<運営支援ブログミニ73>保育士養成の大学短大が急減中。放課後児童クラブの人材供給源でもあり、心配。

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブ(学童保育所)運営支援アドバイザーであり、放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。(ぜひグーグルのAIで「萩原和也 放課後児童クラブ」と検索してみてください!)
 ミニブログです。保育士を養成する大学や短大、いわゆる保育士養成校が初めて減少に転じたと報道がありました。保育士養成校の定員割れが起こっている、保育士養成校が募集を停止する、とう趣旨の記事はこのところよく目にするようになっていました。目にするたびにわたくし萩原も不安になります。放課後児童クラブで働く職員は保育士資格を持つ方が多いですからね。国はいい加減、保育士のなり手が減っている根源的な問題に正々堂々と取り組みましょう。分かっていてずっと逃げているとわたくしは勝手に思っていますよ。
 New! ブログ後段に、【学童のすき間時間に使える、無料のクイズ・なぞなぞサイト】についてお知らせを掲載していますので、ぜひとも児童クラブのみなさま、ご覧ください!

<報道から>
 保育士養成校のニュースは、大学や短大が閉鎖されるという個別のニュースも結構目にしますし、今回の読売新聞報道のように全体的な傾向として取り上げられることもあります。2026年10月31日21時40分に読売新聞オンラインが配信した「保育士養成の大学・短大17校減の650校、うち68校が学生募集停止…人材不足が深刻化する恐れ」の記事の一部を引用紹介します。
「保育士を養成する大学や短大などの今年4月1日時点の学校数は650校で、前年より17校減少したことが、こども家庭庁の調査でわかった。比較できる2023年以降で減少は初めて。」
「保育士の今年7月の有効求人倍率は2・80倍で、全職種平均の1・15倍を上回る人材不足となっている。」
「学校数が減少した背景には、18歳人口の減少や、4年制大学志向が強まり、養成施設に多い短大が選ばれないことがある。さらに、「保育士は多忙で待遇が良くない」というイメージが根強いことも要因とみられる。」
(引用ここまで)

<養成校が減っている>
 これは心配ですね。なぜ保育士養成校が減っているのか読売新聞の記事でも触れられています。「少子化進行」は全体的な傾向としてそうなのですが、地域によって少子化の影響がより強く出ているとわたくしは考えます。ざっくりいえば、東京以外の地域、東北や四国など地方ではどんどん人口が減り、保育士の働き口が減っている。となれば養成校に入ろうとい10代の人も減るでしょう。就職が難しい進路をわざわざ選ぶことはないですからね。この場合、後で触れる「雇用労働条件に問題がある」うんぬんを超越した問題です。そもそも「保育士を雇ってくれる法人や自治体が無い」ということですから。
 「四年制大学志向の強まり」は、保育士養成校うんぬんとは関係なくこの数十年ずっと続いている傾向です。現在、30代半ばぐらいまでの人には不思議かもしれませんが、かつては短大がとても人気だった時代があったのです。1980年代からギリギリ1990年代前半まででしょうかね。短大が人気だったというのは、わたくしが思うに、短大がその時代の女性の就業パターンへの対応に特化した構造だったからでしょう。女性がようやく社会経済活動において能力を発揮できる時代になってからは四年制大学を経ることが当たり前に自然ですから、短大のニーズは減っていったということです。もとより男も女も、企業や組織で働く上で、また資格を有して専門職で働く上で、能力において性差などありませんからね。「~はまだ16だから~」で人気になった芸能人が進学して話題になったT女子短大は健在ですが、わたくしの同級生が進んだ名門のR女学院短大は無くなり、これも名門のA女子短大も2022年に廃止されましたね。
 それらは養成校ではないですが、養成校の募集停止はインターネット検索で多く見つけることができます。関東でこども関係の事業をして人材募集に関わったことがある立場ならおなじみの聖徳大学幼児教育専門学校や洗足こども短期大学など、募集停止に踏み切る大学や短大、専門学校が相次いでいます。

