「こんな放課後児童クラブ(学童保育所)は嫌だ!」(子どもの立場編)~GW特別版です~

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。ゴールデンウイーク(大型連休)です。運営支援ブログもGW特別版として「こんな放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)は嫌!だ!」シリーズをお送りします。もちろん、筆者萩原の独断と偏見です。気楽にご覧くださいね。
 ※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。

・こんな放課後児童クラブは嫌だ!~いつも人がいっぱいでギュウギュウ詰め。絶対誰かとぶつかるじゃん!
 →嫌ですよね。行きたくなくなります。大人だって同じでしょ、ずっと満員電車の中にいる自分を想像してくださいな。おやつを食べるにしても宿題をするにも、すぐ隣の人とぶつかる。雨の日はもう最悪。ムシムシするし、クラブの中を走り回る子が絶対いるからぶつかってケガするし。夏はすぐ部屋が暑くなる。これ「大規模問題」といいますけれど、子どものチカラでは解決できません。大人、それも国、市区町村しか解決できませんからね。よろしく頼みますよ、こども家庭庁さん。

・こんな放課後児童クラブは嫌だ!~毎日、何をやるかスケジュールが決まっていて絶対にその通りにしないとならない。子どもに決めさせてよ!
 →これ、保護者は無関心な人が多いですよ。むしろ、「月曜日はオンラインでネイティブな英会話教室で、火曜日はプログラミング、水曜日はダンス教室の人によるダンスレッスン、木曜日はオンラインで苦手な勉強の復習ができて、金曜日はタッチラグビー。学童でこんなに盛りだくさんのことをしてくれるなんて、本当に良かった。子育て支援ってこういうことですよ!」と保護者は思いがちです。このようなスケジュールががっちりと固定されている中で、自分が過ごすとしたらどうなのか、「自分が子どもだったとして、そのような毎日の児童クラブに通ってどう思う?」と想像してみてくださいね。子どもたちが学童で遊んでいる時間が「無駄な時間」と「誤解」してはダメ。子どもが将来、いろいろな人間関係の洗礼を浴びてもたくましく生きられるような「人間としての基本的な能力」を磨く時間なんですから。

・こんな放課後児童クラブは嫌だ!~おっかないクラブの職員がいる。いつも怒鳴っている。何か失敗したらすぐ正座させる。おっかないし、本当にうざったい!
 →保護者にも、まだいますよ、「なにかあったらビシッと叱ってくださいね。その方がちゃんと育ちます。だいたい、学童は子どもに甘いんですよ」という保護者が。それは確かに、児童クラブは集団生活の中で子どもが社会性を育て、身に着けていく場所です。しかしそれって、基本的には「子どもが自分自身の力で=子どもの主体性で」ということです。もちろん子ども「だけ」では難しいので、適切な支援や援助をして子どもの「育ちを支える」のが、クラブ職員の仕事なんですよ。それは、何か子どもがミスをしたり、ちょっと「やらかした」ことで職員が怒鳴る、叱りつける、ということでは、まったく児童クラブの本当の使命を果たしていないということです。もちろん、「子どもが全部正しい」からと何をしても子どもを叱らない、容認するというのも間違っています。わざと、故意で、他の子どもや職員を傷つけようとしたり大けがや場合によっては命にかかわるような行為をしようとしたときには厳しく叱ることはありますが、それは児童クラブだけでなくどの世界でも同じこと。そういう例外的な場合ではなくても、常に児童クラブの職員が怒鳴っているようなクラブは、「放課後児童クラブの本当の使命」を理解していない事業者が運営している「最悪レベルの児童クラブ」と思ってくださいね。子どもから「うちの先生はいつも怒鳴っている」と聞かされた保護者は、遠慮なく、市区町村のクラブ担当者に抗議してください。
 あと、ガミガミ怒らなくても、「ネチネチ」怒る職員がいるクラブも、子どもにとって最悪。「全員静かにならないと、外遊びに行けませんからね」と子どもたちをニラミつける職員。なんだかんだで全員が静かになるまで20分ほどかかってしまって、外遊びで使える時間が10分ぐらいになってしまう。子どもたちはもう、不満いっぱいですよ。おやつの前のお説教もしかり。子どもは、そんな職員がいるクラブなんか大嫌いですよ。

・こんな放課後児童クラブは嫌だ!~先生がすぐに代わる。仲良く遊べるようになったころにいつも辞めちゃう!
 →多いですよね。児童クラブの世界は、とかく、職員がすぐ辞めます。それはひとえに雇用労働条件が劣悪なことが原因ですが、それだけでなく、嫌な大人の世界につきものの人間関係のひどさも影響します。特に、クラブの先輩職員が自分勝手でチームワークなんか関係ないというタイプの場合、その人と一緒に働く新人職員は長くもちません。いわゆる「新人クラッシャー」ですが、得てしてそういう嫌な先輩職員は「相手がどんどん辞めるだけで、自分は着実にキャリア(勤続年数)を積んでいくので、給料も高いから絶対に辞めない」のですね。でも、子どもは、「一緒に遊んで楽しい」職員のことを信頼するんですよ。一緒に遊んで楽しめるようになるまでには、時間がそれなりにかかります。打ち解ける前に辞めていく職員ばかりのクラブの子どもは、大人に対する考え方もそれなりにすさんでいくものです。

・こんな放課後児童クラブは嫌だ!~暑い!熱中症になる!トイレが汚い、臭い!トイレに行きたくない!
 →これは、命にかかわる問題です。国と市区町村は徹底的に対応してください。もう、家庭用の壁掛けタイプのエアコンでしのげるような夏の暑さではありません。強力なエアコンを児童クラブに設置するために行政の責任で空調は整えてください。トイレもそう。トイレを我慢して体調を崩した、病気になったというのでは、安全安心な子どもの居場所たる放課後児童クラブとしては失格です。単なるわがままではありません。命に、健康に関わる重大な問題ですよ。

 <おわりに>
 もっともっとあるでしょうね、子どもにとって嫌な児童クラブは。どんなことに、子どもが困っているのか、嫌がっているのかは、子どもにしっかり聞いて把握することが大事です。それこそが、子どもの意見表明権を守るというまさに本質なのですから。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の事業運営をサポートします。リスクマネジメント、クライシスコントロールの重要性をお伝え出来ます。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

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