残暑の読み物。運営支援独断と偏見の、放課後児童クラブ(学童保育所)で働く上での年齢世代別の感想です。

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブ(学童保育所)運営支援アドバイザーであり、放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。(ぜひグーグルのAIで「萩原和也 放課後児童クラブ」と検索してみてください!)
 放課後児童クラブの運営にたずさわってきて、あるいは現在も運営支援という形態で児童クラブに関わってきているわたくし萩原が考える、児童クラブで働く上で感じてきた年代ごとのポイントを紹介します。何ら学術的な根拠や研究結果などない、単なるわたくしの独断と偏見のイメージですからその点、何卒ヨロシクです。残暑厳しい週末、気楽に読んでくださいませ。
 (※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)
(放課後児童クラブを舞台にした人間ドラマ小説「がくどう、 序」が、アマゾンで発売中です。(https://amzn.asia/d/3r2KIzc)「ただ、こどもが好き」だからと児童クラブに就職した新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描くハッピーサクセスストーリーです。お読みいただけたら、アマゾンの販売ページに星を付けていただけますでしょうか。そして感想をネットやSNSに投稿してください! 最終目標は映像化です。学童の世界をもっと世間に知らせたい、それだけが願いです。ぜひドラマ、映画、漫画にしてください!)

<10代の方々>
 10代は多くが非常勤、つまりアルバイトやパートでの雇用が多いでしょう。もっとも成人した18歳以降は就職先として常勤職員として採用される方もいるかもしれませんね。
・高校生:夏休みなど小学校の長期休業期間中に頼りになる「おにいちゃん、おねえちゃん」的存在。高校生のアルバイト採用を認めていない児童クラブ事業者もあります。かつて小学生だったときに通っていた児童クラブに、高校生になってアルバイトで舞い戻る人もいます。高校生に限らず10代の職員スタッフは体力があり、外遊びをぜひ任せたい存在ですが、「働くことの責任」についてはまだまだ理解の途上にある方も多いのは事実。寝坊したりドタキャンしたり。また、こどもを同じ立場でやりとり、口論してしまってその後始末に手がかかることも。ただ、雇う側としては、児童クラブでわざわざアルバイトしようと考える高校生や学生は大事にしたいもの。将来、正規職員での就職を希望してくれるかもしれませんから、丁寧に育てましょう。

・大学生、短大生、専門学校生(20代の学生も含む):とりわけ保育関係を学んでいる学生が児童クラブには実にありがたい存在です。保育を学んでいる人が児童クラブにアルバイトでやってきたら、これはもう原石として丁寧に育てましょう。単なるお手伝いと扱わず、時には正規が「あなたはどう思う?」と、「仕事に巻き込んでいく」ことで、「児童クラブの仕事って奥が深くてすごい!」と感じる機会を提供できますよ。なお高校生と同じように、社会で働く上の規律や常識がやや欠けている人がいるのも事実。寝坊やドタキャンは絶対にダメですよ学生さん。

