小1の壁打破に向けて、メディアは「質」と「量」の両面で、継続的な問題追及と問題解消を訴えてください。

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。学童保育事業の質的向上のためにぜひ、講演、セミナー等をご検討ください。

 3月13日の参議院予算委員会で、岸田文雄首相は、いわゆる「小1の壁」打破に向けて答弁されました。それを受けて報道もされましたが、相変わらず、一過性の報道に終始しています。速報メディアであるテレビ、新聞に続いて雑誌メディアも今後、報道していくと思われますが、「小1の壁が取りざたされる」→「速報メディアが報じる」→「SNS等で話題が沸騰する」→数日すると誰も触れなくなる、という毎年繰り返されている光景が、また繰り返されるのでしょうか。

 小1の壁の根本的な問題とその解消について、社会に広く訴える力を持つメディアは、ぜひともその役割を小1の壁問題に向けて注力していただきたいのです。なぜなら、この国の、子育て支援に対する取り組みがいかに脆弱か、いつも掛け声ばかりで終わっているのかを、如実に示しているのがこの小1の壁問題であり、「小1の壁」程度の問題すら解消できない政治と行政が、「少子化対策、次元の異なる子育て支援策」と大見えを切ったところで、その実効性に疑問符が付いて回るだけだからです。

 小1の壁問題は、つまるところ、この国(社会といってもいい)が、「子どもの育ちをどう考えているか」「子どもの最善の利益をどこまで尊重できるか」の試金石なのです。

 この問題を継続的に追及するにあたっては、「質」と「量」の双方の側面で、現状の問題点を取り上げ、その原因を分析し、そして解消法を、メディアに提言していただきたいのです。

 3月7日の厚生労働大臣会見で、加藤厚労大臣は「学童保育は子育てと就労の両立に向けた重要な施策であります。また総理からも、こども対策の強化に関して学童保育について質・量両面からの強化を進める指示もございました。新・放課後子ども総合プランに基づく受け皿整備等を着実に実施し、早期に学童保育における待機児童解消を図っていきたいと考えています。」と、待機児童解消に向けての取り組みに関する記者からの質問に対して回答しました。

 新・放課後子ども総合プランに基づくとは、すなわち「放課後児童クラブ(育成支援を行う学童保育所)と放課後子供教室の両事業を一体的に又は連携して実施する」ことを意味します。それは「全児童対策事業」と呼ばれるタイプの、子どもの居場所づくり事業となります。もともと、国はこのタイプの事業を強力に推進しています。2023年度末までに合計30万人の児童の受け皿を、このタイプで整備する目標を策定しているのが、この新・放課後子ども総合プランなのです。

 このタイプの事業の問題点は、「単に子どもの居場所を準備するだけ」といっても過言ではありません。そこで過ごす子どもの状態や、家庭の状態は、重要視されません。また、子どもがストレスなく過ごすことができるだけの設備を作るための投資も、あまりなされていないのが現状です。つまり、質の面で、問題が多いのが、この「放課後児童クラブと放課後子供教室の一体的又は連携して実施する全児童対策事業」なのです。

 小1の壁問題打破には、まず「子どもの居場所」を確保することが必要であり、それは「数」の問題です。学童保育を必要としている児童数の見込みと、その児童を受け入れる施設数のミスマッチですが、それは端的に言えば、行政の不作為です。地方版子ども子育て会議において、自治体は、学童保育所を必要とする児童数を算出し、それに対応する施設数について算定することになっており、必要な施設数については当然、もっと以前から把握ができているはずです。その見込み量に対応して施設整備をしてこなかった行政の不作為責任でもあるのです。
 もっとも、数の問題は最終的に施設数を増やすことで対処ができます。それは今後、緊急に対応がなされるでしょう。やろうと思えばやれるのです。余裕教室しかり、その他、無駄に使われている行政施設はおよそどの自治体であっても、ほぼ確実に存在するでしょう。

 肝心なのは、そこで「質」の問題解消にも併せて取り組むべきなのです。「数は整備した」だけでなく、「子どもの居場所にふさわしい施設を整備した」でなければならないのです。「こどもまんなか社会」を作ると国が自ら掲げているのですから、その「こどもまんなか社会」とは、子どもの最善の利益に配慮した社会であることは当然であり、「居場所を作る」という数だけでなく、「そこで過ごす子どものためになる施設」を作ることが求められるのです。
(具体的にどのような施設なのかは、当ブログ3月14日投稿分に記載しています)

 メディアはそのことを、継続的に、社会に訴えていくことが必要であると、私は思います。「問題化した、報じた、それで役目終了」ではないのです。問題が解消されるまで、しっかりと推移を把握し、報道を重ねることが必要なのです。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、子どもたちの最善の利益を守るために必要な施策を、学童保育という観点から提案、提言しています。子どもの未来を支える学童保育について、学童保育所の専門性向上について、必要な施策を助言し、提案をしています。ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る学童保育所の発展のために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく学童保育です。学童保育の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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