大型連休が終わりました。放課後児童クラブ(学童保育所)で働いている人で、「仕事に行きたくない、行きたいけれど行けない」人へ。
放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブ(学童保育所)運営支援アドバイザーであり、放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。放課後児童クラブを舞台にした人間ドラマ小説「がくどう、 序」が、アマゾン(https://amzn.asia/d/3r2KIzc)で発売中です。「ただ、こどもが好き」だからと児童クラブに就職した新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描くハッピーサクセスストーリーです。お読みいただけたら、アマゾンの販売ページに星を付けていただけますでしょうか。そして感想をネットやSNSに投稿してください! 最終目標は映像化です。学童の世界をもっと世間に知らせたい、それだけが願いです。ぜひドラマ、映画、漫画にしてください!
大型連休が終わりました。「連休中だってずっと働いていました!」という人だってもちろん大勢いるでしょう。放課後児童クラブを利用している保護者さんには、飲食店や娯楽施設で働いている人だって当然いるでしょう。お疲れさまでした。児童クラブはほとんどの施設が閉所だったでしょう。この休みの間で充電できた児童クラブ職員さん、またよろしくお願いいたします。一方で、「仕事に行きたくない」「仕事に行かなきゃいけないのに体や心が拒否している」という人だっているかもしれません。何度でも言いますが運営支援は「決して無理しないで」と伝えます。
※2026年の大型連休について。5月3日から6日までの運営支援ブログ更新は休止いたします。ご承知おきください。
(※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)
<どうしても仕事に行けなさそうな人へ>
出勤前、もしかするとこのブログにたどり着いた児童クラブ職員さんの中で、つらい気持ちにさいなまれつつ「仕事、嫌だよう」「行かなければならないけれど、しんどいよ」と苦しんでいる人がいるかもしれません。出勤はしたけれどトイレでスマホを開いて涙が出てしまう人もいるかもしれません。
無理はしないでください。「仕事が辛いなあ。でも、頑張って今日と明日だけでも頑張ればまた週末だ」という段階でいる人は、こんどの週末を希望の星にしてとりあえず仕事に向き合ってみましょう。でも、「お腹が痛い」「めまいがする」「吐き気がする」「涙がとめどもなくあふれて止まらない」という状況の人は、明確に心身が拒否反応を示しているのです。すぐに専門医に相談してください。心療内科を受診してみてください。運営支援は医療専門職ではないので「診察してもらってください」としか申し上げられません。
児童クラブの仕事は、とても大変です。残念ながら世間一般の多くの人には「こどもと遊んでる仕事で楽でいいよね」と、とんでもない誤解をされている仕事です。児童クラブの仕事は、こども、保護者、同僚職員また学校側や地域の人々、実に多くの属性の方々とコミュニケーションを密にしながら遂行していく仕事です。つまり何重も積み重なった人間関係を基盤として行っていく仕事です。こどもに単に指示命令するということとは正反対の、こどもを1人の人間として真正面から向き合っている仕事ですからね。それが何十人ものこどもがいるわけですから、そりゃとても大変な仕事です。ストレスがとても厳しい仕事です。世間一般に誤解されがちなことですが、こどもの言動に傷つく職員は普通にいます。こどもの権利は確実に守られねばなりませんが、それはすべてのこどもが純真で善良な行いだけをしているということとは全く違います。職員に敵対的な言動を繰り返すこどもーもちろん仕事として適切な援助、支援を行いますーにメンタルが削られる職員だって当然にいます。
児童クラブにおいて特徴的なのは、職員側の人数が比較的少人数である職場であること。少数の職員どうして連携を密ー濃密な人間関係ーにしつつ、多くのこどもや保護者と相対するのですが、この職員間の人間関係が曲者です。仕事だからチームワークを取れているといってもそれは薄氷の上での展開のことがあります。「こどもへの援助、支援」という属人的な要素が反映されやすい業務には個々の職員がそれぞれ高いプライドやこだわりを抱きがちです。その結果、相手の仕事ぶりを認めないという残念な振る舞いに走る職員もいます。「仕事の場」というより「こどもを支える同好の士」という意識が優越してしまって仕事の場に適用されるルール、労働基準法や就業規則などを無視して自分自身の判断や好き嫌いを優先させてしまう、その職場での実力者の横暴的な振る舞いが目に余る児童クラブの職場も、残念ながら存在するのです。
