悲惨な虐待事件を起こさないために

(代表萩原のブログ)静岡県裾野市の保育園で起こった児童虐待事件。保育士3人の逮捕や市による告発など悲惨な刑事事件に発展しています。大前提として、どんな事情があっても児童福祉に従事したり関係したりしている人による児童虐待は絶対に許されないのは言うまでもありません。どんな事情があっても、許されません。もちろん無罪推定の原則がありますから3人に対して何も断定的なことは申せませんが、今後の捜査・司法当局による調べで事件の背景に何があったのか解明されることを望みます。

 一方で報道によると、逮捕された保育士は、新型コロナ対応などで業務が課題となりストレスがたまっていたという旨の供述をしているとされています。一般論として新型コロナ対応で保育園や幼稚園、もちろん学童保育も、職員に過重な負担を強いることになったのは事実です。検温、消毒、感染拡大防止など具体的な業務量の増加だけでなく、心理的にも「うちのところでクラスターを出してはいけない」などたくさんのプレッシャーが現場の職員さんたちに押し寄せました。本当に本当に、現場の職員さんたちは、厳しい状況に置かれ続けています。
 新型コロナ流行以前から、人手不足でアップアップの状態だったのに、です。人手不足による過重労働がさらにひどくなった、と断言できます。
 繰り返しますが、どんな事情であれ児童虐待は許されません。報道されていることが事実であればまったくの言語道断です。ただ保育士だけでなく、保育園の経営者側にも同じことをわたくしは申し上げたい。組織運営において、子どもの権利を守ることを最優先に、保育倫理の徹底や保育士の処遇、労働環境への配慮について、しっかりと運営者が真摯に対応しているならば、報道されているような事態は、なかなか起こるはずはなかろうにと、わたくしは思います。(仮に起こったとしても、もっと早期に、かつ、児童への権利侵害が広がる前に対応できたでしょう)
 一方で、もっと大きな問題点として、児童福祉に関わる分野において、国があまりにも実態を知らなさすぎるゆえなのか、現場がどれほど疲弊しているかをしっかりと把握したうえで、もっと保育や育成支援に関わる職員の人員増加を真剣に考える必要があると、わたくしは思います。具体的には人件費に充てることができる補助金の大幅な増加です。新型コロナによる臨時的な補助金や処遇改善による賃金引き上げも、大変ありがたいのですが、根本的に、もっと児童福祉、こと学童保育への補助金を大幅に拡充していただきたいと切に願います。その中でも、運営に関する部分に充てられる、いわゆる間接経費に相当する部分への大胆な補助金設定を、ぜひとも実施していただきたいと願います。土曜日の登所者数ゼロ人に対する補助金カットがいま、切実な問題として急浮上していますが、補助金の適切な使用は公金ですから当然としても、根本的なところで、学童保育事業への財政的な支援をもっと大胆に真剣に考えていただきたいと願うのです。

 ともあれ、現状は大変厳しいところにあります。現実に対応することが組織運営者の仕事です。ないない尽くしですが現在は知恵と工夫で乗り切っていくしかありません。そのお手伝いを、あい和学童クラブ運営法人はやっていきます。学童保育のお困りごとはぜひ、弊会にまずはご相談ください。おすすめは自治体や連絡協議会主催の運営者合同セミナーです。具体的な支援方策が決定となるまでは料金はかかりませんので、ご安心ください。