・フリーター:最近はめっきり死語ですが中学校卒、あるいは高校中退、そして高校卒業後、非常勤で職歴を重ねている人たちです。規律が身についた丁寧な方であれば、無資格者であっても常勤職員、非常勤でもフルタイムの週5日勤務で働いてくれると、現場の頼りになります。2年間、みっちり働くことで放課後児童支援員認定資格研修の受講に道が開き、資格を得れば給与も少しは上がるでしょう。将来的なメリットをしっかり説明した上で、2年間、地道に真面目に働くことの大事さを雇う側は意識して伝えていきたいもの。働く側は、「将来、もっといい給料でもっと楽に稼げる仕事が見つかるまでの腰かけ」と思って児童クラブでとりあえず働いている、という人が多いでしょう。でも児童クラブも、みっちり働けばなんとか暮らせるぐらいの給与を支払う事業者も多いので、児童クラブでずっと働くということも考えてみてください。ちなみに当たり前ですが「勉強、研さん」は当然。こどもを預かる仕事ではないのですから、育成支援についてしっかり学ぶことになります。というか、人間、どんな仕事であっても、その仕事に関しての「勉強」はずっとついて回ります。勉強しない、知識を習得しないで済むような仕事なんてありませんよ。
 あえて触れますが、社会の常識や一般的な理解に欠ける方がもまた潜んでいます。わたくしの印象は「両極端」。今まで自分探しで転職を繰り返していた人が児童クラブで働き出して「これこそ自分がやりたかったこと。任用で放課後児童支援員資格を取って正規職員になるんだ!」という頼もしい10代がいれば、働き始めてすぐに遅刻やら仕事中のさぼりやらで現場から苦情が入って早々にお引き取りいただいたこともあります。まあ、人間なんて十人十色ですし、人事なんて結果論ですからね。いい人が雇えて現場に紹介できて当然、それができなきゃ批判を受けるだけの存在です。

<20代の方々>
・新卒組:児童クラブではちょっと珍しいですね。定期的に新卒を採用して4月勤務を始めるという人事サイクルについて、極度の人員不足や年度途中の離職、採用があまりにも多くて年度ごとの人事サイクルが確立できない業界ですから。年度替わりでの新人採用が当たり前にできる事業者がうんと増えることが望ましいです。

・第二新卒:児童クラブはこちらを狙うことが多いでしょう。大学や短大などを出て、保育所やこども園で働き出した保育士や、幼稚園、小中高校で働き出した教員で、すぐに最初の勤務先を辞めてしまった方々は、児童クラブで「とりあえず働いて」、次の安定した就職先を探すというパターンがあります。これですね。この「とりあえず」を、「なんだ、思ったより、やりがいがある仕事だ」と思わせることが大事です。働く側には給与の低さがあるでしょうし、ぶっちゃけ「国家資格の保育士より、学校の教員より、なんだか下のランクにあるよね、児童クラブ」という思いを抱きがちでしょう。でも、こういう第二新卒組は得てして「事前に思っていたより、こどもとしっかり向き合えない。こどもより雑務ばかりで何か違うと感じた」という印象を持ちがちです。「こどもと、真正面から向き合える」職場が児童クラブです。事務仕事はそれなりに多い(そもそも対人ケア労働は記録が命ですから)のですが、「ガチ」でこどもと向き合いたい第二新卒組は、まずは正規で児童クラブ勤務をしてみてください。いとも容易に正規で採用されますから。どんな仕事なのかはぜひ拙著「がくどう、 序」を参考にしてください。

<30代の方々>
・子育て中のパート、アルバイト:兼業の主婦(夫)は、児童クラブを支える階層の方々です。20代は正規職で働き、その後に結婚して出産、こどもを保育所に預けて働く方々です。ただ、児童クラブでは30代は少数派でしょうか。なにせ体力があるだけに応募してれると実にありがたい。雇う側としての困りごとは、就業時間の短さでしょうか。自分のこどもを保育所等に迎えに行くので午後5時ごろには退勤したいという希望は、現場クラブからすると「ウチらはそこからが忙しいんだから!」となります。午後6時まで勤務OKなら「助かるわぁ~」になるのですが。あとは、こどもの急な発熱のための急遽の欠勤、仕事の休みがある、ということです。インフルエンザや水疱瘡、手足口病などが流行している時期にはこどもの看病のために仕事を休む、ということもあります。配置基準ギリギリの状況でシフトを組むにはリスキーです。働く側には、自分の希望する時間で働けるなら、手ごろな職場感があるのではないでしょうか。まして以前、保育士資格や教員免許を取得しているなら有資格者として重宝されますし、時給もちょっと高いかもしれません。

