<運営支援ブログミニ60>放課後児童クラブ(学童保育所)の運営が替わる、ことへの考察

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブ(学童保育所)運営支援アドバイザーであり、放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。(ぜひグーグルのAIで「萩原和也 放課後児童クラブ」と検索してみてください!)
 ミニブログです。放課後児童クラブの運営事業者が替わることがあります。いや、替わることがもはやごく一般的であるといえるでしょう。そもそも児童クラブの運営主体が替わることって何? ということに対するわたくし萩原の見解を書き綴ります。
 (※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)

<運営主体が替わるとは>
 児童クラブの運営は次の3つに区分できますね。
公設公営=自治体(正確には地方公共団体)が設置して、運営も行う。ぜんぶ「公」がやる。
公設民営=自治体が設置するが、施設の運営つまり「放課後児童健全育成事業」を民間に任せる。
民設民営=施設の設置も、施設の運営も、民間の事業者が行う。

 民営は次のようにも区分ができます。
指定管理者制度による運営=公設民営の場合。
準委任いわゆる業務委託(事業委託)による運営=公設民営と民設民営にある。放課後児童健全育成事業を「委任」でやってもらうということ。
事業への補助による運営=放課後児童健全育成事業を行う運営主体に自治体が要綱などに従って補助金を交付する。

 児童クラブで運営主体が替わるというのは次のケースでしょう。
・指定管理者の期間満了によるもの。選ばれた指定管理者が違う事業者になると、運営主体が替わることになる。
・業務委託期間の満了によるもの。公募型プロポーザルで3~5年の定められた期間が満了し、次の期間を担う事業者が違う事業者になると、運営主体が替わることになる。
・特別な事情による運営主体の変更。随意契約による業務委託や事業補助は「単年度」の契約である場合がほとんどでありよほどの異例な事態でもない限りは委託側も受託側も次年度以降、契約が続くことを暗黙に期待しているが、不祥事が起きた等の事情で委託側が別の受託事業者を選定することがある。他にも、いままで運営してきた受託者が「これ以上、児童クラブを運営する能力を持てなくなった」と運営を辞退することで別の事業者が選ばれることがある。特に保護者による運営で「運営疲れ」によって運営を手放すことがある。

 基本的には、「運営を任されている期間が終わった」とき、「運営を任せる次の期間」において、運営主体が替わることが、児童クラブの運営主体の変更といえるでしょう。その変更が起こる動機は「運営を任せる期間の終了」であり、変更が実現するのは「次に運営する事業者の選定結果が、いままで運営していた事業者とは別の事業者になったとき」です。

 児童クラブの運営主体変更ではよく「指定管理者は児童クラブの運営に不適切」という意見を耳にします。それは「3~5年の期間で運営主体が替わること」そのものへの批判です。ところが随意契約の業務委託、あるいは事業への補助は、「単年度」の期間があります。次年度以降の継続について暗黙の期待はありますが、「絶対に」同じ事業者が次年度以降も随意契約の相手方になれる権利などありません。単なる期待です。ですので、わたくしは「指定管理者制度はダメだ。3年5年で運営者が替わるなんて、児童クラブの運営の質には不安定要因でしかない」という意見には強烈な違和感をずっと覚えています。「何言ってんだ? 随意の契約なんて毎年の勝負だぞ。その年、えらい不祥事をおこしたら次年度に随意契約の相手側に設置主体や委託側が選んでくれる保障など、何もないんだぞ。運営を任される期間の問題を取り上げるなら随意契約の、毎年度毎年度、確実に選ばれる確約などないことも取り上げないとバランスを欠く」と、わたくしは考えています。

 運営主体が替わるのは指定管理者制度や公募型プロポーザルによる運営主体選定だけに起こるのではないということを理解しておくべきです。「公募はダメだ、随意でなければ」というのは本質的に運営主体変更に関わる事態の改善ではありません。「運営を任せる期間は公営でない限り、民営である限り、必ずある」という前提の理解は必要です。民営である限り、公の事業である放課後児童健全育成事業を自治体から任される期間は必ずあり、期間が定められている以上、運営主体の変更はありえる、ということです(なお、運営主体を選定した結果、従前の運営主体が引き続き選ばれた場合も、運営主体変更の機会を浴びているのです。第一次運営期間、第二次運営期間ということでしょうね)。

