体力もメンタルもハードな放課後児童クラブ(学童保育所)の仕事。労災になりがちな傷病を紹介します。

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブ(学童保育所)運営支援アドバイザーであり、放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。放課後児童クラブを舞台にした人間ドラマ小説「がくどう、 序」が、アマゾン(https://amzn.asia/d/3r2KIzc)で発売中です。「ただ、こどもが好き」だからと児童クラブに就職した新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描くハッピーサクセスストーリーです。お読みいただけたら、アマゾンの販売ページに星を付けていただけますでしょうか。そして感想をネットやSNSに投稿してください! 最終目標は映像化です。学童の世界をもっと世間に知らせたい、それだけが願いです。ぜひドラマ、映画、漫画にしてください!

 今回は社労士ブログとして、放課後児童クラブで仕事をしているときに起こりやすい負傷、疾病について紹介します。正規常勤職員も、夏休みだけのアルバイト職員も、児童クラブで仕事をしているときに見舞われたけが、病気は、労災になる可能性がありますからね。児童クラブ事業者は積極的に労災の手続きに協力しましょう。

(※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)

<労災とは>
 まず簡単に労災について制度を紹介しましょう。業務中や通勤中に起きた負傷や疾病、障害又は死亡は、「業務災害」「通勤災害」として、国の労働者災害補償保険(労災保険)の対象となる場合があります。仕事中のけがや仕事が原因で起きた病気が100パーセント、労災保険の対象となるかどうかは別の話です。認められない場合もありますが、児童クラブでごく普通に仕事をしていたときに起きたけがは、よほど特異な状況でない限り、労災として認められる可能性が高いでしょう。特異な状況というのは、禁止されているにもかかわらず勝手に刃物や危険なものを持ち出して遊んでいたときに起きたというようなケースですね。「そんなことは業務ではありえない」ということを職員が勝手にやらかして起きたけがは、労災として認められない場合がありますからその点はご注意ください。

 通勤による負傷、疾病、障害又は死亡についても労災保険の対象ですが、今回のブログでは通勤災害には触れません。1点だけ、「通勤は合理的な経路及び方法により行う移動」であってこの場合のみ、通勤災害として労災になるということです。自宅と児童クラブの間で、いつも使っているルートで起きた通勤災害は労災保険の対象となる可能性は高いと言えますが、途中でどこか観光したり、のんびりショッピングを楽しんでいたりした時間を過ごしたり寄り道したりした場合は、まず認められないでしょう。(児童クラブの通勤の場合に問題となる恐れがあるのは、職員が通勤途中にクラブで必要な物品を購入するために店に寄ることが普通にあることです。それを買わないと業務に影響が出るなら、その買い物も業務の一端と考えられなくもありません。万が一、そのような状況に陥ってしまった場合は、労働問題に詳しい弁護士に相談することをお勧めします)