・フリーター:雇う児童クラブ側は、正直言って「警戒」します。なにかあるからその年代まで定職がないのだろうか、と疑います。まあそれは児童クラブであろうがなかろうがどの事業者もそうでしょうね。残念ながら、あきらめが早いというかこらえ性が無いというか、自分の気に入らないことがあるとすぐに離職退職して職歴を重ねる人は珍しくありません。そういう人は、配置基準によって補助金が縛られる業界には向かないのです。急な欠勤による欠員で、役所から「職員配置が満たされないことが続いていますよ」と指摘されたくはないから。ただ、本当に運が悪くて、自分に適した仕事が見つからない、あるいは良い上司上長に恵まれずに職を転々とした、という人もいます。発達障害など自身の特性が理解されずに仕事が長続きしない人もいます。児童クラブは運営主体の考え方でいろいろな職場がありますから、当然に当たり前のことー法令順守ーさえしっかりしていれば、そして自身の甘えー1回の寝坊ぐらいは、1回の遅刻ぐらいは許してもらいたいーさえなければ、ずっと続けられる職場ですよ。もちろん、育成支援についてしっかり学びを続ける姿勢は欠かせませんが。雇う側は単に履歴書だけを見て判断するのではなくて、面接や作文提出などで少しでも人となりに近づく努力をしてほしいですね。

<40代の方々>
・子育てが落ち着いた方々:児童クラブを支える中核層の1つです。とりわけ結婚前は教員や保育士だった。結婚出産育児で専業もしくは短時間の非常勤で過ごしてきて、いよいよこどもが育ってきて教育費がもっと必要となった40代以降の方々が、児童クラブの現場を支えています。非常勤職員の主力ですし、正規常勤職員も、子育てを終えて正規常勤の仕事を再度始めた人が珍しくありません。掃除も洗濯も調理も慣れているのが強み。子育て経験があれば、ちょっとしたこどものトラブルにも動じません。今までもこれからも児童クラブの現場を支える中核でしょう。雇う側はこの世代の採用を増やしたいものです。働く側には、児童クラブは実にいい職場だと伝えたい。時給は近所のスーパーマーケットの方が上かもしれませんが、けっこう憎まれ口をたたくので頭にくる子がいることもありますが元気なこどもたちを見ていると思わず笑いたくなる出来事が毎日のようにある、面白い職場ですよ。ただ問題行動と言いたくはないのですが対処が困難な行動のこども(そしてその保護者、たいがいがセット)はいます。事業者が問題行動のあるこどもにしっかり向き合う姿勢ならいいのですが「こどもが荒れるのは現場の問題だから」と丸投げの事業者であると、現場の負担はとても重くなります。非常勤の方であれば別の児童クラブの会社に転職したっていいでしょう。正規常勤職員は困るでしょうが、事業者そのものの姿勢が変わらない限り、現場の非常勤が重荷を背負わされる必要はありません。そういう事業者はいずれ事業破綻、淘汰されればいいのです。アホな児童クラブ事業者に忠義を尽くして働くことは無いですよ。「職員が一斉に退職したらこどもがかわいそう、保護者が困る」のはそうですが、アホな事業者がのさばるほうが社会全体としてはより悪いこと。児童クラブのアホアホ事業者はそうでもしない限り、延々と増殖しますよ。
 体力もまだまだある40代の職員スタッフがいてこその児童クラブです。

<50代の方々>
・子育てが終わった方々:いまの児童クラブの現場では最も多い階層かもしれませんね。児童クラブを支える柱です。勤務時間も午後6時ぐらいまでなら当たり前に引き受けてくれます。時々、「夫の夕食を作らないと夫の機嫌が悪くなるので」と午後6時前の退勤を希望する方もお見受けします。案外とまだこの時代も「何もしない夫」というのは存在しているんですね。世間は実に様々ということを児童クラブの仕事は教えてくれます。

