「こども大綱」策定に向け中間整理案がまとまる。学童保育の世界に光を当ててください。羊頭狗肉はダメですよ。

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。学童保育事業の質的向上のためにぜひ、講演、セミナー等をご検討ください。

 「こどもまんなか社会」の基本理念となる「こども大綱」について動きがありました。9月25日に、加藤鮎子こども政策担当大臣から、中間整理案のとりまとめを行ったと発表があり、メディアもこぞって報道しました。「こども大綱」は2023年の年末に閣議決定を目指し、策定作業が進んでいるとのことです。

 中間整理案の内容について、FNNプライムオンラインが9月25日13時2分に配信した記事を引用します。

中間整理では6つの基本方針が明示された。
(1)こども・若者を権利の主体として認識し、多様な人格・個性を尊重し、権利を保障し、いまとこれからの最善の利益を図る
(2)こどもや若者、子育て当事者の視点を尊重し、意見を聴き、対話しながら共に考えていく
(3)こどもや若者、子育て当事者のライフステージに応じて切れ目なく対応し、十分に支援する
(4)良好な生育環境を確保し、格差や貧困の解消を図り、全てのこども・若者が幸せな状態で成長できるようにする
(5)若い世代の生活基盤の安定を図り、多様な価値観を前提として、若い世代の視点に立ち結婚・子育てに関する希望の形成と実現を阻む隘路の打破に取り組む
(6)施策の総合性を確保し、省庁、自治体、民間団体等との連携を重視する
 こうした基本方針を実現するための重要事項として、こどもや若者が権利の主体であることを社会全体で共有した上で、児童虐待の防止対策や、自殺対策や犯罪から子どもを守る取り組みなどを掲げた。
また国の政策の決定過程に、子ども・若者の参画を促進することが必要事項だとしている。
(引用ここまで)

 いずれも素晴らしい内容だと思います。大綱と銘打っている以上、立派な基本理念を掲げないと意味がないので当然といえば当然ですが、(2)の「子どもの意見表明権の重視」や(4)の貧困対策には、大いに期待したいと弊会はエールを送ります。

 しかし懸念があります。国のまとめるこのような大綱や、そもそも法律に記された崇高な理念が、結局のところ「看板倒れ」、いわゆる羊頭狗肉に陥っていることが、あまりにも多すぎるからです。多すぎるというか、常に羊頭狗肉であるからです。

 全体的な理念としては素晴らしい。おそらく、今年11月にまとめられる答申案はこの中間整理案とさほど変わらない内容で閣議決定に諮られ、決定されるでしょう。その後です。この理念に基づいて、放課後児童クラブがどこまでその内容を充実させられるように国が具体的な方策を考えていくのかを、学童保育業界はしっかりと注視していく必要があります。

 待機児童の問題、大規模状態を筆頭とする劣悪な環境や施設の問題、子どもの支援を支える職員がワーキングプア状態にあるなど酷すぎる雇用労働条件の問題など、学童保育業界には大変苦しい問題が山積みです。それらの問題を解消できないと、学童保育業界として、こども大綱に掲げた素晴らしい理念を実際に作っていくには、とても対応できないのが事実です。低賃金で人が足りない現場の状況を改善してこそ、こども大綱の理念を実現できる具体的な活動が可能となるのです。

 素晴らしいこども大綱を実現可能とするために、学童保育の世界の質的向上を可能とする具体的な方策について、大綱の最終検討と合わせて、国には積極的な検討をしていただきたいと期待します。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の現状を改善するための種々の提言を重ねています。学童保育の運営のあらゆる場面に関して、豊富な実例をもとに、その運営組織や地域に見合った方策について、その設定のお手伝いすることが可能です。

 育成支援の質の向上に直結する研修、教育の機会を提供するとともに、個々の学童保育所運営者様へ、安全安心な子どもの居場所づくりとその運営手法において、学童保育組織運営について豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に講演や具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。

 子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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