子どもの安全確認、人数確認は「複数名で」「目視で」「声を出し指をさして」+「書式に記入」を徹底する。

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。学童保育事業の質的向上のためにぜひ、講演、セミナー等をご検討ください。

 子どもを乗せる保育所等の送迎バスでは、閉じ込めによる子どもの死亡事故が繰り返される中、機械による警報が義務付けられるなど、閉じ込め事故防止について報道が繰り返されています。それでもなお、昨日7月19日の報道で、7月7日に群馬県内の認定こども園の通園バスで、子どもが10分間、置き去りになっていたという事案が報道されました。午後8時52分に配信された群馬テレビの記事を一部、引用します。

 「女の子は、今月7日午前11時ごろ、歯科検診のため通園バスで病院を訪れたところ病院の駐車場でおよそ10分間バスに取り残されたということです。バスには、女の子を含め10人の園児が乗っていて、バスを降りるときに付き添いの保育士が園児の人数確認を行いましたが、当初の予定より乗車する園児が1人増えたことが共有されていなかったということです。病院内で名簿を使って園児らを確認したところ、1人足りないことに気づき、バスに戻って女の子を見つけたということです。」

 この記事からは、子どもの人数確認に不備があったことが伺えます。子どもがバスを降りたときに、目視で、子どもの人数と人定をしっかり行っていなかったのではないでしょうか。歯科検診に参加予定の子どものリストがあって、そのリストと、実際にその場でバスを降車した子どもの顔を突き合わせれば人数確認ができたのでしょうが、その過程で不備があったと思われます。さらに、当初の予定から1人増えたことが共有されていなかったということから、情報共有の過程に不備があったことも、想像できます。

 しかし、日本の各地で閉じ込めによる子どもの犠牲者が出るという悲劇が繰り返され、国もその防止のために機械による取り残し防止の装置を取り付けることを義務付けるほど、閉じ込め事故の防止に躍起となっている中であっても、今回の群馬の事案のように、相変わらず、閉じ込め事案が発生しています。それはなぜかと考えれば、やはり「当事者意識」が希薄なのだろうと、私は思います。「ひどいことを起こしたね。でもウチは大丈夫だね。あんなひどいことは起こるはずがない。しっかりやっているから」という意識が、多くの子どもに関する施設の運営者に、あるのではなかろうかと私は感じます。そうでなければ、相変わらず、あちこちで同種の事案が発生することについての解釈が難しいです。

 つまり、当事者意識が極めて薄いという現実の前には、運営者の危機管理意識の高まりに期待して同種事案の発生が抑止されるということは、考えにくいということです。こういう現実の中では、法令で、例えば閉じ込め事案においてはその発生を防止するための作業行動を強制する、その結果を記録する、ということを強制することも考えないといけないと、私は思います。そして行政もしくは第三者機関が、その記録を常に監視するということです。

 上記の法令による義務付けは極端ですが、それぐらい極端な対応をしないと、また悲劇が繰り返されるだけです。

 そして今すぐ実施するべきことは、安全確認行動の基本を、子どもに関する施設で働く者の必須事項とすることです。すなわち、複数の人間で、目視で、声を出し指をさして、その状況を確認し、記録することです。学童保育の世界でも、広域化が進んでいるので送迎車を使用しているところもあるでしょうし、送迎時だけではなく例えば、施設外での行動、遠足やキャンプでも、あるいは近くの公園や学校の校庭へ遊びに行った際でも、人数の確認を間違いなく行わねばならない局面は数多くあります。その際に、数え間違いがないこと、人の把握ができていないという事態を防ぐことに、全力を尽くしていただきたいと私は思います。

 閉じ込め事故にしろ、数え間違い、確認不足にしろ、「その子が、職員や施設側から、存在を確認されていない」ということなのです。人が、存在に気付いてもらえなかったというのは、とても悲しいことです。そんな悲劇が繰り返されることが無い児童福祉の世界に、一日も早く到達してほしいと私は願います。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の業務運営において、子どもの安全を守るために必要な具体的な提言をしています。また、育成支援の質の向上に直結する研修、教育の機会を提供できます。学童保育業界が抱える種々の問題や課題について、具体的な提案を行っています。学童保育所の運営について生じる大小さまざまな問題について、取り組み方に関する種々の具体的対応法の助言が可能です。個々の学童保育所運営者様へ、安全安心な子どもの居場所づくりとその運営手法において、学童保育組織運営について豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に講演や具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。

 子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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