 児童クラブ事業者には別の責任があります。厚生労働省のHP(労働災害が発生したとき)のページには「事業主には、労働災害の防止義務・補償義務・報告義務があります。」「事業主は、労災を防止するため、労働安全衛生法に基づく安全衛生管理責任を果たさなければなりません。法違反がある場合、労災事故発生の有無にかかわらず、労働安全衛生法等により刑事責任が問われることがあります。」と記載されています。
 児童クラブ事業者の中には、労災の申請について消極的だったり、労災防止に無関心な事業者があるようです。ダメですよ。労災保険は「労働者を1人でも使用する事業」であれば強制的に適用されます。除外されるのはごくごく例外です。児童クラブの事業は労災が強制適用されます。
 ここでも実はなかなか難しい問題があります。「NPOや一般社団法人などの児童クラブ運営事業者で職員が理事、代表理事、理事長になっている場合」です。保護者が運営に関わる事業者にありがちで、保護者がだれも代表理事や理事長になってくれないのでやむなく職員がなっているパターンの場合ですね。役員は労働者ではないので労災保険の適用はありませんが、名目上の役員の場合、つまり他の役員の指揮監督の下に働いている場合においては適用される可能性があります。もし、そのような状況に出くわしたら、労災を得意としている社会保険労務士に相談してください。
 そして実にややこしいのが、夏休みなど、職員数がどうしても不足しがちな時期に、保護者が応援で児童クラブでの仕事を手伝ってくれる場合です。ヘルプ、ボランティアとして職員集団に加わって児童クラブでこどもと関わったり、おやつの準備を手伝ったりすることですね。このときに起きた負傷の治療はどうなるのかということです。「職員ヘルプの際に起きたけがについては労災としない」という合意書を取り交わしている事業者があったとしたら止めてください。意味がありません。基本的には労災として取り扱うことが、ヘルプで応援勤務に入ってくれた保護者の利益になりますから、事前に、超短期間の雇用契約を取り交わしておいて、労働者であることを明確とすることをわたくし萩原はお勧めします。もちろん最低賃金分の時給を支払うことになります。
 保護者の側が、勤務先のルールで副業禁止である、という場合もあるでしょうが、そうであっても雇用契約を取り交わし、責任をもって、たった1日、半日でも、労働者としてヘルプに入ってもらうことを明確とすることが、最終的に善意でヘルプに加わってくれる保護者を守ることになりますし、児童クラブ事業者が社会正義をしっかり意識した運営をしていることを示すことになります。
 万が一の場合を何も考えないで夏休みに保護者の応援勤務を頼むことだけは、絶対にやめましょう。それは「事業」ではありません。児童クラブ運営は仲良しグループの同好会ではありません。れっきとした「事業」ですから、事業者が守るべきルールは必ず従うことです。

<起こりやすい負傷疾病>
 ではでは児童クラブで起きやすい負傷や疾病について紹介していきます。もちろんすべての負傷や疾病を紹介できるものでもありません。あくまで代表的なものだけの紹介です。なお、こども家庭庁は 「「令和6年教育・保育施設等における事故報告集計」の公表について」として、死亡事故や治療に30日以上を有する重篤な事故に関するデータを掲載していますので合わせてごらんください。
「令和6年教育・保育施設等における事故報告集計」の公表について
 データベースもあります。(教育・保育施設等における事故情報データベース|こども家庭庁

(1)骨折
 屋外遊びでも室内でも起こりえます。場所としては手首、足首、指が多い印象を萩原は持っています。サッカーや鬼ごっこで足首を、転んだ時に手をついたときに手首を、ということです。高年齢者だけが特に注意、ということでもありません。10代の学生アルバイトでも、激しい動作の最中に転倒して骨折、ということがあります。
 児童クラブはテーブルなどなかなか重さがある物品を抱えて運ぶ、ということもあります。そうした際に肋骨を痛めてひびが入ってしまう、ということもあり得ます。肋骨の場合、「大丈夫かな」と思って数日過ごしていてそのうち痛みが和らぐどころかますます痛くなって、そこで初めて診察を受けたらひびがはいっていたことが分かった、ということもあります。
 「仕事中のけがは、その日のうちに、労災保険指定医療機関で診察を受ける!」ことを徹底してくださいね。事業者は、「労災保険に対応している病院と薬局を利用すること」と、けがや病気になった職員に必ず伝えてください。
 わたくしが直面した最も重大な骨折による労災は、大腿骨です。全治3か月以上でした。雨の日に、児童クラブの玄関先で職員が足を滑らせて転倒したものです。先に記しましたが「事業主は、労災を防止するため、労働安全衛生法に基づく安全衛生管理責任を果たさなければなりません。」とあります。重大な労災事故だったため警察による現場検証も行われました。重大な結果を受け、足が滑りにくくなる措置を講じました。