 で、ここで本題に入ります。「なぜ、民営の運営主体を替える必要があるの?」ということです。そのテーマに続いて考えたいのが「運営主体を替えねばならない事情があるとするならば、運営主体を替えるにあたって最善の手法、方法は何?」ということです。

<なぜ児童クラブの運営主体を替える必要がある?>
 指定管理者制度を導入するなら、指定期間がある限り、運営主体の変更の機会はやってきます。では指定管理者制度を導入しなければいいじゃないか、ということになりますね。実際、児童クラブの世界で指定管理者制度の導入そのものに反対する声は、伝統的な児童クラブの信奉者に根強いものがあります。
 指定管理者制度について多くの自治体がホームページに説明を載せています。引用しましょう。長野県上田市のHPに掲載されている文章ですが、他の自治体でも似たり寄ったりです。また指定市など大きな自治体はより詳細に説明するページを設けていたり、導入ガイドラインを設定して公表したりもしています。
(以下引用)
「地方自治法の一部を改正する法律が平成15年9月2日に施行され、公の施設の管理について、従来の地方公共団体の出資法人等に対する管理の委託制度から、民間事業者を含め、地方公共団体が指定する者『指定管理者』による管理の代行制度へ転換する事となりました。
 指定管理者制度は、多様化する住民ニーズに、より効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図るとともに、経費の節減等を図ることを目的としています。」
「地方自治法第244条第1項において、「住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設」と定義されており、おおむね、次の要件を満たすものとされています。
・住民の利用に供するための施設であること
・住民の福祉を増進する目的をもって設置された施設であること
・法律又は条例の規定により設置されているものであること」(ここまで)
 つまり、法制度として、公の施設の管理について指定管理者制度を標準とするようになっているということです。ここに「経費の削減等」とあることで、指定管理料の増額を妨げる事態を招きがちとなり、指定管理者制度が「官製ワーキングプア」の元凶となっていると批判される状況を招いています。また公の施設について3つの要件を示していますが、児童クラブも福祉の増進のために設置されているので指定管理者制度の対象とされています。指定管理者制度導入に反対する意見には「児童クラブは駐車場や体育館と違って、事業運営をしている。管理ではなく運営だ。だから指定管理者制度になじまない」という論調が多く見られますが、運営も管理の一端であるとすれば、児童クラブを指定管理者制度の枠外に置かねばならないという論調は、地方自治の世界では支持が得られないのではないでしょうか。

 結局のところ、わたくし萩原は「公に対する過度の民からの要求」が、必要以上に「経費削減を公に求める風潮」を招いた原因と考えます。いまもよく口にする政党やメディアがありますが「公(政治であり行政)の無駄遣いをなくせ!」という論調は今も昔も人気です。SNSで官庁や役所、政治家の無駄遣いを批判する投稿に集まる「イイネ」の数やインプレッションの数を見てください。役所は頑張っている、政治家は頑張っているという意見は顧みられず、根拠は一切上げないのに「政治は無駄遣いを無くせ。行政は無駄遣いを無くせ」という意見にはいつも人気が集まります。ひどいのは「公務員の給料は高い」と一方的に批判する論調ですね。
 今も昔も公を叩くことで、日ごろのうっぷんを晴らすという世間の庶民はいます。神田や新橋の飲み屋がそうした「公」への批判で盛り上がる場だったのですが今はSNSが主戦場ですね。もっとも「おかみ」への批判は当然にあるものですからそれ自体が悪いとはいいません。
 「白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋しき」なんて狂歌は秀逸な公への批判であり、江戸時代の庶民の優れた教養を示すものですから。
 しかし、政治家が人気取りで議席を集めるために、あるいはSNSでインプ稼ぎをして収益を手にしようとするためになされる根拠なき公の批判は目に余りますね。こども家庭庁の予算を叩くSNSへの投稿なんてまさに「単なるインプ稼ぎ」です。そうした公への批判は役所役場で働く人、公務員をずっと悩ませてきました。「税金で食ってるくせに」という嫌がらせがまさにそう。もっといえば社会インフラで働く人も同じですね。電気ガス水道、児童クラブもそうかもしれません。こまったことにそうした論調が長く続き、最近はSNSでさらに拡散されることで「役所役場は無駄遣いの温床だ!」という誤った見方が一層この社会に積み重なっているのではないかと、わたくしは不安しかありません。

