学童保育の運営組織は、職員が健康で安心して働けるために制度を整えましょう。

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。

 学童保育所は、保護者が就労等で不在のときに、子どもたちの生活と遊びの場を用意して子どもたちの育ちを支える児童福祉事業です。運営者が市町村であれ、非営利法人であれ、株式会社であれ、保護者会(任意団体)であれ、働いている人がいることでは同じです。働いている人がいる場所=事業場については、労働安全衛生法など各種法令で、働いている人の健康と安全を守るための仕組みを実施するように義務付けられています。

 昨日のブログでご紹介したのは次の仕組みです。

「産業医」(全業種で常時50人以上の事業場で選任が必要)
「衛生管理者」(全業種で常時50人以上の事業場で選任が必要。免許や資格が必要)
「衛生推進者」(常時10人以上50人未満の事業場で選任が必要。講習受講だけでOK)
「衛生委員会」(常時50人以上の事業場で設置が必要)

 これらは、法令で設置や配置が定められています。いずれも、働いている人を守るための仕組みです。運営組織は、積極的にこれらの制度を実施するようにしてください。

 まず「産業医」です。これが一番大変です。というのは、産業医の業務を引き受けてくれる医師を探す必要があり、当然、それなりの報酬が必要だからです。
 しかしながら、この産業医をしっかりと確保するかどうかで、その運営組織がどれほど働いている人たちを大事にしているかが分かります。「うちは1つ1つのクラブは職員が10人いないから、常時50人以上に該当しないから産業医は不要」と運営者が言っているのなら、その運営者は、働いている人たちを大事にしていないということと同義です。そんな運営組織からは、すぐにでも去ったほうがいいでしょう。コンプライアンスに取り組まず抜け道ばかり探すような運営組織が、子どもの命と安全を守れるはずがありません。

 産業医を探すには、まず地元の医師会に相談するか、職員が普段利用している「かかりつけ医」に相談してみることが良いでしょう。医師ならだれでも産業医になれるわけではないのですが、産業医を務めることができる医師はそれなりにいますので、探そうと思えば、すぐに見つかります。

 なお、学童保育の業態であれば、その産業医は、メンタルヘルスに詳しい医師がお勧めです。心療内科医や精神科医が良いでしょう。なぜなら、学童保育で働く人たちの多くが、メンタルヘルスのダメージで職を去ることが多いからです。厳しい負荷がかかるコミュニケーション労働ですから、どうしても、心理面に負担がかかる仕事なのです。

 報酬については引き受けてくださる医師との相談で決まることになります。年間で60~100万円程度と見積っていればよいでしょう。なお、産業医は毎月1回(事業者との合意があれば2か月に1回)の「巡視」が義務となっています。職場の実態を産業医が目で確認することです。

 産業医を探すことと同時に、その産業医が加わる会議体が必要です。それが「衛生委員会」です。その衛生委員会に必要な資格者が「衛生管理者」です。衛生委員会とは、労働者の健康障害防止と健康の保持増進に係る基本対策を担う委員会です。その他、定期健康診断や労働者の精神的健康(メンタルヘルス)への取り組みを行う組織です。衛生管理者は、職場における衛生に係る技術的事項を担当する実務者とされています。運営組織全体で50人以上の労働者がいるなら、選任しなければなりません。これも「1つのクラブに50人もいないから」と、抜け道を探すような運営組織であってはなりません。働いている人を守る仕組みですから、積極的に導入するべきです。

 衛生委員会は、産業医と、衛生管理者が必ず加わらなければなりません。衛生管理者は試験を受ける必要があります。早急に候補者を組織内で選定し、試験を受けてもらいましょう。衛生管理者は選任後、遅滞なく管轄の労働基準監督署に報告することが義務となっています。

 メンバーは労使双方で相談し、最終的に事業者、つまり運営組織が指名して決定します。衛生に関して経験を持つ労働者が加わることになっていますが、学童保育所の職員は普段から子どもたちの衛生管理に留意しつつ業務を行っていますので、その点は問題ありません。

 衛生委員会は毎月1回以上開催し、その記録は3年間の保存が義務付けられています。

 最後に、衛生推進者ですが、これは衛生管理者を置くほどの規模ではない事業場に、配置が義務付けられているものです。常時10人から50人未満の規模の事業場に配置が必要とされています。こちらは、資格試験はありませんが、講習に参加する必要があります。職務は衛生管理者と同じです。なお、衛生推進者は選任しても労働基準監督署への報告は不要です。

 これら職員を守る仕組みを積極的に取り入れることが、社会的責任のある学童保育事業を行う運営組織には必要です。職員の健康を守ることは職員の安定した業務につながり、それは持続的かつ質の高い、学童保育事業を実施することを可能とします。

 職員の安全衛生管理体制を整える取り組みについて、丁寧にフォロー、サポートすることができるのが、「学童保育運営支援」の事業なのです。
 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育組織運営に豊富な経験を持つ代表が、学童保育の運営組織における事業の質の向上に取り組みます。職員、保護者、そして組織全体のモチベーションアップを実現させるために、具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。

 学童保育の運営者の方、そして行政の学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る学童保育所の発展のために、一緒に考えていきましょう。職員育成はもちろん、どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく学童保育です。学童保育の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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