待機児童は絶対に出さない。その結果の大規模化は、早急に解消すればいいのです。
学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。
本日4月26日、毎日新聞の「質問なるほドリ」のコーナーで、「小1の壁」が解説されていました。メディアで学童保育に関する課題が取り上げられることは大変喜ばしい事です。記事では、学童保育所に入っても利用できる時間帯が短いため仕事を辞めざるを得ないこと、学童保育所に入所できない待機児童が多いことなどが解説されていました。
つまり小1の壁は、「学童保育所に入れたけれども、自分の就業実態と学童保育所の開所時間帯がそぐわず、これまでの仕事を続けられないという、入所した後の利用に関する問題」と、「そもそも待機児童になってしまい、子どもの居場所が確保できず仕事を辞めざるを得ないという、入所すらできなかった問題」が主な問題点として、取り上げられています。以前は、待機児童、すなわち学童保育所に入れなかった「#学童落ちた」が主たる問題点でしたが、利用に関する問題も小1の壁として取りざたされてくるようになったのは、「待機児童は回避できた、学童に入れない最悪の事態は防げた」という状況が徐々に広まっているのかも、しれません。
利用に関する問題については、それはもう、区市町村と運営事業者が早急に対応して、開所時間を延ばせばいいだけです。開所時間を拡大したときに対する補助金制度は存在するわけですから、それを使って費用の手当を行い、運営組織は職員の確保に努めればいいのです。
待機児童については、解消策は2つ、すなわち「次年度の需要を見越して必要な施設を大至急、整備する」か、「とりあえず今ある施設に入所させる」、ということになります。もちろん正しい施策は前者であって、ニーズを把握して必要な施設を今年度中に整備し、来春の入所シーズンを迎えることです。ニーズを把握するのはそう難しいことではありません。
後者は、やむを得ず緊急避難的に行う施策です。結果として、「ギュウギュウ詰め学童」(大規模化した学童保育所)が生まれることになります。
なお、学童保育の業界では、おおむね40人という適正人数が法令で示されているので、このおおむね40人を超えると大規模化した、と考えます。また従前から、児童数70人という数字が1つの基準となっていて、補助金の体系も児童数が71人以上になると、大幅にカットされる仕組みになっています。
私があえて提言したいのは、最悪の事態、待機児童だけは絶対に生じさせないこと、すなわち入所希望者は極力受け入れる選択をするべきである、とうことです。その結果として生じる大規模化は、緊急避難的に受け入れるのはやむを得ないと考えます。つまり、優先順位として、待機児童だけは避ける選択をする、ということです。
ただし、次の2点は必ず行うべきです。
「大規模化は児童のストレスを深刻化させるため、児童への丁寧なフォローのために従事する職員数を大幅に増やすこと」
「大規模化状態は1年で解消するとし、翌春には新施設を整備して適正な人数で児童受け入れができるようにする」
この2点があれば、なんとか、1年間は、乗り切れます。どんなことでもそうですが、「すでに示されている時期に、問題が必ず解消される」ということが分かっていれば、なんとか頑張れるものです。
前日のブログでも指摘しましたが、子どもの安全安心な居場所づくりは多角的、総合的に推進されることが理想です。公費がつぎ込まれる学童保育所=放課後児童クラブの整備は理想ですが、社会的なコストを考えると学童保育所だけの整備は費用対効果に劣りますから、(子どもの居心地が良い)放課後子供教室やプレイパーク、ファミリーサポートセンター、また学習支援を行う民間学童保育所への利用料一定補助も、早急に検討、実現するべきでしょう。
そうして子どもの居場所づくりを多角的、総合的に進めることで、必要な予算が巨額に膨れることなく、保護者が安心して就労できる環境が整うことになり、それは国全体の経済活動にとって大いにプラスになることです。
まずは、待機児童は出さない、でも必ずすぐに新たな子どもの居場所を整備して、それまでは丁寧に子どものフォローをすること。ぜひとも、基礎自治体だけでなく都道府県も、子ども家庭庁も、大急ぎで取り組んでいただきたいと考えます。
「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育組織運営に豊富な経験を持つ代表が、学童保育所の制度の在り方のみならず、子育て支援の施策に関して提言していきます。それらの運営に際しては、子どもたちと職員のことを考えた具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。
子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。
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