 公の事業における予算の在り方に根拠なく感情論で「多い、高い」という意見や批判を無責任に浴びせ続けたこの国の社会(そしてその論調を支えてきたメディアと一部政党の姿勢)が、公の事業における「経費削減」を強迫もとい脅迫的に迫ってきたことの帰結が指定管理者制度であり、公募型プロポーザルの隆盛の土壌となっていると、わたくし萩原は(これまた証拠なく)考えています。そのあたり、学問的に研究している人はいるのでしょうかね。

 公の施設に必要以上に「利益を出す」ことを求める風潮が今の社会、極めて根強くなっていることにわたくしは反対です。なんで国立の博物館や大学がクラウドファンディングをして経費や物品購入の費用を集めねばならないのか、この国の指導者層の精神の貧困を憂います。大学や博物館、美術館が「黒字」でなければならない必然性があるのかどうか、真剣に考えていかねばなりません。福祉や教育における「利益」は数字つまり予算の問題ではなく、福祉や教育の施策の結果として社会に還元できる質にあるということ。それは知識や教養という会計ではじき出せないものにあることを大前提とするべきです。放課後児童健全育成事業そのもので利益を得ることはできません。児童クラブを必要な数だけ、こどもの権利を守れる丁寧な運営をする質を確保することで、こどもの安全安心な育ちと「存在」を社会が保障し、保護者が社会経済活動に従事できることが、「児童クラブを運営することで得られる利益」そのもののはずです。とはいえ、民営である以上は「利益」は必要です。児童クラブの運営事業を引き受けて行ってくれる民間事業者が現れるための動機を提示することが大事であって、あえていえば「餌」として「丁寧に運営すれば利益が出る程度の補助金と利用者徴収金が手にできるだけの制度設計をしていますよ」という考え方が必要です。

 運営する事業者を変更する必要性として考えられる理由として「癒着の防止」であり、「なれあい、無責任な運営の防止」があるでしょう。これはわたくし萩原にはよく理解できます。公の事業を引き受ける事業者がずっと同じであること、ずっと「おたくに任せるよ」という理解が存在することで、「しっかりと運営しなければならない」という緊張感や、事業の質の向上に関する意欲を減衰させることにつながるおそれがあると、わたくしは考えます。
 とはいえこれも別の手段で防ぐことはできるだろうとも考えるのですがね。その最有力な手段としてわたくしが考えるのが「徹底した情報公開」です。国や自治体から補助金をどれだけもらっているのか、利用者から徴収する料金と合わせて予算の額はいくらで、実際に使ったのは科目ごとにいくらなのかを徹底して公開することで、無駄遣いをしているかどうかが第三者の目、とりわけ議員の監視機能においてチェックできるようになります。あまりにも高額な役員報酬を設定しているとか、児童クラブであれば現場の事業で使われるお金が広域展開事業者の運営本部に吸い上げられることで減ってしまっているという事態を、あぶりだすことができます。結局は「お金をどう使っているか。ちゃんと使っているか」を確認できるかどうかが大事なので、予算と決算の徹底した透明化が実現できればよい。そうすれば、随意でも公募でも「ちゃんとした事業者」であるかどうかが判断できるので、しっかりと適正な予算の使い方をしている事業者を挿げ替える合理的な根拠は減ることになるでしょう。

 癒着も、事業の質の向上の努力の有無や努力の程度は、カネの使い方で判断することができます。運営主体を替えるという大掛かりな事務作業、事務手続きを減らすためにも、まずカネに関する徹底した情報公開を国が義務付け、根付かせることが必要です。

