「日本の学童ほいく」2023年1月号で、食物アレルギー対応をしっかり理解できますよ!
(代表萩原のブログ・身辺雑記。なお、本文と猫の写真は関係ありません)学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」萩原和也です。身辺雑記です。「日本の学童ほいく」2023年1月号が届きました。今回もたくさんの学びがありました。わたくしなりの感想を紹介させてください。
特集は「食物アレルギーを学ぶ」。おやつ(補食)提供は育成支援にとって重要ですが、同時に、食物アレルギーへの対応で戸惑ったり悩んだりする支援員さん、運営者さんたちがいるもの事実です。ですが、子どもの命、子どもの健康という、絶対に守らなければならない最善の利益のためですから、食物アレルギー対応は厳格に取らなければなりません。それはもちろん学童保育に関わる人すべてが理解していることです。
最初の寄稿は小児科医から、食物アレルギーの基本的な知識と対応について、分かりやすく紹介されています。「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」「口腔アレルギー症候群」など、特殊なタイプの食物アレルギーの説明がありました。単に食物アレルギー症状では連想できないタイプの症状もあるのですね。おやつ提供時の注意(食器の使用方法や、ほかの子どものおやつと混ざらないようにすること)、エピペンの説明と使用方法も、何回でも学んで頭に叩き込んでおくことが必要だと理解しました。家庭との連携は書面でやりとりする、というのも大事なことと先生は説明しています。
次は保護者の立場からのお話です。学童保育でエピペンを使用したという緊迫感のあるエピソードがあります。普段から食べているようなアイスに実はアレルゲンが入っていたとのこと。これは深刻な問題ですよね。保護者さんと支援員さんで改めて注意事項を確認しあったということは、とても大事なことだと思いました。
受け入れる支援員さん側からの寄稿では、群馬県高崎市にある学童クラブの支援員さんから、アレルギー対応を実に丁寧に行っていることの紹介がありました。お子さんの受け入れから、日々のおやつ提供における注意点、保護者との情報共有まで、実際の育成支援の現場ですぐにでも取り入れられる工夫が随所に紹介されています。特に「確認作業は必ず複数の指導員で行い、おやつ提供表には担当した指導員の名前を記入します」というくだり、一見すると当たり前のことのように思えますが実際に実行するのは、めまぐるしい育成支援の現場ではなかなか難しいこと。支援員さんたちの、食物アレルギーに対する共通理解が完全にできていることの、まさに証明だと思いました。
さらに、運営側の立場からの寄稿としてNPO法人町田市学童保育クラブの会から、きめ細やかな食物アレルギー対応をしていることの紹介があります。食物アレルギー調査票などを使って保護者から聞き取りをしていること、「食物アレルギー個別対応取組プラン」を作成して保護者に説明して内容を確認していただき、学童保育と保護者の双方で保管して活用していることは、とても素晴らしい施策だと思いました。
そして、養護教諭の方からの寄稿では、学校側の食物アレルギー対応について説明がされています。現実的に、小学校側と学童保育側で、食物アレルギーについて濃密な情報交換があまりうまくいかないケースが多いと思われます。学童保育側として、小学校ではこういうふうに対応しているのだな、と知ることはとても価値があることだと思いました。
今回の学童ほいく誌、子ども&支援員&運営&学校、それぞれの立場からの寄稿で、学童保育における食物アレルギー対応が、とても丁寧に紹介されていました。それぞれ違う立場からの寄稿で編集部さんの、食物アレルギーへの理解を深めてほしいという願いがこもった工夫が見えました。本当に、子どもの最善の利益を守るうえで、とても学びの多い特集です。
わたくしの過去の経験では、保護者さんとの意思疎通が一番難しいと感じてきました。明確にアレルゲンが分かっている場合はいいのですが、「たぶん、大丈夫だと思います」というご家庭のお子さんを受け入れることが本当に心配でした。あえて言いますが、そういう「たぶん、大丈夫だから」というご家庭の保護者さんには、受け入れる側として「アレルゲンの検査をお願いします」とお話をしても「ええ?そこまでやらないといけないんですか?」と気分を害されるケースが多かったような記憶があります。お子さんの命を守るのが学童保育ですが、そのためにはまず保護者さんが自分のお子さんの命を心配してよ!と内心、思ったことも幾度かありました。
支援員さんや運営者だけでなく、ぜひ保護者の方にも、この特集をお読みいただいて、子どもの命を守ることについて共通の理解をいただければ、うれしいですね。
さて、細かすぎるのですが、わたくしがとても感嘆した文章がありました。「わたしは指導員」の寄稿の冒頭部分。「電車はないけれど、ご飯がおいしい地域にあります」というくだり。もう、最高の「つかみ」です。きっと、おいしいごはんをみなさん食べて生活しているんだなあとこちらも笑顔になりますし、その先の文章を読むのが一気に楽しみになりました。いま、長い文章はなかなか読まれず敬遠されると言われるなか、こうした「つかみ」のテクニック(寄稿された方は何もテクニックを意識していたとは思いませんが)も大事ですよね。寄稿では「つくること」が子どもの成長にとても寄与していることが紹介されています。これもわたくしにとっての「学び」となりました。
来月号も、楽しみです。
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