学童保育の仕事で問題になる「やりがい搾取」。やりがいは、搾取するのではなく、育てていかねばなりません。

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性、学童保育のあらゆる問題解決を訴えています。

 学童保育の職場で大事なこととして、前回のブログでは、「動機付け要因」の重点的強化が必要であると記しました。確かに低賃金長時間労働という過酷な現実は早急に解消されねばならないのですが、実のところ、そういった労働条件に関する「衛生要因」は、満たされたら満たされたで、更なる不満、もっと高い次元の要求に移り変わっていくものであって、結局のところ、職員の早期離職はなかなか減らないというジレンマがあるのです。職員の離職を防ぐ=仕事に対して満足し、モチベーションのアップを実現するには「動機付け要因」の強化こそ、必要なのです。

 動機付け要因というのは、「仕事の質の満足度をもたらすもの」と、言い換えることができます。学童保育=育成支援の現場における質の満足度とは、子どもと保護者に対して、放課後児童クラブ運営指針に基づく質の高い育成支援、子どもの成長の援助や子育て中の保護者に対する援助が、存分にできる状態が実現できていることにほかなりません。そして、その環境の中で、職員は、与えられた職責を果たしたことによる正当な評価を受けることができ、職責を果たしたことによる充実感を得られることができます。さらなる高みを目指して、育成支援の仕事をより進化させて行えることができるようになる、そんな環境にて、仕事に向き合えることができるのが、動機づけ要因が満たされた状態といえるでしょう。

 そのような状態を実現するためには、「組織全体として育成支援の業務を正当に理解し、かつ、推進していくこと」と、「質の高い育成支援業務ができるように、職員の教育や研修が充実していること」が必要です。さらには、日々の業務の中で当然、発生していく種々の問題、トラブルにたいして、当事者の職員個人だけにその対応を任せるのではなく、上司や組織全体で問題解決に取り組み、職員の過失だけに押し付けないこと、つまりは組織全体で職員を守っていくこと、そういう組織の在り方であることが、求められるのです。

 これを実現するためには、「運営組織の責任者=経営陣」が、育成支援の重要性を理解していること、職員の教育研修の重要性を理解していること、そして「職員は組織の重要な財産である」という認識をしっかりと持つこと、このいずれもが必要となってきます。
 もちろん、責任者だけでなく、個々の職員においても、育成支援がこの社会においてどれだけ重要な役割を持っているか、つまり学童保育の世界で働くことが社会においてどれだけの重要性を持ち、その業務内容に深い専門性を持っているかについて、理解し、その理解を常に深めていく努力を続けることが、当然ながら求められていきます。

 まとめましょう。まず前提として、過酷な労働条件についてはできうる限り早急に是正していくこと。ただ、それだけで不十分であること。何より重要なのは、学童保育における育成支援という業務が、子どもの成長を支え、子育て中の保護者を支えるという社会的に重要な職務であり、専門性が高い業務であることを、責任者のみならず個々の職員が認識しながら業務に取り組むこと、なのです。

 当然、運営組織が行う職員への教育研修は、質の高いものでなくてはなりませんね。その運営組織が独自て持っている理念や理想にそった教育研修を、絶えず実施ていくことが求められます。
 質の高い運営支援を行うことは、個々の職員の技量や、やりがいにその原動力を求めるのでは、決してありません。質の高い教育研修を行い、職員の職務上のスキルを常に向上させていく環境を用意していくことで、職員はモチベーションを常にアップさせることができます。その状態こそ、「やりがいが常に増大していく」ことです。

 学童保育で働く人の「やりがい」は、搾取するのではありません。運営組織が、常に、やりがいを満たしていくこと、増やしていくことが重要なのです。それこそが、たとえ厳しい雇用労働条件がなかなか改善しない中でも、職員が子どもと保護者のために支援を行うという重要な仕事に持続して取り組めることになるのです。

 学童保育の運営者こそ、職員のモチベーションアップを実現するために重要な働きをしなければなりませんよ。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育という職場で行われる業務の質の向上、職員の生産性向上についての提案を発信しています。学童保育の運営に関して、豊富な実例をもとに、その運営組織や地域に見合った運営の方策についてその設定のお手伝いすることが可能です。

 育成支援の質の向上に直結する研修、教育の機会を提供するとともに、個々の学童保育所運営者様へ、安全安心な子どもの居場所づくりとその運営手法において、学童保育組織運営について豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に講演や具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。

 子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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