岸田首相が「小1の壁」は「喫緊の課題」であり解消を目指すと国会答弁。そのために必要な施策を提案します。

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。学童保育事業の質的向上のためにぜひ、講演、セミナー等をご検討ください。

 3月13日の参議院予算委員会で、岸田文雄首相は、いわゆる「小1の壁」の問題解消にむけて、力強い答弁をされました。時事通信社が配信したネットニュースの記事を引用します。

 岸田文雄首相は13日午後の参院予算委員会で、共働き世帯などが子どもの小学校入学後に預け先を確保できず、仕事が続けにくくなる「小1の壁」と呼ばれる問題の解消を目指す考えを強調した。
 「打破することが喫緊の課題だ。待機児童解消の取り組みを進める中でしっかり向き合っていく」と述べた。立憲民主党の森屋隆氏への答弁。
 首相は放課後児童クラブ(学童保育)の受け皿拡大に取り組んでいると説明しつつ、「夜間働く方、労働時間が不規則な方は利用が難しい現実がある。きめ細かい配慮も重要だ」と指摘。政府が検討する子ども・子育て支援策で「そうした点も念頭に政策のパッケージを示したい」と述べた。(引用ここまで)

 小1の壁は喫緊の課題であること、待機児童解消の取り組みを進めることを表明しました。

 大変すばらしいことだと評価します。

 この答弁を伝えるSNSでは多くの意見が書き込まれています。それだけ、国民の注目を集めている問題でもあるのです。

 学童保育の利用を希望するすべての子どもが、学童保育を利用できるようになること。これはとても重要なことです。保護者の就労を保障することであり、経済活動を支える点でも重要なことです。

 国および地方自治体には、早急に小1の壁打破に向けて行動することを切に希望します。

 さて、小1の壁打破に向けて実施されるアクションとしては、いわゆる「全児童対策事業」、放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ。狭義の学童保育)と、放課後子供教室の連携または一体型による、子どもの居場所作り事業が、これまで以上に推進されることになると私は予想します。
 理由としては、「事業実施場所は小学校など行政の財産を活用できるため、比較的早急な対応が可能(なはず)」と、「放課後児童クラブの整備は、実施場所の確保もさることながら、法令上の規制があり、著しい人手不足状況でもあり、早急に施設数を増やすことが現実的に困難」と、「放課後児童クラブの整備は、全児童対策事業よりコストがかかる」、からです。

 私は、放課後児童クラブの整備を大至急進めてほしいと願う立場ですが、現実的に小1の壁に直面し、就労をあきらめねばならない保護者が存在するということであれば、「緊急避難的に全児童対策事業でいったんは子どもの居場所を確保しつつ、同時並行的に放課後児童クラブの整備を強力に推進すること」を希望します。
 さらには、「経済界を中心に国民世論に向けて、育児期間中の時短勤務や休業について、生活に必要な最低限度の社会保障を確保することで育児期間中に親が子育てに関わることができる時間を増やすことで、放課後児童クラブへのニーズを緩和させる大胆な施策が必要である(当然、増税や国債発行など痛みを伴う政策が不可避)ことを理解していただく」ことも、必要だと考えます。

 緊急避難的に全児童対策事業を行うとしても、その場所が、「子どもにとって最善の利益が保障される場であること」は、絶対に守らなければならないことだと考えます。
 よって、次の項目を取り入れた全児童対策事業の早期展開を希望するものです。

 「緊急避難的な全児童対策事業を利用するすべての児童について、その家庭状況や、その児童の心身の発達の状態を適切に把握できる仕組みを整備しておくこと」
 「児童1人あたりのスペースについて、児童がストレスなく過ごすことができる十分な広さを確保すること」
 「定員は設けなくとも、利用に際して事前登録制にするなどして、どの児童が利用するのかを事前に把握できる仕組みを整備しておくこと」
 「児童が過ごす時間において、児童の発達を支えるために重要な遊びの時間が十分に確保されることと、その遊びを支える専門職、放課後児童支援員の配置を求め、その人数は児童の安全安心を確保するに十分な人数であること」
 「保護者のニーズにも対応し、30~45分程度の学習時間(ホームラーニング)を確保すること」
 「児童の成長を支える補食を行政予算で確保すること」
 「児童の体調不良時には保護者が早急に迎えに来るなどの確約を確保すること」
 「午後5時以降は放課後児童クラブとして機能するにあたり、法令上求められる施設が整備されていること」
 「運営主体については、極力、放課後児童クラブを運営している非営利団体に委託または代行させること。その際は公契約条例の制定を行い、スタッフの賃金について十分な配慮を行うこと」
 「これらに必要な予算はすべて、次元の異なる子育て支援策として、国が10割の負担とするべきこと」

 これらのことが確保されている全児童対策事業であれば、放課後児童クラブが整備されるまでの「ショートリリーフ」として機能することは、子どもと保護者、そして社会にとって利益になることだと考えます。

 学童保育の業界も、「放課後児童健全育成事業以外は認めない」ではなく、「放課後児童クラブの整備が必ず行われるならその間は協力する」という柔軟な姿勢を打ち出していくことが必要ではないでしょうか。

 いずれにせよ、小1の壁は、もう10年ぐらいはずっと声が上がっていた問題です。もうそろそろ、この問題にケリをつける必要があります。この4月には、こども家庭庁が発足し、国を挙げて「こどもまんなか社会」を目指すとしているのです。まさに、子どものために必要な施策は、たとえ巨額の予算が必要であったとしても、恐れずに実施するべきなのです。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、子どもたちの未来を支える学童保育について、学童保育所の専門性向上について、必要な施策を助言し、提案をすることができます。ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る学童保育所の発展のために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく学童保育です。学童保育の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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