 なお、公募の過程において事業者に得点を付けていきますが、その得点の付け方、つまり「どの分野を重要視して得点を振り分けているか」は、運営主体変更の問題を考える上で、具体的な実務上において非常に重要です。この点は大いに議論が必要です。児童クラブであれば「本当に、こどもの育成支援に、保護者の子育て支援に、効果的な施策を実施できる事業者」に得点が集まる審査基準、配点が必要です。単に「別の地域で児童クラブの運営実績がある」から点数がもらえるのでは意味がありません。その別の地域でひどい運営をしていても得点源になるような審査基準はおかしいのです。「いま、児童クラブを運営していて利用者から高い評価を得ている」(または「利用者から高い評価を得ていない」ということに関する減点)という点がほとんどの公募プロセスの場合、得点源になっていない点も非常に不合理です。運営主体の変更を考えるにはこの選考プロセスの点を念入りに検証する必要があります。

<働く人のことを棚上げにする姿勢の疑問>
 児童クラブの運営主体変更で最も問題として表面化し、対応が必要となるのは「従事者の確保」です。つまりA社からB社に運営主体が替わったとして、引き続きクラブで働いてくれる職員を何ら変動なく確保できるとは限らないのが実は当然なのに、現実では多くの「指定管理者候補や受託者を決める自治体の会議室」ではこの「労働者の確保」について具体的に心配されずに、実際に運営を引き受ける側に対処対応が任されている、あるいは丸投げされている事態があります。

 この点でわたくしは思うのは、自治体つまり官の側の意識に特徴があることです。児童クラブの運営主体の変更は雇用主が替わることであり、運営する事業者が替われば社風や育成支援の理念が違う事業者が一定の期間を経て替わるということです。A社の育成支援の理念に共感できたのでちょっと給料が低くても働いていたのに、B社の理念には共感があまりできないのでその給料では働きたくない、と児童クラブ職員が思うことにわたくしは不自然を感じませんが、どうも官の側はそうではないようで「なんで(異動が無ければ)同じ児童クラブで働けると次の運営主体は保障しているのに、引き続いて働こうと思わないのか理解が難しい」と言っている官の人に何人も出会ったことがあります。
 官の世界では「トップ」が替わることはよくあります。首長は選挙で替わることがありますからね。役所や役場に勤める人の中には「うちの社長は」という言い方をする人がいますが、その社長というのは市区町村長です。また局長や部長、課長も定期的に替わるのがお役所です。「長」が替わるとそれまでのやり方が一変することも官の世界では珍しくありません。
 トップが替わる、部長や課長が替わっても仕事を続けるのが官の世界です。市長が替わって児童クラブの設置方針ががらっと変わるのは不自然ではないですが、そのような場合でも「宮仕え」の人は仕事を粛々とこなすだけです。ですから、「児童クラブの運営主体が替わることで、何をそんなに嫌がるのだろう」と、官の世界の人は運営主体の変更に対する利用者や職員の抵抗に違和感を覚えることは不思議ではないのです。運営主体が替わると児童クラブの運営の姿勢や方針がガラッと変わることがあってそれは児童クラブの現場では受け入れ難い、と説明しても「でも上が変わればやり方が替わるのは当然じゃないの?」という受け止めになりがちなところが、官の世界にあるとわたくしは感じます。それができなければ官の世界で働くことは難しいからです。
 これはわたくしがつぶさに見てきた現象です。

 運営主体の変更による児童クラブの現場の離職については、制度的に離職の動機を減少させる仕組みの導入が必要でしょう。もっとも重要なのは在職期間です。運営主体が替わることでまた初任給の算定なるとか、年次有給休暇が1年目の10日付与から始まる、ということを、新たな運営主体が職員に有利になるように取り計らうことを、新たな運営主体に義務付ける仕様書や契約書にする必要があるでしょう。雇用労働条件の引き下げはもってのほか。職員の雇用労働条件を引き下げなければ事業運営ができない程度の指定管理料や委託料しか自治体が準備していないとしたら、官の失態です。雇用労働条件をさらに向上できるだけの指定管理料等を用意したのに実際に新たな運営主体が以前より内容が悪い雇用労働条件を提示しているのであれば、それは新たな運営主体があくどいのです。そういう運営主体を選んだ側の失態にもなります。

