散髪で感じた「3C」の効用。そして地域経済。

(代表萩原のブログ・身辺雑記。なお、本文と猫の写真は関係ありません)学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」萩原和也です。身辺雑記です。「3C」、3C政策なら世界史の授業で習いましたか?大英帝国の外交政策ですね。ドイツ帝国の3B政策に対抗するもの。今回の3Cは、それとは違います。

 先日の日曜日に、自宅近くにある理容店に行きました。朝いちばんで、散髪の予約をしていたのですね。とても素敵な理容店で、しかも技術も超一流。詳細は分かりませんが、何かのコンテストでグランプリになったということで、トロフィーも飾られています。

 今の自宅に越してきてもう20年以上。引っ越してきた直後から、利用している理容店です。だいたい2か月に1度のペースです。もちろん、周辺にはほかの理容店もあり、最寄りのJR東大宮駅には、いわゆる「1000円カット」(最近、値上げして1,300円になるようですが)など低価格定額制のチェーン店も存在しています。

 でも、自宅近くの理容店が、いいのです。

 値段は正直、低価格チェーン店に比べると高いです。3倍はします。価格だけなら、低価格チェーン店が絶対的に有利です。正直、低価格チェーン店だからといって、具合の悪い散髪になるわけでもないでしょう。まして、おじさんの髪型なんぞ、だれも気にしませんしね。

 では、なぜその理容店を利用し続けるか。何回も考えた結果、たどり着いたのが「3C」だったのです。

 Cut=文字通りの、散髪。チョキチョキしてくれる施術。
 Comfortable=心地よさ。心からくつろげる快適な空間
 Communication=交流。あまり会話は多くないですが、それでいて、心温まるやりとり。

 この3つのCが、十分すぎるほど、高いレベルで備わっている。
 だから、レベルの高い理容店は、その値段以上の高い付加価値を味わうことができるのでしょう。

 そう、勝手に結論づけました。

 おそらく全国各地にある理容店さんは、多くの固定客に愛されています。その固定客1人1人が感じている3Cが、きっとあるのでしょうね。もちろん、値段を優先したいという考え方も正しいと思いますし、そういう方が低価格チェーン店を利用するのも、当然のことだと思います。

 ここでさらに考えが飛躍します。近所の理容店を利用するということは、自分が生活している圏内でお金を流通させているということです。

 私が子どもだったころは、小学校や中学校のそばに、文房具店やスポーツ用品店がありました。そこで、学校指定の文房具や体操着を買いました。店に行くと顔見知りがいて、話が弾むこともありました。いまも、そうしたお店が残っているところはあるのでしょうが、1970年代と比べると、激減していることは間違いないでしょう。

 とかく、「指定用品店」というのは、値段が高いから、敬遠されていたからです。

 経済が発展し、量産品が大型商業施設で売られるようになると、そこで購入したほうが安く買えます。消費者として、1円でも安いものを買い求めたくなるのは当然です。まして、「どんどん安く、もっと安く」という、安さこそ正義という観念がかなり発達しているこの国(それは賃金がなかなか上がらないことの裏返しだと、思いますが)においては、「安さこそ善」という風潮になりがち。

 結果として、「門前店」は、衰退し、廃業する流れになっていったのでしょう。

 それは自由主義経済としては避けられないことと思います。

 しかし、ある地域の経済圏として考えると、その地域で回っていくお金の量が減ったことになり、地域の活性は失われていくことになります。それは、わたくし個人としては、寂しいなあと思います。

 近所の理容店さんの続き。会計を済ませると、申し訳なさそうに「4月から300円、値上げになります。」と告げられました。水光熱費など経費の増大があるのでしょう。「大変ですね。分かりました」とお答えして、店を出ました。

 いろいろな要因があって物価が上がります。値段が上がるのはある意味、避けられないこと。ただ、そういう値上げで、地場の、地域の、いろいろな個人商店や個人の事業が衰退する結末を迎える流れができてしまいがち、ということは、なんとかならないのかな、と思います。

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