学童保育所で働く人が「ワーキングプア」にならないようにしなければなりません。

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。次元の異なる子育て支援を国民が実感するために学童保育所の充実を訴え続けています。

 さて、2月10日金曜日の夜、NHKのニュースサイトに、「年収250万円未満 児童館長が訴える公共施設の“危機”」という見出しのニュースが掲載されました。一部を引用します。

 「突然ですが。わたしのお給料は 基本給 115000円 年収は250万に届きません」
 4万リツイートされたこの投稿。ある政令指定都市で児童館の館長を務める40代の女性の切実な訴えです。子育て支援が社会の大きな課題とされる今、地域の子どもの居場所である児童館のトップがなぜこの給与水準なのか?取材を進めると、これまでとは異なる「官製ワーキングプア」の実態が見えてきました。(引用ここまで)

 これまでも何度となく問題視されている「官製ワーキングプア」の問題を扱った記事でした。

 その構図は、公営事業を民営化する(アウトソーシング)の際、予算を従来よりも削減したり増額を抑えたりする結果、事業を引き受けた民間企業の人件費が足りず、その民間企業の職員が低賃金で働かざるをえない、というものです。これも、以前から問題視されていることとまったく同様です。

 つまり、過去に何度も問題視されていながら、現在に至るまで、ほとんどこの問題が解消されていないということです。

 児童館も学童保育所と同じ、児童福祉の分野です。学童保育所も同様に、官製ワーキングプアの問題に苦しんでいる業界です。

 このことは、早急に解消されなければなりません。なぜならば、「充実した学童保育所の運営」を難しくしているからです。もう、当然すぎることですね。

 当たり前ですが、「それなりの賃金」の職種には「それなりの人材」しか集まらないのが、資本主義社会の習わしです。もちろん、人数は少ないですが、高い志がある有能な人材も集まりますが、低賃金では、長く勤務していただくことが難しいですし、高い志のある有能な方でも、低賃金と、賃金に見合わない激務の連続では、その志もいつしかすり減っていきます。

 その結果は、「学童保育所の充実」とは、程遠い結果を招きます。すなわち、その地域、その自治体の子育て支援に対する評価、評判は、ひどく低いものになります。当然、その地域、その自治体に住んでみよう、住んでみたいという人は、増えません。現れません。

 つまり、「充実していない学童保育所がある」ということは、「その地域、その自治体の評価を落とす」ということになり、「将来に向かった発展の可能性を閉ざす」ということです。

 官製ワーキングプアの解消は簡単です。予算を付ければいいだけです。学童保育所にしろ、児童館にしろ、事業を引き受けた民間企業が十分、人材を雇用できるだけの予算を指定管理料や事業委託料に盛り込む「だけ」の問題です。

 「いや、アウトソーシングした意味がない」と、自治体の財政当局の方がソロバンをはじきそうですが、その思考がすでに間違っているのです。

 本来のアウトソーシングとは、同等のコストでそれまで以上のサービスが提供でき、結果的にコスト削減となることです。本来であれば必要な予算額を削って、本来以上のコスト効果を発揮してくれというのは、あまりにもバカげた思考です。1,000万円の予算を付けていた事業を民間に任せたら、民間は1,000万円で1,200万円のサービス価値を創造することであり、あるいは1,200万円の予算を付けて1,500万円のサービス価値を創造することが、本来のアウトソーシングです。そこを、800万円にして1,200万円のサービス価値を生み出せ、という考えがあるとしたら、極めて残念です。

 学童保育所の世界は、この、誤解されたアウトソーシングが、たいへん蔓延しています。残念なことです。

 子ども真ん中社会の実現に、地域の子育て支援策を充実させ、将来に向かって発展する自治体を作るために、学童保育所を民間に任せている自治体は、自分たちの将来の発展の可能性を確実にするために、しっかりとした予算措置を確保していただきたいと、希望します。

 そして、しっかりとした予算を受けられる学童保育所が、その予算以上のサービス価値を創造するために、弊会「あい和学童クラブ運営法人」は、運営支援という分野で、地域社会に貢献できます。 

 ぜひとも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援が充実したまち、という評判を確立する効果的な手段でもある学童保育の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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