・セカンド(orサード)キャリアに挑む方々:男女問わず、それまでの仕事やキャリアから児童クラブでの仕事を選ぶ人がいます。それは「やむなく」、つまり正規職で採用してくれる事業者や業界が児童クラブしかなかった、ということもあるでしょうし、児童クラブ業界によくある求人広告で「マネジャー募集。初心者可」という、「そうか、管理職での転職を希望したいけれど児童クラブは可能なんだ。それも経験問わずか」というセールスコピーにうまいこと騙され? てしまう方々のこともあるでしょう。いずれにしても、児童クラブは、入れ替わりが激しい業界です。もし、あなたが、前歴においてプロジェクトのリーダーを務めていたとか、職場をまとめる立場で仕事をしていたなら、児童クラブで「歯を食いしばって(とは大げさですが)」3年間でも勤務してみてください。児童クラブの常勤職員の平均の勤続年数はたかだか6年ぐらい。数年間も頑張ればまずクラブの施設長や主任に嫌でもなります。5年、6年もすれば方面を任されるエリアマネジャー、スーパーバイザー級の地位になります。50代で転職して飛び込んでも60歳前に幹部級職員になれるのが児童クラブの世界です。児童クラブの世界は誤解されがちですが全員が「育成支援」つまりこどもとの関わりだけを業務に求められるのではありません。1法人1クラブの零細規模の児童クラブ(それも案外多いです)は別として、1法人が10前後の支援の単位を運営するような小さな事業規模であっても、「職員集団を束ね、管理する」立場の職員、つまり組織運営やマネジメントに興味関心がある職員が必要となってきます。それが20、30、40単位と支援の単位数が増えれば増えるほど、組織運営、マネジメントに長けた職員がどうしても必要となります。育成支援への理解やこどもの権利について学び続けるのは当然として、児童クラブ組織運営を担う役割の職員への理解とリスペクトが、ややもすると欠落しているのが児童クラブ業界最大の弱点だと、わたくし萩原は考えるのですね。いつまでも「こどもをまんなかに考える指導員」だけを尊重する風潮はそろそろ止めてほしい。「職員の雇用労働、生産性の改善を考える職員」が事業者は必要不可欠だ、ということを理解していただきたいですね。

・派遣で長らく働いてきた氷河期世代:児童クラブこそ、安定したキャリアを積める職業だとわたくしは訴えたい。苦難の道を長らく歩んだ氷河期世代には、正規職を求め続けて非常勤の時代が長かった、という話がごまんとあります。「こどもなんて見るのも嫌だ」という人にはお勧めできませんが、「人間に興味がある。いろいろな人間の考えや姿勢に興味がわく」という人には、児童クラブはぴったりの仕事です。なぜなら児童クラブは「人間のるつぼ」。何十人もの人間がいます。誰ひとり、同じ考え方や思考回路の人間はいません。50人のこどもと7、8人の職員、総勢約60人の、「全員違う」人がいます。60通りの観察結果を得られるのですよ。しかも、人間同士がその意志、希望、欲求をぶつけ合う場所です。こんなに面白い職場はありません。児童クラブは正規で採用されやすい職種です。「えー学童? こどもの遊び相手?」という偏見なしに職業を観察してください。こどもが自ら育っていく過程においてその時々に適切にこどもへ援助支援を送る仕事は、非常に難易度の高い業務です。残念ですが社会に広く知られていない、理解されていないだけで、事実として「誰でも最初に取り組める仕事であるが、仕事の質を深められるのは専門性を理解した人だけ」という、実にニクい仕事です。そんな専門性のある仕事で正規職で数年頑張れば幹部職員にもなれる業界が児童クラブ。正規で働くことで、年金の受給要件を満たして受給額を増やすことを考えたい年代でもあるので、派遣で非常勤を繰り返してきている人はここらでいっちょ人生の大勝負として、児童クラブ正規職員を考えてくださいね。

