横浜市が行った学童保育(放課後児童クラブ、全児童対策)の利用者アンケートが素晴らしい。全国のお手本!

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。学童保育の問題や課題の解決に向け、ぜひ皆様もお気軽に、学童保育に関するお困りごと、その他どんなことでも、ご相談やご依頼をお寄せください。講演、セミナー等をご検討ください。

 横浜市が、学童保育に関して詳細なアンケートを実施し、その結果が12月1日に公表されました。その内容は詳細で、内容を伝えるだけでこのブログが半月ほど書けそうなぐらいの分量があります。保護者はもちろん、子どもにしっかり調査を行っていることは、当然だけれどもそれをしっかりやっていることが素晴らしい。ということで、まずは横浜市以外のすべての市区町村にお願いしたい。この横浜市が行ったアンケートと同程度の調査をぜひ行うべきです。調査自体は三菱UFJリサーチ&コンサルティングが手掛けています。

 報道では、保護者の昼食提供のニーズや早朝受け入れのニーズが強調されていました。学童保育は保護者の子育て生活を支える使命がありますから、利便性の向上は育成支援の充実と並んで大事なことです。大事ですが、今回のブログではそのニーズのことではなく、細かいけれども2点、私が注目した点を紹介します。

 まず、今回の調査報告を見ると、横浜市で行われている「広義の」学童保育のうち、「狭義の」学童保育である放課後児童クラブと、「広義の」学童保育である全児童対策事業である「放課後キッズクラブ」(調査対象は、区分2Bの「すくすく(ほしぞら)」の利用児童)の双方にしっかりと調査を行っています。子どもへのアンケートは両事業あわせて3,237(人)のアンケートを行ったとあります。

 この、子どもへのアンケートで「クラブの好きなところ」という項目があります。この中で「違う学年の子がいるところ」において、児童クラブは48.4%、キッズクラブは28.4%でした。異年齢集団の中での育ちに意義を感じて専門的に取り組んでいる児童クラブの姿勢がその背景にあるのでしょう。「イベントに参加できるところ」も、児童クラブの方が高い数値となっています。強引に言えば(いつも強引ですが)、「預りの性質が強い」キッズクラブと、「生活の場としていろいろな取り組みをしている」児童クラブとの差が反映されていると私は想像します。

 もう1つ。「クラブの生活で困ることや、いやだな、かえてほしいなと思うこと」という調査項目です。児童クラブは「困っていることはない」が63.1%、キッズクラブは47.5%でした。児童クラブのこどもは、6割超が困っていないということであり、キッズクラブの子どもは5割超が、何かしら困っていたり変えてほしいと思っていたいすることがある、ということが言えます。これはとても重要な結果だと私は考えます。児童クラブが、子どもの気持ちに寄り添って運営をしているということが結果として示されているといえます。
なお、キッズクラブの運営が子どもに寄り添っていない、ということではありません。キッズクラブの職員さんたちも、子どものために懸命に勤務されていることは間違いないでしょう。ただ、結果的に、人員体制的に子ども1人1人に手が届かないことがあるでしょうし、そもそも、放課後児童健全育成事業が主たる目的ではない以上、ある意味、子ども自身のニーズや気持ちに寄り添いきれないところが生じるのは避けられないと私は考えます。(なので、全児童対策には限界があるということです)

 その他、とても興味をそそられる調査項目はたくさんあります。

 その上で、1点、私は児童クラブに苦言を呈します。子どもの意見、考えをしっかり聞くことは、こどもまんなか社会の構築において重要です。横浜市のアンケートにおいて多くの子どもの意見を受け取ろうという姿勢は大変すばらしいものです。

 しかし、児童クラブの子どものアンケート回収率は、1,320の配布に対して回答数401、回収率が30.4%でした。なお、キッズクラブの子どものアンケート回収率は1,917の配布に対して回答数1,930、回収率100.7%(100%を超えたことには、区分2B以外の児童の回答や、児童数の増加等が想定されると注釈あり)です。児童クラブの3割の回答率は、あまりにも低すぎます。
 せっかく、子どもの意見、気持ちを、行政当局はもちろん、こうした報道によって広く社会に知らせられるチャンスなのです。なぜ児童クラブの職員は、子どもと保護者に対し、アンケートへの積極的な取り組みを呼び掛けなかったのでしょうか。「アンケートに回答するもしないも、子どもの自由な意思」と思って傍観していたのなら、それは本質を取り違えた誤りです。放課後児童クラブの職員が陥りがちな誤りです。なんでも子どもの自由意思のままではないのです。まして、事態の改善や事業の実態を広く知っていただける機会であれば、それを積極的に活用、利用するために協力することが、結果的に放課後児童健全育成事業の内容充実につながる、それが子どもの最善の利益のさらなる充実につながることが、理解できないほどの認識の浅い児童クラブ職員は、猛省していただきたい。

 学童保育の事が世間にあまり知られていない、知られていても共感を呼び起こさないのは、こうした、学童保育で働く人の、社会を構成する一部であるという学童保育の存在に対する認識の浅さがあると私は残念に思います。

 この横浜市のアンケート、内容も膨大ですから、随時、取り上げていきたいと思っています。各市町村はぜひ、このアンケートの二番煎じでいいので実施してください。人口規模が小さな市区町村であれば弊会が引き受けてもいいですからね。もちろん、学童保育所を運営する事業者は毎年、こうした利用者アンケートは当然、実施しなければなりませんよ。

 育成支援を大事にした学童保育所、かつ、社会に必要とされる学童保育所を安定的に運営するために「あい和学童クラブ運営法人」が、多方面でお手伝いできます。弊会は、学童保育の持続的な発展と制度の向上を目指し、種々の提言を重ねています。学童保育の運営のあらゆる場面に関して、豊富な実例をもとに、その運営組織や地域に見合った方策について、その設定のお手伝いすることが可能です。

 育成支援の質の向上に直結する研修、教育の機会を提供するとともに、個々の学童保育所運営者様へ、安全安心な子どもの居場所づくりとその運営手法において、学童保育組織運営について豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に講演や具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。もちろん、外部の人材として運営主体の信頼性アップにご協力することも可能です。

 子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。萩原は2024年春に「知られざる学童保育の世界」(仮題)を、寿郎社さんから刊行予定です。ご期待ください!良書ばかりを出版されているとても素晴らしいハイレベルの出版社さんからの出版ですよ!

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