(2)腰痛
 これはやっかいですよ。腰は、日常生活でも容易に痛めやすいので、「児童クラブの仕事で起きた腰痛かどうか」が労働基準監督署によって厳しくチェックされると考えてください。児童クラブ運営事業者は、雇用するすべての職員から「既往症」「現在、治療中の傷病」について定期的に報告させ、新たに治療を開始した傷病についても所定の用紙で事業者に報告させることとした方がよいです。この仕組みがあれば、児童クラブで腰を痛めたときに、「ウチはどんな傷病でも治療しているものは職員に報告させていますが、この職員からは腰痛の訴えがないので、今回の腰の痛みは業務に起因するものです」と堂々と主張できます。高齢者が多い事業者ではぜひとも「既往症・治療中傷病報告シート」を作成して活用しましょう。
 腰を痛めるのは、テーブルや書類の入った段ボールなどを運ぼうとしたときや、こどもが急にのしかかってきたときに起こりがちです。ドッヂボールで急に向きを変えようとしても痛めます。腰を痛める状況は本当に多いです。しかも痛めてしまうと、なかなか治らない。児童クラブの腰痛対策は本当に大事ですよ。

(3)打撲
 日常茶飯事です。多くは病院診療所での診断治療は不要ですから、労災保険の適用はしないで済むでしょうが、打ち所が悪い、あるいは広い範囲にダメージを受けた場合は整形外科に行くこともあるでしょう。現実的に、湿布をもらって1回の診察でおしまい、ということになりそうなら労災とせず普通の診察つまり健康保険を使ってしまう、ということが多いでしょう。もちろん、それはいけないことですと、念のため申し上げます。健康保険は業務上の傷病には使えません。
業務災害または通勤災害であるにもかかわらず、誤って健康保険で病院にかかってしまった場合の手続き

(4)切り傷
 これも日常茶飯事といえるでしょうか。おやつや昼食準備中に包丁で手指を切ってしまうことが多いですね。ばんそうこうやガーゼで手当てできるなら労災を使うまでもないのですが、深く切ってしまった場合は医療機関の診断が必要です。
 なお、これは言いにくいことですが気にせず申しますとね、「あまりにも軽い打撲や切り傷なので、市販薬で手当てします。病院に行きません」と職員スタッフから申し出があった事案で、後に「やっぱり病院に行きました。労災の手続きをお願いします」と言われると、内心やはり「ぐぬぬ。だったら最初から病院に行ってくれよ」と忸怩たる思いになりますね。初めから労災を視野に病院に行くならそれはそれで大歓迎なのですが、後日、「やっぱ労災で」となると、手続きがどえらい大変になる場合があるのです。労基に相談し、病院と薬局に依頼していろいろ変更してもらうとか、そりゃもう何日がかりの大変な作業が必要です。労基さんからは「どういうことでしょうかね?」と問い詰められることもあります。お願いですから、後日の方針変更は止めてほしいのです。

(5)ねんざ
 サッカーやドッヂボール、鬼ごっこなど、外遊びではなかなか避けようがありません。軽微な骨折より治療が長引くこともあります。必ず医療機関で治療を受けて徹底的に直してください。労災を使うのは当然です。
 実はわたくし萩原、左の足首に若干、動かない範囲がありましていわゆる「正座」ができないのです。デブで体重が重いのはともかく左足首がどうしても正座に必要な形態に動かない。これは大昔の記者時代、沼津通信部という配属先で富士山頂での取材機会があって、行きは資材運搬のブルドーザー、帰りは徒歩で下山だったのですね。その下山中に激しく左足をくじいてしまったのです。自衛隊さんのお世話になって下山ができました。自衛隊さんには本当に感謝しかありませんよ。しかし本当につらかったのはその2日後、今度は天城峠の取材がすでに決まっていたのですね。キャンセルできない取材でした。足首を動かないようにしながら旧天城トンネルを歩いたときの絶望的な痛みはあれから30年近くたっても覚えています。そんなこんなでじっくり左足首を治すいとまがなく、結果的に、日常生活はまったく問題ないですが正座はできにくいカラダになってしまったのです。