<60代の方々>
 定年退職を迎えた方々:いわゆるセカンドキャリアに児童クラブを考える方もいます。この世代の方々には「是が非でも時給が少しでも高く」と収入にこだわる方もいるにはいますが、「まあお金よりも生きがい。こどものために少しでも役に立てるなら」という意識で児童クラブを再就職先として選択する人も、珍しくありません。雇う側にはありがたい(=それほど時給を高くできない、つまり地域における人材獲得の競争力に劣る雇用労働条件しか提示できない)のですが、一方で実際に働き出してもらうと困ることがあります。それは「こどもために」という理念を、セカンドキャリアで児童クラブを選んだ人にはそれなりにその人自身独特の理念としてがっちりと固めて持っていることがあって、「児童クラブは、こういう場所なんですよ」と事業者側や先輩職員が説明しても「それはそうかもしれないけれど、私にも考えがあってね」と、自分自身の理念を頑なに優先してしまうということが、まあ、あるのです。ファーストキャリアでそれなりに成功している人に見られがちです。中には「今のこどもたちが軟弱なのは、いまの教育が間違っているからだ!」と、児童クラブでせっせと自分流の指導を始める御仁もいます。そもそも児童クラブは教育機関ではないのですが。よって雇う側は、セカンドキャリアの、とりわけ社会的に成功、人格的にもそれなりの評判がある人であればこそ、丁寧に、みっちりと、児童クラブについて運営指針を使って説明し、教育研修を受けてもらうようにしましょう。運営指針を使うのは「これは国がまとめたもので、児童クラブのエキスパートたちが議論を重ねてまとめた児童クラブの虎の巻だからです」と権威付けでも利用できるからです。
 定年退職をした方々には、言わずもがな、児童クラブはお勧めです。ただし、体力勝負の仕事でもあります。足腰に不安がある人は正直に明らかにしたうえで求人に応募してください。サッカーでボールを追い回して走れなければダメ、というものではありませんが、ただ立っているだけではこどもの遊びに加われません。ただ立っているだけの大人は、児童クラブのこどもたちからは決して受け入れられませんよ。クラブの運営事業者によっては、室内で落ち着いて遊べる遊びを引き受けてくれるだけでもOKという場合があるかもしれません。
 なおデジタル関係のスキルが高いシニア層、シルバー世代もいますが、とても重宝されます。「私はパソコン通信の時代からパソコンにはなじんでいまして。ええニフティです。シスオペやサブシスだったこともあるんですよ」と話しても、いま20代30代の正規常勤職員には「?」でしょうが、いま、児童クラブは急速にICT化が進んでいます。パソ通時代からの猛者にはスマホアプリなんて単なる道具のようなものですがそれすら満足に使えない職員が珍しくないですからね。パピコン、ハチロク、キューハチ、DOSの世界を生きてきたそのスキルを児童クラブに伝授してください。

