学童保育の運営も利益を確保することが重要。その利益は子どもと職員に還元されるために必要なのです。その1
学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。
当ブログではしばらくの間、労働生産性の向上の必要性について発信しています。これまでは主に、業務の質的向上を実現させるために必要なことを伝えてきました。各種の業務改善行動を取り入れることで、業務の質を向上させようという趣旨です。当たり前なのですが、業務の質が向上することは、同じ時間で、また同じ職員で、取り組んでいる業務の質がレベルアップすることは、学童保育所で行われる育成支援業務の質の向上であって、それこそがまさに生産性の向上になるのです。
しかし生産性の向上は、業務の質的向上だけで完全とはいえません。その業務に取り組む職員の「質」の向上が欠かせないのです。その「質」には2つの観点があると、わたくしは考えています。1つは、育成支援の本質と職務に関して本質的な理解が確実にできるだけの「職員の能力面での質」です。そして2つめは、賃金単価からみた職員の質、すなわち一定の賃金に対してその職員が行う業務の質が見合っているか、つり合いが取れているかの「職員の賃金面での質」です。その2つがしっかりとなされることで「利益水準の向上」が図れるのです。
ここでどうしても前提として考えて理解しておきたいのは、学童保育所も「利益」を重要視することの必要性です。こうやって明確に記すと、「学童保育は福祉であって利益が目的ではない」、あるいは「利益重視では良い育成支援ができない。コストを下げることで利益を確保するようになるから」といった批判が必ず沸き起こります。
違います。まったく違います。勘違いです。なぜ間違えるのかといえば、学童保育の業界、ことに育成支援を行うフィールドの方々にとっては、利益=だれかがお金をせしめる、という単純すぎる図式しか、思いつかないからです。節約をして生み出した利益を、企業本体や、一部の役員が吸い取ってしまうという構図しか、思いつかないからです。
まず、利益の考え方が異なります。わたくしの言う「利益」とは、学童保育所を運営する組織において、職員の待遇や、子どもの育成支援の(特に物資面で)向上に使うことができる利益です。それは金銭だけでなく、時間的な余裕も利益ですし、精神的な充実度もまた利益なのです。質の高い業務の実践で生み出された金銭(それは無駄遣いをすることがなかったことで生み出された剰余分だったり、優れた育成支援のため多くの子どもが学童保育サービスを利用すること選択したことで得られる金銭)や時間は、直接に、職員や子どもたちに還元できるのです。質の高い育成支援を行うことで得られる「学童保育所における、安定した子どもたちの生活」は、何より、長い時間、学童保育所で過ごす子どもたちの安定を意味するのです。
さらに考えておくべきは、利益を生む出す行動は基本的に「質の高い業務を行うことで、用意された予算や資金を無駄なく使うこと」の意識の延長線上にある、ということです。ここで重要なのは、用意された予算や資金を無駄なく使うということ。なぜなら、その予算や資金は、「補助金(つまりその元は税金)」であり、学童保育所を使わざるを得ない保護者から徴収する「毎月の保護者負担金(いわゆる月謝、保育料)」であり、それは1円たりとも無駄に使ってはいけないからです。学童保育所は営利企業のように、企業や組織が利益分を上乗せして何か物品を販売したりサービスを提供(=販売)しているのではないのでそれらの商業活動から利益を確保することはできませんが、毎月、定期的に確保される収入(=補助金や保護者負担金)は、学童保育所にとっては貴重な収入です。その収入を無駄なく使う意識が、極めて大事なのです。「福祉だから」という言葉をもって、じゃぶじゃぶとお金をつぎ込んでいいはずは、ないのです。
よって、学童保育所においても、利益を求める意識は極めて重要です。もちろん、その利益が、職員や子どもたちに還元されるという前提は当然必要です。
しばらくの間、当ブログでは、生産性向上に欠かせない「利益水準の向上」のために必要なことを発信していきます。どうぞお付き合いください。
「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の生産性向上に必要な考え方、取り組みについて、積極的に発信をしていきます。また、育成支援の質の向上に直結する研修、教育の機会を提供できます。学童保育業界が抱える種々の問題や課題について、具体的な提案を行っています。学童保育所の運営について生じる大小さまざまな問題について、取り組み方に関する種々の具体的対応法の助言が可能です。個々の学童保育所運営者様へ、安全安心な子どもの居場所づくりとその運営手法において、学童保育組織運営について豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に講演や具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。
子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。
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