生活道路の法定速度が時速30キロに。放課後児童クラブ(学童保育所)運営主体は、ちゃんと周知した?
放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブ(学童保育所)運営支援アドバイザーであり、放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。(ぜひグーグルのAIで「萩原和也 放課後児童クラブ」と検索してみてください!)
2026年9月1日から、いわゆる「生活道路」の法定速度が時速30キロになりました。仮に、時速60キロの速度で車を運転してしまうと免許取り消しになるという、そういう速度です。このことと児童クラブがどう関わるの? 保護者にしろ職員にしろ、個人の問題じゃないの? と思った人は、ちょっと視野が狭いですよ。
(※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)
(放課後児童クラブを舞台にした人間ドラマ小説「がくどう、 序」が、アマゾンで発売中です。(https://amzn.asia/d/3r2KIzc)「ただ、こどもが好き」だからと児童クラブに就職した新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描くハッピーサクセスストーリーです。お読みいただけたら、アマゾンの販売ページに星を付けていただけますでしょうか。そして感想をネットやSNSに投稿してください! 最終目標は映像化です。学童の世界をもっと世間に知らせたい、それだけが願いです。ぜひドラマ、映画、漫画にしてください!
<時速30キロを厳守しましょう>
この、生活道路の法定速度30キロへの改正は、8月の終わりからずっとメディア、ネットニュースでとても大量に情報が発信されています。「なにそれ? 知らない」という人がもしもいましたらね、その人は、もう少し、世間の動き、世の中で起こっていることについて情報を得ようと努力したほうがいいですよ。人生で失敗したり損したりしたくなければ。
さて児童クラブとこの生活道路時速30キロですが、次の点で大いに関わりがあります。まず、児童クラブの周りの道路には生活道路が多いだろう、というおそらく相違はあまりなかろうという前提で話を進めます。
「児童クラブを利用する保護者が、児童クラブへの送迎時に生活道路で速度超過のため検挙されてしまうおそれ。以後の児童クラブ送迎に支障が生じる」
「児童クラブで働く職員や役員が、児童クラブへの通勤や巡回のときに(とりわけ児童クラブ周辺の)生活道路で速度超過のため検挙されてしまうおそれ。以後の児童クラブでの勤務や業務の執行に支障が生じる」
「そんなの、当たり前でしょ」と片づけてはなりません。その「当たり前」が徹底できないのが、われわれ人間なのです。そもそも道幅が狭い道路、住宅地や学校のそばを通る細い道路、それら生活道路で過去どれだけの交通事故が起きて多くの死傷者が出てきたか。人間というものが常に他者や弱者に気を付けて生活しているのであれば、そんなことは起きませんよ。
「当たり前」と思ったことほど、しっかりと、常に、注意を喚起するようにしなければならないということです。
難しいことは考えずに次のことを意識するよう、児童クラブ側は保護者に、職員相互に、声をかけていきましょう。
「クラブの近くにある道路を含めて、センターラインが無いような狭い道路は、絶対にスピードを出さないで運転しよう。時速30キロを超えないようにしよう」
報道でも紹介されていますが、時速30キロを超える事故では車にはねられた人間の死亡の割合が増えるとのこと。人を死に至らしめるおそれのあるようなことは、できる限り、関わらずに、引き起こさずに暮らしていきましょう。
<運営主体がなぜ徹底しなければならないか>
わたくし萩原は、この生活道路の法定速度30キロへの変更を、児童クラブの運営主体、具体的には「児童クラブ運営に責任を持っている立場の人」が、職員と保護者に留意するよう呼び掛けたのか、とても気になっています。わたくしなりにあえて厳しめに判定します。
職員と保護者の双方に呼びかけていた運営主体=合格
職員にだけ、あるいは保護者にだけ呼びかけていた運営主体=惜しいが不合格
まったく呼びかけていなかった運営主体=不合格。事業を営むセンスが足りていません。児童クラブに限らず組織運営から手を引いたほうが良いですよ。