<70代、80代以上の方々>
 元気な世代ですし、現実の児童クラブでは日々の運営を支える世代でもあります。雇う側とりわけ児童クラブ運営を収益事業としている事業者はこの世代であれば最低賃金と同じ水準の時給設定でも応募が来るので、必然的に雇用ターゲットとなります。応募する方も年金受給との兼ね合いがあること、そもそもすき間時間でのお小遣い稼ぎという面もあるので時給の額にそれほどこだわらない傾向があります。こだわるのは「自分が働きたい時間に働けるか」であり「体力的にきつくないか」です。
 70代でも十分、こどもの外遊びに対応できる人は普通にいます。年齢だけで採用を見送るのは、適材適所を理解できない、経営がへたくそな児童クラブ運営事業者です。70代(またはそれ以上)の人材を活用できる工夫をしましょう。70代は早起きですから、長期休業期間中は早番を任せることが良いです。しかし例えば「午前7時から開所ですから5分前に出勤して開門開所してくださいね」と運営本部や施設用が指示しても、朝5時台に目が覚めて「こどもたちのために頑張るぞ!」と意欲を燃やしているこの年代は、「カネのためじゃないから」といって午前6時過ぎには早々に出勤して、指示もされていないのに周囲の清掃をしたり整理整頓をしたりと、マメに動くことがあります。雇う側には「ありがた(迷惑)」かもしれませんが、「ご自身の判断で出勤してうごいたのは、労働時間にはなりませんから、そこは了解してください」と書面と口頭の双方で確実に通知した上で、温かい目で見守ることが良いでしょう。
 なお、たまに男性のシニア層でいることがありますが、根っからの「おしゃべり好き」かつ「異性好き」で、時間があれば同じ職場の女性職員に話しかけている方がいます。それ、本当に迷惑です。自分にその自覚が少しでもあるなら正しましょう。そのうち、肩たたきにあいますよ。
 仕事を捜している70代やそれ以上の方は児童クラブをお勧めします。しかしこれだけは理解してください。「あなたがこどもだったころ、あなたが子育てをしていたころの、こどもや子育てに関する常識や習わしは、今では通用しないこと。むしろ忌避されることだらけ」ということを。「言うことを聞かないガキはゴツンとするのがいいんだ」とわたくし萩原に言ったシニア層の求人応募者がいましたが、「そのときは、あそこに行くことになります。私が連れていきます」と、窓越しに見える上尾警察署を指し示したことがありました。
 ただ、昔のこと、1960年代や70年代のこどもたちのこと、その時代の遊びや学校、流行のこと、そういうことを児童クラブのこどもたちや、一緒に働く若い職員に伝えていくのはとても大事です。運営主体は、こどもに関する記憶の伝承に、児童クラブの職場を利用することを積極的に考えてください。夏の時期は戦争に関する地域の記憶を伝えるため、これは児童クラブで働いていない人であっても児童クラブに招いて話を聞くことも、ぜひやってみましょう。

 体を動かすことが多い仕事です。高齢の職員や、体力に自信のない職員は、決して無理はしないでください。善意であっても無理は禁物。なぜなら、業務中にけがをするとそれは労働災害になります。まじめな児童クラブ運営事業者は当然に労災に関する手続きに協力します(この協力が得られない、渋られる児童クラブの会社なら、すぐに辞めて他の運営事業者で働きなおしましょう。いざというとき、後悔しますよ)が、高齢者の業務中のけがが相次いで労災の手続きがひんぱんになると、そのまじめな運営事業者に対して国からの厳しい視線が注がれる可能性もあります。結果的に、運営する側の気苦労が増すことになりかねません。ですからね、シルバー世代は決して無理はしないでください。無理というのは「準備運動やストレッチをしないで急にサッカーを始める、鬼ごっこに参加する」とか「昔をイメージして飛んだり跳ねたりする」とか「急な角度のある動作をする、瞬発力が必要な動作をする」ということです。雇う側も、シルバー世代に向けたストレッチなど「高齢者向け業務前確認マニュアル」などを策定して、少しでもシニア層の労災発生抑止に取り組みましょう。

<全般的に>
 児童クラブは社会インフラとしてその役割が期待されている仕組みです。残念なことに、その真価や重要性がなかなか世間に伝わっていないだけのこと。児童クラブの仕事は、実はとても難しい仕事なのです。それなのに「こども相手でしょ? こどもを預かって見張る仕事でしょ?」とか「こどもと遊ぶだけの仕事だよね」という、根本から誤った理解が根付いてしまっている業界です。そのイメージのまま、児童クラブで働き出すと、「まさかこんなにハードとは思わなかった」という後悔、イメージギャップに襲われて、せっかく働き出した児童クラブなのに退職離職になってしまいます。

