3分30秒で読めます! 先週の運営支援ブログ・短縮版(2025年2月23日~3月1日)

 あい和学童クラブ運営法人は「運営支援ブログ」で、放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)全般に関して提言や意見を行っています。2025年2月23日から3月1日までに掲載したブログの内容をご紹介します。興味がそそられるテーマがございましたら、ぜひその日の弊会ブログをご高覧ください。
※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所(放課後児童健全育成事業を行っている施設)と同じです。

・奈良県香芝市の公設児童クラブのうち多くのクラブで、人手不足を理由に2024年夏休み期間、外遊びができていなかったことが発覚しました。報道では、民設クラブは外遊びができていて、公設の、シダックス社運営のクラブでは外遊びが24クラブ中、20クラブでできなかった。残りの4クラブだって、とても十分な外遊びの機会を子どもに提供していたとは言い難い、ひどいレベルです。民設クラブでは外遊びができて、公設の同社運営のクラブでは、ほぼまったくできなかった原因、要因はなんだったのかを、議会や、報道機関はしっかりと調べねばなりません。それが人手不足というのであれば、なぜ、公設の同社運営クラブでは人手不足に陥っていたのかを、調べねばなりません。(2月24日掲載)

・2024年度に新設された、放課後児童クラブの常勤職員2人配置の場合の補助金は、児童クラブの実務上、極めてハードルが高い内容です。「常勤2人の配置ができなかった場合、この補助金は不可ですよ」ということです。児童クラブの世界は、とても離職、退職が多い業界です。4月に常勤職員を2人配置できたとしても、1年間のうちに常勤職員が離職、退職してしまう児童クラブは決して珍しくありません。病気などによる一時的な休職もあります。病気休職も、また職員の産前産後および育児休業にしても、「代わりの常勤職員」を、おいそれと確保できない業界です。こども家庭庁は、よもや、そのような児童クラブの業界の現実を知らぬわけではないでしょう。承知の上で、「常勤2人が実現されていない月が1か月でもあれば、年間を通じてこの補助金は出せない」としたならば、「意地が悪すぎる」と私は感じます。底意地が悪い。改善するべきです。(2月25日掲載)

・2025年の夏も、猛暑の予報です。国は、放課後児童クラブの冷房機能を強化するための補助金を創設してください。市区町村が遠慮なく予算化できるように、国10割の補助金にしてください。そうすれば市区町村は遠慮なく年度内の議会で補正予算を組めます。いいですか、多くの児童クラブは大規模の状態です。放課後全児童対策事業であれば希望する世帯がもれなく利用できるので、よほど人口そのものが少ない地域を除けばなおさら大規模状態、過密状態です。冷房が十分に効かないために室内での熱中症の恐れがあるのです。熱中症は、直ちに医療機関が保健所に通知するような重大な疾病です。子どもの安全、安心を確保して当然の児童クラブで熱中症になるなんて、ありえません。まして室内での熱中症など断じて起こしてはなりません。(2月26日掲載)

・児童クラブも当然ながら、人を雇用する際は、働いてくれる人に対して労働条件を明示しなければなりません。その中でも、就業の場所や従事する業務の範囲において、変更がありえる場合はその「変更の範囲」を明示することも2024年度から義務となりました。今後の日本版DBS制度においては、「日本版DBS制度の対象となった前科のある職員を、今の職場から異動させる必要が生じる」ため、職員の配置転換、異動が必須となってきます。よって、児童クラブにおいては今後、必ず、働いている職員に、就業の場所や従事する業務の範囲の「変更の範囲」を示しておく必要があります。(2月27日掲載)

・1分ちょっとで読める新シリーズです。<運営支援ブログ・ミニ>放課後児童クラブの「あるある」シリーズ1として、児童クラブの人たちは、<時間進行がニガテ!会議がニガテ!>をお送りいたします。(2月28日掲載)