児童クラブの仕事で心身を病んでしまう人は、わたくし萩原が見てきた限りでは、とてもまじめで、育成支援に熱心で、こどもと保護者の権利と生活を守ろう、児童クラブ職員の権利をしっかり確立していこうと考えて行動を続けているとても優秀な人が多い。そういう人が児童クラブの仕事をあきらめざるを得なくなる状況は絶対に避けねばならないのです。はっきり言えば、「こどもなんて大人の言うことを聞けばいい。他の職員は私の言うことを聞けばいい。組織の指示? そんなの関係ない。ここのクラブは私のクラブだから!」という、最悪レベルの職員が働きやすい構造にあるのが児童クラブです。普段はコンプライアンスをやたらうるさく言う役員や偉い人はクラブにいないですからね。そういう人が来た時だけ演技で振舞えばいいだけの話です。児童クラブの仕事に向いていない、ずるがしこい人ほど児童クラブで幅を利かすことができてしまうのです。
ですから、まじめに育成支援を、児童クラブを考えている職員さんへ言いたい。心身がその仕事に対応できていないときは無理はしてはなりません。すぐに専門家の助言、あるいは治療の指示を受けてください。
辛かったら上司や運営本部に連絡しましょう。電話での相談や申請が無理ならとりあえずはメールやSNSや連絡アプリなど、どんな手段でもいいです。「無断で欠勤」だけは避けましょう。無断でなければ何とかなるでしょう。また、家族や近しい人に連絡するのもいいですよ。そして、初診ですぐに診てくれる心療内科など、こころの専門家を探しましょう。すぐに診断は出ないかもしれませんが(出るかもしれませんけど)、心身の異変に伴う症状が業務の結果である場合は、労災保険の適用となる可能性があります。今年の4月に働き始めたばかりの新人職員であっても、児童クラブの仕事は当然に労災の対象となる業種です。
自分を追い詰めないでくださいね。休んだり適切な治療、療養を受けたりすることで心身が回復したら、たくさん働けばいいのです。また、「児童クラブの仕事は自分には合わなかった」ことが分かるかもしれません。「児童クラブの仕事は好きだけれど、あの職場では無理」ということかもしれません。であれば、他の仕事に転職するのだって、今の勤め先を辞めて他の児童クラブの運営事業者に求職するのだっていいんです。「自分の健康を害すること」だけは、誰も幸せになりませんから、避けていきましょう。人生なんていくらでも進む方向を自分で選べるんですから。「思いつめて、病状を悪化させる」ことは単に自分だけが損をすること。遠慮なく、他の人に助けを求めていきましょう。この世の中、弱い者には冷たいものですが、なんのなんの、「お互い様だよ」と思ってくれる人だって結構いるものですよ。
未来をあきらめないで、まずは自分自身を助ける行動を積極的に選択していきましょう。
<児童クラブの運営側は>
常日頃から職員、とりわけ正規職員、常勤職員の心身の状況について把握しておくことは言うまでもありません。児童クラブの勤務形態では、現場クラブでずっと業務を続けていて、運営本部や事務局の人たちや、管理職の人たちと顔を合わせて会話をする機会はそれほど多くないでしょう。週に2~3回が関の山でしょうか。ですので、会話によって相手側の心身の状況を把握できる機会は限られてくるのですが、あらゆる手を使って常に基幹職員の心身の状況を把握することに努めましょう。
クラブを巡回するエリアマネジャー、スーパーバイザーが職員の状況を把握することに努めたり、どんなことでも連絡してよくて秘密厳守の相談窓口を設置してしっかり機能させたりすることです。ストレスチェックも積極的に活用しましょう。クラブの施設長や主任はクラブ内の全職員の心身の状況について常に留意しておくのは当然でそれをさらに上層部に報告するのですが、その施設長や主任の心身の状況は巡回する幹部職員や運営本部側がきっちりと把握しておくことに努めるのです。
事業運営の責を負う立場の者が非常勤である、一般的な保護者運営の形態では事業運営の責任者が職員の心身の状況について常時把握に努めることは事実上不可能です。よってその任務は現場に勤務する職員の中での幹部級の職員に代行させることになります。運営事業者の役員(理事など)を兼ねる使用者兼役員という地位にあたる人たちですね。運営側は、そうした重要な任務の代行を委ねる幹部級職員とは、様々な手段で連絡を密にして、職員の様子をできる限り把握することに努めてください。決して現場任せ、責任を現場に丸投げにしないでください。どんな方法で選ばれたとしても、運営責任を負う立場にいる限り、保護者であっても職員の心身の健康をしっかりと守っていく責任を負っています。
<難しいことは百も承知>
児童クラブの仕事はとても難しい仕事です。児童クラブの仕事を丁寧に理解している優秀な職員ほど、傷つきやすい職場でもあります。そして運営する側はなかなか現場での働きぶりを細かく知ることができないので、職員が限界を超えて追いつめられていたことになかなか気が付くのが難しいのです。わたくし萩原は、その点において取り返しのつかない失敗を何度も重ねてしまった。本当に申し訳ないと今でも自分を責めます。
非常に優れたキャリア10年超の職員がいました。業界団体が行う勉強会や分科会には必ず出席し、育成支援という分野でも、児童クラブの構造や法制度といった広い分野でも、その双方において貪欲に学び、吸収していた人でした。クラブではメリハリのある援助と支援で、こどもと保護者から絶大な支持を受けていた職員でした。