 とりわけ、「こどもたちがあんなひどい言葉を使うなんて」というショックで仕事が長続きしないのは、どの世代でも変わりません。正規常勤職員もそれが嫌で辞める人だっています。児童クラブは決してバラ色の素晴らしいことだけしか存在しない職場、では決してありません。 むしろ、今を生きるに必死でストレスに苦しみながらなんとか「いい子」を演じて生きていることを余儀なくされている、いまの多くのこどもたちにとって、つもりに積もった「嫌なこと」をすべてぶちまかす、発散させる場としての児童クラブ、になっていることが、当たり前になっています。

 ですから、死ねだのクソだの当たり前。人格をひどく傷つけられる暴言を始終、浴びせられたり、物理的な暴力行為の被害に遭ったりもします。その点で児童クラブは「戦場」といえます。もちろんそういう気配すらない、穏やかな児童クラブもあります。ありますが、それが未来も続くかと言えばそんな保障は全くなく、「暴れる」こどもがいる学年が入所してきたら4月1日から児童クラブは戦場となります。
 では、荒れている世代が卒所したり退所退会したら児童クラブは穏やかな場所になるでしょうか。そういう場合もありますが、むしろ、「いままであいつらにひどい目に遭わされてきた。もう我慢したりおびえたりすることはないんだ」と、今まで抑圧されていた学年のこどもたちが、一斉に「蜂起」することだってあります。

 そんな戦場であるとは、働き出す前になかなか告げられないでしょうから、勤務を始めてから「まさかそんな現場だったとは」ということになるのは、珍しくないんですね。いわばだまし討ちです。そういうことを平然と行う児童クラブ事業者だからこそ、荒れている児童クラブの立て直しもへたくそ、いやむしろそんな努力は払わないというものです。何度も言いますが、適当に運営して収益だけゲットできればいい、という運営スタイルの事業者は残念ながら存在しているようです。そういう事業者に雇われてしまったら、運営支援はきっぱりと「ヨソのクラブで働きなおしましょう」といいます。人手不足に追い込まれて事業運営が満足にできない状況に追い込まないと、カネしか考えない事業者はずっと運営を続けていきます。ますますのさばります。そういう事業者は大きかろうが小さかろうが、早く退場してもらった方が良いのです。代わりにまともな児童クラブ運営事業者が勢力を伸ばせばいいだけのこと。

 荒れている児童クラブの現場に配属された、でも運営側も正規常勤職員も真剣に事態を改善しようと取り組んでいるなら、ぜひ、働き出した方も協力してください。荒れているこどもたちは、こどもたちが実は一番の被害者なのです。荒れている本人も、荒れているこどもたちと一緒に過ごすこどもたちも、みんながつらいのです。とてつもなく困難な任務ですし、確実に成功が期待できる任務でもないのがつらいのですが、事態の改善を目指す姿勢が運営主体にある限り、「こどものために」頑張ることは放棄しないでほしいと運営支援は願います。

 最後に。どの世代年齢でも、児童クラブはウエルカムです。大事な大切なお仕事です。こども好きが絶対条件ではありません。わたくし萩原が思うところ、「人間が好き」な人ならきっとうまくいく仕事です。そして「喜怒哀楽」が自然に表現できる人なら言うことなし。児童クラブって、こどもという人間が「素」のままで1人1人過ごす場所です。喜怒哀楽が渦巻く場所です。そこで働く大人も、人間好きで、世話好きで、喜怒哀楽それぞれの気持ちに共感できる人なら、立派な児童クラブ職員になれますよ。わたくしが保障します。あ、約束を守るとか時間を守るといった一般的な常識はもちろん理解してくださいね。

