日本版DBSは、学童保育所を義務化の範囲に含めて法案の仕切り直しを。最初が肝心ですよ!

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。学童保育事業の質的向上のためにぜひ、講演、セミナー等をご検討ください。

 日本版DBS(子どもの支援や教育など、子どもに関わる職業に就く人に性犯罪歴の有無を確認する仕組み)について、政府は次の臨時国会での法案提出を先送りする方針であると、9月22日ごろから相次いで報道されています。弊会は賛成です。いったん仕切り直し、学童保育所(放課後児童クラブを含む、学童保育と世間に称されるすべての施設)を対象の義務化にして、改めて法案成立を目指してほしいと考えます。

 当初、まとめられた法案における学童保育所の扱いは、放課後児童クラブ(児童福祉法上の事業)については、制度を利用するかどうかは事業者が任意で選択する、となっていました。こども家庭庁は、任意であっても、義務化された保育所などと同じような効果を持つと見解を示していましたが、私は疑問でした。

 やはり任意であれば利用しない事業者が出てきます。制度の導入に伴う種々の準備が面倒だ、とにかく人材が欲しいのでいちいちチェックしていられない、などという事業者が現れる恐れがあるからです。一律に、制度の網をかぶせて、子どもたちを守る仕組みにするべきなのです。

 今回は、与党の中で、法案に対する疑問が相次いだと報道されています。例えば、NHKが9月22日22時15分に配信したニュース記事によると、「自民党内からは「性犯罪は更生が難しいとの指摘があり、期限を区切るべきではない」などと異論が相次ぎました」としています。

 賢明な意見が与党から出たと評価します。はじめが肝心です。法案は提出されれば基本的に可決、成立します。であれば、最初の法案で、しっかりと充実した内容にするべきなのです。

 私は、次の点を訴えたい。「放課後児童クラブを含む、いわゆる学童保育をすべて保育所と同じように義務化すること」と、「性犯罪歴の対象を有罪判決を受けた前科に限るのではなく、起訴猶予や行政処分、条例違反はもちろん含み、民間企業での懲戒解雇など民間事業者による処分も含むこと」。この2点は是が非でも盛り込んでいただきたい。

 犯罪を起こした人にも人権はあります。罪を償えば、過去の罪を理由に差別を受けてはなりません。ですので、個人情報がしっかり守られる仕組みもあわせて日本版DBSに含めて構築するとして、何よりも、社会で一番弱い立場にある「こども」を守るための仕組みにはぜい弱な部分を設けるべきではないと私は考えます。

 民間企業の懲戒解雇であれば、解雇予告除外認定通知を労働基準監督署で受けた者に限定するなど、必要最低限の人権を守る仕組みが構築できると思われます。

 今回の法案提出見送りの報道には、「一刻も早く子どもを守るために見送りはするべきではない」「国会の場で審議を尽くせばいい」という意見もインターネット上で見ることができます。しかし、たとえ数か月、半年、先に延びるとしても、実効性のある法案にして成立させた方が、その先々において子どもをしっかりと守ることができるので、今は拙速に走るべきではないと、私は考えます。

 ぜひ、こども家庭庁を中心に、放課後児童クラブを含む学童保育を利用する子どもたちがしっかりと守られる日本版DBSの構築に向け、法案を修正していただきたいと強く希望します。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の現状を改善するための種々の提言を重ねています。学童保育の運営のあらゆる場面に関して、豊富な実例をもとに、その運営組織や地域に見合った方策について、その設定のお手伝いすることが可能です。

 育成支援の質の向上に直結する研修、教育の機会を提供するとともに、個々の学童保育所運営者様へ、安全安心な子どもの居場所づくりとその運営手法において、学童保育組織運営について豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に講演や具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。

 子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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