放課後児童クラブを退室する理由は何ですか

 国が行った調査結果では次の通りになっています。
1位 家族が見守ることとなったため(保護者の離職の場合を除く)  55.3%
2位 本人(子ども)の退所希望のため 33.8%
3位 習い事に通うため 33.6%
4位 転居(転出)したため 29.4%
5位 保護者が離職したため 28.9%
6位 学習塾に通うため 12.6%
7位 他の施設(児童館など)に通うため 12.3%
8位 その他 21.3%
(「令和元年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業 放課後児童クラブにおける育成支援の実態と保護者ニーズに関する調査研究 報告書 令和2年(2020年)3月 三菱UFJリサーチ&コンサルティング」より)

 全国の市区町村の多くが、放課後児童クラブの理由ができるための条件として、保護者が子どもと過ごせる状況になった場合は利用、入所申請ができないと定めています。調査結果1位には、そのような事情も影響していると考えられます。つまり、保護者の勤務時間が短くなった、同居する祖父母がいるようになった等で、家庭が留守でなくなり子どもの様子を見守ることができるようになったため、市区町村の決まりによって児童クラブを退所するようになった、ということです。

 2位は少し注意が必要です。「他にやりたいことが見つかった」という能動的な退所理由であれば子どもの成長を表すものですが、「児童クラブに行くといじめられる、つまらない、居心地が悪い」という消極的な退所理由であれば、本来は児童クラブを利用する権利があるところを阻害されているということになります。そのような事態を防ぐことは管理運営責任を担う児童クラブ事業者の務めであり、設置主体である市区町村もまた同様にそのような事態を防ぐための一定の管理責任があるものと考えられます。

(運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)