運営に関わる立場の人、事業運営に責任を持つ立場の人であるなら、事業運営に障害や困難をもたらすことが明らかに予測できる事象については、極力、排除したり回避したりするのが当然です。「この先、どんなことが起こりうるか。そしてそれは、事業運営、事業体経営に、どのような影響や効果を及ぼしえるのか」を、常に考えて事業運営、組織経営に携わるのが、運営者、経営者として当然のことです。それは、ボランティアの保護者、年度替わりに交代で保護者が運営するような児童クラブにおいても全く同じことです。
児童クラブもれっきとした事業、ビジネスです。カネをもらって、事業を営むために人を雇用して、決められたとおりに事業を実施している。それ、まさにビジネスです。しかもこのビジネス、社会インフラとして多くの住民、地域社会に必要とされている児童福祉サービス事業のビジネスです。重要だからこそ、国や地方自治体から補助金が出る場合があるのです。重要なビジネスなんですよ。
よって児童クラブの運営事業者において事業運営や組織経営に責任のある立場の人であるなら、安定して継続的に事業が実施できるよう、常に善良な管理者としての注意を払っていく義務を負うのです。それが、社会を支え子育てを支える重要な社会インフラ事業に携わる者の務めです。
とりわけ職員が、この生活道路の法定速度30キロ改定をよく理解せず、通勤時や業務上において車を運転しているときに速度超過で検挙され、いわゆる一発免停になってしまったら、その後の事業運営、業務執行に大きな影響が出ます。短期講習で免停期間が1日になるかもしれませんが、そのためには安全運転の講習を受講することが必要です。そのために仕事を休まざるを得ないですし、すべての対応が終わるまではそもそも車を運転できませんからね、通勤にも、日常の業務にも、影響が出る恐れがありますよ。もっとも速度超過をしてはならないのは生活道路だけではなくて車を運転していればあらゆる局面で同じですが、「とりわけ留意しなければならないのが、今回の改正」ということです。
生活道路で時速60キロでの運転をしていたことで免許取り消しとなってしまったーそのような事態に陥らないよう、児童クラブの運営主体は、働いている職員や役割を果たしている役員に対して、「いいですか、私生活における車の運転を含めて、速度超過はしないで車を運転してください」と、しっかりと呼び掛けていくことが必要です。事業運営に少しでも支障が出ると予測できる事態を避けるために最善を尽くすことが、児童クラブの運営に関わる人物の当然の任務ですよ。
児童クラブの運営に悪影響が出かねない事象、事態は、できる限り生じないように常に注意を払うこと。これこそ、児童クラブの運営に必要です。とりわけ社会インフラとして、こども、保護者に欠かせない事業ですからね。
言葉を替えるならば「何か悪影響が出るような事態に見舞われないよう、常に緊張感を持って事業運営に取り組んでいますか?」ということです。何度も言いますがボランティアの保護者も、くじ引きで役員になってしまった保護者も、会議の時にしか顔を出さないような地域の人も、運営に関して責任ある立場であるなら等しく同じこと。そもそも、「法定速度が引き下げられるよね、どういう対応が必要でしょうかね?」ということが、運営主体における会議や協議の場で議題に上がらないような運営主体は、「しっかりと児童クラブを運営していこう」という緊張感が欠如しています。そこまで、わたくしは断言します。
今からでも遅くないので、児童クラブの運営主体は職員と役員に、生活道路の法定速度30キロについて注意を喚起しましょう。
<保護者にも当然に注意喚起を>
保護者と言っても保護者が運営に関わるクラブであれば上記のように、運営に悪影響を及ぼさぬように常に安全運転を心掛ける必要があります。そうではなく保護者が利用者としての立場に限定される場合ーそのような児童クラブが圧倒的に多いでしょうがーでも、児童クラブの運営主体は保護者に注意を呼びかけましょう。
万が一、生活道路の法定速度30キロへの引き下げを知らないで車を運転する保護者がいてーおそらく存在するでしょうー児童クラブへの送迎時だろうが私生活だろうが、車の速度超過で検挙されてしまったら、一定期間は車を利用できなくなるでしょう。そうすると、児童クラブ利用にも影響が出ることが十分に考えられます。
