<運営支援ブログミニ42>放課後児童クラブ(学童保育所)の「夏休みのお弁当」問題。現状を変えよう。
放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブ(学童保育所)運営支援アドバイザーであり、放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。(ぜひグーグルのAIで「萩原和也 放課後児童クラブ」と検索してみてください!)
今回はミニ版。夏休みになると、あちこちで聞こえてくる「学童弁当」の話。作るのが大変だ! という保護者の声がネットニュースやSNSで毎年、紹介されています。それだけ切実な問題なんですよ。放課後児童クラブのお弁当問題、そろそろやっつけましょう。
(※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)
<確実に変わりつつあります>
わたくし萩原も、こどもが6年間、地元の学童保育所に通っていたので夏休みや学校休業日の一日登所のときには、お弁当を作りました。毎回ではないですが、かなり作りましたよ。出勤間際の短時間で用意するのですから、そりゃ大変でした。
児童クラブで長期休業期間中などに昼食提供しているのは約半数です。国の調査(令和7年実施状況)では、長期休業期間中の昼食提供をしている児童クラブは25,928クラブのうち、13,517クラブで、全体の52.1%です。つまり半数のクラブではもう昼食提供を実施しています。
ですから、「うぅぅー弁当作り、大変だぁ」というのは今や少数派になりつつあるのです。時代の流れは児童クラブでの昼食提供が当然、になりつつありますよ。もうすぐです。
<保護者さんへ>
・弁当の用意は、気楽に取り組んでください。冷凍食品は当然OK。消費期限に気を付けつつ、早朝にコンビニで買った弁当を家の弁当箱に詰め替えてこどもに持たせたってOKです。忘れなければいいんです。
・冷凍食品は良いです。冷凍のまま、弁当に入れれば自然解凍の商品がたくさんありますよね。それをぜひ使いましょう。食中毒が怖い時季です。弁当の温度を低く保てる冷凍食品の自然解凍OKのものは安心です。
・のどに詰まるかもしれない形状の食材はカットしましょう。ミニトマトなど、小さくて丸い形状の食材、食品にはちょっと気を付けましょう。こどもは、はしゃぎながら弁当を食べることもありますから。あ、生ものはやめましょう。
・「貧相な弁当で恥ずかしい」なんて、気にしないでください。まず児童クラブの職員は、各家庭の弁当の様子を品定めなどしません。そんな余裕ありませんし、意味がないことはしません。記憶にも残りません。そもそも児童クラブ職員には収入に余裕がない場合があるので、調理パン1つとかカップラーメンとか、そういうもので腹を満たす職員だっています。職員が気にするとしたら、児童虐待の兆候があるかどうかを確認すること。それは弁当のおかずの品数ではなくて、「あきらかに、こどもが手を掛けられていない、放置されている」状態が弁当の様子に現れているかどうかを見る程度です。
・こどもが食べたいものを、弁当に詰めてください。栄養バランスや食物繊維など気になるでしょうが、児童クラブの昼食で少し栄養が偏ったところで、朝ご飯と夕ご飯でバランス回復できればいじゃないですか。確実にエネルギー分を体内に入れるために、そして毎日毎日のお弁当を少しでもこどもが喜ぶために、できることなら、こどもの好物を弁当に入れてあげてください。そうそう、「朝ご飯」は、必ずこどもに食べさせてから、児童クラブへの登所をお願いします。朝食抜きは、命すら落とす「熱中症」の罹患リスクを上昇させると報道されています。(“朝食抜き“が命に関わる!暑熱環境で働く方の実態調査)
・弁当の出来栄えがこどもの愛情を図る目安だ、なんてことは一切ありません。手の込んだキャラ弁ではない家のこどもは親から愛情を注がれていない、なんてことは絶対にありません。保護者がどうしても自分で見栄えを気にするならどうぞご自由に。それだけの話です。こどもへの愛情の深さと弁当の出来栄えは無関係です。
<国と、自治体さんへ>
・児童クラブの昼食提供について、そのシステムを整える費用も補助してください。
・昼食提供のシステムを整えれば終わり、ではありません。1食あたりの費用が高額であれば利用する世帯は増えません。実費負担だ受益者負担だと思考停止せず、こどもの健全な成長に食事が重要なのは当たり前なのですから、児童福祉の範疇として、昼食への補助をしてください。児童クラブを利用しないこどもとの公平さを欠くなんて気にせずともいいんです。そもそも児童クラブへ補助金を用意しているのですから。
・昼食提供業務に関わる職員の人件費には、育成支援体制強化の補助金が使えますが、それとて自治体が交付するしないを決めるものです。運営主体が必要とするのであれば確実に交付されるような補助金の仕組みに変えてください。
・昼食提供は「配達弁当」が主流になっていますが、自施設調理や地元自治体の給食調理センターの活用なども積極的に推奨してください。
・学校給食が無い長期休業期間中は、家庭によっては、十分な栄養、エネルギーをこどもが摂取できない時期になってしまいます。「食事提供は児童福祉」です。宅配弁当のシステムを整えればOKではありません。せめて、利用料(保育料、保護者負担金)の減免適用世帯には昼食代も補助してください。毎食500円だの600円だのの料金では、おいそれと頼めません。いまの国民、残念ながらそれほど裕福ではありません。せめて1食300円程度。さらに昼食代の補助を行ってください。(学童クラブにおける長期休業期間の昼食支援事業|豊島区公式ホームページ)
・アレルギーのため市販の弁当を利用できないこどもは珍しくありません。極力、だれもとりこぼさないような昼食提供の仕組みを、運営主体と一緒に考えて取り組んでください。
<配達弁当の困りどころ>
・やむを得ないのですがメニューがそれほど多くありません。こどもによっては、あまり食べ付けない献立の場合もあります。
・1食500円や600円では、気楽に利用できる世帯ばかりではありません。
・品質管理のため、冷凍状態で配達されることはやむを得ないのでしょうが、昼食タイムになっても凍っている弁当が提供されている、という話もわたくし萩原は聞いたことがあります。凍った弁当、大人は食べますか? こどもに食べさせて平気ですか?
