「不適切な育成支援」の防止は運営組織全体で取り組むことであり、現場に指示するだけの運営責任者は最悪。失格です。

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。

 保育所における「不適切保育」の事例が相次いでいることから、現場で直接、子どもたちと接する立場の方から不安と懸念が増大しています。SNSには、保育士からの投稿が相次いでいます。その多くが、「何が、不適切な保育になるのかが分からない」「大丈夫と思っていたことが、不適切だと判定されることがありそうで不安」という内容です。つまり、不適切な行為を指し示す基準が明確でない、ということです。

 その点について、5月21日の読売新聞社説でも、不適切な保育に関して取り上げる中で、基準が明確ではないことを指摘していました。私も、その通りだと思います。国や行政は、子どもに対する行為で、何が不適切に該当するのか、具体例とともに基準を早急に示すことが必要だと考えます。

 一方で、私は、「何が不適切なのかが分からないようでは、対人支援に関する専門職としてはいかがなものか」とも思います。保育所だけでなく、学童保育所についても全く同様。むしろ、国家資格たる保育士よりも、その資格取得が極めて容易である学童保育所の有資格者である放課後児童支援員の資質が玉石混交なゆえに、学童保育所の現場では、現場職員自身が、不適切な育成支援に該当するかどうかの判断が難しいのではと、危惧をしています。

 ここで私なりに、不適切な育成支援について、分類を試みます。

1 故意に行うもの(不法行為。場合によっては犯罪行為)
2 「これは不適切な行為」と認識しながら、行うもの(いわゆる未必の故意)
3 「この行為は大丈夫。不適切ではない」としながら結果的に不適切な行為に該当するもの(認識ある過失)
4 日常と変わらぬ業務を行っているうち、不注意によって、結果的に不適切な行為を起こしてしまうもの(過失)
  (通常なら当然行う注意や配慮を軽率にも全く欠いて不適切な行為を起こしたものは、重過失)
5 以前は適正行為だったが、その後の諸事情の変化で現在は不適切に該当するもの

 上記1~5のうち、1と2は、意図的に不適切な行為に至るもので、刑事上、民事上の責任を問われるものです。これについては当然、起こしてはならないことは資格があろうとなかろうと理解ができなければなりません。

 3と4については、民事上の責任は免れませんし、場合によっては刑事上、過失犯として責任を追及される可能性もあるでしょう。過失だからといって、軽視してはなりません。仮に、子どもに何らかの被害が出た場合、それが故意であろうが過失であろうが、「子どもに起きた現象」としてはほぼ同一です。法的な責任はもちろん、いわゆる道義的な責任(人として、申し訳ないなと思う気持ち)も当然、座視はできません。
 一方で、業務を行うにあたって、通常の社会人であれば当然、持っているであろう注意力のもとに業務を行っているならば、過失といえども、そうそう起こるものではありません。例えば、天気予報で気温が非常に高いという予報がでた日に、炎天下の屋外で長時間、遊ばせることはしない、室温を快適に保つ、水分や塩分の補給を適宜行うようにする、常に子供の体調管理に配慮する等、といった熱中症対策において通常行うべきことを、通常の業務上、実施していれば、熱中症の発生は防止できます。つまり、過失による不適切な行為を防止することができます。

 5については、職務を行うに関して、常に、現時点において守らなければならないこと、行うことが許されないことについて研修や自己研鑽で学ぶことが必要です。

 これら1~5について、そのすべての対策と心がけを、学童保育所の運営組織であれば当然、現場で子どもに接する職員に注意を払うように指示することでしょう。それは当然です。
 しかし最も大切なことは、この1~5の類型すべてにおける不適切保育の発生を防止するのは、運営組織そのものの組織体質次第であり、言い換えれば、運営組織を率いる責任者(代表者だけでなく理事、理事会、取締役会など)が、もっともその責任がある、ということです。

 不適切な育成支援が起こらないように、運営組織は、常に法令順守や児童虐待防止、子どもに被害をもたらす可能性のある行動の防止など、子どもの命と尊厳を守るための研修を行って、職員だけでなく運営者として、絶対に不適切な育成支援を起こさないということを、自ら行動で示すことが必要です。
 具体的には、不適切な育成支援に該当するかどうかの判断基準を、専門家や現場職員の意見を聞きながら作成することが重要です。

 なお、不適切な育成支援を起こさないために必要なことは、組織運営を適正に行うことも含めます。代表者に確認もせずに勝手に物事を決めて虚偽の報告を外部に行うということは組織統治の無視でありコンプライアンス違反です。そういう恣意的な運営も含めて、権利侵害は許さないという施設を、まずは運営者1人1人がしっかりと認識することが必要で、それができない運営組織には、いつか必ず、重大な不祥事を引き起こすと言って間違いはないでしょう。

 現場だけに「あれやれ、これやれ」と命じて、運営者はノホホンと気楽にいて、「なんで現場は指示を守らないんだ」と腹を立てているような運営組織は、本当に、子どもの命と尊厳を守れる運営組織ではありません。自らに課せられた社会責任から顔を背け、偉そうに指示だけ出している運営組織は、いつか必ず大きな不祥事を起こしますし、現場で働いている方々は、もし自分の運営組織がそうであるなら、速やかに他の、まっとうな運営組織に身を転じるほうが、ご自身の人生や生活のためです。

 子ども(だけでなく職員も)の命と尊厳を守るには、運営組織がまず率先して行動すること。このことを、学童保育の運営に関わる者すべてが、肝に銘じるべきだと、私は考えます。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育所で絶対に起こしてはならない不適切な育成支援の防止について、具体的な施策の策定について、運営事業者に助言が可能です。それが、事業の継続を脅かす事態を未然に防ぐリスクマネジメントそのものなのです。不祥事が起きた際に速やかに解消するためのクライシスコントロールについても、学童保育組織運営について豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。

 子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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