 仕事中のけがは、徹底的にしっかり治しましょう。

(6)目のけが
 意外に多いですね。これはもうすぐ眼科へ行きましょう。目は医療関係者以外の素人がどうのこうの判断できる場所では絶対にありません(いや体のすべてがそうなのですが)。飛んできた物体が目のあたりに衝突する、こどもが振り回した棒や紙の筒が当たる、紙の切れ端が目に入る(これ、実に痛い!)。目のけがは直ちにどんな状況でも眼科です。万が一、視力低下や失明となったら、「障害」です。労災は労災でも「障害」の労災になりかねません。
 なお「めがね」ですが、児童クラブ勤務では、結構壊れやすいものです。ドッヂボールのボールが当たるとか、隣のエリアでボール遊びをしていてそのボールが急に飛んできたとか。残念なケースでは、クラブ室内で、「ちょっと目が疲れたわ」と眼鏡をはずして横の床に置いたら、そこにこどもが倒れてきたため眼鏡が壊れてしまったということもありえます。眼鏡が仕事中に壊れた場合、賠償責任保険(=職員も当然、加入させていますよね児童クラブ運営事業者さん。未加入ですと万が一の場合、お手上げになりますよ)でカバーできるかどうかは何とも言えません。保険適用はかなり厳しい、無理な場合があるものだと意識しておきましょう。わたくしは「児童クラブでの仕事は眼鏡が壊れやすいので、壊れてもいい安いものを使用してください」と呼び掛けることをぜひおすすめします。

(7)歯のけが
 こどもには多いですね。転倒して口を打ち付けて歯が折れる、という事故です。大人の職員では歯が折れるとはわたくしも聞いたことがありませんが、顔のあたりに偶然、こどもの手が当たって歯茎を傷めたケースには出くわしました。歯も目と同じ、素人にはまったく手出しできませんのですぐに歯科医院に行きましょう。

(8)耳
 これは2つ。1つは、急にこどもが耳の近くで大声を出したことによる影響。鼓膜が破れることもあります。すぐに耳鼻科へ行きましょう。労災です。そしてもう1つは「突発性難聴」です。児童クラブは、とにかく、音がうるさい職場です。「発声器たるこどもが何十人もいる」うえに、「こどもの声の質は甲高いうえに、とにかく大声を出すのがこどもという人類」であり、「児童クラブの天井は低いことがあるので音が反響しやすい」ので、まあ、耳を傷める児童クラブ職員が多いのです。そして突発性難聴は精神的なストレスも影響するとされています。メンタルでしんどい児童クラブ勤めには、突発性難聴はもう職業病といってもいいのではとわたくしは考えます。
 突発性難聴は初期の治療がすべてです。遅れると完治が難しくなるとさえ言われます。児童クラブ勤めで耳が聞こえにくくなったらすぐに病院です。そして労災との関係ですが、これは難しい局面が予想されます。これはその傷病が仕事が原因であることを示す、相当因果関係が存在しなければなりません。業務起因性というのですが、「その業務で起きた疾病か」というのを確認しなければなりません。まずは労働基準監督署に相談してください。

(9)肉離れ、断裂
 アキレス腱の断裂は高年齢の職員には注意が必要です。外遊びで走るときに起こるかもしれません。腱の断裂は重症です。治療に数か月かかります。児童クラブ事業者は、外遊び前に特に高年齢職員が行うべきストレッチなど「事故を防ぐ工夫」のマニュアル、業務の手引を作成し、現場職員に必ず守ってもらいましょう。
 肉離れも起きてしまうと長期間の治療が必要です。長期、仕事ができなくなるのは常に人手不足の児童クラブでは致命的です。職員が長いこと戦線離脱することがないよう、ストレッチや準備運動など「体を壊さないための事前の準備」については徹底するよう指導しましょう。

(10)やけど
 やけどは、必ず医療機関での診断治療が必要です。特に屋外行事で炊飯をするのに火を扱うのであれば、やけどの発生を防ぐために児童クラブ運営事業者側には厳重に注意、管理監督が必要です。施設内であっても、「アツアツの麦茶」でやけどがありえます。お湯が出る蛇口がある洗面所では、高温のお湯が出ない設定にすることが絶対に必要です。しかし機械やセンサーというのは誤作動もあり壊れることもありますから、冬場などお湯が必要な場合は必ず先に職員が操作してお湯を出して、手で温度を確認してからこどもに使わせる手順を厳守しましょう。
 調理施設があるところにはこどもは立ち入らせないのは当然です。
 あと笑い話ではないのが、トイレの温水洗浄。いたずらで高温設定にされると、夏場の水温が高い時季は相当温度の高いお湯がお尻の局部を直撃します。嫌ですよこれ。