・突然、廃業したり業務停止したりという、継続性の不安がどうしてもあります。配達弁当を児童クラブの昼食提供に活用したいなら国も自治体も、弁当業者が「学童向けの仕事は商売上、助かるよ」と感じられるインセンティブを少しは用意してください。「こどものためなのだから、弁当業者さんも少しは我慢して」というのはありえません。ビジネスはビジネスです。
<現状を変えるには、声を挙げよう>
今はまだ家庭から弁当持参の児童クラブでも、「昼食提供があれば」と思っている保護者さんは多いもの。保護者から声を上げて現状を変えましょう。誰かが求めなければ、この世界、「なかったこと」として何も変わりません。
それは職員、運営主体側も同じこと。「弁当関連の業務が増えて困る」なら、職員増員を求めて自治体に相談しましょう。数年費やすのも当然として、粘り強く訴えていくことです。そういうことをせず、ただ単に文句を内部でブーブー言っているのは、まったく生産性がありません。自分たちの都合を保護者に押し付けて「うちでは一切、弁当は無理です」と言う理由にしてはいませんか? 児童クラブだって「サービス」です。役務の向上に努めるのが事業者の当然の姿勢ですよ。
こどもがごはんを食べられること。こんなに大事なことはそうそうありませんよ。だからこそ、親も児童クラブも政治行政社会も、「こどもがおなか一杯になってくれた」ことの喜びを確実にもたらすために、「できない理由」をひたすら挙げるよりも「どうやったら、こどもにお昼ご飯を届けられるか」を「実現できる手段」を考えましょう。予算が足りないなら予算を確保する努力をしましょう。人員が足りないなら集めましょう。猛暑酷暑で流す汗は、こどもの幸せを実現するための努力でかいた汗としたいですね。
(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
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こども性暴力防止法に関する諸課題を5人の弁護士が各々の専門分野に関して紹介、説明するYouTubeチャンネル「こどもを守る弁護士チャンネル」。第4回が2026年6月30日に配信されました。放課後児童クラブの運営に関わってきた鈴木愛子弁護士が「こども性暴力防止法がもたらすこどもの被害申告に適切に対応できるか」をテーマに関して丁寧に説明しています。 まずは動画をぜひご覧ください。わたくしの著書「知られざる<学童保育>の世界」も紹介されています。
https://youtube.com/live/9q8xzkgs7wo?si=dr06eChxK1Jgov5T
第5回は7月19日(日曜日)15時から、すでに施行されている「児童生徒性暴力防止法」における調査の解説です。話し手:飛田桂弁護士、聴き手:嶋崎量弁護士、鈴木愛子弁護士、野田隼人弁護士、三輪記子弁護士。
第3回(2026年6月11日)は、鈴木愛子弁護士がメインスピーカーとして「こども性暴力防止法がもたらす「人手不足の加速」とその構造的リスク」とのタイトルで、人材確保に関する懸念を取り上げています。内容は放課後児童クラブ限定ではなくて法制度全般にわたるものですが、とりわけ放課後児童クラブで働く人、運営する人そして管理する行政パーソンには必見必聴の内容です。https://www.youtube.com/watch?v=ZVafKTKe204 を、ぜひクリックしましょう。
第2回(2026年5月30日)が、こども性暴力防止法の「Q&A」を読み解くとして、【弁護士が読む❗️こども性暴力防止法Q &A】のタイトルで配信されています。メインスピーカーは三輪記子弁護士、聞き手は嶋﨑量弁護士です。
https://www.youtube.com/watch?v=XtTCNTDBLLo
第1回(2026年5月16日)は「こども性暴力防止法を考える」です。
https://www.youtube.com/watch?v=uUlx8XaKMso&t=4324s
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わたくし萩原が寄稿した記事が「ウェッジオンライン」で2026年5月29日に公開されました。「“産業化”の大波に飲み込まれる学童保育…企業はどう収益を上げているのか?事業構造から見える放課後育成の実情」という記事です。ヤフーニュースにも配信されています。URLは以下の通りです。https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40665
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こども性暴力防止法がもたらす、構造上の課題問題について、法律家がとても分かりやすく解説する記事が「アエラキッズプラス(AERAKidsPlus)に掲載されました! 解説はもちろん、鈴木愛子弁護士です。こどもを性暴力から守るための重要な法制度だからこそ、実は逆説的にこどもや運営事業者が追い込まれてしまう可能性を分かりやすく説明されています。ぜひぜひ、記事を読んでください! 実に分かりやすいですよ!
「本当に性犯罪を防げる?」学校や学童保育、放課後子供教室も対象になる「日本版DBS」に、現場から懸念の声…【弁護士が解説】 | AERA with Kids+
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「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。
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(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)


