<運営支援ブログ・ミニ29>気温40度以上は「酷暑日」。酷暑日時代の放課後児童クラブ(学童保育所)に国は取組を!
放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブ(学童保育所)運営支援アドバイザーであり、放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。
ミニブログです。気象が大好きなわたくし萩原です。気温40度以上の日の名称が酷暑日と決まりました。国連のグテーレス事務総長は「地球沸騰化時代」と言いました(2023年7月27日の記者会見)が、確実に「暑く」なっています。酷暑日が当たり前となる酷暑日時代の放課後児童クラブに、国は本気で取り組む必要があります。これ、今のままで何も為さないなら、児童クラブで間違いなく、誰かが死にますよ。
※当面、ブログ投稿をSNSで告知いたしません。外部URLをX(旧ツイッター)に投稿することを繰り返すとアカウントが凍結されるおそれがあるようです。凍結されたら一大事です。
※ブログ投稿ですが、最近は他の業務との兼ね合いで投稿ができない日が増えています。ご容赦くださいませ。
(※基本的に運営支援ブログと社労士ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブは、いわゆる学童保育所と、おおむね同じです。)
<気温40度なら児童クラブはさらにプラスして暑い!>
最近はなかなかニュース、報道に直接、触れることが無い人が多いので酷暑日を伝えるニュースを一部引用して紹介します。ヤフーニュースに2026年4月17日10時29分に配信された、朝日新聞の「40度以上の日は「酷暑日」に 「超猛暑日」「炎暑日」など退け採用」の記事です。
「気象庁は17日、最高気温40度以上の日を「酷暑日」と呼ぶことにすると発表した。40度を超える日が近年続いていることから、注意を促す呼称を検討していた。」(ここまで)
最高気温40度以上の日はもう珍しくなくなりました。ちなみに気象観測における気温は通常、観測に適した環境、つまり極端に暑くなる、又は寒くなる状況にならないような周辺環境を整えて測定した地点で測定したものです(一部、駐車場のわきにポツンと置かれたアメダスー無人気象観測ステーションのようなものーがあったようですが)ので、特に夏場は、照り返しでギラギラ暑い児童クラブでは、実際にもっと高い気温になっていても不思議ではありません。よって、気温が38度とか40度近くになっている日は、児童クラブではその気温を越えていることが普通にあるでしょう。
ましてプレハブが多い造りの児童クラブはエアコンがあまり効かないのです。プレハブの児童クラブは、エアコンをフル稼働させて室温が外気温より数度低いといっても外気温が40度なら室温35度前後。室内にいても熱中症の危険があります。
酷暑日時代の放課後児童クラブは、こどもと職員にとって、命の瀬戸際にあるといえます。
なお、気象庁の暖候期予報(2026年2月24日発表)では、今年の全国の夏の天候の見通し(6月~8月)では、予報のポイントとして、「暖かい空気に覆われやすいため、夏の気温は全国的に高いでしょう。」「夏の降水量と梅雨時期の降水量は、全国的にほぼ平年並の見込みです。」となっています。今年の夏もおそらく暑くなりそうです。酷暑日ということばがこの夏、天気予報に頻繁に登場しそうです。
<児童クラブは熱中症が起きやすい!>
熱中症は単に暑さで体調が悪化するだけの症状でない、全ての臓器に深刻なダメージを与える重篤な症状であることはだいぶ知られてきたはずですが、どうして児童クラブに特化した熱中症対策は講じられないのでしょうか。
児童クラブは熱中症が起こりやすい環境、状況なのです。
1 室内空間に多数の人間が存在する環境で室温が上昇しやすく下がりにくい。こども1人1人が発熱体です。しかも、ちょこちょこ動き回る熱源です。そのこどもが数十人、多いときは40~50人、またはそれ以上、室内で過ごします。熱中症警戒アラートの場合は外遊びを避けるので室内にて過ごすことになります。それがまた室温を上昇させます。
