2023年度の運営支援ブログ、注目を集めた記事はこれだ!注目記事ランキングと、2023年度の振り返り
学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。学童保育の問題や課題の解決に向け、ぜひ皆様もお気軽にセミナーや講演会のご依頼、学童保育に関するお困りごとのご相談などをお寄せください。
運営支援が本格的に活動を始めて1年です。2023年度は基本的に平日は運営支援ブログを更新してきました。今回は2023年度の振り返りとして、運営支援ブログで注目を集めた記事を紹介します。
<過去12か月でアクセスが多かったブログ記事>
第1位 「学童保育への「苦情、クレーム」問題を考える。実は案外、簡単です。」
6月27日掲載の記事です。児童クラブに勤めていると、現場も事務方も、苦情やクレーム、お叱りに正直、悩まされることがあります。その深刻さは私も身に染みています。よってこの記事の注目も高くなったのでしょう。記事には、「苦情やクレームには当然、解決する努力は必要です。その努力自体は、案外簡単です。「丁寧に話を聞くこと」「現実的に被害を受けたことが明白であるなら、それについては社会的常識としての謝罪をすること」「姿勢として、相手側の感情に寄り添う態度や口調を示すこと」「すぐに解決に取り組む姿勢を見せるが、絶対にその場で、解決策を安請け合いしないこと」「自分1人で対応することは絶対に避け、常に上司と連携して対応すること」」などど記しました。
第2位「児童虐待事案が発生しました。学童保育の質が問われます。」
2月16日の記事です。厳密には、2022年度の記事になりますね。神奈川県内の児童クラブで起きた児童虐待案件について触れた記事です。「事案に対する謝罪と反省をしっかりと行い、被害者側に誠心誠意の対応をすることを確実に理解していただくということを、絶対に最優先で行うべきです。もっとも最初に取り組むべきことは、人権侵害となった事案に対して誠実に向き合い、反省すること。そこから始めて間髪入れずに、二度と繰り返さないための再発防止策を大至急、講じることです。」と、私は記しました。
第3位「「言うことを聞かない子は学童で預かれません」と考える放課後児童支援員は、学童保育で働く資質はありません。」
7月7日の記事です。これは現場の職員を厳しく責める内容ですが、多くの現場で職員を苦しめる「荒れた学童」の状態を認識しつつ、それでも支援員の専門性向上に向き合わねばならないという趣旨の記事です。「私は、「言うことを聞かない、指示に従わないという子どもの状態に向き合っている支援員として、その子がそうすることの要因は何かと推測しているのか?保護者にはどう話をしているのですか?保護者の子育てについてはどのように相談したのですか?」と、問い返しすでしょう。「職員の行くことを聞かない、反抗する、そういう子どもこそ、育成支援が関わるべき子どもなんだよ」と言います。」と、記しました。
第4位「放課後児童クラブが大ピンチ!認定資格研修の免除や基礎資格緩和が提案中。絶対にダメ!提案理由全部ダメダメ!」
9月23日に記したブログです。この件、まだ決着がついたわけではなさそうです。どうなるのでしょう。ブログでは「保育士や教員免許を持っている場合は、放課後児童支援員認定資格研修を「免除」することを認めてほしい、ということ。そしてもう1つが、資格等を保有しない(=無資格、ということ)が学校等で実務経験がある短時間勤務教員等も基礎資格に加えてほしい、つまり基礎資格(保育士や教員、社会福祉士、実務経験)の「緩和」ということです。「免除」は、絶対に認められてはならないと私は考えています。」と記しました。
第5位「学童保育所に必要な安全管理体制として、防火管理者を必ず配置し、避難訓練を徹底して行いましょう。」
4月21日のブログ記事です。具体的な運営実務上のノウハウの記事はやはり注目されますね。ぜひ「この点はどうしたらいいのかブログで紹介してほしい」とリクエストをいただけるとうれしいです。この記事では「 学童保育所(放課後児童クラブ)の場合、明確に業種名を掲げられてはいませんが、社会福祉施設として、「特定用途」(特定防火対象物)として、その場所に30人以上の人員がいると考え、甲種防火管理者の配置が必要となります。 地元の消防署に問い合わせれば、丁寧に教えていただけるでしょう。防火管理者になるには消防署が指定する講習を受ける必要があります。講習は日程が限られているので、すぐにでも問い合わせてください。 」と紹介しました。
