放課後児童クラブに入れず待機児童になりそうです。どうすればいい?
放課後児童クラブ(地域によっては学童保育所や、学童クラブといった様々な名前が付いています)に子どもを入所させたいが待機児童になるかもしれない。そういう状況が心配な子育て世帯は少なくないでしょう。待機児童になる、つまり「小1の壁」をどう回避するかは難問です。
待機児童になることを回避する最終的な解決法は1つしかありません。「待機児童を出していない地域に住む」ことだけです。つまり引っ越しとなります。「そんなことはしたくない」とほとんどの人が思うでしょうが、冷静に考えてみてください。待機児童になって保護者(それはだいたいにおいて母親)が正規職の仕事を変えて非常勤、パート職員になったり正規職を辞めたりする事態に追い込まれたら、働いて得られる収入の額は確実に減ります。それは家計を直撃します。子どもの教育にかける費用が満足に確保できなくなるかもしれませんね。であれば、長い目で見れば、確実に保護者が仕事を正規職員で続けられる状況であり続けることが、もっとも優先されるべきことです。
待機児童を出していない地域は案外多いものです。日本全国で小1の壁があるわけではなく、むしろ小1の壁がある地域は少数派です。市区町村のホームページを調べたり、あるいは市区町村に問い合わせれば待機児童の有無が分かりますから情報収集はしっかりとしましょう。
この「引っ越し作戦」は、マンションやマイホームを購入していしまった世帯には踏み切れないでしょう。ですから、「どこで子育てをするか」、つまりどの地域に住むのかは、特にこれから子育てをする世帯は慎重に調べてください。駅や学校までの近さは考慮されることが多いですが、学童保育や放課後児童クラブの待機児童の有無まではなかなかチェック項目に入らないようです。最近でこそ保育所の待機児童は激減したので(希望する保育所に入れるかどうかはともかく)保育所の待機は以前ほど深刻ではないようですが、保育所に比べて施設の整備が決定的に遅れている放課後児童クラブ、学童保育については、待機児童の解消はなかなか進みません。であれば、「もともと待機児童が無い地域」に住むことが何より欠かせません。
引っ越し大作戦が使えない状況であれば、「安全に過ごせる子どもの居場所」を探して利用できるようにしておくことになります。現状、残念ながらそう多くの選択肢はありません。下記の手段を組み合わせて子どもの居場所を確保することになるでしょう。
・徒歩で通える範囲に児童館があるか
・放課後子供教室(だいたい午後5時まで)が利用できるか
・図書館があるか
・そろばん教室、書道教室、学習塾など、大人がいて子どもの居場所となる場所を組み合わせて利用できるか
・ファミリーサポートへの登録
・民間学童保育所の利用
・同じように待機児童になってしまった世帯の子どもたちと一緒に過ごす(実は数十年前、同じような状況の親たちが集まって学童保育が誕生しました。学童保育は制度が先にあってそれを国民が利用し始めたのではなく、現実があって、制度が後から生まれたのです)
特に、低学年の間の夏休みや冬休み、春休みといった朝から夜までの子どもの留守番時間をどう減らせるかが大事な点です。上記の施設や制度を使えないときはどうしても自宅で留守番、ということになってしまいます。防犯に最善を尽くして、室内のライブカメラ等で子どもの様子をいつでも確認できるようにするしかないですね。心配で仕事どころではないのですが、児童クラブに希望する人が確実に入所できる時代が来るまで、自助努力で耐えるしかありません。また、そのような事態に追い込まれないためにも、これから児童クラブを利用する、あるいは利用しそうな子育て世帯には、念入りな情報収集をお勧めします。
(運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)