わたくしが専従の運営責任者となって、その職員を頼りにしたのは言うまでもありません。いろいろな相談をしましたし、逆にいろいろな相談もまた受けました。その当時、運営法人が背負っていた重大な課題に、運営法人とは別の設置主体と運営主体のクラブの引き受けがありました。足掛け5年かけて運営法人がクラブを引き受けることになったのですが、新たに運営を引き受けることになったクラブはことごどく運営手法が異なっていたので、本当に実力ある職員を配置しなければ運営においてトラブルを生じるのは目に見えています。わたくしは当然、その職員を配置しました。そして2年間、見事にクラブの運営を立て直してくれました。「保護者会なんてムダすぎる」と敵意すら見せていた保護者さんたちを「みんなで話し合う事って大事なんだ!」と実感させることができたといえば、児童クラブ界隈の人にはその実力ぶりがうかがえるでしょう。
本当に頼りになった職員でした。現場だけでなく組織運営についても理解があって、いずれ本人も運営に関わることを自認していました。これほど頼りになった職員は他に誰もいませんでした。そしてわたくしは、他に深刻な問題を抱えているクラブにその職員を配置しました。もちろん、「こういう問題がある。だからまた頑張ってほしい」と状況を説明した上でのことでした。きっとやってくれると信じていました。
3か月後、とある日曜日の昼過ぎ、わたくしの携帯が鳴りました。頼りにしていた職員からでした。涙声で「もう無理です。ダメです。現場に行けません」と告げてきました。わたくしはまったく気づくことができませんでした。「きっとやってくれる」と安易に任せきりにしていたわたくしの失態でした。わたくしの安易な姿勢がその職員を再起不能なまでに追いつめていました。わたくしの過ちがなければその職員は地域ひいては県内の児童クラブの世界をリードする立場にまでなっていたでしょう。大きな損失でした。なにより職員の人生を壊してしまったその罪深さは反省してもしきれないものでした。
こういう悲劇はもう繰り返したくない、起きてほしくないのです。運営側は、職員の健康を守ること、雇用を守ることを絶対的に優先しなければなりません。心身に異変を生じやすい大型連休の後には、特に意識して職員へのアプローチを丁寧に行ってください。実利的なことでも必要です。なにせ人材確保が至難の時代です。研修教育に投じたコストをみすみす失うことは問題です。「運よく」雇えた人を丁寧に育てて、ずっと働いてもらうことこそ、運営事業者に最も必要な姿勢です。そのためには、とりわけ児童クラブ職員が陥りやすいメンタル面への異変、不調を早期にキャッチすることです。「大丈夫か? しっかり頑張れよ」ではなくて、「もっとこうした方がいいということがあったら、どしどし提案してね。言われなきゃ本当に分からないから、遠慮なく言ってね」と具体的に話しかけましょう。「休みの日数、少ないよね? もっといっぱい休もうよ」と声掛けしてください。
職員が心身の不調で職場を離脱する、あるいは退職する。そうなったら食い止めはなりません。退職を引き延ばそうなんて愚の骨頂です。己の職員への管理が未熟だったとして反省しなければなりません。それがなければ、延々と心身不調による離職者を生み出すだけの、最悪の組織となってしまいますよ。
(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
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放課後児童クラブ事業を考えている民間企業の方へ朗報! 児童クラブ参入の手引きとなる「埼玉県 放課後児童クラブ新規参入スタートブック」が公開されました。全40ページ。フルカラー。冊子は2部に分けて埼玉県福祉部こども支援課のページで公開されています。なお本スタートブックは弊会が作成受託しました。
(前編)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook01.pdf
(後編)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook02.pdf
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「Wedge ONLINE(ウェッジオンライン)」にて2026年4月13日、「「こどもが学童に入れたから仕事も安泰!」なのか?小1、行き渋り、夏休み…いくつも存在する“学童保育の壁”とその対処法」という記事が公開、配信されました。(https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40473)。わたくし萩原が編集部の依頼に応じて寄稿しました。ぜひご高覧ください。
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「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。
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(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)
