学童保育のおやつ代はいくらぐらいですか?

 学童保育所(放課後児童クラブに該当するものとする)における「おやつ代」について、全国的に決まった水準や標準となる料金は存在しません。よって、どのようなおやつを提供するのかによって利用する世帯から徴収するおやつ代も異なります。およそ1,500円~2,500円程度が多いでしょう。おやつ代は毎月支払う利用料(保護者負担金、月謝、保育料)に含まれる場合も多いですし、おやつ代のみ別途、保護者で構成される保護者会が集金する場合もあります。

 おやつ代を決める最大の要素は、提供されるおやつの種類、内容です。
・業者から購入するか、購入するとしてもその利用頻度
・手作りおやつは食材の購入費が抑えられるので低コスト
・スナック菓子中心か、補食を想定してちょっとした食事のような献立にするか
・提供する品数

 これらの要素が組み合わさって必要なおやつ代が算定されます。学童保育所、放課後児童クラブの職員は、おやつ代として決められた予算内で、どうやって子どもたちが喜んでくれるおやつを揃えて提供しようか、日々、頭を抱えていると思ってください。おやつの献立決定は児童クラブ職員にはとても重要な業務です。季節感を出したい、食育面を考えたい、いろいろな思いがあっても、予算の限界があってなかなか思うようになりません。例えば月額2,000円のおやつ代で、月~土を開所している児童クラブの場合、児童数が40人として、1日に使えるおやつ代は、月25日間の開所と仮定すると、1日3,200円となります。これを40人で割ると、80円です。つまり、子ども1人につき80円の予算で、日々のおやつを提供しなければなりません。「〇〇い棒」1本だけではおやつ提供とはなかなかいきません。80円では到底、足りないことがお分かりになるでしょうか。
 まして、最近の食品価格上昇は大ピンチです。ありとあらゆる食品の価格が上がっており、おやつの量と数をそろえるのが困難になってきています。保護者においそれとおやつ代の引き上げをお願いするわけにもいかず、おやつに使える商品価格の高騰は児童クラブの運営を直撃しています。コスト抑制に効果的な手作りでも、昨今のお米の価格高騰は大変厳しいです。

 おやつ代についてはほとんどの市区町村で「月ぎめ」の料金にしています。月の途中で学童保育所、児童クラブを退所、退会するからといって、日割りで清算する自治体はかなり少ないです(皆無ではありません)。おやつ代は、全般的に予算が少ない中で、「まとめ買い」することによるスケールメリットを活かしてなんとか日々、提供できている状態です。クラブを利用する、しないからといって料金を日割り計算してしまうと、おやつ代が足りなくなってしまいます。実費負担の定義からするとクラブを利用しない日のおやつ代を保護者が支払うことは不必要なのはその通りですが、在籍している子どもの人数で算定されるおやつ代収入でなんとかおやつを提供できている状況ですので、「おやつ代は共同連帯」という意識を理解していただきたいというのが、運営支援からのお願いです。

 なお、おやつを提供していない施設も相当ありますが、放課後児童クラブ運営指針には、おやつの意義が丁寧に紹介されています。おやつを提供していない学童保育所、児童クラブは運営指針の内容をしっかり吟味することが必要です。

 (運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)