<運営支援ブログミニ66>放課後児童クラブ(学童保育所)も「個人情報漏洩」に万全の備えを!
放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブ(学童保育所)運営支援アドバイザーであり、放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。(ぜひグーグルのAIで「萩原和也 放課後児童クラブ」と検索してみてください!)
ミニブログです。このところ連日のように、いろいろな企業や団体からの「(個人)情報漏洩」がニュースとなっています。漏洩してしまった個人情報が、ブラックマーケット、悪い人たちの世界で不正利用、悪用される危険性を考えると、個人情報の宝庫である放課後児童クラブにおいても、できる限りの情報漏洩への対策が必要です。
(※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)
New! ブログ後段に、【学童のすき間時間に使える、無料のクイズ・なぞなぞサイト】についてお知らせを掲載していますので、ぜひとも児童クラブのみなさま、ご覧ください!
<専門家に相談。任せる。これ一択>
日本有数の大企業や団体が不正アクセスを受けて個人情報を盗まれています。それら企業や団体はもちろん、しっかりした防衛策を講じていたのでしょうが、それでも情報漏洩の憂き目に遭っています。「大企業でもやられるんだから児童クラブなんて到底無理」と思わず、できる限りの情報漏洩対策、情報の盗み出しに対応しましょう。
ではどうすればいいのか。これはもう「専門家に相談し、任せる」しかありません。運営支援もデータ漏洩対策にはお手上げです。専門知識が皆無ですので、ここはぜひとも専門家に依頼して対応を講じてください。データの保存方法はもちろん、児童クラブの運営主体内でのデータのやりとり、使い方、収集方法等、いろいろな観点で専門家から助言、指導を受けてください。
<専門家に依頼するときの注意>
ITや情報管理ということに限りませんが、放課後児童クラブが専門家に何事かを依頼したり相談したりする際に、わたくし萩原から注意点をお伝えします。それは「善意を利用するな」ということです。どういうことでしょう。
放課後児童クラブの歴史は、保護者たちが集まって協働で児童クラブを運営してきた経緯があります。この十数年の間に新しく誕生した児童クラブでは、児童クラブ運営を業とする企業や団体、組織が運営するクラブも相当増え、こどもを入所させている保護者はユーザーとしての立場、つまり「お客さん」となっていますが、それでもまだまだ保護者が何かしら運営に協力する(あるいは「協力せざるを得ない」)運営の形態の児童クラブがあります。
そのような、保護者が運営に関わる、運営に協働している児童クラブでは、保護者のそれぞれの職業や資格を「あてに」して、保護者が有している専門技能を「こどものため、児童クラブのため」提供、供出することを半ば「保護者として当然、そうするべき」という意識が根付いている場合があります。ちょっと昔は、こうした保護者運営系のクラブでは「学童の保護者が集まれば、家が一軒建てられる」と言われたものです。それはありとあらゆる分野で就労、活躍している保護者がいるので、それぞれの力を出し合えば家ぐらい建てられるよ、それだけ保護者1人1人の力を集めれば「学童保育」は何だってできるパワーがあるよ、という意味なんですね。
しかしですね、かつてのように補助金が少なすぎで職員の給与もろくに出せなかった時代はやむを得なかったとしても、もう今の時代、保護者の有する専門技能をロハ(=無料。タダという意味。「只(ただ)」という漢字がロとハでできていますからね)で提供して児童クラブに役立てよう、という考えはダメです。児童クラブにありがちな、「専門的な知識や対策を、保護者の善意を活用して無料で手に入れよう」ということはもう、考えてはダメだということです。
ITにしても労務や法務などにしても、何かをするには責任が伴うことをしっかり理解してください。もし、クラブの保護者が善意で対応してくれたことに欠陥があって、それが原因で実害が生じたとき、クラブはどう対応するのですか? 善意で引き受けてくれた人に「あなたのやってくれたことで被害が出たわよ。どうしてくれるの?」と言えるのですか? 外部の専門家に頼めば数万円や十数万円の費用、料金がかかるところを、安く済ませようとして児童クラブの保護者の専門性を利用しようとするのは、結局のところ、無責任で済まそうという考えです。何事もそうですが、結果には責任が伴います。たとえ無償でやってもらったことにも責任が伴います。その、やってもらったことに欠陥やミスがあって、それが原因でこどもや児童クラブ運営主体に被害が生じたときを考えてみてください。