<本質的な原因から逃げるな>
 読売新聞が記事の最後に記した<さらに、「保育士は多忙で待遇が良くない」というイメージが根強いことも要因とみられる。>の部分。これ、記事の書き手だったわたくしがさんざんやってきた手法なのですが、「ここを一番言いたいんやで」ということです。記事で挙げられた養成校現象の要因として、少子化と短大人気の低下があげられていますが、それは保育士養成校だけではなくて大学、短大や専門学校の減少に当てはまる理由です。養成校の減少が他の学校より著しいとしたら、それはもう、保育士になろうというニーズの減少が最も有力な理由になるでしょう。
 その、保育士になりたいと思う人が減った理由としては、多忙で待遇が良くないというイメージが「根強い」ということだろうと、読売新聞は推測ですが挙げていますし、わたくし萩原もそう思います。そして多くの保育所の関係者もおそらくはそう思っているでしょう。

 保育士になろうというニーズの減少は、つまるところ「保育士になってその後の先の展望に自信がない」ということが大きいのではないでしょうか。保育士になって保育所などで働きたい、でもそれはキツい仕事だと知っている。少子化で保育所も減っている。給料はそんなに多くはないことも知っている。保育士になりたいけれど暮らせないし長く続けられない仕事であれば他の仕事に就くために養成校ではない大学や短大、専門学校に行こう。もし将来保育士になりたかったら試験を受ければ良い。養成校だけがルートではない。
 わたくしの想像ですが、上記のように思う10代の人が多いということではないでしょうかね。

 保育士の養成校が減る理由に、もしかすると保育士が就く仕事の不人気があるとするならば、そしてそれはきっと多くの要因になるのでしょうから、この点を改善しなければなりません。運営支援は次のことが必要だと考えます。国に抜本的な取り組みを望みます。以下のことは児童クラブにも本質的にそのまま当てはまることです。
1 保育士の就業の条件の向上に取り組む。
 ・賃金のさらなる改善
 ・配置基準の改善により従事者を増やし、1人あたりの業務量を軽減
 ・配置基準の改善により従事者を増やし、1人あたりの就業時間を短縮
※しかしこれらは、いわゆる衛生要因ですから、改善の要望に天井はありません。週40時間プラス持ち帰り仕事やサービス残業10時間で手取り18万円だったものが、サビ残なしの週35時間労働手取り22万円になっても、「手取りは25万でなきゃ」「いやいや30万円は当然」と、とどまることはありません。やはりここは、動機付け、つまり「保育の仕事について、とても仕事にやりがいがある。人生も充実している」という実感を、保育の従事者が容易に得られる職場づくり、職務の専門性の会得、そして経営側の意識改善が求められます。

2 配置基準を超えて人員を配置する園への援助
3 労働法規を遵守しているかどうかチェックの強化
4 経営の質の改善のため好事例の紹介と導入
5 「保育」という仕事に関する社会の理解の向上。専門性への理解の向上
6 民営事業者において事業者の利益に計上、転嫁される割合の可視化。
  →上限を設けることは自由主義経済では難しいでしょうが、収入のうち現場で使われないカネがどのくらいの割合になっているか第三者が容易に把握できる情報公開は必要です。あまりにも事業者の儲け分を多く得ている事業者は自然に淘汰されるでしょう。

 わたくしは上記でいえば5番を大事にします。これを思うと、SNSで、保護者を悪しざまに叩く投稿を繰り返すアカウントの存在は、極めて問題だと考えます。そんな投稿を見たら、保育を志そうという真面目な人は忌避します。SNSは個人の投稿でも、画面を通じて見聞きすると「世の中の多くがそう思っている」という錯覚に陥りやすいのです。「うわーそんな意地悪な人がいる業界は無理だわ」とまじめな人ほど思うでしょう。また、X(旧ツイッター)には、保育の実務の大ベテランで実践にも理論にも見識がある方のアカウントがいくつかありますが、それらアカウントの投稿に保育士であることが伺えるアカウントが罵詈雑言のたぐいで言いがかりをつけている、悪しざまにののしっている投稿を見ると、これもまた良識ある人から「保育の世界って、こんなに非常識で残念なクズの集まり? そりゃそうだよな、そもそも養成校なんてほとんどFランだし」という差別偏見に満ちた世間の見方をさらに助長しかねません。

