学童保育で働く職員に出来る限りの福利厚生サービスの充実を図ろうシリーズ。特別有給休暇の付与を進めよう。

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。学童保育事業の質的向上のためにぜひ、講演、セミナー等をご検討ください。

 人手不足で大変な学童保育の世界。せっかく採用した人も数年たたずして辞めてしまう離職の多さが悩みの種です。働く人が長続きしないのはもちろん低賃金が最大の理由ですが、補助金頼みの収入構造ゆえ、給料を上げるのは事業者だけの努力ではほぼ不可能です。よって、給料の改善は長期的に取り組むとして、それ以外の面で、職員が「働きやすい」と思うような施策が必要です。
 前日は「インフルエンザなどワクチン接種の費用補助」を提案しました。本日は「特別な有給休暇の付与」の導入をお勧めします。

 ご存じのように、年次有給休暇には法律で定められた付与条件があります。週に5日以上の勤務がある、または週30時間以上の労働時間がある、という労働者には、出勤率8割を超えれば、働き出して6か月経過すれば10労働日の年次有給休暇が付与されるというものです。なおこれは「法の最低基準」であって、この基準を下回ってはいけないということであり、上回る分にはまったく問題がありません。その点を確認しておいてください。

 さて、新採用の職員は6か月後にならないと年次有給休暇は付与されないのですが、実際には、いろいろと急に休みが欲しいという状況が新人職員にも起こるものです。まして、夏場でもインフルエンザが流行していた今年のような状況では、自分が罹患しなくても家族が罹患してその看病をしたいのに、でも有給休暇がない、という状況に陥る可能性もあったでしょう。また、ペットの具合が急に悪くなったとき、「有休があれば!」と思う状況もありえるでしょう。

 よって、私は、「新採用の職員も、年次有給休暇が付与されるまでの期間、事業者の判断で特別に付与できる有給休暇制度を設けるべきだ」と提案します。その日数は3~5日程度で良いと考えます。

 年次有給休暇は「一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される休暇」(厚生労働省のホームページより)であって、一定期間の勤続に対する報奨の意味もあります。つまり、それまで働いた分の評価が含まれるので、まだ何も事業に貢献がない新採用職員に休みを与えることに抵抗がある経営者側の考えがあるでしょう。しかし、この人手不足の状況で、「結果を出さないと、休みはないよ」と言えますか?1人でも多くの働き手を確保しなければならない状況で、いかに、働き手を確保することこそ、経営者側が最も大事にするべきことなのです。古い考え方では、人手不足で大変な現場クラブ職員がますます疲弊するだけです。

 特別の有給休暇を与えること以外に、6か月後に付与される年次有給休暇をそもそも採用時に付与してしまうという方法もあります。つまり、4月1日採用の職員は本来なら10月1日から10労働日の年次有給休暇が付与されますが、それを半年繰り上げてしまうということです。10労働日のうち、5労働日だけを4月1日から使用できることにしても問題ありませんし、10労働日をすべて使えるようにしても、問題ありません。
 この場合、毎年4月1日が「基準日」となりますので、満1年を過ぎた4月1日には、11労働日の年次有給休暇を付与することになります。特別の有給休暇付与と比べると、与える「有給で休める日」が少ないだけ、会社側が負担するべき費用は少なくなります。が、それほど多い費用ではないので、特別の有給休暇を与えることのほうが、働き手にとっては歓迎されるでしょう。

 もちろん、人が多く休むだけ、替わりの人を手配する分の予算も必要となります。が、職員、働き手に「うちの会社は、働く人を大事にしてくれている」と思ってもらい、それが働き手のモチベーションアップにつながるならば、全体的に見て費用対効果は優れたものになります。人手不足だからこそ、働き手を大事にしなければならない。その鉄則を忘れてはなりませんよ。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の持続的な発展と制度の向上を目指し、種々の提言を重ねています。学童保育の運営のあらゆる場面に関して、豊富な実例をもとに、その運営組織や地域に見合った方策について、その設定のお手伝いすることが可能です。

 育成支援の質の向上に直結する研修、教育の機会を提供するとともに、個々の学童保育所運営者様へ、安全安心な子どもの居場所づくりとその運営手法において、学童保育組織運営について豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に講演や具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。もちろん、外部の人材として運営主体の信頼性アップにご協力することも可能です。

 子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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