新年度を機に、学童保育の職員のモチベーションについて考えてみませんか。

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。

 新年度が始まり、新たに採用した人が加わったり、あるいは個々のクラブにおいても人事異動で育成支援を行うチームの顔ぶれに変化があったりしたことと思います。運営支援を行う立場からは、この新年度でメンバーが変わることが多い(人事異動がない、あるいは前年度と同じ顔触れのチームであったとしても)この時期に、運営組織全体で、「チームとして育成支援を行うためにモチベーションを上げるために、何が必要か」ということを考えてみることはとても良いことだと思います。

 個々のクラブにおける育成支援は、当然ながら、放課後児童支援員等(以下、職員)が個人もしくはチームで子どもに対して行うものです。よって、育成支援の質を上げるために、職員のモチベーション(=仕事に対して前向きになり、進んで業務に向き合う姿勢)を上げることは極めて重要です。

 モチベーションを上げることを考えるのに、では何がモチベーションを下げているのかを考えてみると、これは分かりやすいと思います。業務が帯びる責任に対する報酬の低さ、業務量の多さと長時間労働、人間関係のこじれ、育成支援が思うように結果を出せないことのいらだちと焦り、などでしょう。これらは、職員個人で解決できない課題と、職員の技能水準を上げることで緩和できる課題の2つに分けられます。個人で解決できない課題は、運営組織全体で解決することが必要です。賃金や就業時間、クラブにおける職員の配置人数等が、それにあたるでしょう。

 運営組織として、これらの課題を解決するために尽力するのは当然であって、むしろ、以前から変わらず取り組んでいる組織がほとんどでしょう。残念ながら、育成支援系の学童保育所においては、収益の半分以上が補助金という構造的課題のため、補助金の増額がなければ、これらの課題を解決することが難しいのが実情です。
 しかしこの課題については、次元の異なる少子化対策として国が学童保育への支援も考えているようですので、ひとまずそれに期待することとしましょう。また、学童保育への補助金は、不十分ながら、年々増額されているのも事実です。

 ただ、これら課題が解決する、あるいは解決に向かうことが明確になったとして、職員のモチベーションは劇的に向上するのでしょうか。私の推測ですが、「これまでより向上するのは確実だが、それによって劇的に向上して職員のほとんどが仕事に対して不満がなくなる」とは、思えないのです。

 その理由は、育成支援を行いたいがために、あえてこの学童保育業界の扉をたたいてきた人たちにとって、育成支援という仕事への高い評価こそ、職員のモチベーションの劇的な向上につながるだろうと、考えているからです。

 「いやいや、今でも保護者に感謝されている」という意見もあるでしょう。しかしそれは、対人支援の業務である育成支援において直接、その恩恵を受けた方からの感謝です。それはある意味、あって当然でもあります(感謝を求めるために育成支援があるという意味ではございませんので、念のため。結果として、です)。
 ここでいう高い評価は、国や行政を含む社会全体の評価であり、その評価は「学童保育所と、学童保育で働く職員は、本当に専門性の高い業務を行っていることがよく分かる」という、育成支援そのもに対する評価です。属人的な評価ではなく、仕事そのものへの評価ということです。
 (あえていえば、その属人的な評価があるからこそ、厳しい雇用労働条件である学童保育所で働くことを選択し続けている方々がいるのです。それが行き着く先、すなわちその属人的な評価でも仕事を続ける動機になりえなくなった状態が、いわゆる「やりがい搾取」と言われるものでしょう)

 今は残念ながら、学童保育所に対してまだまだ「子どもを預かっているだけ。その間、子守をしているだけ。子どもと遊んでお金をもらえる職業」という偏見が大変根強いです。そうではないんだ、ということを、社会全体が認知することこそ、学童保育所の職員のモチベーションの向上に有効だと考えています。

 つまりは、賃金や労働時間の改善は必要ですが、それは「衛生要因」であって、職員の仕事に対するモチベーションを上げる「動機づけ要因」としては、育成支援に対する理解と評価を早急に獲得することこそ重要、ということです。

 そのためには、運営組織も、学童保育の業界全体も、育成支援について積極的に社会に発信していくことが欠かせません。もちろん、日々の育成支援の実践を通じてその恩恵を直に受けた保護者からの評価も続けて得ていくことは前提です。実践がおろそかになってしまっては、いくら育成支援の性質を発信したところで、きれいごとを言っているだけで終わってしまいます。

 職員(ひいては運営組織全体の)動機づけ要因となる育成支援の理解の獲得と実践は、どうすれば実現できるのでしょうか。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育組織運営に豊富な経験を持つ代表が、育成支援における理解の獲得と実践の実施手法について、具体的かつ適切な助言、アドバイスを行うことができます。

 学童保育の運営者の方、そして行政の学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る学童保育所の発展のために、一緒に考えていきましょう。職員育成はもちろん、どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく学童保育です。学童保育の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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