 育成支援に対する理解が事業者によって様々であるのは致し方ないとしても、およそ「育成支援とは、こういうことを含むものだ」という必要最低限な理解を児童クラブ業界で共有し、その枠内で育成支援を行う事業者が選ばれ続けることも必要です。こどもの遊びを通じて社会性を育もうという方針だった事業者から「遊びは無駄な時間なのでプログラムを実施してこどもたちに体験させる」という事業者になった場合、現場で働く人には新しい運営主体の運営方針を受け入れがたいのは当然です。運営主体変更に際してはその点も自治体は考えるべきです。もっといえば「うちの自治体は、こどもの育ちに、子育て支援に、こういう理念を持っており、その理念を実現するためにこういう事業をしていただきたい」という方針を自治体側が示すことが必要です。それが全く存在せず「全部お任せしますから、とにかく無事にクラブを運営してください」では、そりゃ運営主体変更がうまくいくはずがありません。
 運営主体を選ぶプロセスでの機関決定が重要です。児童クラブのことをよく知らず、単に会計の数字だけでしか事業者の良しあしを判定できない人ばかり選定委員にそろえて次の期間の運営者を選ぼうというのでは、運営主体変更によるトラブルは防げません。「自治体の意向を忖度する人」ばかりそろえても同じことです。

 わたくし萩原は自治体側に本当に強く言いたいのです。「児童クラブで働いている人は雇い主、運営主体が替わっても配属先のクラブが同じなら働き続ける、ということではない。あなたたち公務員とはその点が違う。人が人に関わるというとても繊細で、人の生活や人生を左右することにもなる重要な仕事だから、理念や方針にこだわる人が必ずいる。そしてそのような職員の多くが優秀な支援員、職員であるということ。そういう人たちが新たな運営主体で働きたいと思えるような事業者を選んでいますか?」と。
 書類上は職員数は「数」として扱えるデータです。それは当然です。ですがその数1つ1つに、育成支援や児童クラブに関する理念や思いや気持ちがあるということを「計算して」、運営主体変更のプロセスに取り組まねばならないということです。前の運営主体の職員数の8割が継続して2割が雇用の継続を辞退した。その2割は数字としては小さいですし新規募集で埋まるかもしれない。しかし現実的に埋まらない可能性の方が圧倒的に高いことは、運営主体を変更した地域でも引き続き職員募集の広告がいっぱい出ていることで理解できましょう。人材確保に自信がありますと選定の過程でアピールしている事業者ばかりでしょうが、現実には児童クラブになかなか働き手がやってきません。ならその2割を確実に引き継げないと事業運営に致命的な事態となります。埼玉県富士見市のように仕様書の内容を変更して職員不足に対応しているというのは、いわばサッカーの試合でゴールポストを動かして試合をしているようなもので、通常のビジネスの世界では受け入れがたいことです。雇用継続を望まなかった2割に優れた支援員がいるかもしれないし、おそらくはいるのです。

 これから、こども性暴力防止法時代に入ります。いずれ児童クラブも、補助金をもらって運営するならば実質的に認定事業者となることが前提として求められるようになることでしょう。こどもを守る制度として導入されたのですから、公金である補助金を得るならこの法制度に従いなさい、というのは理屈としては通ります。しかしこの制度はとてもとても小さな児童クラブ運営事業者が順守できる制度ではありません。あまりにも導入かつ実施コストがかかります。となると運営主体が替わる機会が今まで以上に多くなるでしょう。埼玉県富士見市は運営主体変更による問題が継続しているところですが、そのような地域は今後、一気に増えていくでしょう。運営主体変更によるトラブルを未然に防ぐために必要なことは何か、まずは運営主体を決めることができる側つまり官の側で真剣に考えていただきたい。
 そして同時に、児童クラブを運営する側も「自分たちが選ばれるしかないでしょ!」と胸を張れる運営内容、組織運営の実態を実現しなければなりません。なんでも官が悪い、指定管理者制度が悪いと批判するだけでは何も解決しません。「指定管理者制度は気に食わないがそんな制度でも堂々と自分たちが選ばれるだけの運営内容と組織となって見せつけてやろうぜ」という姿勢で日々の運営に取り組むことが絶対的に必要です。この点、児童クラブの世界の側に欠けていることはありませんか? と、わたくしは常々思っています。