・児童クラブで行われる日々の育成支援は、実のところ、「PDCAサイクル」の繰り返しにほかなりません。児童クラブの仕事として世間に目立つのは「D」の部分だけ。「PとC、そしてA」は、子どもが登所する前の時間に職員たちが「育成支援討議」を行って取り組んでいるのです。つまり児童クラブのPDCAは、児童が登所している時間だけでは成り立ちません。子どもが登所する前の時間こそ児童クラブの重要な業務時間なのです。(3月1日掲載)

〇2024年3月19日から始めた全国放課後児童クラブデータベースは2025年2月23日から3月1日まで8の市区町村を紹介しました。(紹介済み1,184市区町村/全1,741市町村)
三重県名張市
高知県奈半利町
福島県浪江町
茨城県行方市
埼玉県滑川町
富山県滑川市
北海道名寄市
奈良県奈良市

〇弊会は、次の点を大事に日々の活動に取り組んでいます。
(1)放課後児童クラブで働く職員、従事者の雇用労働条件の改善。「学童で働いた、安心して家庭をもうけて子どもも育てられる」を実現することです。
(2)子どもが児童クラブでその最善の利益を保障されて過ごすこと。そのためにこそ、質の高い人材が児童クラブで働くことが必要で、それには雇用労働条件が改善されることが不可欠です。
(3)保護者が安心して子育てと仕事や介護、育児、看護などができるために便利な放課後児童クラブを増やすこと。保護者が時々、リラックスして休息するために子どもを児童クラブに行かせてもいいのです。保護者の健康で安定した生活を支える児童クラブが増えてほしいと願います。
(4)地域社会の発展に尽くす放課後児童クラブを実現すること。市区町村にとって、人口の安定や地域社会の維持のために必要な子育て支援。その中核的な存在として児童クラブを活用することを提言しています。
(5)豊かな社会、国力の安定のために必要な児童クラブが増えることを目指します。人々が安心して過ごせる社会インフラとしての放課後児童クラブが充実すれば、社会が安定します。経済や文化的な活動も安心して子育て世帯が取り組めます。それは社会の安定となり、ひいては国家の安定、国力の増進にもつながるでしょう。
 放課後児童クラブ(学童保育所)の運営支援は、こどもまんなか社会に欠かせない、あらゆる児童クラブを応援しています。

 弊会代表萩原ですが、2024年に行われた第56回社会保険労務士試験に合格しました。これから所定の研修を経て2025年秋に社会保険労務士として登録します。登録の暁には、「日本で最も放課後児童クラブに詳しい社会保険労務士」として活動できるよう精進して参ります。皆様にはぜひお気軽にご依頼、ご用命ください。また、今時点でも、児童クラブにおける制度の説明や児童クラブにおける労務管理についての講演、セミナー、アドバイス、メディア対応が可能です。ぜひご連絡ください。

 放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文はぜひ、萩原まで直接お寄せください。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください。

 放課後児童クラブを舞台にした小説「がくどう、序」を完成させました。2025年3月10日ごろにPOD出版で発売します。埼玉県内の、とある町の学童保育所に就職した新人支援員が次々に出会う出来事、難問と、児童クラブに関わる人たちの人間模様を、なかなか世間に知られていない放課後児童クラブの運営の実態や制度を背景に描く小説です。新人職員の成長ストーリーであり、人間ドラマであり、児童クラブの制度の問題点を訴える社会性も備えた、ボリュームたっぷりの小説です。もちろんフィクションですが、リアリティを越えたフィクションと、自信を持って送り出す作品です。残念ながら、子どもたちの生き生きと遊ぶ姿や様子を丹念に描いたハートフルな作品ではありません。大人も放課後児童クラブで育っていくことをテーマにしていて、さらに児童クラブの運営の実態を描くテーマでの小説です。児童クラブの運営に密接にかかわった筆者だからこそ描ける「学童小説」です。ドラマや映画、漫画の原作にも十分たえられる素材だと確信しています。ご期待ください。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の事業運営をサポートします。リスクマネジメント、クライシスコントロールの重要性をお伝え出来ます。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)