにあたって重要な要素は、純然たる民営学童保育所(営利企業が受益者負担だけで運営する施設)を除いて、市区町村から運営を任されている以上、自治体の意向が常に大きく反映されるということです。そして自治体の意向は、往々にして「基本的に開所」という判断になるケースが多いように見受けられることです。

 つまり、学童保育で働く人にとっては「危険だから閉所が当たり前」という考え方が多い中で、施設設置者である自治体は「できる限り開所」と、判断が分かれることが多いのです。なぜ、できる限り開所なのかは、「基本的な公共サービスである」「学童保育の利用が必要な人がいる限り、開所する」という考え方に沿っていると理解できますが、私の想像では「閉所によって不利益を被る方々からのお叱り、つまりクレームを受けるとその対応に困る」から「だったらギリギリまで開所しておこう」という判断に落ち着く、つまりは「面倒くさいことにならないようにしておきたい」という意向があるものだと、感じています。

 考え方の差で結論が分かれる限り、意見の集約は難しいでしょう。よって、平時において、様々な状況を想定して「このような場合は閉所、このような場合なら開所」という「自然災害時における開所、閉所の基準」を、学童保育の組織運営者は行政と協議し、明確な基準を設定しておくべきだと考えます。

 その場合、例えば台風の接近に伴う基準の策定にあたっては、一概に「台風が来たら、必ずこうする」という程度の緩い基準ではなく、気象警報の発令状況、予想進路と予想される雨量や風速、時間帯、最接近時における学童保育所運営地域の気象予報、当該地域の学校や、他の公共施設の運営状況などを勘案して判断できる基準が必要です。また、決定のタイミングと、一度決めた方針の見直しや変更を行えるとしたらその実施基準など、刻々と変化する状況に対応できる程度の基準を設けるべきでしょう。

 また、大災害時でない限り勤務が無くならないエッセンシャルワーカーの世帯の子どもに限定して臨時に受け入れを可能とする施設の設置を検討することも必要です。洪水やがけ崩れなどによる災害のリスクがほぼゼロと考えられる立地にあることは当然でしょう。この場合、出勤して子どもの対応にあたる職員が誰なのかを事前に指定しておくことが重要です。おそらく管理職的な立場の方になるでしょうが、危急時にも出勤することを雇用労働契約に盛り込んでおけばよいのです。もちろん、それなりに手当を用意することは当然です。利用できる世帯は事前申請制度にしておくことも必要でしょう。(本来は、子育て世帯者の出勤を免除するような仕組みが、各々の企業に備わっていればいいのですが、なかなかそうもいかないでしょう)

 そして、学童保育所を利用する人には、上記にような基準をしっかりと紹介した上で、それに同意する限り、入所を許可するということにすればいいのです。

 「行政が開けろというかぎり、従わざるを得ない」という意見を聞きますが、何でもかんでも委託者や、指定管理をする側の意向が絶対的に優先されるわけはありません。仮に、行政が開所を命じてその方針を譲らないとしたからといって、学童保育所を開所した結果、不幸なことに自然災害に巻き込まれた場合、実際に運営している学童保育所側も当然として、行政側の開所の判断の違法性もまた問われることになります。運営を行う側は、安全に子どもを受け入れなければならない義務を負っており、また雇用する職員に対しても安全な労働環境を提供する義務を負っています。法的な考え、また責任論的な考えをもって、受任者であっても「どうしてもできないものは、できない」と、堂々と主張することも大事です。(その結果、行政の機嫌を損ねてしまい、次の指定管理者から外されたらどうする?という声が上がりそうです。そういう意趣返しをするようであるなら、それはそれでそのことを大々的に世論に訴えて対峙することになります)

 子どもの安全を守るために、どのような対応が良いのか。職員の安全確保も必要。一方で、学童保育の利用が欠かせない世帯もいる。それら複数の、どれも大事な「希望」を、全てを完全にかなえることはできないとしても、ギリギリであらゆる希望の最小限度を満たせるだけの「基準、ルール」を、策定しておくこと。それを利用者は当然、職員にも行政にも周知しておくこと。これで、よほどのことが無い限りは、「どうしよう」と慌てる局面は回避できるでしょう。

(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
 2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 こども性暴力防止法に関する諸課題を5人の弁護士が各々の専門分野に関して紹介、説明するYouTubeチャンネルが開設されました。チャンネル名は「こどもを守る弁護士チャンネル」です。2026年5月30日に第2回の動画が公開、配信されました。こども性暴力防止法の「Q&A」を読み解くとして、【弁護士が読む❗️こども性暴力防止法Q &A】のタイトルです。メインスピーカーは三輪記子弁護士、聞き手は嶋﨑量弁護士です。
https://www.youtube.com/watch?v=XtTCNTDBLLo
 なお第1回(2026年5月16日)の「こども性暴力防止法を考える」が配信されています。
https://www.youtube.com/watch?v=uUlx8XaKMso&t=4324s

 放課後児童クラブ事業を考えている民間企業の方へ朗報! 児童クラブ参入の手引きとなる「埼玉県 放課後児童クラブ新規参入スタートブック」が公開されました。全40ページ。フルカラー。冊子は2部に分けて埼玉県福祉部こども支援課のページで公開されています。なお本スタートブックは弊会が作成受託しました。
(前編)
 https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook01.pdf

(後編)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook02.pdf

 「Wedge ONLINE(ウェッジオンライン)」にて2026年4月13日、「「こどもが学童に入れたから仕事も安泰!」なのか?小1、行き渋り、夏休み…いくつも存在する“学童保育の壁”とその対処法」という記事が公開、配信されました。(https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40473)。わたくし萩原が編集部の依頼に応じて寄稿しました。ぜひご高覧ください。
 なお、近く新記事掲載が予定されています。

 「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)

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萩原和也