中小事業主の割増賃金率が変わりますーコンプライアンス違反を犯さぬために、運営支援の活用を!

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。自治体の子育て支援充実に大切な「学童保育所のパワーアップ」に、いまこそ「学童保育所の運営支援」を取り入れてみませんか?

 令和5年(2023年)4月から、中小事業主には適用が猶予されてきた時間外労働の割増賃金に関する特例が、いよいよ始まります。学童保育所はサービス業に入りますから、常時使用する労働者が100人以下の場合に当てはまり、1か月の時間外労働が60時間を超えた分については、50%以上の割増賃金率となります。仮に、深夜(午後10時から午前5時)帯ですと、75%以上の割増賃金率となります。

 「いやいや、いくら残業が多い学童保育所とはいえ、さすがに月60時間を超えることはない」と考えている運営組織があるとしたら、もう一度、雇用している職員の、実際の労働実態を確認してください。

 学童保育所の正規職員ともなれば、本当に業務量が多いです。まして、職員もある程度、運営組織の組織運営事務に係わる形態の場合はとりわけです。業務繁忙期である夏休みや春休み期間中に、月60時間を超える残業時間が発生する可能性は大いにあります。育成支援の記録を作成するにも、時間がかかります。
 ことに、学童保育所で日常的に起こる急なトラブル対応で保護者と面談を重ねた、ということがあれば、月60時間を超える残業が発生する可能性は大いにあるのです。

 これらは現実では、就業時間に記録されていない、サービス残業や持ち帰り仕事となっている実態は、多かれ少なかれ生じているのが、学童保育業界にまだまだ見受けられるのです。

 割増賃金率が変化することは、「就業規則」に明記しておく必要があります。60時間超は50%となること、代替給与の付与が可能となることなど、必要事項をしっかりと規程類に明記をしておくことが大事です。
 それは、コンプライアンスの初歩中の初歩です。

 そもそも残業ですが、学童保育業界は、残業代の支払いが法律を遵守していると完全には言い難い面があります。気を付けてほしいのは、変形労働時間制を導入している運営組織です。特に、年間単位の変形労働時間制の場合、運営側は「変形労働だから残業は、発生しないよ」という程度の説明しか、職員にしていないという(信じられませんが)実態もあるようです。1年単位の変形労働時間制は、夏と春に繁忙期を迎える学童保育所の業務状況を踏まえて導入している運営組織がありますが、1か月単位と違い、「1日の上限10時間、1週間の上限52時間」という労働時間の限度があります。これを超えた労働の場合は、時間外労働となります。この点が遵守されているかどうか、今一度、労務管理を確認する必要があります。

 昨年10月、大手ファストフードチェーン店の1か月単位の変形労働時間制をめぐり、店舗単位の変形労働時間制について無効とする判決が出ました(その後、原告側が控訴しています。)。これも、学童保育の運営組織にとって重要な判断です。まだ確定判決とはなっていないものの、裁判所の判断の方向性としてとらえ、変形労働時間制が無効にならないような就業規則の整備が必要です。

 就業規則の整備は、コンプライアンスの一丁目一番地。運営支援は、組織内の各種規程の整備や確認をフォローする、新しい事業サービスです。コンプライアンス違反がない学童保育所の運営こそ、地域の子育て支援を支える、重要な要素です。株式会社や自治体が管理運営する学童保育所でも、担当者や、クラブで業務運営を取り締まる管理職クラスの職員は、各種の法令に違反していないかどうか常に確認を欠かさないことが重要です。

 子ども真ん中社会の実現のためには、学童保育所の安定運営が欠かせません。コンプライアンスの確認、改めて取り組みませんか?「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。まちづくりの充実、学童保育の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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