「たとえ無償、善意であっても、自身が提供した行為によって被害が生じた場合の結果責任」をちゃんと考えている専門家は、「ごめんね。いくらクラブのお願いでもそれは引き受けられないよ」と断ります。それが正しい「取引」だからです。
ですから、情報漏洩対策に保護者がIT関係の専門知識を持っていたとしても、「あなた、専門家だよね。ちょっとクラブのために対策をやってくれない?」と頼んではダメです。なぜなら、専門技能、専門知識を無料で手に入れようというのは、間違った取引だからですよ。
ですから、児童クラブが情報漏洩対策に取り組むのなら、ちゃんと対価を支払って、専門家や専門業者に相談、依頼しましょう。「そんなお金はない!」というなら、必要な予算を確保するのが、運営主体の役割ですし、運営を引き受けている人のお仕事です。設置主体に相談しながら予算確保に取り組んでください。
<児童クラブは個人情報の宝庫>
なぜ児童クラブがいちいち情報漏洩対策に取り組まねばならないのか。それはもう、個人情報がたくさんあるからです。名前や住所、連絡先はもちろん、利用料(保護者負担金、保育料と呼ばれるもの)の引き落としのため口座情報も有しているでしょう。連絡アプリを使用するのでメールアドレスもあるでしょう。とりわけ口座情報は極めて厳重に管理され、絶対に外部への流出があってはなりません。「なあに、うちは40人ぐらいの小さなクラブだし、そんな小さなところに目を付ける悪人はいないって」というのは、全く根拠のない安心感にすぎません。仮に1件の個人情報を5千円で買う悪い組織があるなら、40人だったら幾らになります? 20万円が手に入るなら、悪さをしようとする人は絶対にいますよ。
児童クラブは個人情報の宝庫です。まして広域展開事業者など何十、数百もの支援の単位を有するのですから取り扱う個人情報も万単位になるでしょう。それら大きな運営事業者は当然のこと、しっかりと情報漏洩対策をしているのかどうか、運営支援はとても気になっています。地域に根差した小さな児童クラブ運営事業者では、情報漏洩対策をバッチリとやっている事業者はまず間違いなく少数派でしょう。とても心配です。
(昔話ですが、かつてわたくしが児童クラブ運営法人のトップだったときのこと。ある保護者からクレームを受けました。「学童に登録したら、〇〇〇チャレンジからダイレクトメールが来た。おたくから情報が洩れているのではないか」というものです。不正アクセスは確認されていないこと、書類も鍵付きのロッカーで保存していることなどを説明しましたが、最後まで不信感を持たれたようでした。)
<利用料引き落とし口座はこうして悪用される>
万が一、児童クラブから口座情報など個人情報一式が、悪の組織に流出した場合、マネーロンダリングに悪用される可能性があります。こういう手順です。
1 利用料引き落とし口座に見知らぬ相手から振り込みで入金される。
2 口座情報と同時に入手した連絡先を使って、電話やメールが届く。「間違って入金してしまいました。恐れ入りますが、こちらの指定の口座に返金していただけますでしょうか」と依頼される。
3 連絡を受けた人は、善意で「間違ったのならしょうがないわね」として、指定された口座に返金する。「振込手数料は差し引いていいですから」なんて言われると「こっちも損しないしね」と小さな善意に感謝の気持ちすら覚えちゃう。
はい、これでマネロン成立です。間違って入金されたというカネが、実は悪い出どころだったカネだった場合、「しっかりとした」あなたの口座から送金された「クリーンなカネ」となります。この場合、先の「3」から続きがあります。
4 マネロンに加担したとして、あなたの口座は永久に凍結されます。あなた自身の信用にも傷がつきます。
これは分かりやすい典型例ですが、現実は映画やドラマの上をゆく、複雑な「罠」が待ち受けている可能性があります。ですから個人情報漏洩は恐ろしいのですし、口座情報を取り扱うことが多い児童クラブ運営主体は、しっかりと情報漏洩対策に取り組む必要があるのです。
