学童保育で働く職員に出来る限りの福利厚生サービスの充実を図ろうシリーズ。法令遵守の徹底で実現可!

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。学童保育事業の質的向上のためにぜひ、講演、セミナー等をご検討ください。

 人手不足で大変な学童保育の世界だからこそ、採用した職員の離職を防ぐことが肝心です。「ここで働いていて、よかった」と思える制度を運用することが大事です。これまでに、以下のことを提言しました。
・インフルエンザなどワクチン接種の費用補助
・特別な有給休暇の付与
・クラブ施設の防犯設備の整備(雇用者の安全配慮義務)
 今回は、コンプライアンス(法令遵守)の徹底で実現できる、職員を守る制度について説明します。

 ご存じのように、働く人(労働者)を守るため、いろいろな法律があります。前日のブログで記載した労働契約法もその1つです。もっとも基本的な法律は「労働基準法」です。ご存じだと思います。「1日8時間、週40時間が労働時間の上限」というのは、この法律で定められていることです。

 この労働基準法は、結果的に働く人を守る側面を持っているのですが、学童保育の現場においては残業に関する割増賃金、年次有給休暇と並び、とりわけ「妊産婦の保護」(妊産婦=妊娠4カ月を過ぎた女性と、産後1年を経過していない女性)について重要視していただきたいと私は考えています。というのも、学童保育の現場は、多くの女性が活躍している現場だからです。

 妊産婦については、一般の女性を含む労働者と比べて母体を保護するためいくつかの保護的ルールがあります。主なルールについて紹介します。
・産前産後の休業=いわゆる産休ですね。産前6週間は「女性が請求すれば休める」、産後8週間は「当然に休みとなる。ただし産後6週間を過ぎれば、請求によって仕事復帰は可能」というものです。「多胎妊娠」(いわゆる双子以上)は、産前14週まで休みの期間が延びます。なお、産休中の賃金は、必ず保障されるものではありません。これは労使で決めることになります。(社会保険料は支払い免除になりますね)

・軽易な業務への転換=妊娠中の女性は、「体調が大変なので、仕事が軽い業務に変更してほしい」という理由をもって仕事の変更を請求することができます。これは、管理職の女性も適用できます。例えば、就業時間を見直すことも入ります。つわりがひどい、という女性は、この規定を活用すると良いでしょう。ただし、雇う側(会社側)には、軽易な業務がない場合には請求を拒めます。よって、就業規則等に、軽易な業務として考えられる例を事前に例示しておけば良いでしょう。(保護者会や職員による会議の参加を免除する、短時間制就業制度を設けておく、等)

・時間外労働の制限・深夜業の禁止=時間外労働については管理職の女性には適用されませんが、妊産婦は、請求によって法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える仕事や、休日出勤(休日とは、法定休日のこと)をしないでも構いません。要は、残業しないでも良いのです。いわゆる「36協定」があっても、この制限の方が優先します。また、深夜業については管理職の妊産婦を含めて、請求すれば一切、しないでも構いません。

・育児時間の確保=これは結構、使えるはずです。生後満1年に達しない子どもを育てる場合、1日2回、少なくとも30分、育児のための時間を雇い主に請求できるのです。これは女性のみ使える制度です。この育児時間は、休憩時間とは異なり、労働時間の途中に入れる必要はなく、始業や終業の時刻にくっつけることができます。例えば午前9時出勤なら午前9時半出勤に法律的に変えられることになります。その時間、賃金が発生するかどうかは労使間で決めることですが、もちろん「有給」にすれば、働く人を手厚く守ることになりますね。子どもを保育所に託して働く学童保育の職員は多いですが、送り迎えにそれぞれ30分使えるとなると、とても安心です。学童保育の事業者は、子育て支援の事業を行っているということを真剣に考えて、自らの組織で働く子育て中の職員をしっかり守ることに力を尽くさねばなりません。

 前日のブログにも記しましたが、コンプライアンスこそ、事業運営の土台です。そして職員が安心して働ける環境を整えることができるのです。次回は健康面などを守る法律の仕組みについて提言します。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の持続的な発展と制度の向上を目指し、種々の提言を重ねています。学童保育の運営のあらゆる場面に関して、豊富な実例をもとに、その運営組織や地域に見合った方策について、その設定のお手伝いすることが可能です。

 育成支援の質の向上に直結する研修、教育の機会を提供するとともに、個々の学童保育所運営者様へ、安全安心な子どもの居場所づくりとその運営手法において、学童保育組織運営について豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に講演や具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。もちろん、外部の人材として運営主体の信頼性アップにご協力することも可能です。

 子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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