学童保育の仕事の魅力は?
「人間の成長を実感できる」ことが何より体感できやすい魅力です。放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)で働く職員たちが口をそろえて話すのは、「クラブではあんなに手のかかるやんちゃな子だったのが、ここで過ごした時間がとても大事だったと振り返ってくれてアルバイトをして恩返ししたい、と言われたときに感動した」とか、「クラブを卒所しても連絡をくれていて相談事もあって、そうこうしているうちに結婚することになって披露宴に呼ばれ、ドレス姿を見て感動した」ということです。
学童保育の職員はもちろん仕事として、業務として、クラブに在籍している子どもたちの日々の生活を支えるのですが、当然ながら子ども、そして保護者の今の生活や今後の過ごし方にも気を配っています。基礎的には「人間である以上、幸せに過ごす権利がある。その権利を支えるのが自分たちの仕事だ」という理解が児童クラブで働く者なら持っているからです。
子どもという、社会が守らねばならない存在を支え、その成長を後押しし、同時に子育てに悩む保護者に対しても力になる。そんな人助けこそ学童保育の仕事の魅力です。そしてその最大の対価は、子どもや保護者からの「ありがとう」の言葉と気持ちです。もちろん、労働の対償としての賃金はしっかり確保されねばなりませんが、それが実はとても貧弱なのです。その結果、「子どもたちや保護者からの感謝があるから、なんとか児童クラブで働き続けられる」という、「やりがい搾取」現象に陥ってしまうのもまた、児童クラブの世界で改善が急がれる部分です。
その他には、苦境に置かれている子どもや保護者を、その苦境から脱するための助力ができることも、仕事の魅力であり、やりがいであるといえるでしょう。虐待を受けている子どもを救ったり、配偶者からのDVに悩む保護者を関係機関と連携してその境遇から脱する手助けをすることもまた必要な仕事です。つまり児童クラブの仕事は福祉の仕事であり、それは社会的弱者を支える仕事だ、ということです。そこに魅力を感じている人もいます。
(運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)