(11)適応障害
 本質的に対人ケア労働である児童クラブは高度なコミュニケーションを業務上必ず伴うコミュニケーション労働でもあります。つまり、業務を遂行する上で、そのサービスの提供相手は人、サービスを成しえるために必要な用意や環境を整えるにも人との交わりをもって向き合うので、どこをどう切り取っても「人との濃密な関係」が必ずありえる業務です。比較的少人数(1つの支援の単位で多くても8~10人)の人間関係が毎日、濃密に展開されるのが児童クラブの職場環境です。
 人間関係が少しでもほころぶ、うまくいかないと、それがストレスの原因になります。こうして、「嫌だなぁ」という気持ちを抱きつつ仕事を続けていきさらにストレスが積み増していくと、やがてメンタル面に重大な変調をきたすことがあります。児童クラブの仕事が続けられなくなるのは、こうした人間関係が原因で「もう仕事を続けられない」という辛さが最も多いのではないでしょうか。
 診断では適応障害という判断を下されることが多いでしょう。わたくしも何枚いや十数枚それ以上、見てきました。それなりの期間、休職して復職できた人はわずかで、ほとんどが退職の選択をとります。適応障害であれば、違う事業者であればまた元気に働ける可能性は割とあります。これが「うつ」となってしまうと、児童クラブでの仕事に戻るのは相当な期間が必要となることを覚悟せねばなりません。
 メンタル面を痛める児童クラブ職員は本当に多いです。もし産業医を選任せねばならない児童クラブ事業者は、産業医に精神科医、心療内科の専門医になっていただくことを運営支援はお勧めします。

(12)熱中症
 熱中症は行政が発生件数を取りまとめるほどの重大な疾病です。児童クラブは暑いですね。狭いし、発熱体である人物が室内で密集していればそりゃ室温が上がります。エアコンが古かったらもう、熱中症の発生リスクはもしや真夏の室外より、児童クラブ室内の方が高リスクかもしれないほどです。
 熱中症は本来、防げるものです。仮にエアコンがぼろい、動かないで室温が下げられないのであれば、命のかかわることとしてどんなことをしても対処が必要です。「行政がカネを出さない」なら、カネを出させるように強硬に訴えることも必要です。事業者が儲けばかり追求してエアコン設置や修理の費用を出さないなら、そんな事業者のひどい様子を行政や地元の議員や、人権相談の機関に行って訴えてください。保護者と一緒に現場の職員が事業者のひどい様子を表ざたにすれば、次の選定の機会で不利になることを避けたいと思う事業者は(嫌々でも)対処に踏み切るでしょう。それすらしない事業者なら遠慮せず実名でSNSに投稿して、こどもそして自分の命を守るためにアクションしましょう。

(13)感染症
 こどもの間で流行する病気は児童クラブの職員にもうつります。新型コロナウイルスはその典型でしたし、インフルエンザは毎年、そんなことの繰り返しです。これはもうどうしようもないので、児童クラブ運営事業者は、「職員配置に影響が出ない措置」と「職員の所得減に対応する措置」を考えましょう。治療のためにそれなりの期間、仕事ができないとなれば時給制の職員であればそのまま収入減になります。「それは職員の責任」で放置するような事業者に、優れた人材が集まるとお考えですか? この人手不足の時代、安心して職員が働ける雇用労働条件を整えてこそ、児童クラブの運営が継続して安定する最低の条件です。インフルなどのワクチン料金を補助するとかインフルや新型コロナでは5日間は特別の年次有給休暇を付与するとか、職員スタッフに感謝される処遇を採用しましょう。

<夏場は体調管理に十分配慮を>
 他にもいろいろな負傷や疾病があるでしょう。とにもかくにも、児童クラブの仕事は気力体力がとても必要です。日頃から体調管理に気を配っていく生活を、児童クラブ運営事業者は職員によびかけていきましょう。それはまさに福利厚生の充実に他なりませんね。かつてわたくしはいけないことですが自嘲的に「学童クラブの事務局勤務~月月火水木金金♪」と軍歌を替え歌にして歌っておりましたが、もちろんそんなことは決して許されないことです。

