育成支援型学童保育は非認知能力の育成支援。放課後児童支援員の資格付与に指定養成施設の設定を!

(代表萩原のブログ・オピニオン)学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」萩原和也です。「学童で働いた、こどもをあきらめた」の悲劇が起きないように全力で訴え続けます。非認知能力こそ育成支援型学童保育所のポイント。重要なことですので繰り返し訴えます。

 非認知能力とは、岩手県医師会のホームページによると、「読み書き・計算などの数値では測れない能力をさします。大きく分けて、自尊心、自己肯定感、自立心、自制心、自信などの「自分に関する力」。そして、一般的には、社会性と呼ばれる、協調性、共感する力、思いやり、社交性、道徳性などの「人と関わる力」です。」と説明されています。つまり、他者とコミュニケーションをとりながら活動することが円滑になり、学校や企業、組織の中で違和感なく活動できるための能力、ということでしょうか。

 特に今の時代、自己肯定感が低い人、主体性が弱い人が多くなっているとよく言われます。過去の職場において多くの採用希望者を面接してきたり採用した職員と接してきた中で、「どうせ自分にはできない」「何をやっていいのか、自分では考えたくない。言われてやるほうが楽」というようなタイプの人が大変多くなっていると、わたくしは思ってきました。幼いころから、英語やら算数やらスポーツやらを「無理やり」させられてしまうと、そのような状況になるのでしょうか。みな、とても「いい子、いい人」なのです。指示はしっかり従う。とても従順。でも、いざというとき、「ダメな自分」の中に逃げてしまうというか、自信が持てないゆえにすべてをあきらめてしまうというか、「これを乗り越えれば先はきっと変わる」という展望を持つことなく、目の前の課題克服をあきらめてしまう。そんなケースに多々、遭遇しました。

 育成支援型の学童保育所は、第二の家庭、第二の生活の場として、異年齢の子ども集団の中で、特に他者と遊ぶことで、子どもたちが徐々に生きる力を身につけていきます。コミュニケーションがとても育つ時間と空間の中に子どもたちがいるのです。笑ったり泣いたり一緒に感動したり、ときにはけんかもしたり。ありとあらゆるコミュニケーションの中で、子どもたちは自分のペースで成長していきます。
 つまり、育成支援型の学童保育所で過ごす子どもたちは、おのずと、非認知能力が育つ環境にいるのです。非認知能力が十分育つことで、成長するにつれて多く学ぶ認知能力のスキルが十分発揮できるようになるのです。学童保育所で相当な期間を過ごした学童っ子は、将来きっと、他者と関わっていく様々な局面で、学童時代に知らず知らずのうちに育った非認知能力が活かされることになるでしょう。

 育成支援型の学童保育所で働く放課後児童支援員はじめ補助員を含む、いわゆる学童保育所の職員たちは、子どもたちのそうした非認知能力の進展を積極的に支える役割を持っていると、わたくしは考えます。それが育成支援の本質だと私は考えています。ですから、学童で働く人たちこそ、非認知能力の重要性を認識し、自らも非認知能力の進展に努力することが必要だと、わたくしは考えます。そのための研修と教育を、学童保育の組織運営者は積極的に職員に提供することが必要です。

 そして、学童保育に関わる団体や世界は、速やかに、大学や専門学校などに、放課後児童支援員の資格を付与できる学部学科の設置を国にもっと働きかけるべきです。指定養成機関では、時間をかけて、育成支援の専門的知識だけでなく、非認知能力について学ぶこと、さらには学んでいる学生自身の非認知能力を高められるカリキュラムを制定し、放課後児童支援員をしっかりと養成していただきたい。そうすることで、放課後児童支援員という資格そのものの価値がさらに高まったり、将来の就職先として育成支援型の学童保育所を学生に選択肢として提供できる機会の確保ができたりするのです。大学や専門学校の側も少子化で学生の確保に大変なはずですから、学校経営の多角化の一環、学校の特色の目玉として、学童保育所で働く人の育成コースを設置するよう、学校側からも放課後児童支援員養成コースの設置に向けてぜひとも積極的に動いていただきたいと思います。

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