過去12か月ですと、掲載日が前の記事ほどアクセスが多くなりますので順位も上にきます。
<過去1カ月でアクセスが多かったブログ記事>を参考までに紹介します。
第1位「学童保育への「苦情、クレーム」問題を考える。実は案外、簡単です。」
第2位「学童保育の国の補助金、常勤職員2人分に改善見込みは喜ばしいですが、常勤の年収310万円程度ではダメ!」
第3位「放課後児童クラブが大ピンチ!認定資格研修の免除や基礎資格緩和が提案中。絶対にダメ!提案理由全部ダメダメ!」
第4位「「言うことを聞かない子は学童で預かれません」と考える放課後児童支援員は、学童保育で働く資質はありません。」
第5位「放課後児童クラブ運営指針の改定作業が始まりました。大事なことですが、国はもっと大事なことに取り組むべし」
ブログ記事が「じっくり読まれているか」の観点でも順位をつけてみました。(ただ記事が長くでご覧になられる時間が長くなってしまっただけ、かもしれませんが)
<平均エンゲージメント時間の上位5記事>(記事を表示して読んでいる時間)
第1位「学童保育事業運営に役立つ「小さくても大事なこと」:その3「求人採用で最も気にするべきは社会人適性だ」」
11月29日掲載です。「求人応募者の採用について留意すべきことです。
・応募書類から性格や仕事ぶりが想像できる。訪問時の対応も含めて総合的に採用の可否を判断する。
・事業者の目指す理念や方向性に共感しているかどうか、念を入れて確認すること。
・育成支援の具体的な方法論を答えられないからバツではない。技術論は組織が教えるもの。
・社会人適性こそ重要。人の話を聞いて答えられること。文章の読み書きが不自由ないこと。喜怒哀楽があること。
・雇用労働条件は確実に伝える。試用期間中の待遇、就業可能日、通勤方法、住居、扶養の有無について確認漏れは厳禁!」と記しました。
第2位「放課後児童対策パッケージの内容を確実に実施させるために、国は、本質的な問題解消に手を付けてください!」
12月31日掲載です。「パッケージの内容を確実に市区町村に履行させるために、時限措置でいいので「補助金の支給割合変更による市区町村の財政負担の軽減」と、「投じた予算が確実に事業執行に費消されるための法規制」の2点を、2024年度(令和6年度)に実施していただきたい。」と主張しているブログです。
第3位「学童保育って、今川焼きみたい?」
実はこのブログは2022年12月27日掲載のもの。学童保育の形態が全国でバラバラなことを、その呼び名がこれまた全国でさまざまにある「今川焼き」になぞられてつづったものです。ああ、また今川焼きを食べたくなってしまいました。私は実は高校~大学時代に和風ファストフートチェーン(「チェポ」という企業でした。一口茶屋という商号に変わったようですが)で、たい焼き、今川焼き、たこ焼き、焼きそば、お好み焼き、なんでも手早く上手に作れる優秀なアルバイトでしたので。今でもたこ焼きを上手に焼ける自信がありますぞ。
第4位「学童保育を構成する要素を点検する。その3:保護者(利用者)の認識と期待する内容が、学童保育側と異なる現状」
11月22日のブログ記事です。「・学童保育所を利用する保護者の多くが学童保育に対して望むこと、期待することは「預かり」である ・学童保育所に期待することはその利用料と関係する ・学童保育所の重要な使命である育成支援については、その価値が十分に理解されているとはいえない ・学童保育所に対する社会全体の認識が、育成支援を評価し重要とならない限り、育成支援の学童保育所は消える」とつづりました。
第5位「学童保育を構成する要素を点検する。その5:職員の本音はどこにあるのか。理想ばかりでは職員はうんざりする」
11月24日のブログ記事です。「・職員の資質に差があるのは現実。資質が高い職員を増やすには構造的な改革を大前提として効果的な研修が必要 ・すべての職員が保護者との協働で育成支援を行いたいと思わない方がいい。理念の押し付けはしてはならない ・職場が無くならないのであれば、安定した給与があれば雇用主はどこでも構わないという職員の方が多いだろう」と記しました。