 児童クラブの仕事はとにかく、健康第一。それだけけが、病気に見舞われやすいということ。栄養と睡眠はたっぷり確保して、夏の児童クラブは現場も本部運営も、頑張りましょう。 

 (お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
 2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
New!☆
こども性暴力防止法に関する諸課題を5人の弁護士が各々の専門分野に関して紹介、説明するYouTubeチャンネル「こどもを守る弁護士チャンネル」。第4回が2026年6月30日に配信されました。放課後児童クラブの運営に関わってきた鈴木愛子弁護士が「こども性暴力防止法がもたらすこどもの被害申告に適切に対応できるか」をテーマに関して丁寧に説明しています。 まずは動画をぜひご覧ください。わたくしの著書「知られざる<学童保育>の世界」も紹介されています。
https://youtube.com/live/9q8xzkgs7wo?si=dr06eChxK1Jgov5T
 第5回は7月19日(日曜日)15時から、すでに施行されている「児童生徒性暴力防止法」における調査の解説です。話し手:飛田桂弁護士、聴き手:嶋崎量弁護士、鈴木愛子弁護士、野田隼人弁護士、三輪記子弁護士。
 第3回(2026年6月11日)は、鈴木愛子弁護士がメインスピーカーとして「こども性暴力防止法がもたらす「人手不足の加速」とその構造的リスク」とのタイトルで、人材確保に関する懸念を取り上げています。内容は放課後児童クラブ限定ではなくて法制度全般にわたるものですが、とりわけ放課後児童クラブで働く人、運営する人そして管理する行政パーソンには必見必聴の内容です。https://www.youtube.com/watch?v=ZVafKTKe204 を、ぜひクリックしましょう。
 第2回(2026年5月30日)が、こども性暴力防止法の「Q&A」を読み解くとして、【弁護士が読む❗️こども性暴力防止法Q &A】のタイトルで配信されています。メインスピーカーは三輪記子弁護士、聞き手は嶋﨑量弁護士です。
https://www.youtube.com/watch?v=XtTCNTDBLLo
 第1回(2026年5月16日)は「こども性暴力防止法を考える」です。
https://www.youtube.com/watch?v=uUlx8XaKMso&t=4324s

※こども性暴力防止法がもたらす、構造上の課題問題について、法律家がとても分かりやすく解説する記事が「アエラキッズプラス(AERAKidsPlus)に掲載されました! 解説はもちろん、鈴木愛子弁護士です。こどもを性暴力から守るための重要な法制度だからこそ、実は逆説的にこどもや運営事業者が追い込まれてしまう可能性を分かりやすく説明されています。ぜひぜひ、記事を読んでください! 実に分かりやすいですよ!
 「本当に性犯罪を防げる?」学校や学童保育、放課後子供教室も対象になる「日本版DBS」に、現場から懸念の声…【弁護士が解説】 | AERA with Kids+

放課後児童クラブ事業を考えている民間企業の方へ朗報! 児童クラブ参入の手引きとなる「埼玉県 放課後児童クラブ新規参入スタートブック」が公開されました。全40ページ。フルカラー。冊子は2部に分けて埼玉県福祉部こども支援課のページで公開されています。なお本スタートブックは弊会が作成受託しました。
(前編)
 https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook01.pdf
(後編)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook02.pdf

わたくし萩原が寄稿した記事が 「Wedge ONLINE(ウェッジオンライン)」で2026年5月29日に公開されました。「“産業化”の大波に飲み込まれる学童保育…企業はどう収益を上げているのか?事業構造から見える放課後育成の実情」という記事です。ヤフーニュースにも配信されています。URLは以下の通りです。https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40665
 2026年4月13日、「「こどもが学童に入れたから仕事も安泰!」なのか?小1、行き渋り、夏休み…いくつも存在する“学童保育の壁”とその対処法」という記事も公開、配信されました。(https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40473)。こちらもぜひ読んでいただけるとうれしいです。

 「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)

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萩原和也