2 多数の熱源がいるクラブ室内は、よほど強力なエアコンがないと室温がなかなか適切にコントロールできない。近年、行政が整備してくれるクラブではエアコンも天井埋め込み式で強力です。そういうエアコンがあればいいのですが、保護者運営系クラブなどは家庭用エアコンを数台取り付けている場合も当たり前に多いです。こういうのはなかなか効かないんです。
3 天井埋め込み式でも吊り下げ式でも強力なエアコンがあってもメンテナンスが不十分では効果が発揮されない。その整備費用に児童クラブはなかなか手が出ない。いわゆる天カセ、天吊りのエアコンは確かに強力ですが毎年のメンテナンスが欠かせません。1台数万円かかりますが、その費用が用意されないことが多いのが貧乏な児童クラブの世界です。結果、立派なエアコンがついても能力が不十分で、あまり効かないんです。
熱中症だけではありません。夏場の児童クラブはこどもにとって(職員にとってもですが)、なかなかつらい環境です。
4 室内で過ごさざるを得ない夏場の児童クラブ。しかも室内の環境はなかなか快適にならない。そもそもこどもたちがわんさか過ごすので、1人1人がのんびり過ごすスペースがなく、イライラも募ります。室温の高さや湿度の高さもあいまって、夏場の児童クラブはこども同士や、こどもと職員とのトラブルも起こりやすくなります。外遊びができないと、どうしてもこどもは発散できないのです。
<国は本気で取り組みを! 自治体を後押しする施策を!>
1 全国の児童クラブを対象に緊急の「酷暑対策補助金」を設けてください。エアコンの整備、断熱機能を持った施設への改修に使える補助金や、夏場の電気代の補助です。こどもも職員も快適になる、保護者は安心して日中の活動に打ち込める、エアコンの販売業者や工務店は受注が入って儲かる、気兼ねなくエアコンをガンガン使えて電気会社も使用料が入る。いいことづくめじゃないですか。
2 児童クラブの活動の場として、小学校などの学校や公民館など公共施設における昼間の優先的使用について基礎自治体が積極的に取り組むよう国は施策を強力に打ち出してください。都道府県もフォローしてください。これは予算を用意しなくても取り組みやすいことですから直ちに国と基礎自治体には取り組んでほしいものです。夏場、冷房が効いている場所で児童クラブのこどもたちが過ごせるような配慮を市町村に義務付けてほしいのです。こどもにとって遊びで体を動かす時間は必須ともいえます。夏休みの間、連日、室内で過ごすことはこどもにとって退屈という苦痛をもたらします。いくら児童クラブ職員は「遊びのプロ」といっても夏休み中、ずっと室内で過ごさせるのは無理です。夏場の児童クラブでこどもが快適に過ごせるようにするため、自治体には率先して体育館、図書館などを児童クラブに使わせるよう指導力を発揮してほしいということです。
3 冷房が効いている場所に移動して活動する際の費用の補助。例えばバスを使ってエアコンが効いている大型の博物館や映画館に行くときの費用の一部補助です。
4 運営事業者を対象にした熱中症対策の研修、講義を実施すること。労働安全衛生法などについても解説を。現場の職員にいくら説明しても現場職員がエアコンを取り付けられる権限などありません。設置主体、運営主体の幹部を対象とした研修が必要です。「児童クラブはいかにこどもが熱中症になりやすいか」を説明することです。
全国の児童クラブ、全国の自治体が対象ですよ。ということはエアコン機器が付いている児童クラブが少ない北日本や北海道は対策が急務ということです。いいですか、今のような暑さ対策、室温のコントロールが十分にできない状況では、本当に酷暑日時代の児童クラブは、こどもや職員が、熱中症で死ぬ可能性がますます高まりますよ。万が一の事態になってからでは遅いのです。
国も自治体も本気でこどもを大事に思うなら、率先して児童クラブの酷暑日対策に取り組んでいただきたい。とはいえ国を動かすのは大変です。よって保護者がどんどん声を上げましょう。児童クラブ側も訴えていきましょう。政治家のみなさんはこれからの季節でよく晴れた日に児童クラブを見学してください。まだ春先なのにどれだけ気温、室温が高くなるのか体感できるでしょう。命にかかわる事態であると想像がつくでしょう。酷暑日時代に児童クラブで考えられる高リスクをぜひ議会で取り上げてください。
おわり
<余談>
ここからは気象好きな萩原の独り言です。酷暑日が選ばれたというニュースで、それは当然だと感じた一方、複雑な気持ちも残りました。