なお先の誤った振り込みを利用するマネロン対策には、必ず銀行など金融機関に相談してください。ほぼ100パーセント、「組み戻し」という手法で銀行側が対応してくれます。経理を仕事にしている人なら知らぬ人はいないでしょう。なお、そういう知識、犯罪に巻き込まれるのを防ぐ知識を共有できる場として、児童クラブの保護者会、保護者懇談会は大いに活用できますよ。
<アナログの情報漏洩には当然に徹底対策>
最後に、ずっと昔からありがちな児童クラブの情報漏洩について一言だけ注意を申し上げます。児童クラブでの個人情報管理を紙ベースで行っているとか、ネットワークにつないでいないパソコン等を利用している場合では、「個人情報が載っている書類や、個人情報を保存しているメモリ媒体」を、どこかに置き忘れたり、外で落としたりという危険性があります。最近も時たま、児童クラブの個人情報が保存されたUSBを紛失したとして自治体が謝罪会見する、という報道があります。
紙でもUSBでも、「外に持ち出さない」ことを鉄則としてください。それだけで、外の世界での紛失は確実に防げます。なお、児童クラブは運営本部や事務局、もちろん現場クラブでも、あまりに書類や備品が多すぎて整理整頓が追い付かず、大事な書類やUSBが施設内のどこかに紛れ込んでしまって見つからない、ということもあります。それはもう、普段から整理整頓するしかないですよ。(さらにいえば、機密情報の管理担当者を選ぶには適性を考慮しましょう。いわゆる特性のある方にはこのような管理監督の業務を苦手とする方がおります)
今の時代、ちょっとした情報漏洩でもあっという間に報道されます。それ自体はどうしようもないことですが、情報漏洩を起こした組織が「今後引き続き、児童クラブの運営を行政から任されるだろうか」を考えると、次の選考機会に減点となりそうなことをしでかすことは、できる限り避けることが賢明ですよ。
(おわり)
New! 【学童のすき間時間に使える、無料のクイズ・なぞなぞサイト】
宿題が終わったあとや、おやつの前、雨で外に出られない日。放課後児童クラブ(学童保育所)では「ちょっとした時間に、みんなで楽しめる遊び」が欲しくなる場面がたくさんあります。そんなときに使える無料サイトを2つご紹介します。どちらも登録なしで、スマホやタブレットからすぐに使えます。
■クイズ図鑑(https://quiz-zukan.com/)
一般常識・雑学・ひっかけ・小学生向け・国旗・動物など21ジャンル、約5,500問のクイズを、答えと解説つきで集めたサイトです。テレビやプロジェクターに映して使える「クイズ大会ツール」には、チーム分け・早押しボタン・点数表がついていて、行事やお楽しみ会がすぐに開けます。問題用紙と答えの紙を印刷できる機能もあります。
■なぞなぞ図鑑(https://nazonazo-zukan.com/)
ダジャレやかくれことばなど、言葉遊びのなぞなぞ732問を集めたサイトです。幼児・1年生・低学年・高学年と、学年や年齢に合わせて選べます。どの問題にもヒントと答えの説明がついていて、読み上げボタンもあるので、まだ字を読むのが苦手な子とも一緒に遊べます。
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上の学年の子に問題を読んでもらうと、学年をこえた教え合いも生まれます。毎日の1問に、ぜひ使ってみてください。
(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
わたくし萩原が社会保険労務士となり、「あい和社会保険労務士事務所」を開業してから1年が過ぎました。ここまで続いてこれたのはひとえにみなさまのおかげです。どうもありがとうございました。「あい和社会保険労務士事務所」は、放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしてこども性暴力防止法(いわゆる日本版DBS制度を含む)に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
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こども性暴力防止法に関する諸課題を5人の弁護士が各々の専門分野に関して紹介、説明するYouTubeチャンネル「こどもを守る弁護士チャンネル」。
出生までの戸籍・識別符号収集の注意点と自治体に求める支援
