学童保育は重要な事業であるからこそ、第三者の視点重視が必要。子どものために、は免罪符ではないのです。

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。「小1の壁」問題の解消に必要であり、かつ次元の異なる子育て支援の中核の1つとなる学童保育所の充実をサポートする重要性を訴え続けています。

 この4月から、子ども家庭庁が発足し、学童保育(放課後児童健全育成事業)の世界も新たなステージに入ることでしょう。また、小1の壁解消に向けて政府のテコ入れも予想されます。学童保育は、子育て支援と少子化対策の、重要な存在であるからです。

 育成支援を行う学童保育は、過去も現在も、そして未来も、子どもの育成支援を行うことで子どもの成長を支える役割を担います。そうして、保護者の就労を支えることが、学童保育の存在目的です。「就労等で家庭にいない保護者に代わって、子どもに生活の場を提供し、そこで遊びを通じて子どもの創造性や社会性、生活習慣を身に着けていく」存在が学童保育です。

 学童保育に対する社会の要請は、「保護者に代わって子どもの育ちを支えること」なのです。

 一方で学童保育の業界では、「子どもを真ん中に保護者と放課後児童支援員が一緒に子育てに取り組む」という共通概念があります。子どもの最善の利益を守る場が、学童保育ということです。

 それは、その通りだと私も同意します。

 ただ気を付けなければならないのは、「子どもの権利侵害は許されないが、子どもの権利を絶対に守るためとして他者の権利を侵害することは許されないこと、社会からの要請をはねつけることも許されない」という視点も、同時に持つことです。

 残念ながら、伝統的な育成支援の学童保育の世界には、この視点が若干、欠けていると私は感じています。

 それは、「目の前にいる子どもたち、現在において学童保育に入っている子どもたちの最善の利益を守ることが、学童保育で働く者の使命」と思い込み、それ以外の子ども、すなわち学童保育に入っていない子どもたちへの視点が欠落していることが、象徴的だと私は思っています。
 学童保育に入っている子どもたちは守るが、それ以外の子どもたちは誰かが面倒みなさいね、という雰囲気を、感じ取ることができます。
 また、学童保育に入っている子どもたちに対しても、「あの子は乱暴で、いつも大人の話を聞かない。ああいう子は学童に入っていては困るから、退所してほしい」と思い、実際にそのように仕向けること、そんなひどいことも、現実には水面下で行われています。

 結局のところは、「目の前にいる、職員の話をきいてくれる子どもたちの最善の利益を守る」という意識に、矮小化されている傾向が、残念ながら否定できない部分があると、私は感じています。

 重要ですが、学童保育というシステムは、当初こそ民間の中で生まれた独自の事業でしたが、現在は補助金の交付を受けている児童福祉事業として、社会が一定の責任を負って設置しているシステムです。社会が必要としていることだから補助金も交付されている。つまり、社会が求めることを実施していくことは、当然です。

 ここで注意しなければならないのは、「子どもの最善の利益を守る」という言葉を錦の御旗にして、社会という、学童保育の業界の外からの視点や考え、働きかけについて、「いや、それは子どもの最善の利益と対立するから」として単にはねつけるという行為に、陥っていないだろうかということを、冷静に考えて判断する能力が、学童保育の運営者にとって必要だ、ということです。

 子どもの最善の利益を侵害するようなことはもちろん許されませんが、育成支援を行う立場の人以外の人、それを第三者とすれば、その第三者からの相談や依頼、要請を、自分たちの尺度ー子どもの最善の利益を守ることだけが必要ーという判断基準で対応してはいけない、ということです。

 それは「子どもを盾にして、独善的な立場を守る」ということは、してはならない、ということです。

 公共性、共益性を無視してはならない、ということです。

 学童保育の運営者(もちろん、現場で育成支援に従事する個々の職員も)には、常に、第三者の視点、社会からの視点を十分に考慮したうえでの、事業展開が必要なのです。

 組織運営に必要な、公共性と公益性。「あい和学童クラブ運営法人」と一緒に取り組むことで、その実現が可能です。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、子どもたちの未来を支える取り組みを応援しています。その中でも特に効果的な学童保育の質的向上を願い、子どもたちの最善の利益を守るために、学童保育の組織運営について必要な施策を提案、提言していきます。子どもの未来を支える学童保育について、学童保育所の専門性向上について、必要な施策を助言し、提案をしています。それが「運営支援」という業務の1つの形であると考えているからです。

 学童保育の運営者の方、行政担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る学童保育所の発展のために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく学童保育です。学童保育の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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