放課後児童クラブ(学童保育所)の設置主体、運営主体は「情報」を必ず、確実に、外の世界に発信しよう。

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブ(学童保育所)運営支援アドバイザーであり、放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。(ぜひグーグルのAIで「萩原和也 放課後児童クラブ」と検索してみてください!)
 放課後児童クラブを設置したり運営したりしている側にお願いする本日の運営支援ブログです。前日(2026年8月5日)は、来春に新1年生となるお子さんがいる子育て世帯向けに「児童クラブを含めて、小学生になったこどもの放課後等の居場所について早め早めに動きましょう」とブログに書きましたが、本日はそのアンサーブログ。保護者側が情報を求めて動いても、児童クラブ側が満足に情報を発信していなかったら、保護者の情報リサーチに多大な手間をとらせます。保護者側からの問い合わせを頻繁に受けることなるクラブ側や役所の担当者にも対応の時間を割かねばなりません。お互いに得するために、楽をするために、児童クラブを設置したり運営したりする側は基本的な情報について確実に発信、広報しましょう。どういう情報を発信すればいいのか運営支援が提案します。
 (※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)
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<事業運営に関する基本的な情報は必ず発信、掲載を>
 児童クラブの事業運営に関する基本的な情報を列記します。なお以下については、児童クラブが「放課後児童健全育成事業」の市町村への届出を済ませた上で事業運営を行っており、その事業実施に対して国や自治体からの補助金が交付されている、という前提です。
1 新規(途中も)入所に関する手続きに関する情報。書類配布場所や書類配布時期、提出が必要な書類の種類、提出書類の受付期間、提出場所や提出最終期限など。
2 新規(途中も)入所に関する手続きに必要な書類の配布手段。できれば自治体のウェブサイトや運営主体のウェブサイトからダウンロードできるようにする。書面の配布であれば、「いつから、どこで、どのような書類が」配布を開始するのかを示す情報を掲載する。
3 児童クラブの設置主体と運営主体、それぞれの組織団体に関する情報。合わせて外部からの問い合わせの窓口や連絡先のメールアドレスや電話番号。公設民営ならば「設置=A市、運営=B法人」という情報。民設民営ならば「設置と運営はC法人」という情報が分かるように。なお、運営種別(業務委託か、指定管理者制度による運営か、事業に対する補助を受けているのか)の明記も望ましい。委託や指定管理者なら「いつから、いつまで」運営を任されているのかも情報公開が望ましい。
4 設置および運営が民間であるなら、その民間に関する情報。法人なのか、法人ならどういう法人か。法人ではない場合は保護者(父母)会運営か、(地域)運営委員会か、地域コミュニティ団体か、または個人か。いずれにしても代表者の氏名ぐらいは公開が必要。これは補助金を受け取っていなくても放課後児童健全育成事業の届出をしているのであれば同様に考えるべし。
5 児童クラブの支援の単位ごとの広さ(専有区画の面積)、主な設備(トイレの数、休憩室の有無も)、定員。
6 児童クラブの受入学年
7 児童クラブの開所日と閉所日。盆期間閉所や土曜日閉所があるなら分かりやすく明確に情報提供する。
8 児童クラブの開所時刻と閉所時刻。延長受入制度があるなら、基本利用料で利用できる時間帯と、延長追加料金を支払うことで利用できる延長追加利用時間帯を区別して情報提供する。駐車場や駐輪場、アクセスについても紹介(施設近辺に一方通行の道路やスクールゾーンがあるならそのことも)。
9 利用料に関する情報。月額か、日額なのか。延長料金の額。減免制度の有無と減免制度に関するある程度の内容。おやつ代、保護者会費など別途、保護者が支払う必要があるものについては欠かさず紹介する。
10 長期休業期間や土曜日の昼食提供に関する情報。おやつに関する情報。
11 長期休業期間中の受入制度や短期利用、一時利用制度があるならその情報。利用の要件や応募期間、利用料など。
12 職員の配置基準、配置体制。
13 保護者が運営に関与する仕組みなら、その関与に関する情報。
14 過去数年間の待機児童の有無とその人数。