こちらをぜひご覧ください。「こどもを守る弁護士チャンネル」の特別版「出生までの戸籍・識別符号収集の注意点と自治体に求める支援」の動画URLです。弁護士で、自ら放課後児童クラブの運営に関わってきた鈴木愛子弁護士による詳細な解説です。
「第6回子ども性暴力防止法緊急LIVE」は2026年8月12日21時半から、「災害時のこども支援とこども性暴力防止法」が登校されました。話し手は 鈴木愛子弁護士、聴き手は野田隼人弁護士です。
第5回は7月19日(日曜日)15時から、すでに施行されている「児童生徒性暴力防止法」における調査の解説です。話し手:飛田桂弁護士、聴き手:嶋崎量弁護士、鈴木愛子弁護士、野田隼人弁護士、三輪記子弁護士。
第4回が2026年6月30日に配信されました。放課後児童クラブの運営に関わってきた鈴木愛子弁護士が「こども性暴力防止法がもたらすこどもの被害申告に適切に対応できるか」をテーマに関して丁寧に説明しています。 まずは動画をぜひご覧ください。わたくしの著書「知られざる<学童保育>の世界」も紹介されています。
https://youtube.com/live/9q8xzkgs7wo?si=dr06eChxK1Jgov5T
第3回(2026年6月11日)は、鈴木愛子弁護士がメインスピーカーとして「こども性暴力防止法がもたらす「人手不足の加速」とその構造的リスク」とのタイトルで、人材確保に関する懸念を取り上げています。内容は放課後児童クラブ限定ではなくて法制度全般にわたるものですが、とりわけ放課後児童クラブで働く人、運営する人そして管理する行政パーソンには必見必聴の内容です。https://www.youtube.com/watch?v=ZVafKTKe204 を、ぜひクリックしましょう。
第2回(2026年5月30日)が、こども性暴力防止法の「Q&A」を読み解くとして、【弁護士が読む❗️こども性暴力防止法Q &A】のタイトルで配信されています。メインスピーカーは三輪記子弁護士、聞き手は嶋﨑量弁護士です。
https://www.youtube.com/watch?v=XtTCNTDBLLo
第1回(2026年5月16日)は「こども性暴力防止法を考える」です。
https://www.youtube.com/watch?v=uUlx8XaKMso&t=4324s
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わたくし萩原が寄稿した記事が「ウェッジオンライン」で2026年7月29日に公開されました。「子どもの「体験格差」が気になる夏休み…その“差”を埋めるのは難しいのか?子どもにとって貴重な体験に目を向けろ」という記事です。ヤフーニュースにも配信されています。URLは以下の通りです。(子どもの「体験格差」が気になる夏休み…その“差”を埋めるのは難しいのか?子どもにとって貴重な体験に目を向けろ Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン))
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こども性暴力防止法がもたらす、構造上の課題問題について、法律家がとても分かりやすく解説する記事が「アエラキッズプラス(AERAKidsPlus)に掲載されました! 解説はもちろん、鈴木愛子弁護士です。こどもを性暴力から守るための重要な法制度だからこそ、実は逆説的にこどもや運営事業者が追い込まれてしまう可能性を分かりやすく説明されています。ぜひぜひ、記事を読んでください! 実に分かりやすいですよ!
「本当に性犯罪を防げる?」学校や学童保育、放課後子供教室も対象になる「日本版DBS」に、現場から懸念の声…【弁護士が解説】 | AERA with Kids+
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「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、講演会、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。
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(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)
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