小1の壁を解消するために、国にぜひとも取り組んでほしいことがあります。自治体を支える予算です!

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。学童保育事業の質的向上のためにぜひ、講演、セミナー等をご検討ください。

 「小1の壁」問題の解消に必要であり、かつ次元の異なる子育て支援の中核の1つとなる学童保育所の充実をサポートする重要性を訴え続けています。「小1の壁」とはつまり、放課後や学校長期休業期間の、子どもの居場所がない、という問題です。ですから、居場所を用意すればよい。単純な問題であり、解消法も単純なのです。

 それができないのは、つまるところ、「予算がない」からなのです。

 なぜ予算がないのか。それは、根本的には「児童福祉に充てる予算の行政機構での優先順位が低い」にほかならず、児童福祉に充てる予算の割り当てを増やせばよいのですが、まあ、地方自治体にもいろいろやらねばならない事業がたくさんあるので、「他の事業に必要な予算を充てても、なお、児童福祉に充てる予算がしっかり確保できる」だけの予算を確保できれば良しとしましょう。

 それには、やはり、子どもの居場所づくり事業に対する国の補助金の額が増えればよいのです。

 補助金の額をただ増やすだけでは、実はダメなのです。

 子どもの居場所づくりとしては「学童保育所(放課後児童クラブ)」と、「放課後児童クラブと放課後子供教室の両事業を一体的に又は連携して実施する、いわゆる全児童対策事業」の2タイプがあります。(さらに言えば、国の補助金交付対象外の「民間学童」と呼ばれる、企業経営の学習支援型学童があります)

 学童保育も全児童対策事業も、実施に対する補助金は、国と都道府県と市町村がそれぞれ3分の1ずつ負担することになっています。

 ですから、単に国が補助金の交付総額を増やしたところで、地方自治体は、ついていけないのです。3分の1の割合でも地方自治体には重い財政負担となるのです。

 よって、小1の壁問題を喫緊の課題としてその早期解消に取り組むのであれば、さらに次元の異なる子育て支援策として少子化対策を強力に推進するのであれば、この補助金の負担割合を、一時的にでも変える必要があります。具体的には、国が2分の1とし、都道府県と市町村がそれぞれ4分の1ずつとする、などです。

 これを実施することで、「政府は本気で、小1の壁も、子育て支援も、行うのだな」という強い決意が、国民に伝わるのです。

 さらに言えば、学童保育に対する国民と補助金の負担割合目標も変更する必要があります。現在は、受益者負担として保護者と、行政とが、それぞれ5割ずつの負担割合とすることとなっています。要は、学童保育運営に関する経費は、半分は利用者が負担しなさい、ということです。それもまた、学童保育を利用する世帯の負担となっています。それも、例えば保護者が2割5分、行政が7割5分にするなどの負担割合変更が必要でしょう。

 小1の壁対策として、もう1つは、民間学童の役割を、子どもの居場所づくりとして活用することです。民間学童は営利目的での事業です。英語や手厚い学習支援、各種体験を行う施設です。補助金が出ないため、すべて利用者が支払う月謝等に収益を依存しています。営利事業ですから、その運営に直接、補助金は出せないのは当然としても、例えば、公営学童や公設民営学童に入所できなかった世帯に限り、当分の間、その利用料の半額を補助する、といった、子どもの居場所づくりに関する補助としての新制度を創設して実施することは、積極的に考えるべきだと私は思います。

 最後にぜひとも提言したいのは、学童保育(放課後児童クラブ)の地方自治体における位置づけです。児童福祉法等、関連法令では、「地域の実情に応じて」実施する、となっています。この「地域の実情」が、曲者なのです。どんなに国や社会が学童保育を整備拡充してほしいと叫んでも、地方自治体にしてみれば「地域の実情に合わせて実施しています」と言えば、それで済んでしまうのです。そのせいで、極めて貧弱な学童保育事業しか展開せず、働いている人がワーキングプアに苦しんでいる自治体は、全国で実は圧倒的多数なのです。(学童保育で働く人の平均年収は、全国学童保育連絡協議会の2017年度調査では約半数が150万円未満。ワーキングプアと言われる200万円未満で6割です)

 学童保育の全国的な目指すべき目標として「放課後児童クラブ運営指針」が国によって策定されていますが、それでは不十分です。特に運営面での、国の強力な姿勢が必要です。賃金条項付公契約条例の制定推進と合わせ、学童保育が全国統一基準で運営されるように、保育所と同等の「児童福祉施設」への格上げが必要です。 

 「あい和学童クラブ運営法人」は、小1の壁解消について、上記の提言を行います。今後も、子どもたちの最善の利益を守るために必要な施策を、学童保育という観点から提案、提言していきます。子どもの未来を支える学童保育について、学童保育所の専門性向上について、必要な施策を助言し、提案をしています。
 学童保育の運営者の方、行政担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る学童保育所の発展のために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく学童保育です。学童保育の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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