 そしてこれは絶対に紹介してほしいのですが、「15 児童クラブ運営における事業理念」です。合わせて「16 その年度の事業運営目標」を掲載できると完璧です。「児童クラブは単なるこどもの預かり場ではない」と設置主体および運営主体が主張したいのなら、「わたしたちは、このような理念でこどもに関わり、こどもの成長を支えます」「わたしたちは今年度、このような方針でこどもの援助支援を行います。保護者の子育てを支えます」ということを、しっかり明記して主張することです。
 とりわけ、地域に根差した非営利法人が運営するクラブは、他の地域の公営クラブや指定管理者運営クラブと比較すると利用料が高めに設定されていることが多いので、「この利用料をいただくのは、こういう理由があるから」ということを示す根拠として、丁寧な育成支援を行っておりそのために職員の雇用配置には投資をしている、ということをしっかりと説明するべきです。そうしないと、単に利用料が高いの安いのといった金額だけの判断を下されてしまうことになりかねません。

 これらのことを自治体や運営主体が、自身のウェブサイト、ホームページに掲載してあれば、「来年、児童クラブを利用するかも」として情報のリサーチに取り掛かった子育て世帯には、とても有益な情報となります。とりあえず公開されているこれらの情報を見ればおおむねリサーチ中の保護者が知りたいことは知ることができるでしょう。よって、さらに質問しようと直接、クラブや自治体に電話やメールで問い合わせてくる内容はかなり限られてくるはずです。何より取り合わせの件数が減るでしょう。
 また、いろいろな地域で「子育て支援」を掲げて移住者を増やそうとあの手この手を繰り広げていますが、小学生のこどもがいる子育て世帯の移住促進には、児童クラブの情報をきめ細かく公表してリサーチしている移住検討者に役立つようにするべきでしょう。まして上記14、15に関する情報は、移住先でのこどもの育ちを気にする保護者には何より有益な情報となるでしょう。

<さらに、できることなら>
 運営が民間である場合では、事業運営に関する活動の実態、また事業運営を手掛ける組織団体の情報も併せて公開することが望ましいと運営支援は考えます。過去数年間の収支に関する情報です。貸借対照表などの計算書類、非営利法人なら活動計算書といったものです。
 これはとりわけ、補助金を交付されて運営している組織団体(もちろん個人事業主でも)であれば、とても重要です。補助金はもとより税金が原資です。国民のお金、公金です。公金を用途に応じてどのぐらい受け取って、どのように使ったのかを社会に向けて広く明らかに公開することは当然です。これは設置主体が運営主体に契約や仕様書で義務付けるべきでしょう。

 可能なら、実際に利用しているこども、保護者、そして職員の声、感想を紹介したいですね。

<ダメな例>
 公営にせよ民営にせよ、児童クラブの運営に直接関わっている運営主体が、まったくウェブサイトやホームページを公開していないのは、論外です。運営支援の考えは、「公の事業としての放課後児童健全育成事業を実施しているのであれば、その運営事業者は、事業の内容について広く世間一般に公表するべし」というものです。
 まして補助金を受けているなら当然。補助金を受けて事業を実施している事業者が、その事業に関して何ら公表発信していないのは罰当たりであるとすら、わたくし萩原は考えます。補助金は受けていなくても届出をしているのであれば公表発信は必要です。
 そして情報の公表発信は保護者会運営や運営委員会運営といった非営利の任意団体や個人事業主であっても当然に必要です。
 ですので「ウェブサイトやHPを設けず、一切の情報発信をしていない」のは、運営支援としては「ダメ事業者」と判定します。

