またも「小1の壁」の悲劇!学童保育を必要とする人に、学童保育が利用できるように緊急対応を!

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。学童保育事業の質的向上のためにぜひ、講演、セミナー等をご検討ください。
 またしても「小1の壁」の悲劇が繰り返されています。国、自治体、そして運営業者、学童保育の設置運営に関わるすべての人が、緊急に、この忌まわしい壁をぶっ壊す必要があります。

 2月11日の土曜日、ネットニュース「ENCOUNT」で配信されたのは、埼玉県内在住の保護者によるツイッターへの投稿でした。引用します。

 「2年前に夫の転勤で埼玉県に転居し、3人の子どもを2か所の保育園に預けて働いています。現在、公設の学童は落ち、民設の学童の結果待ちですが、申し込み時点で今年の希望者は例年にないほど多く、入れる保証はないと言われています。もし、学童が2つとも落ちた場合、身近に親族は誰もいないため、仕事の継続は難しく、退職するしかないと思っています。近隣ではないですが、月7万の学童があるらしいです。しかし、保育園の保育料も7万以上なので、14万以上は現実的ではありません」

 埼玉県内のどの地域かは分かりませんが、この方は公設学童保育所に入ることができず、民設の学童、これはいわゆる民間学童(学習支援系の、利用者の月謝で運営する方式)と想定されます。この民設の学童保育所にも入れる保証がないことと、民設学童保育所に入所ができなかった場合は、保護者は退職の危機を迎える、という内容でした。

 つまり、「小1の壁」です。
 埼玉県は、自他共に認める「学童保育のトップランナー」です。県庁を含めて県内自治体は学童保育に関する各種補助金の交付に積極的なところが多く、運営組織も、雇用条件に十分配慮している組織が多く、非常に恵まれた学童保育の環境が整っています。そのような学童保育先進地域をもってしても、「小1の壁」は、現に存在しているのが事実なのです。

 小1の壁の打破には、つまるところ、ニーズに対応できる単位数(学童保育のクラブの数)をそろえるしかありませんが、それは、数週間でできることではありません。どんなに急いでも半年、1年はかかりますし、「将来は子どもの人数が減るから、学童保育施設をたくさん作ると、あとで困る」という考えがあると、いつまでたっても学童保育のニーズが解消されません。

 それでは、永遠に小1の壁は、なくなりません。

 弊会は、次のことを提言します。大前提として、「保護者の就労機会が失われることが、最大の問題点であり、まずは保護者の就労機会を保証すること」とします。

 1つめは、「弾力的な受け入れ児童数拡大」です。学童保育所には施設ごとに定員があり、法令によって児童1人あたりのスペースが定められています。それは、学童保育所で過ごす児童の生活面を考慮するうえで必要です。
 しかし、学童保育所に入れない世帯において保護者の就労機会が失われることは、最終的にその世帯の生計維持を困難にし、児童に貧困の問題を招く恐れがあります。

 学童保育所に入れなかった児童は、家庭の経済状況の困難から貧困に陥る可能性が高まることは、子どもにとって最善の利益とはなりません。よって、緊急避難的に、受け入れ児童数を拡大し、待機児童を可能な限り減らすことが必要です。もちろん、大規模学童保育所になる可能性は高まりますが、行政は、これも緊急対応として、遅くても1年以内には、新たな児童の受け入れ施設を整備することが絶対に必要です。余裕教室の活用や、公有施設のスペース活用など、手段はいくらでも見つかるはずです。

 2つめは、「弾力的な受け入れ児童数拡大に応じた人員配置」です。当然、入所児童数が多くなると、育成支援に従事する職員数を増やすことが必要です。可能な限り、子どもに関われる職員数を増やすことが必要です。

 3つめは、「弾力的な受け入れ児童数拡大による補助金の減少を市町村がカバーすること」です。これは2つめの職員数増加を実現するために必要なことです。国の補助金制度は、その施設における平均利用児童数に応じて増減されていますが、大規模学童保育所はかなり補助金がカットされます(減った分は、増えた児童の保育料で補え、ということだと思われます)。しかし、児童数が増えれば職員数を増やすことが当然求められます。減った国の補助金は市町村が独自財源で、補うべきでしょう。

 4つめは、「民間学童(学習支援系)の利用に対する一時的な補助の創設」です。学童保育所は、子ども家庭庁においても「児童の居場所」を確保する事業に位置付けられています。すなわち、子どもが放課後に過ごせる場所を整備していくということですが、それは民間学童でもその機能を果たすことができます。
 本来、民間学童は、利用者が自己負担によって、学習支援を受けたり各種体験をさせることの施設ですが、育成支援系の学童保育(放課後児童健全育成事業)を利用できない場合で、一時的に民間学童を利用することを余儀なくされた世帯に対しては、その利用料の一部を補助し、保護者が離職を迫られる状況を少なくすることが、社会福祉政策として必要です。

 以上4つの提言に共通するのは、「最低限、子どもの居場所だけは、行政の責任で確保する」ということです。

 小1の壁を打破しないことには、わが国、そして地域の経済発展は望めません。そのために、学童保育所も柔軟に対応し、学童保育所を必要とするすべての子どもが学堂保育所を利用できるようにすることが、絶対に必要です。「あい和学童クラブ運営法人」は、その対応について、行政当局や学童保育運営組織と一緒に考えていくことができます。
 ぜひとも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。小1の壁打破と、学童保育の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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