質の高い育成支援ができる職員は、あの超有名な手法を実は自然に行っているのです。
学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性、学童保育のあらゆる問題の解決を訴えています。
学童保育の仕事は、「やりがい」を搾取して仕事に向き合わせるのではなく、「やりがい」を育てモチベーションをアップして仕事に向き合える職場にすることが大事だと、前日までのブログで訴えてきました。仕事の質の満足度=動機付け要因を満たすために、運営組織が行う教育研修が大事であると伝えました。
では、動機付け要因が満たされ、個々の職員が高いモチベーションと優れた技能スキルを得て、日々の育成支援業務に取り組むと、どういうことが起きるでしょうか。それを考えてみましょう。
学童保育(この場合は、育成支援を行う放課後児童クラブを想定しています)で日々の育成支援業務に取り組む方は、当然ながら、「育成支援(保育)目標」を計画として立てていることと思います。年次計画か、半期ごとか、あるいは臨時か、期間は様々でしょうし、対象も、クラブ全体は当然として、学年ごと、ある特定のお子さんを中心としたグループか、ある特定のお子さんに限定している場合も当然、あるでしょう。理想としては、クラブに在籍しているすべてのお子さんに対しての、育成支援目標をクラブ全職員で共有していることです。
また、児童間トラブルなど、なにか支援上において困難な状況に陥ったお子さんに対し、期間を決めて、短期的な支援目標を計画することも、当然行っているはずです。また、特別支援児(障害のあるお子さん)に対しては当然、個別の育成支援目標を立案するはずです。
(なお、これら育成支援目標を設定せずにお子さんを受け入れている放課後児童クラブがあるとしたら、それは育成支援を行っているとは到底言えません。単なる子どもの預かり場に陥っています。そこには職員の専門性が存在していません。直ちに育成支援目標を設定してください)
この、育成支援目標というのは、概要としては以下の通りになるでしょう。
「集団もしくは個々の子どもに対し、現状を把握する」(見立てを立てる)
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「将来(目標設定期間終了時)における、到達してほしい状況を設定する」
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「設定した目標に到達するための育成支援の手法、方法論を考え、確認する」(手立てを確認する)
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「確認した手立てに沿って育成支援を実行する」(支援の実践)
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「期間の途中で、状況と効果を確認する。状況に応じて随時、見立ての変更や手立ての変更を行う」
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「期間終了時に、行ってきた支援による状況(結果)の確認と、過程の確認の双方を行う」(振り返り)
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(必要に応じて、見立てを立てるところから繰り返す)
以上のようなことになるでしょう。いわゆるPDCAサイクルといえますが、実のところ、あの超大物学者が提唱した「目標管理」そのものであることに、気づかれた方もいるでしょう。そうです、ドラッカーの目標管理(MBO)です。
MBOは、労働者が個々において自ら職務上の目標を設定し、その目標の実現における手法や進行過程を労働者自らが管理するということを旨とします。そうすることで労働者のモチベーションを高め、かつ、持続させることができる利点があります。働き手の自主性に期待することで、主体性の伸長も同時に果たせるのです。(ドラッカーは不本意なはずですが、そのMBOの結果だけを吸い取って評価給制度に連動させてしまったことで、日本の企業の人事管理は成果重点主義に陥ってしまい、MBOは失敗と指摘されることが多いことも、併せて知っておいて損はありません)
本来のMBOは、職員の能力に期待して自主的に日々の業務について活躍を期待するものです。学童保育の現場(クラブ)は、支援員を中心にすべての職員が共同で育成支援を行うのですが、主軸となる正規職員が、実のところMBOと本質的に変わりのない「育成支援目標の設定とその実践」を行うことで、職員の自主性、主体性を育むことができ、結果として、質の高い職務、生産性の高い業務の実践が可能となるのです。
それが導く先は、言うまでもありませんね。学童保育の現場に対する高い社会的評価の獲得になるのです。
学童保育の運営に決定的に遅れている科学的労務管理、人間関係管理は、実のところ、導入してもすぐになじめる下地があるのです。優れた育成支援を行っている運営組織ほど、その下地は整っています。職員のモチベーションアップの実現も、案外と、簡単なはずですよ。学童保育とドラッカー、こんなに相性が良いなんて。
「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育という職場で行われる業務の質の向上、職員の生産性向上についての提案を発信しています。学童保育の運営に関して、豊富な実例をもとに、その運営組織や地域に見合った運営の方策についてその設定のお手伝いすることが可能です。
育成支援の質の向上に直結する研修、教育の機会を提供するとともに、個々の学童保育所運営者様へ、安全安心な子どもの居場所づくりとその運営手法において、学童保育組織運営について豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に講演や具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。
子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。
(このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば、当ブログの引用はご自由になさってください)