 養成校が減れば保育士のなり手は減ります。国は「潜在保育士がいる。それらが職場に戻ればよい」と思っているかもしれませんが、かつて若い時代に保育所や幼稚園で働いた人で、子育てなど個々の事情を終えたのに、資格を活かせる職場に戻る機運が増えないのは、そりゃ、つらい仕事である、つらい職場であることを骨の髄まで知っているからです。給料が低い、意地悪な職員同士で疲れる人間関係がある、ひどい園長や所長が理事長が現場に口ばかり出す、保護者と話が通じなくなった、それはもういろいろな事情があるでしょう。「こどもも昔とは変わってしまった」と、おっかなびっくりな潜在保育士もいるでしょう。
 資格を持ちながら保育の仕事を求めない人は、雇用労働条件や、保育という仕事の専門性への理解を踏まえた事業者や社会の対応が改善されない限り、現場には戻らないでしょうね。

 ですから、国はもう、「収入をもっと増やす」ことは当然として、「ひどい運営ができなくなる仕組み、ひどい運営がすぐ明らかになって改善指導が速やかに下される仕組み」を整えるべきです。もちろん、保育として実践される役務の質の向上は求めて当然です。ただそれは個々の保育士というよりも事業者全体に求めるべきものでしょう。自分自身の技能の研さんに取り組まない者の処遇を落とすのも当然でしょう。

 ああ、まったく児童クラブの人手不足解消に必要な方策、そのものです。保育士の職業としての人気が出なければ、保育士よりさらに所得が低い放課後児童クラブの人手不足の解消や役務の質の向上は遠い夢物語になってしまいます。それは、必死に地道に毎日、こどもと保護者に向き合って頑張っている、圧倒的に多く存在する優れた児童クラブ職員の「やりがい搾取」を食い止められない状況が続くということです。

 最後に、保育士養成校でも都市部や都市に近い立地であるなら、まだまだ需要が続くと思われる放課後児童クラブの職員養成コースを学部学科で設けてほしいですね。初任給20万円台半ばの児童クラブだってありますよ。しっかりした児童クラブ事業者も都市部にはありますから。そういう事業者と連携すれば実習や放課後児童支援員資格の取得において有利でしょう。ぜひ大学、短大や専門学校には検討していただきたいですね。

(おわり) 

New! 【学童のすき間時間に使える、無料のクイズ・なぞなぞサイト】
 宿題が終わったあとや、おやつの前、雨で外に出られない日。放課後児童クラブ(学童保育所)では「ちょっとした時間に、みんなで楽しめる遊び」が欲しくなる場面がたくさんあります。そんなときに使える無料サイトを2つご紹介します。どちらも登録なしで、スマホやタブレットからすぐに使えます。
■クイズ図鑑(https://quiz-zukan.com/)
 一般常識・雑学・ひっかけ・小学生向け・国旗・動物など21ジャンル、約5,500問のクイズを、答えと解説つきで集めたサイトです。テレビやプロジェクターに映して使える「クイズ大会ツール」には、チーム分け・早押しボタン・点数表がついていて、行事やお楽しみ会がすぐに開けます。問題用紙と答えの紙を印刷できる機能もあります。
■なぞなぞ図鑑(https://nazonazo-zukan.com/)
 ダジャレやかくれことばなど、言葉遊びのなぞなぞ732問を集めたサイトです。幼児・1年生・低学年・高学年と、学年や年齢に合わせて選べます。どの問題にもヒントと答えの説明がついていて、読み上げボタンもあるので、まだ字を読むのが苦手な子とも一緒に遊べます。
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 上の学年の子に問題を読んでもらうと、学年をこえた教え合いも生まれます。毎日の1問に、ぜひ使ってみてください。