 また、これは地域に根差した非営利法人や個人事業主にありがちなのですが、運営主体のHPは開設していても、更新は開設直後の数か月やせいぜい1~2年で、今ではすっかり放置されているというパターン。残念です。「活動記録」として最初のうちはそれなりに内容が更新されていても、その更新の間隔がだんだん長くなり、当初は数日おき、毎週1回の更新だったのが数か月開き、年に1~2回となり、やがて直近数年は放置状態、という民営児童クラブのHPをよく見かけます。そのたびにわたくしは悲しい気持ちになります。
 まだ新規入所に関する情報だけは更新されているなら「生きているHP」、つまり運営主体の誰かがそのHPに関わっていると言えますが、新規入所に関する情報すらも令和2年や令和3年、もっと残念な運営主体では平成〇〇年、で更新が止まっているのをみると、「この児童クラブを運営している人たちは、自分たちのクラブの情報発信について、どう考えているのだろう。真面目に児童クラブを運営していると到底思えないぞ」と、わたくしは首をかしげてしまいます。

 確かに小さな児童クラブの運営主体にとってHPの更新や情報の発信は、手間ひまがかかる業務の上に「手ごたえ」をなかなか感じにくいので、HP更新や広報担当の任務はおろそかになりがちです。それでいて、間違った情報を発信してはならないという、とても注意が必要な業務ゆえ、いつしか、担い手がいなくなってしまうものです。なおそれは小さな運営主体のことであって、事業者の予算が10億円を超えるような大きな運営事業者であれば、事業運営、組織経営の体制が整いつつあるので広報についても責任者を配置しており、ウェブサイトやHPでの情報発信もそれなりに充実してくるものです。もし、それなりの事業規模でありながら情報発信、周知広報が弱い事業者であるとするなら、その事業者は児童クラブ運営を軽視していると、わたくし萩原は判断材料としています。一般的にいって組織事業者が大きくなればなるほど、平時からの周知広報は手抜かりがありません。トヨタがいい加減な広報をしますか? ということです。広報がしっかりしているのは組織運営がしっかりしていることと表裏一体。なぜなら先に記したように、周知広報、宣伝には誤った内容は決して載せられませんので、事業の責任者が必ず了解することになります。そのプロセスが確立しているのは事業運営がしっかりしていればこそ、だからです。

 児童クラブの運営を始めた! ホームページも開設した! それから数年が過ぎ、長い間放置されたホームページを抱える運営主体の、なんと多いことか。運営する側の「HP更新のそれどころじゃない、やることが多すぎて」では全く理由になりません。児童クラブに入ろうか入らないか、あるいは移住先候補の児童クラブの様子はどうかなとリサーチをしている子育て世帯にしてみれば、放置されたHPやウェブサイト、ただ単に児童クラブの場所だけ記載されている自治体の児童クラブ情報ページをみると、「ああ、ここはちょっと、いい加減なだらしないクラブかも。別の地域を捜そう、別の民間学童を捜そう」と思われる可能性が高いのですよ。

<児童クラブの社会的価値を高めるために>
 児童クラブも「事業」です。まして、公の法定事業として、補助金を受けて運営することが多い事業です。社会インフラとしてその役割が期待されている児童クラブなのですから、「わたしたちは、このように運営をしています」と、堂々と発信できる事業をしましょう。それがさらに社会の信頼感を醸成させ、「やっぱり児童クラブは必要だよ」と思われる動機につながるのです。