児童クラブにこどもを通わせている保護者が安心に、円滑に児童クラブを利用してもらうことを、児童クラブの運営主体は常に意識していただきたい。それは保護者にこびをうる、すり寄るという低次元のこととは全く無関係です。児童クラブの運営を円滑に順調にするためには、利用者たる保護者に不安や支障を感じることなく児童クラブを利用してもらうことが、何より大切です。車利用なら午後6時半にはお迎えに来られる保護者が、まさかの生活道路一発免停で車を運転できない期間は徒歩や自転車を使わざるを得ず、クラブ閉所の午後7時に間に合うか間に合わないかギリギリの状態になる、ということにでもなれば、児童クラブの運営にも悪影響が出ます。閉所自読を過ぎて超過料金の請求にでもなれば、保護者には泣き面に蜂です。
「そんなのは保護者の自業自得。そこまで運営側が気を遣う必要などない」というのも、それはそれでどうぞご自由に、と運営支援は言います。運営主体の方針、姿勢ですからね。しかし運営支援は、安定して継続的に児童クラブを運営できる状態の実現を目指します。それには、利用者たる保護者が安心して児童クラブを利用できている状態を維持することを重視します。なぜなら、そのような保護者たちが圧倒的多数であれば、児童クラブを運営する事業者への信頼や安心感が醸成されているので、児童クラブへの好意が生じたり、ちょっとしたことなら協力を惜しまなかったりと、「児童クラブあってのわたしたち」という意識が生まれることによる、プライスレスな利益が期待できるからです。生臭い話ですが、ユーザーから理解と支持を得ている組織は強くなれる。ちょっとやそっとの難問にはユーザーたちの協力で乗り越えられる可能性が高まるからです。
もちろん、運営責任と経営責任のある立場の人が、わざわざ「保護者が安心して児童クラブを使えるような状態を目指しておくことでいざとなったら保護者を味方につけられる」という計算を口にする必要はありません。あくまで表向きは「結果であり、副産物」であるという理解でいいのです。利害関係者はできる限り味方にしておけ、ということだけの話です。
<こどもには当然>
こどもにもしっかり話しましょう。とはいえ、「だから安心だよ」では困りますね。人間なんてあくまで自己中心的な生き物だとわたくし萩原は自分自身を振り返って思うので、児童クラブのそば、小学校のそばにある生活道路でも時速40キロや50キロで平然と車を運転する人は、絶対にいます。
「センターラインのない狭い道は時速30キロになりましたから、安心ですね」とだけ伝えてしまうと、こどもたちはそれを信じきっていざというときの危機検知、危険回避にもしかすると油断や甘えがでるかもしれません。
「狭い道ではスピードを出してはいけないというルールになりました。でもみなさんは、今まで通り、車に注意して道路の端っこを歩いてくださいね」と伝えましょう。
ぜひこの機会に、交通安全の研修を地元の警察署や交通安全協会などに相談して実施するようにしましょう。
交通事故はえてして「もらい事故」、自分たちがどれほど気を付けていても事故に巻き込まれる可能性がある恐ろしいものです。ですが、児童クラブでこどもたちに、職員たちに、そして保護者たちに安全運営を呼び掛けることで、交通安全が大事にされる国、社会に近づけるはずです。小学1年生の2人に1人が利用する児童クラブですからね。それだけ多くの人が関わる仕組みなのですから、社会常識やルールを守ることの大切さを伝えることをずっと継続することで、児童クラブで知った、学んだ「知」が、社会全体に蓄積されていくはずだと、わたくしは信じています。
(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
New!☆
こども性暴力防止法に関する諸課題を5人の弁護士が各々の専門分野に関して紹介、説明するYouTubeチャンネル「こどもを守る弁護士チャンネル」。「第6回子ども性暴力防止法緊急LIVE」は2026年8月12日21時半から、「災害時のこども支援とこども性暴力防止法」です。話し手は 鈴木愛子弁護士、聴き手は野田隼人弁護士です。
第4回が2026年6月30日に配信されました。放課後児童クラブの運営に関わってきた鈴木愛子弁護士が「こども性暴力防止法がもたらすこどもの被害申告に適切に対応できるか」をテーマに関して丁寧に説明しています。 まずは動画をぜひご覧ください。わたくしの著書「知られざる<学童保育>の世界」も紹介されています。