(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
 2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
New!☆
こども性暴力防止法に関する諸課題を5人の弁護士が各々の専門分野に関して紹介、説明するYouTubeチャンネル「こどもを守る弁護士チャンネル」。「第6回子ども性暴力防止法緊急LIVE」は2026年8月12日21時半から、「災害時のこども支援とこども性暴力防止法」です。話し手は 鈴木愛子弁護士、聴き手は野田隼人弁護士です。
 第4回が2026年6月30日に配信されました。放課後児童クラブの運営に関わってきた鈴木愛子弁護士が「こども性暴力防止法がもたらすこどもの被害申告に適切に対応できるか」をテーマに関して丁寧に説明しています。 まずは動画をぜひご覧ください。わたくしの著書「知られざる<学童保育>の世界」も紹介されています。
https://youtube.com/live/9q8xzkgs7wo?si=dr06eChxK1Jgov5T
 第5回は7月19日(日曜日)15時から、すでに施行されている「児童生徒性暴力防止法」における調査の解説です。話し手:飛田桂弁護士、聴き手:嶋崎量弁護士、鈴木愛子弁護士、野田隼人弁護士、三輪記子弁護士。
 第3回(2026年6月11日)は、鈴木愛子弁護士がメインスピーカーとして「こども性暴力防止法がもたらす「人手不足の加速」とその構造的リスク」とのタイトルで、人材確保に関する懸念を取り上げています。内容は放課後児童クラブ限定ではなくて法制度全般にわたるものですが、とりわけ放課後児童クラブで働く人、運営する人そして管理する行政パーソンには必見必聴の内容です。https://www.youtube.com/watch?v=ZVafKTKe204 を、ぜひクリックしましょう。
 第2回(2026年5月30日)が、こども性暴力防止法の「Q&A」を読み解くとして、【弁護士が読む❗️こども性暴力防止法Q &A】のタイトルで配信されています。メインスピーカーは三輪記子弁護士、聞き手は嶋﨑量弁護士です。
https://www.youtube.com/watch?v=XtTCNTDBLLo
 第1回(2026年5月16日)は「こども性暴力防止法を考える」です。
https://www.youtube.com/watch?v=uUlx8XaKMso&t=4324s

※こども性暴力防止法がもたらす、構造上の課題問題について、法律家がとても分かりやすく解説する記事が「アエラキッズプラス(AERAKidsPlus)に掲載されました! 解説はもちろん、鈴木愛子弁護士です。こどもを性暴力から守るための重要な法制度だからこそ、実は逆説的にこどもや運営事業者が追い込まれてしまう可能性を分かりやすく説明されています。ぜひぜひ、記事を読んでください! 実に分かりやすいですよ!
 「本当に性犯罪を防げる?」学校や学童保育、放課後子供教室も対象になる「日本版DBS」に、現場から懸念の声…【弁護士が解説】 | AERA with Kids+

放課後児童クラブ事業を考えている民間企業の方へ朗報! 児童クラブ参入の手引きとなる「埼玉県 放課後児童クラブ新規参入スタートブック」が公開されました。全40ページ。フルカラー。冊子は2部に分けて埼玉県福祉部こども支援課のページで公開されています。なお本スタートブックは弊会が作成受託しました。
(前編)
 https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook01.pdf
(後編)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook02.pdf

 わたくし萩原が寄稿した記事が「ウェッジオンライン」で2026年7月29日に公開されました。「子どもの「体験格差」が気になる夏休み…その“差”を埋めるのは難しいのか?子どもにとって貴重な体験に目を向けろ」という記事です。ヤフーニュースにも配信されています。URLは以下の通りです。(子どもの「体験格差」が気になる夏休み…その“差”を埋めるのは難しいのか?子どもにとって貴重な体験に目を向けろ  Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン)
 2026年5月29日には「“産業化”の大波に飲み込まれる学童保育…企業はどう収益を上げているのか?事業構造から見える放課後育成の実情」という記事が公開配信中です。URLは以下の通りです。https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40665
 2026年4月13日、「「こどもが学童に入れたから仕事も安泰!」なのか?小1、行き渋り、夏休み…いくつも存在する“学童保育の壁”とその対処法」という記事も公開、配信されました。(https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40473)。こちらもぜひ読んでいただけるとうれしいです。

 「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)

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萩原和也