 どういうことを掲載、発信すればいいのか、そういうご相談も弊会はもちろん承っています。お気軽にご相談くださいませ。

(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
 2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
New!☆
こども性暴力防止法に関する諸課題を5人の弁護士が各々の専門分野に関して紹介、説明するYouTubeチャンネル「こどもを守る弁護士チャンネル」。「第6回子ども性暴力防止法緊急LIVE」は2026年8月12日21時半から、「災害時のこども支援とこども性暴力防止法」です。話し手は 鈴木愛子弁護士、聴き手は野田隼人弁護士です。
 第4回が2026年6月30日に配信されました。放課後児童クラブの運営に関わってきた鈴木愛子弁護士が「こども性暴力防止法がもたらすこどもの被害申告に適切に対応できるか」をテーマに関して丁寧に説明しています。 まずは動画をぜひご覧ください。わたくしの著書「知られざる<学童保育>の世界」も紹介されています。
https://youtube.com/live/9q8xzkgs7wo?si=dr06eChxK1Jgov5T
 第5回は7月19日(日曜日)15時から、すでに施行されている「児童生徒性暴力防止法」における調査の解説です。話し手:飛田桂弁護士、聴き手:嶋崎量弁護士、鈴木愛子弁護士、野田隼人弁護士、三輪記子弁護士。
 第3回(2026年6月11日)は、鈴木愛子弁護士がメインスピーカーとして「こども性暴力防止法がもたらす「人手不足の加速」とその構造的リスク」とのタイトルで、人材確保に関する懸念を取り上げています。内容は放課後児童クラブ限定ではなくて法制度全般にわたるものですが、とりわけ放課後児童クラブで働く人、運営する人そして管理する行政パーソンには必見必聴の内容です。https://www.youtube.com/watch?v=ZVafKTKe204 を、ぜひクリックしましょう。
 第2回(2026年5月30日)が、こども性暴力防止法の「Q&A」を読み解くとして、【弁護士が読む❗️こども性暴力防止法Q &A】のタイトルで配信されています。メインスピーカーは三輪記子弁護士、聞き手は嶋﨑量弁護士です。
https://www.youtube.com/watch?v=XtTCNTDBLLo
 第1回(2026年5月16日)は「こども性暴力防止法を考える」です。
https://www.youtube.com/watch?v=uUlx8XaKMso&t=4324s

※こども性暴力防止法がもたらす、構造上の課題問題について、法律家がとても分かりやすく解説する記事が「アエラキッズプラス(AERAKidsPlus)に掲載されました! 解説はもちろん、鈴木愛子弁護士です。こどもを性暴力から守るための重要な法制度だからこそ、実は逆説的にこどもや運営事業者が追い込まれてしまう可能性を分かりやすく説明されています。ぜひぜひ、記事を読んでください! 実に分かりやすいですよ!
 「本当に性犯罪を防げる?」学校や学童保育、放課後子供教室も対象になる「日本版DBS」に、現場から懸念の声…【弁護士が解説】 | AERA with Kids+

放課後児童クラブ事業を考えている民間企業の方へ朗報! 児童クラブ参入の手引きとなる「埼玉県 放課後児童クラブ新規参入スタートブック」が公開されました。全40ページ。フルカラー。冊子は2部に分けて埼玉県福祉部こども支援課のページで公開されています。なお本スタートブックは弊会が作成受託しました。
(前編)
 https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook01.pdf
(後編)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook02.pdf

 わたくし萩原が寄稿した記事が「ウェッジオンライン」で2026年7月29日に公開されました。「子どもの「体験格差」が気になる夏休み…その“差”を埋めるのは難しいのか?子どもにとって貴重な体験に目を向けろ」という記事です。ヤフーニュースにも配信されています。URLは以下の通りです。(子どもの「体験格差」が気になる夏休み…その“差”を埋めるのは難しいのか?子どもにとって貴重な体験に目を向けろ  Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン)
 2026年5月29日には「“産業化”の大波に飲み込まれる学童保育…企業はどう収益を上げているのか?事業構造から見える放課後育成の実情」という記事が公開配信中です。URLは以下の通りです。https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40665
 2026年4月13日、「「こどもが学童に入れたから仕事も安泰!」なのか?小1、行き渋り、夏休み…いくつも存在する“学童保育の壁”とその対処法」という記事も公開、配信されました。(https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40473)。こちらもぜひ読んでいただけるとうれしいです。

 「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)

投稿者プロフィール

萩原和也