車いすの子どもが放課後児童クラブ入所を拒否された事案は、「入所決定」となりました!当然の結果です!!
学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。学童保育の問題や課題の解決に向け、ぜひ皆様もお気軽に、学童保育に関するお困りごと、その他どんなことでも、ご相談やご依頼をお寄せください。講演、セミナー等をご検討ください。
運営支援ブログでたびたび取り上げてきた、車いすの子どもがこの4月からの放課後児童クラブ入所を、車いすという理由だけで事業者ならびに自治体から拒否された、不当な差別事案について報告です。
昨日3月15日、保護者さんからわたくしに、入所決定の連絡が行政から来た、という連絡がありました。本当によかったです。入所が認められて当然のことですが、それにしてもよかったです。事業者と行政を相手に、単身、不当を訴えてきた保護者さんには、つらいことがたくさんあったでしょうが、本当に良かったです。
この事案については、2月26日の運営支援ブログで初報をお伝えしました。その後、相手方の態度が軟化、つまり入所受け入れについて含みのある反応があったと保護者さんから連絡を受けたことで3月8日のブログでも事態の変化についてもお伝えしました。それから入所決定を心待ちにしていいましたが、1週間後に、正式に入所の決定があったということになります。
この事案、何度でも記しますが、車いすのお子さんの側にまったく落ち度も、非もありません。その子の上の子はすでに同じ児童クラブに入所して利用しており、家庭の状況を事業者も行政もまったく知らないわけがなかったこと。そもそも車いすのお子さんは「公営の」幼稚園を利用しており、それも「健常児」で問題なく登園、利用していること。車いすといっても自走ができ、身の回りの日常所作も問題なくでき、加配職員の必要もない、施設的にも2020年に設置したばかりの、設備も整っていたこと。
これら、何ら車いすの利用において問題がないにもかかわらず、クラブを運営する大手の営利の広域展開事業者側が「忙しくなるから」など、およそ何ら合理的な根拠の無い理由を並べ立て、行政もそれを追認して、かたくなに拒否をしていた事案だったのです。
保護者さんは、事業者と行政が入所を認めないとした理由1つ1つについて丁寧に反論を行い、当たり前ですが、その反論のすべてが合理的な理由であったことから、結局、行政側は、不当な差別を行っていることの不利益に気が付いたようです。
今回は、正義をとことん貫いてその結果が合理的な結論に到達しました。しかしこの世の中、残念ながら、正義を貫いても、その正義が理解されなかったり受け入れられなかったりすることも珍しくありません。正義なのに負ける、正義なのに誰からも味方されない、ということがある、理不尽な世界です。しかし私は思う。子どもの福祉の世界だけは、子どもに関わる世界だけは、正義が当たり前に理解され、受け入れられ、尊重される世界であってほしい。大人の世界は、打算だの情実だので、正義が捻じ曲げられることがあるだろう。だが子どもの世界、子どもを守ることに関しては、とことん、正義が貫かれてほしいと、私は強く思うのです。
最後に改めて申し添えます。残念なことに、私が当ブログでこの件を訴えても、学童保育業界はまったく行動を起こしませんでした。さらには、「学童は、なんでもかんでも障害の子を受け入れることはできない」という、およそ児童福祉の世界に身を置く者が発するとは思えない発言をする者すらいました。
学童業界は、大手の営利の広域展開事業者のみならず、育成支援を大事にしていると普段は立派なことを言っている世界の側に身を置く者ですら、事業の便宜性や職員の負担の重さを真っ先に考えるという、およそくだらない思考回路が蔓延しているのです。学童業界は全体として「子どものため」なんてこれっぽっちも思っておらず、「職員の負担が増えないため、すでに入所している他の子どもの迷惑にならないようにするため=職員の仕事が増えないようにするため」という、大変残念な思考が蔓延しているのです。今の日本の学童業界は、本当に残念です。自分たちの利益、立場だけを守ることばかり熱心。
私は学童業界で働く人の雇用労働条件が向上してほしいと強く願い、この運営支援の活動を始めたのですが、それは「仕事が楽になること」ではありません。「子どものために、もっともっと熱心に研鑽を重ねて専門性の高い仕事をどんどん行う。それに見合った充分な評価、賃金が当然、与えられること」を目的としています。決して職員に楽をさせたいとは思いません。楽をしたいなら、学童の仕事を選ぶべきではありません。学童業界が営利の世界にどんどん飲み込まれて行っているのは当然の報いですらと私は思っています。社会のために頑張ろう、動こうという意欲が見えないからです。
あと半月もすれば4月です。今回、正義を実現させた保護者さんには、まだまだ、嫌な事、大変な事がきっとあるでしょう。得てして現場の無理解というものが残るものですから。それを1つ1つ丁寧に取り組んで、良い方向に変えていけるよう、大変ですが、ぜひとも頑張ってほしいと思います。そうやって、児童クラブの質を向上させていくことが必要です。もちろん運営支援も全面的にサポートいたします。
「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の事業運営をサポートします。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。
(このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば、当ブログの引用はご自由になさってください)