学童運営組織こそ「リスクマネジメント」を徹底しよう

(代表萩原のブログ・オピニオン)学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」萩原和也です。「学童で働いた、こどもをあきらめた」の悲劇が起きないように全力で訴え続けます。学童保育は予測不可能な世界。だからこそ、常にリスクマネジメントが必要なのです。

 本日12月27日の読売新聞提供のニュースで、愛知県高浜市にある保育園で、食物アレルギーのある3歳の男児にアレルゲン入りのおやつを提供してしまい、児童が呼吸困難で入院した、という報道がありました。読売新聞の報道によると、幸いにも児童はその後、回復したとのことですが、一時は集中治療室で治療を受けたということです。あってはならない、重大な過失事案です。

 この事案、アレルゲン入りのおやつを誤って提供した職員の過失だけで事案を処理してしまってはだめなのです。職員がどうしてそのような行動を取るに至ったのか、職員が故意でそのような行動を取った場合をのぞき、アレルゲン入りのおやつ誤提供の行動が実行できた余地は、すべからく、その組織が作っているのです。よって、事案の再発防止には、組織として、誤提供が発生する可能性を最大限、可能な限りゼロに近づける(=本当はゼロにする、と言い切りたいのですが確率論的にゼロはありえないのでこのような表現にしました。ただ気持ちとしては、ゼロにするべきと思っています)ための作業工程づくりを、組織として取り組まなければならないのです。それがつまり、「おやつ提供時のリスクマネジメント」そのものなのです。

 いうなれば、リスクマネジメントというのは、起こしてはならない事件事故を起こさないために組織が普段からどのような対応を取るべきか、ということ、そのものなのです。

 学童保育の世界でも、こうしたアレルゲン誤提供事案は過去にも起こっているはずです。報道されないまでも起きていることは間違いありません。大勢の児童を受け入れている施設、しかも人手不足の厳しい労働環境で、さまざまな事案が発生するリスクは、残念ながら学童保育の世界はかなり高いと言わざるを得ません。根本的な問題の解決が必要なのですが、それを待っていれば良いのでもありません。今、そこにあるリスクを減らすことは、今、組織を運営している者の責務です。

 以前も書きましたが、子どもの命を背負っている学童保育所は言い換えれば命を守りながら日々、事業(ビジネス)を行っているわけです。運営者が「現場のことにはあまり詳しくなかったから、予想できなかった」では、通じません。保護者や有志による組織運営であっても、万が一の場合は、起きてしまった不祥事に責任を背負う義務があります。

 万が一の場合を起こさないように、不幸にも起きてしまったらその被害を局限に留めるように、今こそ、学童保育運営にリスクマネジメントについて、組織として総点検してみてはいかがでしょうか。弊会は、そのお手伝いを行います。

 子どもが無事に過ごせて当然なのが学童保育所。今現在、何もなく過ごせていることが当たり前ではないのです。リスクマネジメントについてさらに関心を持ち、運営の各部門においてリスクを減らすための行動を取りましょう。それが、子どもと保護者、支援員、ひいては組織を守ることになります。なにより、子どもの命が脅かされるようなことは、絶対にあってはなりませんから。

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