ここに紹介したブログ記事で、まだご覧になられていない記事がありましたら、ぜひご高覧いただけますと幸いです。1年後、この運営支援ブログが存在しているとして(存在しなければなりませんぞ!)、どのような記事が読まれ、注目されるのでしょうか。1年後にまた同様に紹介しましょう。
さて、2023年度を運営支援の事業執行から振り返ります。2023年度は、このようなことがありました。
・小1の壁、夏休みの壁についてのメディア取材
・福島県浅川町の「あさまる児童くらぶ」におけるスキルアップセミナー
・宮城県石巻市の「放課後児童クラブBremen」主催の放課後児童クラブ勉強会講師
・児童クラブに入所を断られた事案への相談対応と援助
・日本弁護士連合会の「指定管理者制度による営利企業参入による問題点」勉強会講師
・児童クラブの不祥事におけるメディア取材
・愛知県津島市の指定管理者問題
・その他、NPO法人や支援員個人、保護者の個人からの相談
ご相談、ご依頼いただいた皆様には改めて謝意を申し上げます。
それでも、まだまだごく小規模の活動に留まった2023年度です。児童クラブの世界、業界にも、まして社会や世間にも、「学童保育の運営支援」という事業の存在や意義を、ほとんど浸透、周知することができませんでした。私の力不足です。ということは事業としても全然、成り立っていないということでもあります。課題は分かっています。2点あります。
・児童クラブの運営に関して「課題、問題」があることを承知していても、運営支援に相談する必要性を感じない。運営支援が役に立つとも思えない。
・児童クラブの運営に関して、「課題、問題」があることを認識していない。実はそのままでは近い将来、運営に支障をきたす事態になりそうであっても、その課題や問題の芽に気付かない。よって運営支援に相談することも思いつかない。
前者は、わたくし自身の力量不足です。私がもっと学び、的確な分析を発信することで児童クラブに関わる方々からの信頼を得る努力をしなければなりません。
後者は、わたくしが引き続きこの運営支援ブログを通じて警鐘を鳴らしていくとともに、近く刊行される本の続編も執筆するなどで、「いま、そこにある危機」に多くの人が気付いてもらえるように努力します。運営支援ブログは本格的に更新を始めた1年前よりもアクセス数は5倍ほどに増えています。でもまだ足りません。もっともっと多くの人の目に触れる運営支援ブログでなくてはなりません。
いずれにせよ、2024年度は勝負の年度です。日本版DBS法案や広域展開事業者による児童クラブ運営数の急増による放課後児童クラブの世界の激変の真っただ中にあります。営利保人のクラブも、非営利法人のクラブも、運営のさじ加減ひとつで安定かつ継続した事業運営が不可能となる時代となっています。それは当然、子どもの安全安心な居場所の喪失を招く恐れがありますし、職員の職業生活と家庭生活の安定も損なう事態となります。運営支援は、事業者の形態がどうあれ、最終的には、子どもの居場所の確保に重要な、児童クラブ職員の安定した生活を実現したいと考えています。
個人的には、このまま事業の先行きが確立せず安定した収入がなければ運営支援の活動をしたくても生活との兼ね合いで困難になりますから、その点も改善できればありがたいのですが。あと半年が限界かもしれませんし。
最近始めた全国の市区町村のHPから放課後児童クラブの様子を確認する試みですが、非常に興味深いことばかりです。想像はしていましたが、やはり市区町村が違えば、児童クラブの事業の形態や行政上の取扱いにも大きな差があることが明白です。こうしたことから気づく問題点や評価点を発信することもまた、社会に、放課後児童クラブへの興味関心を増すことにつながるだろうと期待しています。みなさまもぜひ、注目していただき、できれば、PRしていただければ助かります。
「あい和学童クラブ運営法人」は、放課後児童クラブ(学童保育)の世界をサポートします。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。
(このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば、当ブログの引用はご自由になさってください)