 (お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
 わたくし萩原が社会保険労務士となり、「あい和社会保険労務士事務所」を開業してから1年が過ぎました。ここまで続いてこれたのはひとえにみなさまのおかげです。どうもありがとうございました。「あい和社会保険労務士事務所」は、放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしてこども性暴力防止法(いわゆる日本版DBS制度を含む)に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
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 こども性暴力防止法に関する諸課題を5人の弁護士が各々の専門分野に関して紹介、説明するYouTubeチャンネル「こどもを守る弁護士チャンネル」。
出生までの戸籍・識別符号収集の注意点と自治体に求める支援
 こちらをぜひご覧ください。「こどもを守る弁護士チャンネル」の特別版「出生までの戸籍・識別符号収集の注意点と自治体に求める支援」の動画URLです。弁護士で、自ら放課後児童クラブの運営に関わってきた鈴木愛子弁護士による詳細な解説です。
 「第6回子ども性暴力防止法緊急LIVE」は2026年8月12日21時半から、「災害時のこども支援とこども性暴力防止法」が登校されました。話し手は 鈴木愛子弁護士、聴き手は野田隼人弁護士です。
 第5回は7月19日(日曜日)15時から、すでに施行されている「児童生徒性暴力防止法」における調査の解説です。話し手:飛田桂弁護士、聴き手:嶋崎量弁護士、鈴木愛子弁護士、野田隼人弁護士、三輪記子弁護士。
 第4回が2026年6月30日に配信されました。放課後児童クラブの運営に関わってきた鈴木愛子弁護士が「こども性暴力防止法がもたらすこどもの被害申告に適切に対応できるか」をテーマに関して丁寧に説明しています。 まずは動画をぜひご覧ください。わたくしの著書「知られざる<学童保育>の世界」も紹介されています。
https://youtube.com/live/9q8xzkgs7wo?si=dr06eChxK1Jgov5T 
 第3回(2026年6月11日)は、鈴木愛子弁護士がメインスピーカーとして「こども性暴力防止法がもたらす「人手不足の加速」とその構造的リスク」とのタイトルで、人材確保に関する懸念を取り上げています。内容は放課後児童クラブ限定ではなくて法制度全般にわたるものですが、とりわけ放課後児童クラブで働く人、運営する人そして管理する行政パーソンには必見必聴の内容です。https://www.youtube.com/watch?v=ZVafKTKe204 を、ぜひクリックしましょう。
 第2回(2026年5月30日)が、こども性暴力防止法の「Q&A」を読み解くとして、【弁護士が読む❗️こども性暴力防止法Q &A】のタイトルで配信されています。メインスピーカーは三輪記子弁護士、聞き手は嶋﨑量弁護士です。
https://www.youtube.com/watch?v=XtTCNTDBLLo
 第1回(2026年5月16日)は「こども性暴力防止法を考える」です。
https://www.youtube.com/watch?v=uUlx8XaKMso&t=4324s
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 わたくし萩原が寄稿した記事が「ウェッジオンライン」で2026年7月29日に公開されました。「子どもの「体験格差」が気になる夏休み…その“差”を埋めるのは難しいのか?子どもにとって貴重な体験に目を向けろ」という記事です。ヤフーニュースにも配信されています。URLは以下の通りです。(子どもの「体験格差」が気になる夏休み…その“差”を埋めるのは難しいのか?子どもにとって貴重な体験に目を向けろ  Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン))
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 こども性暴力防止法がもたらす、構造上の課題問題について、法律家がとても分かりやすく解説する記事が「アエラキッズプラス(AERAKidsPlus)に掲載されました! 解説はもちろん、鈴木愛子弁護士です。こどもを性暴力から守るための重要な法制度だからこそ、実は逆説的にこどもや運営事業者が追い込まれてしまう可能性を分かりやすく説明されています。ぜひぜひ、記事を読んでください! 実に分かりやすいですよ!
 「本当に性犯罪を防げる?」学校や学童保育、放課後子供教室も対象になる「日本版DBS」に、現場から懸念の声…【弁護士が解説】 | AERA with Kids+
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 「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、講演会、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。
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(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)
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萩原和也