(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
 わたくし萩原が社会保険労務士となり、「あい和社会保険労務士事務所」を開業してから1年が過ぎました。ここまで続いてこれたのはひとえにみなさまのおかげです。どうもありがとうございました。「あい和社会保険労務士事務所」は、放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしてこども性暴力防止法(いわゆる日本版DBS制度を含む)に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
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 こども性暴力防止法に関する諸課題を5人の弁護士が各々の専門分野に関して紹介、説明するYouTubeチャンネル「こどもを守る弁護士チャンネル」。
出生までの戸籍・識別符号収集の注意点と自治体に求める支援
 こちらをぜひご覧ください。「こどもを守る弁護士チャンネル」の特別版「出生までの戸籍・識別符号収集の注意点と自治体に求める支援」の動画URLです。弁護士で、自ら放課後児童クラブの運営に関わってきた鈴木愛子弁護士による詳細な解説です。
 「第6回子ども性暴力防止法緊急LIVE」は2026年8月12日21時半から、「災害時のこども支援とこども性暴力防止法」が登校されました。話し手は 鈴木愛子弁護士、聴き手は野田隼人弁護士です。
 第5回は7月19日(日曜日)15時から、すでに施行されている「児童生徒性暴力防止法」における調査の解説です。話し手:飛田桂弁護士、聴き手:嶋崎量弁護士、鈴木愛子弁護士、野田隼人弁護士、三輪記子弁護士。
 第4回が2026年6月30日に配信されました。放課後児童クラブの運営に関わってきた鈴木愛子弁護士が「こども性暴力防止法がもたらすこどもの被害申告に適切に対応できるか」をテーマに関して丁寧に説明しています。 まずは動画をぜひご覧ください。わたくしの著書「知られざる<学童保育>の世界」も紹介されています。
https://youtube.com/live/9q8xzkgs7wo?si=dr06eChxK1Jgov5T 
 第3回(2026年6月11日)は、鈴木愛子弁護士がメインスピーカーとして「こども性暴力防止法がもたらす「人手不足の加速」とその構造的リスク」とのタイトルで、人材確保に関する懸念を取り上げています。内容は放課後児童クラブ限定ではなくて法制度全般にわたるものですが、とりわけ放課後児童クラブで働く人、運営する人そして管理する行政パーソンには必見必聴の内容です。https://www.youtube.com/watch?v=ZVafKTKe204 を、ぜひクリックしましょう。
 第2回(2026年5月30日)が、こども性暴力防止法の「Q&A」を読み解くとして、【弁護士が読む❗️こども性暴力防止法Q &A】のタイトルで配信されています。メインスピーカーは三輪記子弁護士、聞き手は嶋﨑量弁護士です。
https://www.youtube.com/watch?v=XtTCNTDBLLo
 第1回(2026年5月16日)は「こども性暴力防止法を考える」です。
https://www.youtube.com/watch?v=uUlx8XaKMso&t=4324s
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 わたくし萩原が寄稿した記事が「ウェッジオンライン」で2026年7月29日に公開されました。「子どもの「体験格差」が気になる夏休み…その“差”を埋めるのは難しいのか?子どもにとって貴重な体験に目を向けろ」という記事です。ヤフーニュースにも配信されています。URLは以下の通りです。(子どもの「体験格差」が気になる夏休み…その“差”を埋めるのは難しいのか?子どもにとって貴重な体験に目を向けろ  Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン))
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 こども性暴力防止法がもたらす、構造上の課題問題について、法律家がとても分かりやすく解説する記事が「アエラキッズプラス(AERAKidsPlus)に掲載されました! 解説はもちろん、鈴木愛子弁護士です。こどもを性暴力から守るための重要な法制度だからこそ、実は逆説的にこどもや運営事業者が追い込まれてしまう可能性を分かりやすく説明されています。ぜひぜひ、記事を読んでください! 実に分かりやすいですよ!
 「本当に性犯罪を防げる?」学校や学童保育、放課後子供教室も対象になる「日本版DBS」に、現場から懸念の声…【弁護士が解説】 | AERA with Kids+
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 「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、講演会、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。
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(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)
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