まずは当然だ、というところから。気象庁が実施したアンケートで約48万の回答のうち約20万3000が酷暑日を支持した、という圧倒的な理解度があります。あれほどの暑くて過酷な状況、まさに「酷」ですね。日本気象協会という気象界では大きな団体が酷暑日という名称を2022年から使っていたことも業界的には後押ししたのだろうとわたくしは想像します。先に紹介した朝日新聞の記事にもありましたが、気象庁は注意を促す目的でこの名称を選びたかったようです。とあれば、「酷」というのは分かりやすい表現だったのでしょう。ですので私も、酷暑日が選ばれるのは当然だと考えます。
実はわたくしがアンケートで投票したのは「烈暑日」でした。地震の「烈震」(震度6)をイメージしました。震度は震度7が最高で、それは「激震」と呼びます。わたくしは、いずれ気温45度を超える日が日本でも出るであろうと予想しています。その際は「激暑日」とすれば震度と合うであろう、と思ったまでです。
もっと気になったことがありました。今回の酷暑日は、熱中症による被害を防ぐという狙いがあるなら、ずばり効果を達するのでしょうが、本来、過酷であるとか過酷ではない、というような「個人の感情や印象」というものは、あくまで人間ひとりひとり、個人が自分自身の判断、責任をもって感じ取る、意思を決定するものであって、個人の主体的な意志の判断に権力機構はできる限り介入するべきではない、というのが本来のわたくしの考え方です。確かに気温40度にもなればほぼすべての人にとって過酷な環境であって嫌でしょう。しかし「つらい」「嫌だ」という感覚はあくまで個人が主体的に認識するべきものであって、外部から「つらいでしょ? しんどいでしょ?」と呼び水を向けられて決められるものではないというのが、わたくしの感覚の基本にあります。
その点、地震の表現はあくまで物理的な現象の激しさ、強さを象徴的に示しているのでわたくしにはすんなりと共鳴できたものです。ちなみに震度はかつて6までで、福井地震(1948年、昭和23年)の被害状況から新たに7が設けられた経緯があります。
気温を示す予報用語としても、以前は最高気温が25度に達する「夏日」、30度に達する「真夏日」が長らく使われてきました。温暖化による気温上昇で35度以上の「猛暑日」ができたのが2007年でした。夏、真夏というのはそのまま季節を現すことばで、「猛暑」は暑さの程度がはなはだしいことを示すことばでした。酷暑も熱さの程度があまりにもはげしいことを示す意味になるでしょうから決して「程度の激しさを示す」という方向性から外れてはいないと理解はできますが、ほんの少しだけ「個人の気持ちの程度を個人ではない部分で決めていくのはどうなのか」と気になったのでした。
(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
☆
放課後児童クラブ事業を考えている民間企業の方へ朗報! 児童クラブ参入の手引きとなる「埼玉県 放課後児童クラブ新規参入スタートブック」が公開されました。全40ページ。フルカラー。冊子は2部に分けて埼玉県福祉部こども支援課のページで公開されています。なお本スタートブックは弊会が作成受託しました。
(前編)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook01.pdf
(後編)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook02.pdf
☆
「Wedge ONLINE(ウェッジオンライン)」にて2026年4月13日、「「こどもが学童に入れたから仕事も安泰!」なのか?小1、行き渋り、夏休み…いくつも存在する“学童保育の壁”とその対処法」という記事が公開、配信されました。(https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40473)。わたくし萩原が編集部の依頼に応じて寄稿しました。ぜひご高覧ください。
☆
「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。
☆
(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)
