学童保育所で絶対に児童虐待行為を起こさないために、まず、組織運営者が実践しなければならないこととは。

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。

 学童保育所は、子どもの人権を守る砦であるべきだと、私は常々訴えています。当然ながら、学童保育に関わる者は、児童虐待というおぞましい行為をしてはならないのですが、残念ながら、あちらこちらで起きていることは否定できないと考えています。つい先日の静岡県小山町の事案もそうです。報道されないまでも、児童虐待やそれに類する行為は、相当数起こっていると考えたほうがよいでしょう。

 では、学童保育所において、絶対に起こしてはならないのに起きてしまっている児童への虐待を防ぐにはどのようにしたらよいのか。学童保育の「運営支援」を事業としている弊会は、「最も大事なこととして、児童虐待を起こさないという運営側の確たる姿勢と現実的な行動こそ必要」であると訴えます。

 運営側の姿勢として、最もあってはならないのが、「虐待防止は現場の職員の問題。現場がしっかりしていれば起きない。だから現場は常に注意して業務に励むように」という「現場任せ」の姿勢です。それはすなわち、学童保育事業を行っている事業運営責任を放棄して責任を現場に押し付けているに等しいからです。
 現場で働いている職員の方には、もし仮に、あなたの勤務先の組織の運営側、経営側が、先に記したような態度でいるなら、すぐにでもその勤務先を辞めたほうがいい、と断言します。なぜなら、そのような運営側、経営側の態度ではその組織において児童虐待が発生する余地があり、場合によっては現場で働いているあなたが当事者として巻き込まれる可能性があるからです。一刻も早く、別の、まともな事業者のもとで働いた方がよいでしょう。

 当たり前ですが、事業を運営する責任は運営者、経営者にあります。法人組織なら代表者であり、理事であり、取締役であり、理事会や取締役会。任意団体なら、その団体のトップや団体の役員たち。そういう者たちは、事業を継続的かつ安定的に行う責任があり、そのために必要な善管注意義務を負っており、その義務の中には、従事者(=現場だけでなく運営本部で業務に携わる者を含む意味)による児童虐待を未然に防止するための措置を継続的に行う責任があるのです。運営者、経営者が、率先して、従事者による児童虐待行為の発生を未然に防ぐ措置を行わなければならない、ということです。
 具体的には、従事者に対して行う児童虐待防止に関することと、放課後児童支援員として必要な意識の醸成に関する研修を絶え間なく実施することで、その組織全体に「児童虐待は絶対に起こしてはならない」という意識を高レベルで植え付けることです。それは、従事者が、周囲の従事者による児童虐待行為を認識した時に、どのような行動を取るべきかを含めて、しっかりと教示していくことを含みます。年に1回の研修では到底足りませんね。
 また、日常的に行う育成支援に関する打ち合わせや日々の業務事項確認ミーティングなど、あらゆる場面を使って常に児童虐待防止に関する意識を高めておくことをルーティン業務として設定する、ということも必要でしょう。

 そして最も肝心なのは、運営者や経営者自らが、「コンプライアンス(法令順守)を確実に行っている」ということを従事者に示すことです。「自分は運営側で子どもと接することがないから児童虐待とは無縁」ではないのです。コンプライアンスを確実に意識した業務執行が必要であり、ルールを守る、組織統治を恣意的に曲げないという、毅然たる態度を持つことが絶対に必要です。
 仮に、運営者、経営者がコンプライアンスを曲げて、自分たちが楽をしたいからと自らを律する態度を放棄したとき、子どもや保護者、その地域の住人や市民のために奉仕するべき存在であることを忘れて楽をしようと思ったのであれば、その時点で、児童虐待などの悲惨な行為を生む素地をその運営組織に作っていると言っても過言ではありません。そうした運営組織は子どもと保護者の支援のために存在する意味、すなわち社会正義を失っています。ボランティアで役員を務めている個人や組織でもまったく同じことです。ボランティアだから、保護者出身だから、で重要な運営責任が免除されるものではありません。ボランティアだろうが、保護者だろうか、運営に従事するようになった時点で、報酬を受け取って任務を務める者と同様の責任と義務を負うことは当たり前です。

 繰り返します。まずは、運営者、経営者が、自らを厳しく律し、ルールを守り、常に公平公正の考えで行動すること。そして、従事者が安心して業務に従事できるよう必要な研修や勉強を行う機会を用意すること。それができない運営者、経営者なら、現場で業務に従事する者に、偉そうに指図できる立場ではありません。なお、私がこれまで取り上げてきた学童保育所の運営者の範囲は、実際に学童保育所の運営に従事している者だけではなく、地域に設置された学童保育所の管理監督を担当している区市町村の行政担当者も含むことは、言うまでもありません。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の業界が健全に発展できるように、運営組織に対する改善、充実をはじめとした種々の意見提言を行います。また、児童虐待防止に関して、学童保育組織運営について豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。

 子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

 (このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば、当ブログの引用はご自由になさってください)