「行き渋り」。子どもが学童保育所に行くのを嫌がるようになったら、すぐに学童保育所職員に相談しましょう。

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。

 子どもが学童保育所に行きたくないと言い出すことは、珍しくありません。「行き渋り」は、実はよくあることです。でも、保護者にとっては、それは一大事。安心して職場に行くことができなくなってしまいます。また、学童の行き渋りから、学校にも行きたくないという事態に発展することもあります。ここまで深刻化してしまうと保護者の就労そのものにも影響を及ぼす大変な事態になります。

 よって、子どもが学童保育所に行きたがらなくなったら、すぐに対応が必要です。

 子どもが学童保育所に行きたくない、それは「子どものSOS」なのです。

 一方で、学童保育所は、子どもが学童保育所に通い続けることができるように必要な援助をすることが必要な任務となっています。放課後児童クラブ運営指針にも明記されています。子どもが学童保育所に行きたくないと言い出したときは、子どもだけの問題ではないのです。利用している学童保育所にとってこそ、実は重大な問題なのです。

 行き渋りには、いろいろなパターンがあります。子どもが十分に自立心を育て、学童保育所に通っていてはできないことをやりたくなった、というのは、ある意味において子どもの成長の証です。とはいえ、保護者にしてみては、自宅で子どもだけで過ごすことはこの世相では不安がいっぱい。保護者からみても「お留守番が大丈夫」と思えるまでは、学童保育所に通い続けてほしいと思うのは当然のことでしょう。

 また、行き渋りの原因で多いのは、「学童保育所で嫌なことが多い」、または「学童保育所がつまらない、楽しくない」ということです。「嫌なことが多い」という場合は緊急事態。その原因を大至急、突き止めることが必要です。それにはもちろん、学童保育所で、子どもの育ちを支える任務を負っている放課後児童支援員等が責任をもって、その問題の解決に取り組まねばなりません。
 仮に、「いじめ」が行き渋りの原因だとしたら、子どもにとって重大な権利侵害が発生しているのですから、大至急、学童保育所側は全力を挙げて対応することが必要なのです。(このことについては、後日にブログで記します)

 子どもにとって学童保育所は、自分の意志で通いたい、入所したいという施設ではありません。もっとも、子どもが高学年になって、学童保育所で過ごす自分の存在に何らかの意義を見出した結果、学童保育所に通い続けたいという意志を持つこともあります。それはまさに素晴らしい事ですが、すべての子どもがそういう気持ちになるわけではありません。基本的には「子どもは学童保育所に行かされている」というスタンスを学童保育所側と保護者側の双方が踏まえておくべきだと私は考えます。

 だからこそ、学童保育所の職員や運営側は、「どうしたら子どもが自ら学童保育所に通い続けるための援助をできるのだろうか」ということを、業務として取り組まねばならないのです。

 行き渋りの原因や態様は千差万別で、こうすれば解決する、という具体案もまた子どもごとに違うので、いまここで「こうすれば解決する」という案を私は申せません。しかし、「解決策を見つけるために、保護者はぜひ、学童保育所側に相談してほしい」ということはできます。そして、学童保育所側と保護者が一緒に子どもにアプローチして、行きたくない原因を探る。それが例えば、子どもにとってつまらないということが原因であるなら、どうしたら子どもにとって過ごしたくなるような時間を作ることができるだろうか、という解決策の策定に取り組めるのです。
 本来はあってはならないことですが、「学童の先生の態度や口調が嫌」というのも実は理由としてあります。その場合はすべて学童保育所側の責任です。子どもは一切、悪くありません。

 学童保育所側にとって、子どもの行き渋りを解消するために取り組むことは、とても難しいものです。ですが、子どもの育成支援の専門職である以上、「子どもが嫌といっているなら、もう来なくていいんじゃない」と簡単に投げ出すようでは、育成支援の専門性のかけらもありません。まして「人数が減るから、やめたい人はどんどん辞めてくれればいい」と思うようでは、学童保育所で働く意味がありませんし、そういう人には学童保育でない仕事に就いてくださいと、私なら転職を勧めます。

<PR>
 放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されます。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。1,900円(税込みでは2,000円程度)になる予定です。注文は出版社「寿郎社」さんへ直接メールで、または書店、ネット、または萩原まで直接お寄せください。アマゾンでは予約注文が可能になりました!お近くに書店がない方は、アマゾンが便利です。寿郎社さんへメールで注文の方は「萩原から勧められた」とメールにぜひご記載ください。出版社さんが驚くぐらいの注文があればと、かすかに期待しています。どうぞよろしくお願いいたします。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、子どもが安心して学童保育所に通い続けることができるようにするにはどのような対応をするべきか、学童保育の運営組織に対して種々の意見提言が可能です。学童保育組織運営について豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。

 子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

 (このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば、当ブログの引用はご自由になさってください)