https://youtube.com/live/9q8xzkgs7wo?si=dr06eChxK1Jgov5T
第5回は7月19日(日曜日)15時から、すでに施行されている「児童生徒性暴力防止法」における調査の解説です。話し手:飛田桂弁護士、聴き手:嶋崎量弁護士、鈴木愛子弁護士、野田隼人弁護士、三輪記子弁護士。
第3回(2026年6月11日)は、鈴木愛子弁護士がメインスピーカーとして「こども性暴力防止法がもたらす「人手不足の加速」とその構造的リスク」とのタイトルで、人材確保に関する懸念を取り上げています。内容は放課後児童クラブ限定ではなくて法制度全般にわたるものですが、とりわけ放課後児童クラブで働く人、運営する人そして管理する行政パーソンには必見必聴の内容です。https://www.youtube.com/watch?v=ZVafKTKe204 を、ぜひクリックしましょう。
第2回(2026年5月30日)が、こども性暴力防止法の「Q&A」を読み解くとして、【弁護士が読む❗️こども性暴力防止法Q &A】のタイトルで配信されています。メインスピーカーは三輪記子弁護士、聞き手は嶋﨑量弁護士です。
https://www.youtube.com/watch?v=XtTCNTDBLLo
第1回(2026年5月16日)は「こども性暴力防止法を考える」です。
https://www.youtube.com/watch?v=uUlx8XaKMso&t=4324s
☆
※こども性暴力防止法がもたらす、構造上の課題問題について、法律家がとても分かりやすく解説する記事が「アエラキッズプラス(AERAKidsPlus)に掲載されました! 解説はもちろん、鈴木愛子弁護士です。こどもを性暴力から守るための重要な法制度だからこそ、実は逆説的にこどもや運営事業者が追い込まれてしまう可能性を分かりやすく説明されています。ぜひぜひ、記事を読んでください! 実に分かりやすいですよ!
「本当に性犯罪を防げる?」学校や学童保育、放課後子供教室も対象になる「日本版DBS」に、現場から懸念の声…【弁護士が解説】 | AERA with Kids+
☆
放課後児童クラブ事業を考えている民間企業の方へ朗報! 児童クラブ参入の手引きとなる「埼玉県 放課後児童クラブ新規参入スタートブック」が公開されました。全40ページ。フルカラー。冊子は2部に分けて埼玉県福祉部こども支援課のページで公開されています。なお本スタートブックは弊会が作成受託しました。
(前編)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook01.pdf
(後編)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook02.pdf
☆
わたくし萩原が寄稿した記事が「ウェッジオンライン」で2026年7月29日に公開されました。「子どもの「体験格差」が気になる夏休み…その“差”を埋めるのは難しいのか?子どもにとって貴重な体験に目を向けろ」という記事です。ヤフーニュースにも配信されています。URLは以下の通りです。(子どもの「体験格差」が気になる夏休み…その“差”を埋めるのは難しいのか?子どもにとって貴重な体験に目を向けろ Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン))
2026年5月29日には「“産業化”の大波に飲み込まれる学童保育…企業はどう収益を上げているのか?事業構造から見える放課後育成の実情」という記事が公開配信中です。URLは以下の通りです。https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40665
2026年4月13日、「「こどもが学童に入れたから仕事も安泰!」なのか?小1、行き渋り、夏休み…いくつも存在する“学童保育の壁”とその対処法」という記事も公開、配信されました。(https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40473)。こちらもぜひ読んでいただけるとうれしいです。
☆
「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。
☆
(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)
